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きまぐれな日々

どうやら民主党は、というより小沢一郎は徹底抗戦の道を選んだようだ。そして、自民党は、というより麻生太郎は、「景気回復が最優先」だと言って、政権にしがみつき続ける道を選んだようだ。かくして「政治空白」は続く。

私がブログを始める直前に、「読み朝る毎」と称するブログキャンペーンがあって、当時ネットが主導していると言われた耐震偽装事件に絡んで、新聞報道なんか読むな、ブログを読めと言われたことがあった。しかし、ネット情報だけに頼るブログはだめだとその頃から思っていたし、その考えは今も変わらない。もちろん、新聞報道にはとんでもないバイアスがかかっているが、それを承知の上で読み解かなければならない。

小沢一郎の件に関しては、そもそもダムの建設といえば国土交通省の管轄なのに、どうして野党の政治家がかかわれるのかという疑問がある。もとは小沢は自民党の利益誘導型政治家の代名詞みたいな男だったから、人脈が残っているのかもしれないが、岩手県在住のsonicさんによると、小沢氏ははるか前に労組政治家に転身したとのことだから、なおさら疑問は強まる。東京地検からのリークに基づいていると思われるマスコミ情報も、事実がどうか疑わしいと指摘されるものがずいぶん多く、率直に言って、かなり無理筋なのを承知の上で、検察は強引に捜査を進めているように見える。

そもそも、『日本がアブナイ!』が指摘するように、検察は「司法」の性格も持つけれども紛れもない「行政機関」であって、今回の捜査にしても麻生太郎首相の同意を得ているに決まっているのである。行政機関である検察は、常に「国策捜査」を行う。

だが、それとは別に、今いちばん政治に求められているのは、日本経済が危機的状況にある現在、思い切った雇用確保や内需拡大のための財政出動を行うことである。テレビのニュースでは、中国で「内需拡大」の垂れ幕が掲げられて、巨額の財政出動をしていることが報じられている。しかし、麻生内閣は、わざと景気対策をチョロチョロ小出しにしている。いうまでもなく、政権を延命させるためだ。そして、小沢一郎にダメージを与えることによって、与党自民党同様、民主党も身動きをしにくくしようとしているのだ。

民主党が本当に「国民の生活が第一」と考えるなら、こんな麻生の作戦に乗ってはならないはずだ。森田実氏は、下記のように主張している(『森田実の時代を斬る』 2009年3月5日付)。

[1]小沢一郎氏が検察当局を批判して、自己の正当性を守るために戦うことは、小沢氏の当然の権利であり、当然のことである。小沢氏の支持者が、小沢氏を支持して、検察当局と戦うことも、また当然の権利である。
[2]しかし、この問題を国政の中心テーマにしてはならない。今日の日本の国政の中心テーマは、国民経済を守ることである。政府として不況対策を実行し、国民生活と国民経済を守ることである。これが、近い将来行われる衆議院議員選挙の中心テーマでなければならない。民主党は小沢代表を先頭にして検察当局の “国策捜査”との戦いを中心に据える方向に動いているが、これは慎むべきである。国政全体から見れば、主は経済である。“国策捜査”問題は重要だが、「主」とはいえないと思う。「木を見て森を見ず」の態度はとるべきではない。
[3]小沢代表ら民主党の執行部は、民主党全体を動員して、小沢事務所に対する検察当局の“国策捜査”と戦う構えだが、これによって多くの有望な民主党の若手候補者が危機に立つことは明らかである。民主党執行部が、強大な司法権力に対して民主党全体として戦いを挑んだとき大多数の国民が民主党を支持すると考えているとすれば、甘い、甘すぎる。
[4]小沢一郎氏が、検察当局の行為を理不尽と考えるとすれば、これと戦うことはよい。当然の権利だ。だが、この問題を国政のすべてに優先する中心テーマにしてはならないし、また、民主党全体を巻き込んではならない。政治指導者はつらいものである。ときには孤独に耐えて戦わなければならない。小沢氏はいま孤独に耐えなければならない。民主党全体を巻き込むのは慎むべきである。民主党は正念場である。
[5]民主党は、清潔な国民に支持されるよいイメージを持った若手政治家を代表につけて、総選挙に駒を進めるべきである。早くこの方向に転換すれば、「禍を転じて福となす」道が開かれるだろうと思う。小沢氏一人の民主党ではない。民主党は国民のものなのだ。


