きまぐれな日々

高速道路無料化問題に関して当ブログにいただいたコメントは累計で100件を超えた。読者の皆さまには深くお礼申し上げる。この問題について、昨日(6日)の朝日新聞が、国土交通省が高速道路を無料化した場合の経済効果や環境への影響に関して試算しておきながら、その結果を公表せずに隠していたことを報じている。
http://www.asahi.com/politics/update/0905/TKY200909050246.html

しかしこの件は、当ブログが5月25日付エントリ「クルーグマン教授の政策採点 & 経団連が日本を滅ぼす」で書いたように、以前から民主党の馬淵澄夫議員が国会で取り上げて追及していたものである。これを朝日新聞は、選挙前の今頃になって取り上げたわけだが、国交省同様、朝日もわざと報道を遅らせたのではないかと勘繰らざるを得ない。

しかも、3月6日付「ZAKZAK」は、高速道路無料化に関して、馬淵氏が示した2兆7千億円の経済効果(今回朝日新聞に報じられた試算結果とも一致する)をはるかに上回る、7兆8千億円の経済効果が得られるという試算結果の内部資料まで存在することを報じている。この内部資料については、4月末頃に発売された写真週刊誌も写真入りで詳しく報じていた。

夕刊紙や写真週刊誌の記事だといって侮ることなかれ。これらのニュースのソースは馬淵澄夫議員及び民主党であって、要は選挙前の数か月というのは、この種のニュースを大手新聞社が報じること自体がタブーになるほど、マスコミぐるみの自民党応援が公然と行われていたのである。

今回報じられた国交省の試算によると、二酸化炭素削減に関しても、高速道路無料化によって1.8%減に当たる310万トン削減になるが、朝日新聞は、

高速道の通行量が増えたり、鉄道やバス利用からマイカーに切り替えたりすることによるCO2の増加量は試算しておらず、差し引きのCO2の増減効果は不明だ。

と書いている。

当ブログは、高速道路無料化には賛成ではないが、賛成、反対いずれの立場に立つにせよ、判断材料となる資料はフェアに紹介したいと考える。大手マスコミのように、自説に都合が悪いからといって隠したりしないことは、前述のように5月25日にこの件を取り上げていたことからもご理解いただけるだろう。この件については、改めて当ブログで取り上げたいと思う。

さて、せっかく大手マスコミの庇護を受けていたにもかかわらず惨敗した自民党だが、マスコミだけではなく、昨日テレビ出演していた民主党議員(枝野幸男、古川元久両氏)までもが「健全な二大政党制を確立するためには、自民党によみがえってもらわないと困る」などと言っていたが、党総裁さえまともに決められない自民党に復活の目などない。選挙翌日の当ブログエントリ「衆議院選挙で民主党圧勝 ろくな議員が残らなかった自民党」に書いたように、選挙で残った自民党議員の質が高ければ復活もあり得ようが、実際にはろくな議員が残らなかった。

多くの論者が分析しているように、自民党の政治家は、加藤紘一らの保守本流、中川秀直・小池百合子などの新自由主義勢力、安倍晋三・麻生太郎らの極右に三分される。3人しか当選しなかった平沼一派のうち、平沼赳夫と城内実は三番目の自民党極右派と主張がほぼ同じである。これらのうち新自由主義勢力と極右は親和性がきわめて高く、たとえば安倍晋三は極右を、小池百合子は新自由主義を起点とした政治家だが、ともに極右と新自由主義を兼ね備えている。これに対し、加藤紘一らの保守本流は彼らとは水と油の関係にある。麻生太郎は吉田茂の孫だからもとは保守本流の流れにあったのが極右と新自由主義に取り込まれた政治家で、能力さえあれば三者を統合できるポジションにいたが、あまりに無能過ぎた。現在、同様に三者を統合できる政治家というと石破茂が思い浮かぶ。石破は本質的にはタカ派で改革志向の世襲政治家だが、津島派に属していたため小泉・安倍一派ほど過激ではなく、保守本流の人たちにもなんとか我慢できるレベルだろう。

ところが、一部の「真正保守」たちにとっては生ぬるい石破程度では我慢ならないのだろう。彼らが最近待望論を唱え始めたのが、小泉チルドレンの生き残り・稲田朋美である。当ブログは昨年3月30日、「極左と紙一重の極右・稲田朋美を衆議院選挙で落選させよう」と題したエントリを公開した。選挙の情勢調査でも、一時稲田は笹木竜三にリードを許しているとも報じられたが、いざ蓋を開けてみると稲田は笹木にかなりの差をつけて当選した。稲田は、刺客として自民党前職も相手にしていたとはいえわずか373票差の辛勝だった「郵政総選挙」と比較して大幅に得票を伸ばしており、右翼的な福井1区の有権者に失望させられるとともに、稲田への警戒をますます強めなければならないと思った。もっとも、稲田の対立候補だった笹木竜三(比例で復活当選)も、民主党内ではタカ派とされる議員である(鳩山グループ所属とされるが、防衛庁の省昇格の際の国会論戦では、賛成の立場から質問を行った)。

