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きまぐれな日々

民主党の鳩山幹事長が、平沼赳夫との連携に前向きな姿勢を見せたと報じられてのを知って、改めてうんざりした。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2008051200243

平沼氏との連携に前向き=民主・鳩山氏

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は12日午前、無所属の平沼赳夫元経済産業相が次期衆院選前の新党結成に意欲を示していることについて「平沼氏は自民党にひどい仕打ちをされ、愛想を尽かしていると思う。新たな動きをされるときは、日本の政治を大きく塗り替える方向で極力、協力を願いたい」と述べ、連携に前向きな考えを示した。都内で記者団に語った。

(時事通信 2008年5月12日 11時47分)

鳩山由紀夫がここまではっきり平沼との連携を口にするとは、民主党と平沼の連携話はかなり進んでいるのではないか。

ここで気になるのが静岡7区の動向だ。ここは、コイズミチルドレンの片山さつきと郵政民営化に反対して自民党の公認を得られず落選した城内実、民主党から立候補を予定している斉木武志の三つどもえが予想されている。城内は平沼の子分格だから、もしこの連携話が進んだら、民主党は斉木氏を他の選挙区に回す可能性がある。

それを牽制しているのが、片山さつき陣営だ。同氏の「さつきブログ」は、先日隣接区の自民党議員に絡んだ筆禍事件を起こしたらしいが、5月10日付記事 「ゲンダイと喜八ログはリンクが早いですね」 では、こんなことを書いている。

他の党幹部のかたが、「郵政造反落選組は、民主党に頼み込んで、3つどもえじゃ勝ち目がないので調整してくれ」という話を連休中にしたらしいよ」と教えてくれました。「テレビインタビューによると、うちの選挙区の落選元職は自民党批判と民主党批判の両方をやってましたよ、事務所のビデオにとっておきました」「そんなことすぐに、ころと翻すよ、節操ないから。だって極右の西村信吾(原文ママ)から、人権擁護法案推進派までいれた落選組救済新党つくるらしいから。」

(「さつきブログ」 2008年5月10日付記事 「ゲンダイと喜八ログはリンクが早いですね」 より)

「極右の西村信吾(むろん西村眞悟のことだろう)から、人権擁護法案推進派までいれた落選組救済新党」というのは、平沼新党のことなのだろうか。片山陣営から見れば、三つ巴であれば反自民票が城内と斉木に分かれるので勝ち目があるが、連携話が進めば、前回の選挙でさえ接戦だった片山は、いきなり不利になる。それで上記のような牽制を行ったのだろう。それにしても、自らのブログでこんなことを書くとは、片山さつきにもかなりの危機感があるものと思われる。

だが、寄せ集めの落選組救済新党というのは、ある意味平沼が構想している新党の性格を言い当てているのではないだろうか。

スポーツニッポンには、こんな記事も出ていた。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2008/05/12/02.html

平沼議員 選挙前に新党“侍”結成か

 郵政造反組で無所属の平沼赳夫元経済産業相が11日、フジテレビ「報道2001」に出演し、次期総選挙前の新党結成に強い意欲を見せた。平沼氏は「選挙前に新党を立ち上げるのもやぶさかではない」と話し、名称については「新党侍」とする意向も示した。状況次第では次期衆院選後に自民、民主両党に続く第3極となる可能性もあり、言動が注目されている。

 「昔、侍ということを言われた気がします」と平沼氏。番組司会者から「新党“侍”ですかね?」と問われ、「ええ、侍がいいんじゃないかと。日本は“侍精神”を持っている。そういう良い政党の名前を考えねばならないと思っている」と力強く話した。

(中略)

 民主党の小沢一郎代表とは先月28日に都内の料亭で会談し、民主党への協力を要請された。その2日後には、自民党の伊吹文明幹事長と食事。今月8日には国民新党の綿貫民輔代表らと会談するなど、各党の幹部と会談を重ねている。平沼氏は「キャスティングボートを握るのが新しい受け皿の使命」としており、次期衆院選後に過半数に届かない「自民・公明」か「民主党を中心とした野党連合」と組んで“平沼新党政権”を発足させたいところだ。