全国を回って、地方の惨状を目の当たりにされ、地方の保守の人たちの声に耳を傾けてきた森田氏ならではの説得力のある訴えである。このうち[5]は実現しそうにないが、[2]だけは絶対におろそかにしないでほしい。

今朝の朝日新聞の「天声人語」は書く。

 俳優出身の米大統領だったレーガンは才があったとみえ、気の利いた言葉をいくつも残している。「政治家は悪い職業ではない。成功すれば多くの報奨があるし、失敗したらいつでも本が書ける」など、なかなか機知に富んでいる▼本とは、職を退いて書く回顧録のたぐいだろう。その言に従うなら、執筆のペンを手にしかかっていたのが麻生首相だ。支持率は沈み、「麻生おろし」が吹きつのった。追い落としの急先鋒(きゅうせんぽう)が民主党の小沢代表だった▼それが一夜にして、小沢氏にもペンの用意が必要な事態になった。攻守所を変えるのかと思いきや、「奇妙な均衡」が与野党間にあるらしい。小紙政治面によれば、自民党は問題をかかえる小沢氏に代表を続けてほしいのだという▼同じように民主党も、不人気な麻生氏を相手に選挙に臨みたいそうだ。互いのマイナスイメージへの期待だろう。天王山を控えて、敵が喜ぶ大将とは情けない。野球の貧打戦を見るような、お寒い政治の光景である(以下略、『朝日新聞』 2009年3月6日付より)


野球の貧打戦といえば、開幕したWBCで日本はイチローの不振が響いて、大勝して当たり前の中国から5安打4点しか奪えず、安打数だけからいうと中国と同数で、勝つには勝ったもののすっきりしなかったが、それはさておき、こんな経済状況のときに、「奇妙な均衡」が生じて政治が停滞するというのは最悪である。

「天声人語」は、このあと「どっちもどっち。選挙で将来を託したいのに受け皿がない」などと書いていて、相変わらず自民党と民主党しか眼中にないらしく、両党を刺激するために、共産党なり社民党なり国民新党に投票する選択肢から目をつぶっており、結果的に自民党に手を貸しているように私には思えるが、そのあたりが朝日新聞の限界だ。書き出しでレーガンの言葉を引用しているも気に食わない。しかしそれでも、「奇妙な均衡」に対する批判は正しい。森田実氏の書く、「小沢代表を先頭にして検察当局の “国策捜査”との戦いを中心に据える方向に動いている」ことを後押しする「読み朝る毎」批判のブログの主張よりは、私には説得力がある。

本当に「国民の生活が第一」と考えているのなら、民主党はいつまでも「国策捜査」批判ばかり声高に叫び続けてはなるまい。


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やはりというべきか、小沢一郎も麻生太郎も、民主党も自民党も、「なんだかなあ」という動きを見せた。

「自End」ブログ界隈では、国策捜査だとして検察を批判し、小沢一郎を擁護する見方が多い。東京地検に関しては、かつて魚住昭が岩波新書の『特捜検察』(1997年)でその仕事を称賛しながら、4年後に文藝春秋から出した『特捜検察の闇』(2001年、その後文春文庫に収録)では一転して「国策捜査」を批判した。私は、後者を先に読み、前者をあとから読んだので、岩波新書の方の検察ヨイショぶりには苦笑させられた。「左」のはずの岩波で権力礼賛の本を出し、「右」のはずの文春から権力批判の本を出した魚住昭が佐藤優に接近してしまったのは、佐藤が『国家の罠』で国策捜査を批判したところが琴線に触れたのだろう。その佐藤優のでたらめぶりは、昨日hagakurekakugoさんのブログ『解決不能』が、「佐藤優をありがたがる人がわからない」という傑作なエントリを上げているので、是非ご参照いただきたい。雨宮処凛も、ましてや湯浅誠も、佐藤優ごときには接近しない方が良い。佐藤は、はったりで生きている人間である。