昨年には映画『靖国 YASUKUNI』を検閲しようとしたことのある稲田朋美だが、思い出さなければならないのは、3年前に稲田が加藤紘一の実家が放火されたことについて講演会で触れ、極右の聴衆が集う講演会場が爆笑に包まれたことだ。

当ブログは、2006年11月23日付エントリ「嘘つきが「教育改革」を進め、テロ肯定者が「伝統と創造の会」を主宰している」でこの件を取り上げたが、このエントリのおかげでのちに検索語「稲田朋美」によるアクセスが増えるきっかけになった。稲田発言を伝えた北海道新聞の記事を以下に再掲する。

「自民総裁選の底流 安倍政治の行方1」 
国家主義台頭に危うさ


… 保守系の論客らでつくる「『立ち上がれ!日本』ネットワーク」は八月二十九日夜、「新政権に何を期待するか」と題して都内でシンポジウムを開いた。同ネットの呼びかけ人は中西輝政京大教授、八木秀次高崎経済大教授ら、安倍氏の政権構想づくりにもかかわったとされるブレーン。安倍氏の持論の「草の根保守」の支持層拡大に向け、全国で支部設立を進めている。

出席した自民党の下村博文、稲田朋美両衆院議員、山谷えり子参院議員は、小泉首相の靖国参拝への礼賛や、中国、韓国批判、歴史教科書の検定強化などの主張を次々に展開した。

いずれもタカ派で熱心な安倍支持の中堅・若手。稲田氏は、地元福井の新聞で首相の靖国参拝を批判する加藤紘一元幹事長と対談したことを紹介。加藤氏の実家が右翼団体幹部に放火された事件について「対談記事が掲載された十五日に、先生の家が丸焼けになった」と軽い口調で話した。約三百五十人の会場は爆笑に包まれた。言論の自由を侵す重大なテロとの危機感は、そこにはみじんもなかった。…

(2006年9月5日付 北海道新聞より)


この講演会は、稲田が「徴農」制度の導入を説いたことでも知られる。今のところ、稲田朋美を自民党総裁にしてはどうか、などと言っているのは、島田洋一や櫻井よしこなどごく一部の人たちだけのようだが、稲田なんかが総裁になったら加藤紘一の顔が潰されてしまい、保守本流の人たちが自民党を割って出て行く可能性も出てくるだろう。だから、さすがに稲田総裁はあり得ないにしても、今後自民党が誰を総裁に選ぶのかが注目される。総選挙でも党内右派の歩留まりは比較的高かったことだし、右派の主張を反映しやすい人が選ばれるのではないか。そうなると、平沼赳夫や城内実の自民党復党への道も開けてくるのではないかと思える。


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いつも興味深く読ませていただいております。
ご自身のお考えにかかわらず公平にコメントをご紹介なさっておられることに感服いたしした。
瑣末なことですが、国交省試算の金額の桁が間違っているようですので、訂正お願いします。
私は東北地方に住んでいますが、高速無料化は必須のことと考えています。
高速というと、長距離の移動をイメージなさる方が多く、以前「交通弱者に高速バスが便利」とあるところに書きましたら「高齢者にはきつい乗り物」と反論されたことがありました。
私は、高速無料化のメリットはむしろ短距離の利用にあると思います。1時間程度の乗車でしたら、高齢者にもそれほど負担無く利用していただけるからです。
当地方の場合、町村部から地方中核都市へのマイクロバス運行などは、高速を使えれば1/2に時間短縮出来るところも少なくありません。一区間の利用に往復1000円ずつ払っての運行はとても無理ですから。
2、30分~1時間程度の短中距離の高速(利用)バスネットワークが充実すれば、町村部と中核都市、さらには新幹線最寄駅間の移動という、住民生活にとって切実な交通問題の利便化が実現すると考えます。
また、地方の地価は恐ろしく安価ですから、料金所設備無しの出入り口を追加建設することは難しいことではないと思います。そうすれば、短区間の高速利用がさらに便利になり、すでに広域行政圏で動いている地方の救急医療、消防にも福音になると考えます。

2009.09.07 11:28 URL | K.T. #- [ 編集 ]