 ただ、平沼氏は「HANAの会」(平沼氏、麻生太郎前幹事長、中川昭一元政調会長、安倍晋三前首相)のメンバーとの関係が強く、「民主党よりも自民党寄りの第3極になるのでは」(永田町関係者)との見方も。その一方、「小沢氏が平沼新党に民主党議員をレンタルして、選挙後に連立を組む。その際の首班は平沼さん」(与党関係者)との臆測も出ている。

(スポーツニッポン 2008年5月12日)

この最後の「憶測」などが現実になったのではたまったものではない。11日の「報道2001」で見せたヒステリックなまでの反中の主張を平沼首相が叫んだりしたら、日本の国益に大きなダメージを与える。

11日の「サンデーモーニング」に出演していた寺島実郎は、「日本ではチベットと北京五輪とギョーザ問題が三題噺みたいになって対中非難が盛んだが、環境問題や、あまり言われないが知的財産権の問題で、中国を国際ルールに従わせるための話し合いのテーブルにつかせなければならない」と主張し、チベット問題にばかりこだわる江川紹子と対照を見せた。寺島実郎は、民主党に近い主張をする人のはずだし、これが冷静な正論だと私は思う。だが、平沼が首相になったりしたら、政権はこんな方向性をとることはできないだろう。折りしも、四川省で大地震が起き、8500人超の死者が出たと報じられている。阪神大震災の経験を持つ日本は多くのノウハウを持っているはずだから、救済や復興に援助すべきではないだろうか。

平沼赳夫を首相にするというのは、1994年の自社さの裏返しの発想ともいえ、権力を握るためなら何でもやる政治家たちならやりかねないという危惧を持つ。これは亡国への道だ。民主党には理性的な行動を求めたい。


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昨日(5月11日)放送されたフジテレビ「報道2001」に平沼赳夫が出ていた。この平沼赳夫は、きたるべき政界再編において、キャスティングボートを握ろうとしている極右政治家で、郵政民営化に反対票を投じて自民党を離党し、その後も復党していない。自民党や民主党にいる極右政治家を集めて新党を立ち上げ、自民党と連立を組むことを目指していたが(昨年10月27日付エントリ参照)、先月末には民主党の小沢一郎代表と会談したと報じられた。

当ブログは、5月3日付エントリで、「民主党は平沼赳夫一派との連携を模索するな」と主張したが、コメント欄の反応は芳しいものではなく、一級の政治家である平沼を、改憲派というだけで「極右」扱いするのかとか、リベラル・左派の方からも、「不愉快なタカ派政治家だが、信念を持って郵政民営化に反対しただけマシ」などというコメントをいただいた。実際には、同じ改憲派でも民主党の枝野幸男のような理詰めのリベラル派もいるのに対し、日本会議の首魁である平沼は、国家神道への傾斜の顕著な神がかり的政治家で、だからこそ「極右」と私が評するゆえんだが、リベラル・左派系の有力ブログの中には、平沼の子分格である城内実を応援するブログがいくつかあるせいか、はたまたたまたま平沼が今現在自民党から離れているせいか、平沼を批判する言説は、リベラル・左派系ブログの世界でもあまり歓迎されないのが実情だ。

しかし、「報道2001」を見ていて、声高に反中を叫び、南京虐殺を否定しようとする平沼を見ていて、怖い右翼のオヤジという印象を改めて受けた。それだけではない。いただけなかったのは、中国のパンダ外交に対する平沼の批判だ。平沼は、「タイミングよくパンダのランラン(ママ)が死んで、何らかの策謀があるんじゃないかと言う人もいた」などと発言し、伝聞形とはいえ、あたかも中国がパンダ外交をやりやすくするために、上野動物園が中国の意を受けて(?)パンダを見殺しにしたとも言わんばかりの発言をしていた。なんという下品な物言いだろうか。この男が「信念を貫く第一級の政治家」だなんて誰が言ったんだ? 平沼のあまりの下劣さに、テレビを見ていて激しい怒りを抑えられなかった。民主党は、断じてこの男と連携してはならない、その思いをますます強くした。もし民主党が平沼と連携しようとするなら、当ブログは民主党を攻撃することを宣言しておく。