国策捜査云々をあげつらう主張に対しては、自民党や同党の支持者から批判が出ている。中には、「検察は以前はおかしかったが今回はまとも」などというご意見もコメント欄で目にしたが、私は基本的に権力を信用していないので、検察はいつだって国策捜査をやると考えている。だが、それが結果的に国民の多数だとか個々人が支持する側の利害と「たまたま」一致する場合もあるというだけの話だ。3年前のライブドア事件の強制捜査の際、大谷昭宏が「これは良い国策捜査だ」と言った。私は「うまいこと言うなあ」と思って、しばしばこの大谷の言葉を肯定的にブログで引用しているのだが、それに対して批判を浴びることが多い。だが、国策捜査をするのが検察の常態だと考えている私にとっては、「良い国策捜査」が検察のできる最上の仕事だとしか思えないのである。私はそこまでに検察の仕事を見くびっている。今回は、自民党や同党の支持者にとって「良い国策捜査」だったに違いない。ライブドア事件の時には、新自由主義に反対の立場をとる者にとって、「良い国策捜査」だった。それだけの話だ。

仮に国策捜査であったところで、小沢一郎は代表を辞任して菅直人を後任に据えた方が良いと私が考える最大の理由は、その方が衆院選を見据えてリスクが少ないからだ。天木直人氏がブログで主張するように、「党首を一新して自公政権の政策の行き詰まりを引き続き責めるべき」なのだ。小沢一郎をかばい続けていると、どうしても守勢に回る。これまでの勢いは完全に止まるし、捜査の進展によっては大きく後退を余儀なくされる。これまでだって、民主党が攻め込んでいたのではなくて、漢字が読めず解散もできず、ましてや雇用や景気の有効な対策など到底打てない総理大臣や、あろうことか昔で言う蔵相サミットのインターバルの昼休みに大酒かっくらって泥酔していたアル中の前財務相ら政府与党が勝手に自滅していただけだったが、そんなやつらに反転攻勢を許すようでは、民主党の存在意義など何もなくなってしまう。しばらく共産党に政権を渡して政治をやらせてみたほうがよほど良いと思えるほどだ。

なお、過去には典型的な利益誘導型の政治家だったが、現在は野党の政治家である小沢一郎について、岩手県在住のsonicさんからコメントをいただいているので、以下に紹介する。四国の民である私にはわからない、貴重な地元の声という位置づけである(但し、sonicさんは小沢一郎の岩手4区ではなく、岩手2区の地域に在住されている)。コメントは3件いただいている。まず1件目。

岩手2区です。
こちらでも話題になってます。
かなり動揺がひろがっています。
ただし、こちらの動揺の仕方はこうです。

小沢一郎は田中角栄型の利権誘導政治家だったことはみんなが知っている。
小沢一郎がゼネコンと癒着していたことなど常識だ。
それが、この時期に叩かれるのは陰謀に違いない。
これを乗り切っても大久保さんが殺されるかもしれないし、次は小沢さんが殺されるかもしれない。

ちなみに今朝話をしたのは大久保さんの親戚。(偶然でしたが、人間関係が密なので、こういうことは案外普通にあります。)

でも、これで年間3万人が自殺する政治を続けることを選ぶ方が嫌です。
岩手2区の有権者は、自民党支持者以外、共産党も含めて小沢辞任を求めないでしょう。
逆に小沢支持で固まると思います。