K.T.さん、

コメントどうもありがとうございます。金額の桁の間違いはお恥ずかしい限りです。訂正しておきました。

地方の場合、公共交通網の衰退は深刻な問題ですよね。高速道路を利用した短距離の交通公共機関への無料化のメリットというのは面白い観点だと感心しました。

2009.09.07 11:46 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

 稲田が総裁ですか。笑い話にしては出来が悪すぎます。
 ただ、安倍晋三はなりたいけど誰も支持してくれない状況のようです。極右度は別として、頭の良さは稲田の方が安倍より上でしょう。
 多分、石波になるんではと思いますが、確かに、保守本流が離反する可能性はありますね。どんどん分裂してミトコンドリアになってしまえ。

2009.09.07 12:29 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

 2コメすいません。
 さっきまで、テレビで城内実が出てました。「郵政民営化見直し」なら、民主党に入るのですか?などと意地悪な質問をされていました。
 あぁ、極右レイシストと郵政見直しと、どっちを取るのか?
 民主党が受けいれないと良いのですが。

2009.09.07 12:35 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

静岡7区から立候補した斉木武志は、小選挙区では惨敗しましたが、愛知及び静岡の他区での民主党圧勝に助けられて当選してますから、愛知7区の民主党は斉木議員ということで、片山さつきに自民党復党を阻まれた前回同様、城内の民主党入りはないでしょう。

平沼赳夫の岡山3区でも、落選したとはいえ民主党候補が立ちましたからね。

それに、城内が民主党入りしたら、城内の右翼色を好んでいる支持者(郵政民営化反対に惹かれている民主党支持系の城内シンパより圧倒的に多い)の支持を失いますから、その意味からも城内の民主党入りは考えられません。

2009.09.07 12:41 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

K.Tさん

こちらの最近の3日分のエントリーのコメント欄で高速反対論を
主張しているフリスキーと申します。
その理由については、そちらに投稿を重ねて長々と書いてきました。

>当地方の場合、町村部から地方中核都市へのマイクロバス運行などは、
>高速を使えれば1/2に時間短縮出来るところも少なくありません。
>一区間の利用に往復1000円ずつ払っての運行はとても無理ですから。
>2、30分~1時間程度の短中距離の高速(利用)バスネットワークが充実すれば、
>町村部と中核都市、さらには新幹線最寄駅間の移動という、
>住民生活にとって切実な交通問題の利便化が実現すると考えます。

さて、この案ですが、これは現在の高速道路の交通状況を前提として
その利便性を説かれておられるようです。
国土交通省の試算によっては、無料化実施によって全高速道路の区間のうち
21パーセントが慢性的に激しい渋滞が起こりやすいとしています。
高速道路総延長の5分の1に当ります。また、この試算は、公共交通から
マイカー利用へとシフトすることによる増加分を入れていないようですので、
実際はもっと混雑すると予想されます。もし、K.Tさんの案で利用する
マイクロバスの高速走行区間にこの渋滞があった場合、その利便性が
損なわれてしまいます。また、前回のエントリーのコメント欄で書いたように
この無料化政策による公共交通機関の衰退、また駅を中心とする市街地の衰退化、
交通弱者にとっての不利益の拡大、地域間格差の拡大への懸念などなどの
デメリットが考えられます。他にもいろいろあるのですが、既に書いたことで
重複するので
省きます。
では、K.Tさんの案をどう生かすか?
簡単です。
マイクロバスは公共交通ですね。公共交通の高速料金を公費で負担して
無料で高速を通れるようにすればいいのです。
他は有料なのですから、渋滞に巻き込まれる問題も回避できます。
鉄道が通っていない地域の公共交通利用の利便性がぐっと増します。
高速自体を無料化するより、はるかに少ない税金負担で、
高速利用の公共交通の充実が図れます。
これで解決できます。

2009.09.07 12:58 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

彼女の様な骨の入ったバリバリ保守派は私にはまさしく期待の人物である。自民党逆風と言われた今回の選挙でさえ二位の候補に圧勝したのも彼女の功績が認められ、今後のますますの活躍が期待されてのことだと思う。彼女の後援会の「ともみ組」にはかの保守言論界の重鎮である渡部昇一上智大学名誉教授が自ら会長になられた位だし、相当な期待がかけられているのだろう。彼女自身も総理大臣となる野望があると言っているし(笑)、社会主義的政策を次々と取り止めイギリスを再生させたサッチャー首相の様に、日本を再生させる日本のサッチャーになることを期待すると渡部先生にも言われている位だからね~
これからどんな活躍をしてくれるかが楽しみ♪俺も「ともみ組」に入ろっかな

2009.09.07 13:43 URL | どーも #syYSEaHs [ 編集 ]