この平沼赳夫と対照的な印象を残したのは、「サンデープロジェクト」に出演した中曽根康弘だった。中曽根は、土井たか子、不破哲三とともに出演し、背後に座った若者たちを対象に、政治について語った。1982年から87年までの首相在任中、私はこの中曽根が大嫌いだった。政治思想的には右派、経済思想的には日本で最初に新自由主義を導入した政治家である。私は、バブル経済は中曽根の民活(民間活力の活用)路線によって生じたもので、その責任はきわめて重いと考えている。

しかし反面、中曽根は自らの言葉で語るべきものを持った最後の総理大臣だった。これは、朝日新聞の石川真澄記者(故人)が下した評価だが、納得できるものだ。石川氏は、「中曽根以前と竹下以降の大きな違いは、首相としての抱負や識見の有無にあります」(『戦争体験は無力なのか』=岩波書店、2005年)と指摘し、竹下以降では、首相ではなかった小沢一郎の論と挙措動作の背後にある抱負がかすかにある程度だ(同)と述べている。

実際、竹下登以降、総理大臣は急に小粒になったのだが、橋本龍太郎以降、世襲の総理大臣が続くようになって、質はさらに低下した。中でも、日本をぶっ壊したコイズミと、無能の代名詞のような安倍晋三の2人は特にひどかった。政治権力が衰える時というのは、こんなものかもしれない。

中曽根は、今も改憲に執念を燃やすタカ派の政治家だが、首相在任時に国会で不破哲三の質問に答え、「先の戦争はアジア諸国に対しては侵略戦争だった」と明言した。番組でも不破氏が語っていたが、田中角栄をはじめ、三木武夫も福田赳夫も戦争の性格については「後世の歴史家が判断することだ」と答えて侵略戦争であるとの明言を避けたのに対し、中曽根が初めて侵略戦争であったことを認めたのだという。自民党の改憲案についても中曽根は、憲法9条の第2項は変えるが、第1項は堅持する、生存権を規定した第25条などは維持すると番組で明言したが、土井たか子が「中曽根さんは信用できても今の自民党は信用できない、9条の第1項の扱いもフラフラしている」と混ぜっ返した。その信用できない政治家の極致が、官房副長官時代の2002年に「戦術核の使用も意見ではない」との驚くべき主張をした安倍晋三であり、安倍の盟友である平沼赳夫だ。アジアに対する侵略戦争だったことを認めようとしない現在の自民党タカ派の政治家について、中曽根は「歴史を勉強していない」と一刀両断にした。

中曽根は、自ら新自由主義を導入した人物でもあるが、「市場原理主義には反対だ、特に教育などは市場原理に任せてはならない分野だ」と言っていた。ところが、教育に市場原理を導入して失敗したサッチャーの「教育カイカク」を真似ようとしたのも安倍晋三であり、「英国教育」調査団団長としてイギリスを視察した平沼赳夫なのだ。当ブログは、過去にも安倍や平沼の教育カイカクを何度も批判してきた。

"安倍晋三につながる極右人脈"
(2006年11月16日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-179.html

"安倍内閣 「教育カイカク」の行き着く先"
(2007年2月20日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-259.html

"「新自由主義」の存在と「哲学」の不在が教育の荒廃を招く"
(2007年5月24日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-350.html

"極私的 「安倍晋三」 論"
(2007年10月9日)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-468.html

ここで見たように、安倍晋三と平沼赳夫はとてもよくウマが合う。それは、この2人がともに政治思想的には極右、経済思想的には新自由主義者だからだ。平沼赳夫は安倍晋三とつながっている。民主党の支持者が、単に現在自民党を離れているというだけで、平沼赳夫との野合を容認することが私には信じられない。民主党と平沼新党が連立を組んだりしたら、安倍晋三内閣崩壊以来止まっていた改憲への流れが再び加速する可能性もあるし、経済政策だって福祉国家指向には決してならない。