と言うか、東京で騒げば騒ぐほど岩手人は反対方向を目指すでしょう。
かえって「岩手県民は日本人にして日本人にあらず」という意識に火がつくような気がします。

2009.03.04 10:43 sonic


このコメントに対して、「すると岩手県民というのは、汚職、賄賂政治オーケー、朝鮮・中国による日本のっとり大歓迎と言う県民性ということになるんですか?」という、ネット右翼のコメントがついた。それを受けての2件目。

民主党の小沢一郎にはゼネコンに影響力なんて無いですね。
小沢一郎が労組側に寝返って民主党に合流したのは、高弥建設が破綻し、地元組織をほぼ完全に失ったからでした。
岩手県と言うか東北の建設業界は小沢一郎に公共工事の利権分配を期待して支援していたのですが、中央では新自由主義を標榜していた小沢一郎は建設関連予算の縮小に抵抗しませんでした。
そこで、高弥建設破綻後に岩手県建設業政治連盟の指導的対場にたった宮城建設は、建設業界の政治離れを宣言し、建設業界による小沢支援はなくなりました。
要するに、建設業界に見限られたことが小沢一郎の民主党合流の背景なわけです。
こんなことは、建設業者なら誰も知っていることなので、西松建設が小沢に献金したとして見返りを期待していとはちょっと考えられません。
予算編成に影響力を及ぼせない今の小沢は建設業界に利権をもたらすことが出来ないからです。
おそらく、小沢が政権をとると見て、先物買いで関わっておこうとしたのでしょう。しかし、今の小沢は労組政治家なので建設業界の支援を必要としません。

逆に自民党時代の新自由主義者小沢一郎ならば、典型的な田中角栄形のゼネコン支配だったので、叩けばいくらでも埃がでます。
自民党とはそう言うものです。
この場合、小沢には、それでは駄目だと思ったから党を出たと言う言い訳が成り立つでしょう。
実際、自民党を抜けたあとの小沢は利権誘導家として動かなくなり、先に述べたように公共工事は減っていき、地元建設業界は小沢を見限りました。

今、小沢の最大票田になっているのは日教組(岩教組)です。
固定的な大票田で頼りになるでしょうが、小学校の先生方では政治献金はしませんね。

2009.03.04 19:17 そにっく


ところが、マスコミは「西松建設はダムの受注を期待して小沢氏に献金した」と報じた。これを受けての3件目。

あら、西松、ダムの受注を期待していたと言っているという報道がありましたね。

これ、おかしいな。
西松建設、何考えてたんでしょうね?
高弥建設がどうなったか知らないはずないのに。

可能性
1、西松の証言は検察のでっちあげ。
2、西松は検察に協力して、口裏を合わせている。
3、西松は、建設業界における小沢の影響力低下を理解できず、本気で見返りを期待していた。
4、西松は、建設業界における小沢の影響力低下をわかった上で、それでも見返りがあるだろうと期待し、勝負をかけていた。
5、西松は、首相就任後に小沢の影響力が復活すると信じ、勝負をかけていた。

5かな?

2009.03.04 21:20 そにっく


私もおそらく、西松建設の献金は「先物買い」ではなかったかと思う。小沢一郎は過去に田中角栄直系のゴリゴリの保守本流の政治家だったから、政権交代後のことでも考えたのだろうか。だが、一昨年に屋山太郎が「小沢自治労」と呼んだ小沢一郎は、確かに労組頼りの政治家に変わっていて、民主党に合流した当初、新自由主義系の議員の期待に反して、その名も「小さな政府研究会」という彼らの勉強会には加わらず、旧社会党系の議員と親密になったといわれていたと認識している。

ただ、西松建設からの献金は、自民党議員にも多く渡っているが、小沢一郎への献金が飛び抜けて巨額だったのも確かで、「国策捜査だろうけれど、公設第一秘書の逮捕にまで至ったのだから、小沢一郎は潔く代表を辞任すべき」という私の意見は変わらない。特に衆院選で民主党が勝つことを考えた場合、ここは「辞任」の一手だと私は思うのだが、予想通りとはいえなかなか期待通りにはことは運ばない(笑)。