福井は、他の2人の自民候補も、僅差で勝っていますし、稲田が極右かどうかは関係ないでしょう。(稲田も5千票差で僅差でしょう)
北海道・東北以外は、自民党勝利の選挙区は、基本的に農業・漁業中心・過疎傾向の地方です。「自民党さんだから」という理由だけで投票しているのではないでしょうか。
中山成彬や中川昭一の落選でわかるように、私は、極右の歩留まりが特によかったとも思いませんね。

2009.09.07 14:27 URL | cube #- [ 編集 ]

稲田朋美についてですが、「ともみ組」に入りたい人は勝手に入れば良いと思います。

それから、派閥の消長ですが、二階派や高村派がほぼ壊滅状態であることなどを考え合わせれば、町村派の歩留まりは間違いなく高く、領袖が引退した津島派も上回っています。

福井についても、福井市を含む1区と2区、3区を同列に論じるべきではなく、自民党への逆風が強い中、「1区現象」にもかかわらず稲田朋美が相対得票率50%超で勝った(前回は3分の1そこそこ)ことは、他にほとんど小泉チルドレンの当選者がいないことも合わせて、特筆すべきだといえるでしょう。

中山成彬なんか勝手に分裂選挙をやって誰も勝てると思っていなかったし、中川昭一も、あの「もうろう会見」のぶざまさを思えは落選は当然(むしろ得票が予想外に多かったことにあきれています)、そんなのが落ちたからといって「極右の歩留まりがよかったとは思えない」と言うのは、強弁が過ぎます。

どうもcubeさんは、ご自身が中道というにはやや右寄りであるせいか、妙に極右の脅威を過小評価する傾向があるように、いつも思います。

2009.09.07 14:43 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

でも、宏池会の流れの古賀派が歩留まり高く、ウヨの嫌いな加藤紘一、河野太郎が安泰なのを見ても、極右の生き残りが目立つとも思えませんね。
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090901/elc0909011014004-n1.htm
私の住む岡山県でも、県南都市部の2区、4区は民主、それ以外は自民と、ちゃんと住み分けができています。
平沼は、県北の住民にとっては自民党の先生のままだと思いますね。

2009.09.07 15:09 URL | cube #- [ 編集 ]

枝野氏と古川氏も呑気なことを言っていますね…

政策通で知られる寺島氏が『自民と民主の比例区における得票差が約800万票しか離れていない』ことを分析されていました。

全有権者の一割にも満たない得票差によって、約3倍の議席差が生まれてしまった恐ろしい選挙結果なのです。

浮かれている暇などありませんよね。次期総選挙と参院選は、民主党が初めて経験する守りの選挙です。

(今の選挙制度なら)自民党に国民の期待を担うリーダーが誕生したら、形勢はすぐに変わる可能性があります。


弱体化しているうちに自民党を叩いておかないと民主党の目指す改革はできないと思うのですが…

民主党がそれなりの実績を作った後に、 政界再編をしても良いと思います。

日本の場合は、二大政党制よりは、中選挙区制による二大勢力(中道右派と中道左派)による多党制の方が国民にはわかりやすいと思いますけどね…

普段、公明党や共産党、社民党を支持している人に自民か民主を選ばせるのは、苦痛極まりないことを 忘れてはいけないと改めて実感しました。
長文失礼しました。

2009.09.07 19:30 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

自他ともに認める東北的な保守本流のsonicです。こんばんは。

自民党残党、特に(似非)右派勢力については、手を下さずとも自然に消えて行くだろうって藤原直哉さんが言ってますね。
でも、新自由主義者も新保守主義者も外国勢力に支えられた傀儡です。
彼ら自身が自滅の道を走っても外からカンフル剤や資金が注入されて、何度も意気を吹き返す。
それでいて愛国者面する厚顔無恥ぶりには、ほんと、吐き気がしますね。

民主党政権は積極的に新自由主義者狩り、新保守主義者狩りをやっていいんじゃないか、小泉竹中で良かったと思っている人でなしたちに対する恐怖政治をやって良いんじゃないか、そういう誘惑に駆られます。

少なくとも靴を投げつけるくらい、構わないんじゃないですか?
ブッシュシューズ、みんなで注文しましょうよ。

2009.09.07 20:25 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]