同じタカ派でも、中曽根康弘と平沼赳夫には天と地ほどの落差がある。平沼赳夫は、本物の政治家ではない。タカ派の政治家もずいぶんひどく劣化したものだと思う。ところが、「報道2001」の最後に、平沼は、小沢一郎が平沼に新党結成をけしかけたと告白した。明らかに小沢は、「敵の敵は味方」の論理で、政権奪取のために平沼を利用しようとしている。だが、民主党と平沼新党の連携は、昨年画策されながらお流れになった自民党と民主党の「大連立」よりさらにたちが悪い。「報道2001」での平沼の言葉を聞いていると、今にも中国と戦争を始めんばかりの勢いだった。民主党はこんな政治家と連携して良いのか。党内のリベラル派はどう考えているのか。

民主党と平沼一派との連携は、一時的な数合わせにはなるかもしれないが、のちのちに禍根を残す最悪の選択肢だと、当ブログは考える。


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当ブログ管理人は、今日からゴールデンウィークの休暇なのだが、憲法記念日はなんといっても特別な祝日なので、ひとこと書いてから休暇に入りたいと思う。

1年前のエントリを読み返しながら思い出すと、昨年の憲法記念日は改憲への道をひた走る安倍晋三内閣の支持率が持ち直す中、「日本国憲法の改正手続きに関する法律」(通称・国民投票法)が衆院で可決され、参院での可決を目前に控えていた。

しかし、安倍の性急な改憲志向への警戒感からか、各社の世論調査では、ひところずいぶん減っていた、憲法改定を「必要ない」とする意見が「必要だ」とする意見を再び上回るようになってきた。しかも、国民の主な関心事は憲法改定よりも年金や社会保障問題にあり、それを軽んじる安倍は国民の支持を失って、5月に「消えた年金」問題が表面化するや支持率が急落した。松岡元農水相の自殺も追い打ちをかけた。安倍自民党は7月の参院選に惨敗し、安倍は9月に退陣に追い込まれた。改憲の鍵を握るのは民主党の議員だが、参院選では改憲に否定的な議員が多く当選し、改憲の機運は去ったかに見えた。

しかし油断は禁物である。先日、民主党の小沢一郎代表と05年の「郵政総選挙」の際に郵政民営化法案に反対して自民党を離党した平沼赳夫が会談したことが報じられた。これは、看過できない動きだ。

もともと平沼赳夫は、「極右新党」を立ち上げて、自民党と連立する構想を持っていた。昨年10月27日付の当ブログ記事 "極右新党を立ち上げ、自民党との連立をたくらむ平沼赳夫"(下記URL)に書いた通りである。
http://http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-484.html

このエントリで、「サンデー毎日」に掲載された平沼赳夫インタビューを紹介したが、ひとことでいうと、平沼は自民党と民主党の極右議員を集めて新党を作り、キャスティングボートを握ろうとしているのだ。

平沼は「日本会議」という日本最大の右翼団体に連なる「日本会議国会議員懇談会」の会長を務めている。前記リンク先をご覧いただければおわかりのように、副幹事長に安倍晋三、会員に福田康夫の前職および現職総理大臣を抱え、民主党よりはるかに自民党と親和性が高い団体である。憲法改定やサッチャー流の教育カイカクに異様なまでの執念を燃やしていることはいうまでもない。

ついでに書くと、前述の昨年10月27日付エントリでも書いたように、平沼という人物は、「アインシュタインの予言」 なるトンデモを信じているおめでたい男だ。「水からの伝言」 も、こんなに悪名が高くなっていなければ、平沼の大好きな道徳教育の格好の教材になるとばかりに飛びついたかもしれない(笑)。

私は、民主党はこんな平沼のごとき筋の悪い政治家が率いる一派と連携などしてはならないと以前から主張し続けているのだが、民主党は平沼の選挙区である岡山3区に候補を立てるのを見送る方針を決めるなど、好ましくない動きをしている。平沼は改憲志向だし、民主党内にも改憲論者は多数いるので、平沼らの動きは改憲の機運を再び盛り上げようとするものであることはいうまでもない。何しろ平沼は安倍晋三に近い人物であり、民主党と安倍晋三が手を組むなどということになったら、悪夢以外のなにものでもない。