期待通りに行動しないのは、麻生自民党も同じだ。昨日参院本会議に欠席して党に造反したコイズミのほか、コイズミ政権当時内閣総理大臣秘書官を4年以上務めた側近の小野次郎議員が採決前に退席したが、自民党はコイズミにはオトガメなしだったのに、小野議員を戒告処分にした。これにはぶっ飛んだが、よくよく考えればいかにも自民党らしいと思った。なぜなら、自民党政権は金持ち減税や法人税減税を行う一方で、社会保障を削減し、消費税増税を虎視眈々を狙っているからだ。上に厚く下に薄いのは自民党の習い性であり、その体質を露呈しただけの話だろう。

この件で、麻生太郎はいまだにコイズミの呪縛から脱していないし、脱するつもりもないことがはっきりした。麻生太郎の「脱カイカク」はポーズに過ぎず、麻生一派もしょせんは金持ちや大企業経営者のための政治家であって、国民のために政治をしてくれるなどとは間違っても期待できない。勝手に自滅しておきながら、小沢一郎の失策によって解散のタイミングを測っているだけであって、そんな状態で間違って衆院選で自民党が勝つようなことがあったら、それは新自由主義系の議員が大量に生き延びることを意味し、日本はいよいよ破滅への道を突き進むことになるだろう。自民党が「国民政党」として復活する可能性は、やはりほとんどない。麻生太郎は最後のチャンスも逃そうとしている。

予想通りとはいえ、民主党も自民党も賢明とはいえない動きを見せた。残念だが、日本の政治が良くなるのははるか先のことになりそうだ。


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3日、準大手ゼネコンの西松建設の裏金問題に絡んで、民主党・小沢一郎代表の公設第一秘書の大久保隆規容疑者が政治資金規正法(虚偽記載)の疑いで逮捕された。

週刊誌がこの件に絡んだ小沢一郎の疑惑を書き立てていたのは知っていたが、小沢一郎をめぐる噂は今に始まったことではない。山田洋行をめぐる防衛疑獄も、最終的にはコイズミを頂点とする利権構造があると思われたが、小沢一郎も山田洋行との親密な関係を指摘されていた。結局、この件では政治家の立件には至らなかった。また、朝日新聞の社説も、

小沢氏の政治資金をめぐっては、2年前、政治団体名義で東京都内や地元岩手県にマンションなどを所有していることが「財テクではないか」と批判を浴びたことがある。

と指摘している。今回も、噂だけで立件には至らないのではないかと漠然と考えていたので、まさかこの時期に小沢氏の秘書が逮捕されるとは思わなかった。

民主党は「国策捜査」、「陰謀」などという言葉を用いて反発しているが(特に鳩山由紀夫幹事長)、民主党の応援団ともいえる朝日新聞の社説でさえ、

党首の資金団体の会計責任者である側近逮捕という深刻な事件だ。政府与党の陰謀だなどと反発するだけで済まされるはずがない。

トンネル献金の事実は本当になかったのか。小沢氏自身のかかわりはどうだったのか。小沢氏は自ら国民にきちんと説明しなければならない。

と書いているのだ。これが正論だと私は思う。このまま小沢代表のもとで解散総選挙という事態になると、この件は与党の絶好の攻撃材料となる。民主党絶対有利と言われた選挙の情勢は一変した。

国策捜査ではないか、と言われたら、その可能性はかなり高いと私は思う。2002年、コイズミの政敵だった鈴木宗男と辻元清美が相次いで逮捕されたことがあったが、これらと同様、本件は国策捜査でないと思うほうが不自然だ。鈴木宗男の件については、佐藤優の唯一評価できる著書である『国家の罠』に詳しい(私は佐藤優に対してきわめて否定的だが、この著書にだけは一定の評価を与えている)。