高速道路無料化政策のブレイン山崎養世氏のエッセー「日本列島快走論」
にある一説です。

>アメリカに比べて出入口が少ない日本の高速道路の出入口を
>アメリカ並みに3キロごとに1か所に増やして、
>全国に1500か所の新しい出入口を作る。SA(サービスエリア)、
>PA(パーキングエリア)を民間に開放して、
>この新出入口周辺を生活者の町づくりの拠点にする。

http://www.yamazaki-online.jp/kaisoron/gaiyo/02.html

やはり、山崎氏は無料化政策によって高速道を中心とする
クルマ社会化を加速化させることで、
公共交通機関おもに鉄道交通網が衰退し、駅を中心とする市街地が寂れていく
ことを認識していると思われます。
そこで、高速道路のIC周辺へ人口をシフトさせ、駅に変わる新市街地の形成を
頭に置いているものと思われます。
以前も話したように、車での移動を念頭に置いた街づくりというものは、
商店などの各施設は駐車場を備えることが条件です。
人一人が徒歩で移動するのと、一トン以上ある鉄の箱である車を使うのとでは
移動と滞在に必要なスペースの度合いが全然違います。
また、ICからの距離感覚も、
従来の徒歩による移動を想定した市街地とは違います。
各施設はICから近いところにある必要性は低いです。
ICの近くにあって小さな駐車場しかないところよりも、
より大きな駐車場と売り場をそなえた離れた場所のほうが集客力が上がります。
それは大資本に有利な街づくりを意味します。
資本力の弱い個人ほど淘汰されていきます。
今の東京郊外を見ていてもわかります。
たとえば、日の出や武蔵村山のイオンモールです。1000台単位の駐車場をそなえ、
いずれも駅から遠いけどすごい数の車が週末になると押し寄せます。
で、地元の旧来の商店は素通りされていきます。そこにお金は落ちません。
つまり、自動車ユーザーを念頭に置いた街づくりは、中心から周辺へと
拡散していく傾向があります。
ここでCO2の排出量の話ばかり出てますけど、環境破壊はそれだけでなく、
市街地が拡散するわけですから、周辺の森林が切り崩されたり、
農村部にまで宅地化が進んできます。
周辺部の地価が上がるわけですから、デベロッパーが攻勢をかけて行き
その辺りの農家は農地を売ってお金に変え、農業を辞めていきます。
その場所は農村から宅地へと変わっていきます。
つまり、農村復興どころか、農村がますます衰退しますよ。
私が住んでいる東京郊外もかつては農村だったんです。
今でも家のすぐ近くを用水路が流れています。かつて水田だったのです。
しかし、宅地化によってかつての農家は土地を手放し、お金に変えたわけです。
また、地域社会の文化、人の結びつきも希薄になり、かつては地域社会の中で
人間関係で結びついていた老人なども孤独化していきます。
郊外の孤独なお年寄り、多いですよ。
これは、“郊外化”などという概念によって現代においてかなり以前から
進んでいる現象ですので、
今さら何を言うのか?と思われるかもしれませんが、
件の政策によってそれをさらに加速化させることは間違いないと見ています。
公共交通や、ある程度の密度で施設と機能の集中した市街地の存在を
壊していく方向性が果たして正しいのでしょうかね。

ちなみに
山崎氏の「日本列島快走論」の各ページを語句検索にかけると
「老人、高齢者、お年寄り、障害者」という言葉は一度も出てきません。
「弱者」という言葉が一度だけ出てきますが、この下りです。

>弱者と環境に優しく、資源リサイクル型の理想的なクルマ社会を地域主導ですすめる。
>現在、世界の最先端を走る燃料電池車の普及と実用化も国家戦略として
>地域の実情に応じてすすめていく。
>SAやPAに水素燃料ステーションやITS(事故防止システム)機器の設置を
>積極的にすすめ、その普及を促進させる。料金所がなくなることで、
>渋滞の緩和が期待でき、有害排気ガスの排出を抑える。
>また、市街地を走る営業車が高速道路を迂回することで、交通事故の減少も望める。

弱者に優しいといっても、具体的な配慮がどこにも見当たりません。(笑)

http://www.yamazaki-online.jp/kaisoron/gaiyo/02.html

「公共交通」という言葉も一度も出てきません。

山崎養世という人の街づくりの志向がよくにじみ出ているように思います。

「高速道路無料化は世界の常識」という殺し文句は、
小泉政権時代に世間を席巻したワンフレーズポリティクスの手法に
どこか共通するものを感じますね。

2009.09.07 20:34 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

>sonicさん
東北他県民ですが、ウチの自民は典型的な『土着保守』だったんですが、
中川秀直の口添えで入党したせいか、小泉路線にも理解を示していました。
しかも土着保守的な主張は捨てずに。
まして小泉以降も安倍・福田・あ、そうと勝馬に一貫して乗り続けました。
挙句自民逆風の今回はさんざんそう立ち回ったのに『党より人』を主張。
さすがに変わり身の早さに呆れた選挙民に突き放され落選。
どう考えても二択でしかないのに、二兎を追うなんて通用するはずがありませんね。