もっとも、現実にはそんな動きになるはずはない。この記事はまだ3日付の各紙記事を読む前に書いているので、新聞報道がどうなっているかはわからないが、従来憲法問題というと第9条のことばかり議論されてきたが、今年は生存権及び国の社会的使命を規定した第25条がクローズアップされるものと思う。国民も、医療制度や年金の問題への関心が特に高く、これらの問題が選挙の争点になった昨年の参院選や先日の衆院山口2区の補選では、自民党は惨敗した。そもそも、コイズミ?安倍と続いた政権が推進した新自由主義政策は、憲法第25条の精神に反するものだったから、選挙結果はその必然の論理的帰結だ。

平沼らのもくろむイデオロギー政治は、国民からは関心を持たれておらず、平沼らの主張を取り入れることは、直ちに民心の離反を招く結果となる。損得勘定からいっても、平沼一派との連携は百害あって一利なしなのである。

平沼は、「アインシュタインの予言」を信じるような純真無垢な人のようだから、本人は大真面目なのだろうが、残念ながらピントが外れており、国を良くする政治家では断じてない。民主党は平沼一派との連携を模索することなど止めて、岡山3区には強力な対立候補を擁立することを検討してもらいたい。

[追記]
以上の記事を書き上げたあと朝日新聞を開くと、1面トップが「憲法9条改正 反対66%」(賛成は23%)という記事で、9条改定反対派は、昨年の49%からさらに大幅に増えた。また、社説では予想通り貧困の問題を取り上げて憲法25条について論じていた。また、毎日新聞は生存権とともに表現の自由をクローズアップした社説を掲載した。


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一昨日昨日のエントリで、『サンデー毎日』11月4日号に掲載された「テロ新法 "逆ギレ解散" なら「12月16日」総選挙」という記事を引用しながら紹介したが、この号を買おうと思ったそもそもの動機は、「平沼赳夫が「新党構想」をブチ上げた!」という記事が掲載されていたからである。

これは、『サンデー毎日』が平沼赳夫のインタビューを元にまとめた記事だ。

平沼は、まず前首相・安倍晋三の退陣について、辞任のタイミングとしては最悪だと語りながら、
私が(安倍の)側近だったら、(中略)あと1時間我慢して、国会の壇上で「国にとって(テロ特措法は)重要な法案だから、命を懸けても延長を実現する」と言わせました。演説しながら倒れるくらいの「演出」をしても良かった。私がご意見番だったら、それくらいしましたよ。
などと言っている。

平沼は、当然のごとく安倍政権下での国民投票法成立、教育基本法改正、防衛庁の省昇格などを高く評価している。平沼の政治的立場からすれば当然だが、平沼支持を明言される方は、国民投票法や改正教育基本法についてはどう考えておられるのだろうか。特に「護憲派」を自認しながら平沼に容認的な方にお聞きしたい。

国会の首班指名では、平沼は福田康夫に投票したそうだが、このインタビューでは自民党総裁選における麻生太郎の健闘を称え、福田康夫については、
 やっぱり、左にウイングがある。その思想・信条は野中さん(広務元自民党幹事長)や後藤田さん(正晴元官房長官)に近いんじゃないかな。
と評している。平沼は福田康夫とは相容れないようだ。

このあと平沼は、復党問題について語っているが、興味がないので飛ばす。興味のおありの方は、『サンデー毎日』を直接参照されたい。

平沼は、参院選後に政局になるかな、と期待していたという。しかし、自民党が予想外の大敗(37議席)を喫し、民主党が大勝したことによって、多少の数合わせでは与党が参議院での多数を確保することのできない状態になったため、平沼のあては外れた(ざまあみろ)。

平沼は次のように語っている。
 参院の与野党逆転は今後6年間変わりませんから、言ってみれば「保守再編」、つまり、自民、民主の双方で構成する「第三極」を作るくらいの動きがないと、いつまでたっても変わらない。民主党(の内情)は旧社会党左派と自民党出身者だし、自民党にしてもリベラルと保守。
「健全な保守」による第三の枠組み作りが必要ではないでしょうか。私はこれまで民主党の若手とも交流してきたし、優秀な人がずいぶんいる。そういう人たちと行動を取り、この国の政治を立て直さなきゃいけないと思っていますよ。