しかし、特に政権末期ともなると、権力側も延命のために必死なのだ。そうでなくても、典型的な旧保守の政治家である小沢一郎は、叩けばいくらでもほこりが出る人物だ。選挙は勝たなければ意味がない。これまでの功績は功績として、ここは小沢一郎氏には、潔く代表の座を辞任してほしいと思う。早期の解散総選挙が考えられる時期でもあり、代表選などは行わず、代表代行の菅直人を後任とするのが望ましい。理解不能の発言を連発する鳩山由紀夫は不適任だ。2001年の参院選で惨敗したことに見られるように、国政選挙における実績もない。菅なら、2003年の衆院選で躍進した実績がある。

小沢一郎には、2005年の郵政総選挙で惨敗し、翌年の偽メール事件で大きく信用を損ねた党勢をわずか1年あまりで立て直し、参院選での圧勝を導いた功績がある。それは認める。特に、おそらく新自由主義の没落を見越してか、それまでの「カイカクを競う」路線から「国民の生活が第一」の路線に転換したことが大きかった。この路線なくして、一昨年の参院選の勝利はあり得なかっただろう。しかし、実際には、小沢一郎自身を含めて、民主党議員の体質には、新自由主義的だったり、旧保守的だったりして、急激に変化している現代社会に十分対応できているとはいえない。ここで新自由主義的というのは、「小さな政府」志向のことで、松下政経塾出身の議員に顕著な傾向だ。また、旧保守的というのは、「小さな政府」志向ではないが、土木・建設業とのつながりの深い、自民党旧田中派の系譜に連なる政治家に顕著な傾向で、小沢一郎はまさにその典型に当たる。そうではなく、医療、教育、再生可能エネルギーなどに金を使う「サービスの大きな政府」が現在求められているのだが、政治家は全然時代の流れについて行っていない。今こそ、民主党にも新しい血が必要なのだが、とりあえずは選挙に勝たなければならず、それには菅直人が最適任だ。そして、そう遠くない将来、菅直人から次世代の若手に政権のバトンを渡せばよい。

一方、党内にコイズミ一派らによる「麻生降ろし」、党外に民主党という「内憂外患」を抱えて手詰まり気味だった麻生太郎首相にとっては、絶好の衆議院解散の好機が到来した形だ。昨夜、『kojitakenの日記』にも書いたが、ここで麻生が早期解散に踏み切らなければ男でない、そう私は思う。早期解散なら、代表の秘書逮捕で浮き足立つ民主党に攻め込めるとともに、コイズミは既に引退を表明しているので、選挙後には「ただの人」になるコイズミの影響力を無化できる。麻生にとっては一石二鳥である。このタイミング以外に解散のチャンスなどあろうはずがない。

もし麻生がコイズミカイカクの路線から決別したいと本気で考えていて、かつ民主党より優れた政策を実施できる自信があるならば、絶対に早期解散を行うべきだ。

きたる総選挙は「コイズミカイカク審判選挙」であるべきなのである。これまで、首相の漢字誤読や前財務相の「もうろう会見」などに助けられてきただけに見える民主党の政策が国民の心をとらえられるものであれば、代表の秘書逮捕があったところで民主党は十分戦えるはずだ。そして、自ら早期の解散総選挙を訴えてきたのだから、今さら民主党のほうから時間稼ぎをすることなどあってはならない。

そして、国民にとって最大の関心事は、雇用問題である。今年に入ってからの国会論戦では、なぜか自民・民主両党とも、雇用問題の議論を避けてきたように見える。選挙では、雇用問題で国民の心を捉えた方が勝つ。自民、民主の両方に満足できなければ、共産党が大きく伸びるだろうし、共産党の勢力伸張が、自民・民主両党の政治家に緊張感を与える展開は、国民にとっても望ましいことだと思う(但し、共産党の議席数は小選挙区制によって阻まれ、劇的には伸びないだろうけれど)。私は必ずしも共産党は支持しないけれども、現在の日本にとっては大いに必要な政党だと考えている。

今こそ、国民の生活を第一に考えた政治が求められる時期なのである。


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