2009.09.07 22:46 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

余談ですけど、
山崎養世氏は田園調布の住人のようですね。
ご自身の説く高速道路無料化政策による
現市街地の衰退と新市街地化の影響をまったく受けない
東京の超一等地の豪邸から高見の見物をしていられる
特権的なエリートなのだと思います。

2009.09.07 23:36 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

フリスキーさん

>マイクロバスは公共交通ですね。公共交通の高速料金を公費で負担して無料で高速を通れるようにすればいいのです。
>他は有料なのですから、渋滞に巻き込まれる問題も回避できます。

>鉄道が通っていない地域の公共交通利用の利便性がぐっと増します。

>高速自体を無料化するより、はるかに少ない税金負担で、高速利用の公共交通の充実が図れます。

ですよね。前コメントでも書きましたが、天下りの温床となっている民間会社は解体して高速料金を一般財源とする方法もあるでしょう。食料品などの生きていく上に最低限必要なものにまで課税される現在の消費税などよりよほど理にかなっていると言えると思います。
「ヨーロッパ並みに医療費・教育費を無料に」これには文句なしに賛成です。でも、高速道路無料化はそれらと同列に扱える問題ではありません。飯田哲也氏が述べているようにクルマを走らせることはタダではなく環境への影響をはじめ、さまざまな社会的費用をまき散らしているのことを忘れてはならないのです。そして、それなら電気自動車が普及すれば解決というのでは、「エコポイント」に見られるようなエコ=エコ商品を買うことになってしまいます。もっとも、それがまさしく産業界の狙いなのでしょうけれど。

>やはり、山崎氏は無料化政策によって高速道を中心とするクルマ社会化を加速化させることで、公共交通機関おもに鉄道交通網が衰退し、駅を中心とする市街地が寂れていくことを認識していると思われます。
>そこで、高速道路のIC周辺へ人口をシフトさせ、駅に変わる新市街地の形成を頭に置いているものと思われます。

残念ながら民主党の馬淵澄夫議員にも同じような傾向が感じられます。

JANJAN9月4日の記事から
民主党・馬淵議員に問う 鉄道・海運会社は斜陽産業か
http://www.news.janjan.jp/government/0909/0909039738/1.php

その馬淵議員が9月3日のフジテレビ系「とくダネ!」に生出演し、この高速道路無料化問題について語った。相変わらず、国交省試算の援用が多かったのはいいとして、聞き捨てのならないことがあった。

 聞き手が、鉄道会社やフェリー会社が高速道路無料化によって不公平なしわ寄せを受ける懸念がある、と指摘したのに対して、馬淵議員は次のような主旨の答えで応じた。

 「雇用問題等が発生することは承知しているが、これは産業構造の変換である。かつて石炭産業から石油産業に切り替わるとき、多くの失業者が発生したが、政府は住宅等も含めて手厚い救済をした。今度もそれは考えている」

 馬淵議員は、道路(自動車)輸送こそ、これからの輸送産業の主力で、鉄道や海運はすでに斜陽産業であるかのような言い回しをしているのである。これは、聞き捨てならない言葉である。

 なぜ、道路輸送が、鉄道や海運に取って替わることが、産業構造の変換になるのか。CO2のことを考えるならば、自動車に比べ(貨物・人員ともに)大量に輸送できる、鉄道・海運は有力な手段であるのに、馬淵議員は敢えてそれを、自動車輸送に転換させようとしている。

2009.09.08 02:06 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

ぽむさん

この高速道路無料化政策というのは山崎養世氏が菅直人と個人的に会い、
その自論をぶって菅氏の賛同を得てその後、2003年に民主党の政策として採用された
という経緯があるようですね。
報道ステーションでの山崎氏と猪瀬直樹氏とのバトルを見たんですけど、
旧道路公団の膨大な債務をどうするかというそろばん勘定の話に終始して、
この政策がもたらす公共交通への影響、雇用、市街地への影響、さらには、
農村部に至るまでどのような広範囲な影響が社会に出るのかという視点についての
議論が無いのが不満でした。

山崎養世氏は、ゴールドマンサックスの本社パートナー、日本法人社長まで歴任した
外資系金融マンとしてのトップエリートです。
現在は金融の世界から離れて、個人で正体不明のシンクタンクを持たれているようで、
どのような業務をされているのかは外部からは伺い知れませんが、
その経歴から、金融界、産業界の各方面に分厚い人脈をもっていることは
間違いないでしょう。
その人脈から経営コンサル的なことしてるんじゃないですかね?
こういう人が、本当に公益だけで物事を考えているのかも私は強く疑っています。
この政策の下、山崎氏がいうようなICを中心とする町づくり構想が実現すると、
ゼネコン、不動産、金融、大手流通産業などには莫大な利益が望めるでしょう。
それらの世界と山崎氏はつながりがあったりはしませんかね?
かつて徳島知事選に立候補した山崎氏がなぜ今回は、
民主党から議員として立候補しなかったのかも
いろいろと勘ぐってしまいます。
要注意人物だと思います。