ここで平沼が言う「健全な保守」とは、日本会議の思想を信奉する極右ということで、安倍晋三から新自由主義を取り去ったような考え方くらいのつもりなのだろう。しかし、当ブログが繰り返し指摘しているように、新自由主義(ネオリベ)と新保守主義(ネオコン)は不可分のものであり、まさにその両者が合体したサッチャーの教育カイカクを平沼は信奉している。平沼には、自身が新自由主義者であることの自覚がないようだ。

この平沼という男は、当ブログでも何度か紹介した「アインシュタインの予言」なるトンデモを信じている。平沼が2005年11月に開かれた「皇室典範を考える集い─『有識者会議』の見識を問う」(皇室典範を考える会主催)で述べた妄論を修正・加筆した記事が右翼論壇誌『正論』の2006年2月号に掲載されているが、長くなるので、More ... 以降に付録として収録した。平沼が信じている「アインシュタインの予言」なるものが存在しないことを、2006年6月7日の朝日新聞が報じた(付録参照)。この件に関しては 「たんぽぽのなみだ」 中にある 「アインシュタインの予言」 がよくまとまっている。また最近、「たんぽぽのなみだ?運営日誌」 にも 「アインシュタインの予言(3)」 というエントリが公開されたが、その中にも平沼の話題が出てくる。当ブログ管理人も、コメント欄で平沼を批判した(笑)。

ところで、平沼は「健全な保守」を結集した新党結成の構想を『サンデー毎日』の記者に明かしながら、そのタイミングについては「次の衆院選のあとでしょう」と語るのみだった。これについて、かつて平沼の同志だった村上正邦(元自民党参院議員会長)は、「選挙後を待っていては現存する政界の離合集散を繰り返すだけだ」と、手厳しい見方をしている。村上は、第三極を作るなら、新人を募って新しい政治勢力を作り、そのうえで、理念(極右イデオロギー=筆者註)だけでなく、高齢者福祉・医療や国会議員特権の削減など国民生活に密着した政策も掲げた新党を選挙前に立ち上げてほしい、と注文する。

しかし、新自由主義的施策がたっぷり盛り込まれていたサッチャーの「教育カイカク」を支持していた平沼に、そういう新自由主義的行き方とは180度向きの異なる福祉国家志向の政策が打ち出せるのだろうか。はなはだ疑問である。

結局、平沼は衆院選で自民党が過半数を割るものの、民主党も過半数に至らない状況となった時、自民党と民主党の極右勢力を集めてイデオロギー的な新党を立ち上げ、自民党と連立を組むという程度の、稚拙な構想しか持っていないのではないかと思う。実際、『サンデー毎日』の記者に対し、平沼は衆院選での自民・公明の連立与党は過半数241議席にわずかに足りない240議席くらいに減らすのではないかと予想している。

きわめて甘い読みである。小選挙区制においては、獲得議席数は政党の得票率に比例せず、極端な結果になることが多い。一昨年の郵政総選挙と今年の参院選が良い例だ。

選挙の結果は、一番ありそうなのが民主党の大勝だが、民主党にスキャンダルが続出したり国会で下手に与党と妥協したりすると、結果は一転して与党の勝利になる可能性もある。平沼が望む「連立与党が過半数にわずかに足りない」という結果になる可能性ももちろん少しはあるが、それは、よほど平沼にとって運の良い場合に限られるだろう。

そんなかすかな可能性をあてにして、結局自民党政権の延命に寄与するだけの新党を立ち上げようとしているのが平沼赳夫なのだ。仮にそうした新党ができて自民党と連立した場合、最終的にその新党は自民党に吸収されることになるだろう。そうすれば、めでたく平沼は自民党に復党し、念願が実現する。平沼とは、どこまでも自民党へのこだわりから脱せない男なのである。

だから、「自End」を望む者は、平沼赳夫なんかに期待しちゃいけないと思う今日この頃である。