私は、あとあとこの政策が民主党のアキレス腱になると見ています。
それが4年後なのか、8年後なのか、10年後なのか、20年後なのかはわかりませんがね。
そうなると、後々心配ですね。辺見庸氏の危惧するような国家社会主義の亜種のような
政権へのチェンジにならなければいいのですが。

2009.09.08 12:45 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

いつも興味深く拝読させていただいております。

今エントリーは自民党総裁選についてでは?
いくら管理人様がコメント議論にオープンでいてくださってるとは言え、エントリーとかけ離れた議論は少し甘え過ぎ且つ管理人様に失礼では?と感じました。

エントリーに沿った意見を述べるのがマナーだと思っておりますので、高速道路無料化論争はここでは控えていただきたいです。

自分と家族を守る為に無知である事が恥ずかしいと感じて様々な方達のブログ及びコメントを拝読させていただいてます。エントリーも皆様の貴重な意見も社会に無関心だった私に一石を投じ、考える機会を与えてくださいます。

どうか、エントリーに沿った貴重な意見を拝読させてください。お願い致します。長文失礼いたしました。

2009.09.08 12:56 URL | いのうえ #- [ 編集 ]

いのうえ さま、

ブログ管理人のkojitakenです。コメントどうもありがとうございます。

> いくら管理人様がコメント議論にオープンでいてくださってるとは言え、エントリーとかけ離れた議論は少し甘え過ぎ且つ管理人様に失礼では?と感じました。

とのことですが、全然失礼だとか管理人に甘えている、などとは私自身は感じておりません。たとえば、高速道路無料化に触れた飯田哲也氏の日経エコロミーのコラムには数えるほどの「はてなブックマーク」しかつかない中にあって、当ブログにコメントを寄せられる方々の議論は貴重なものだと思っております。それに、エントリの前半は高速道路無料化に関するものです。何より、コメントのレベルは管理人のそれをはるかに超えております。

いのうえさまとしては、もっと自民党総裁選についてのコメントを読みたいとのことかもしれませんが、その責任は同じエントリに全然違う内容を2つ詰め込んだ管理人にあります。こちらのブログには、1日に複数のエントリを上げないことに自分で決めているため、こんなことになりました。どうぞご了承をお願いします。

2009.09.08 13:04 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

たしかに
待望論ですか・・・
http://island.iza.ne.jp/blog/

2009.09.08 13:26 URL | ろーりんぐそばっと #ehuBx04E [ 編集 ]

期待している人はいるようです
http://antilabor.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-c68c.html

2009.09.08 14:07 URL | kechack #1/Y8RI0s [ 編集 ]

こちらのエントリーの話題にまさに関係する記事が、
今日のJANJAN記事にありまして、これは興味深いものです。
今や少数派となってしまった(?)無料化反対派の論客、
環境政策研究所主任研究員の上岡直見氏の考察で、
「高速道路無料化「経済効果7.8兆円」の幻想」と題したものです。

http://www.news.janjan.jp/government/0909/0909070872/1.php

要するに、今回の朝日記事によって隠されていたとされた
国交省の試算データですが、
要するに移動時間の短縮分、燃費の減少を機械的に
金銭に置き換えただけの算出だということのようですね。
移動時間が10分短縮されれば、その10分を金銭的な評価に
換えて加算するという計算です。単純な計算です。
それに、実際、短縮できるかどうかも分からないです。
公共交通からのシフトによる一般車の増加分を
加味していない試算なんですから。
上岡氏はこう言います。

「ここで理解できるとおり、この金額を「経済効果」と呼ぶのは正しくない。
なぜなら2.7兆円という金額はあくまで概念上の数字にすぎず、
その金額によって新たなビジネスができるとか、
雇用が発生するという効果は全くないからである。
また各個人にとっても、10分とか15分といった細切れの時間を
集めて一日にして、それで別の仕事をするといったことは不可能だから、
個人にお金が還元されることもない。

また利用者の料金負担の軽減分などを加味すると7.8兆円というが、
これも「経済効果」ではない。
利用者が支払わなければ税金で補填することになり、
負担が移転するだけである。要するに「経済効果」というが、
その実体はないに等しい。」

「海外の高速道路は無料」と主張する人がいるが、
この認識は全く誤りである。料金所でお金を集めないという違いだけである。
専門用語では「シャドートール」という用語がある。
これは「隠れた料金所、概念上の料金所」といった意味である。
料金所が設けられていない道路でも、計算上・会計上その費用を
税金で精算するという意味であり、
要するに日本でいう一般道路と同じである。」

「高速道路無料化の支持者は、あたかも無料化すると
その分だけ天からお金が降ってくるような議論をしているが、
冷静に考えれば誤りに気づくはずである。」


そりゃそうですよね。
無料化というのは、
今まで利用者が払っていたお金を国が払いますよ。
ということです。
その通行料が消えてなくなるわけではありません。
そして国が払うお金とは税金です。
税金は国民が納めたものなんですから、
結局は国民がシャドートールを通して払っているに過ぎません。
しかも受益者負担の不公平が生じるという点は
私が今まで過去ログで述べたとおりですので、
省略させていただきます。
高速を使う機会の増えない人ほど、
あるいは、交通弱者と貧乏人ほど
損をするのがこの無料化策だということでしょう。

2009.09.08 20:30 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

高速道路の無料化については、以前に賛成理由を述べました。反対される方々の理由も説得力があります。

民主党の政権公約は、もちろん大切なのですが、それ以上に大切なのは、三党でまとめた共通政策です。

その中には、高速道路無料化は明文化されていなかったと思います。

政策の優先順位で言えば、ずっと低い項目と言えるかもしれません。

国民の手取収入を増やす直接給付政策が最も優先順位が高いことは自明なことです。

これは、対象を明確に定めている政策目的(子供手当すら実質増税になる世帯もいます)ですので、バラマキ政策とは違うと考えています。

財源が不足するなら、赤字国債発行してでも断行しなければなりません。

そうでなければ、小泉構造改革の明確な否定にはならないと感じます。


将来的な消費税増税は、国民の負担が軽減される政策(教育費無料や生活必需品非課税措置等) を十分行えば、国民的合意は得られると思います。

賛否が分かれるサッチャー政権やレーガン政権でも、大幅な減税と規制緩和を併用して、初めて景気回復を成功させたことを思い出してみる必要があります。

2009.09.08 21:05 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

2009.09.07 20:34のフリスキーさんのコメントについて。
>山崎氏の「日本列島快走論」の各ページを語句検索にかけると
(中略)
>「公共交通」という言葉も一度も出てきません。

「日本列島快走論」
http://www.yamazaki-online.jp/kaisoron/index.html
のQ18に
「他の公共交通機関とはどのように共存していけばよいのでしょうか。」
という質問があり山崎氏がこれに答えている文章があります。
この中で、ちょうどK.T.さんが書かれた、
「当地方の場合、町村部から地方中核都市へのマイクロバス運行などは、高速を使えれば1/2に時間短縮出来るところも少なくありません。一区間の利用に往復1000円ずつ払っての運行はとても無理ですから。
2、30分~1時間程度の短中距離の高速(利用)バスネットワークが充実すれば、町村部と中核都市、さらには新幹線最寄駅間の移動という、住民生活にとって切実な交通問題の利便化が実現すると考えます。」
と合致するような山崎氏の提案↓もあります。
「今の日本の現状を考えると、鉄道は大都市に集中しており、地方での鉄道網の整備は十分ではないため、地方住民の足はなんと言っても車です。地方の約7割では、車しか移動手段がありませんから、高すぎて使われない高速道路料金を無料にして高速道路を生活道路とすることが必要です。そうすれば地方が活気を取り戻し、移り住む人が増えるので、鉄道も整備されることとなるでしょう。その際、鉄道会社がバス会社ともタイアップして、定期券を共通とするといった工夫をし、パークアンドライド(都心部郊外の最寄り駅まで、自宅から自動車を使い、駅に近接した駐車場に駐車し、公共交通機関に乗り換えて目的地まで行くシステム)を進めるのが、環境悪化を招かない方法として有効だと考えます。高速道路の出入り口にバスターミナルを作り、通勤や通学を目的としたバス事業を始めるというのも取りうる選択肢のひとつです。」

ここから、山崎氏が、総合的な交通政策の中で地方高速道路無料化を考えていることが伺い知れると私は思っていたのですが、2007年10月に日経ビジネスオンラインに投稿された文章「高速道路の無料化で地方も大都市も豊かに」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071017/137767/
の、特に後半にそれをもっと詳細の述べた記述があります。長いですが抜粋します。

「でも、当たり前の話ですが、電車に乗る人数が少なくなればこうした環境への優位性は減ります。1両に数人しか乗らない電車の乗客1人当たりのコストと環境負荷は巨大です。電線に通しておく電気、沿線での照明、信号機、さらに、駅や線路のメンテナンス、掃除、洗車、さらには、駅員や乗務員のコストがかかります。
 インフラだけを見れば、人口密度の低い地域では、鉄道よりも道路の方がはるかに維持コストは低いのです。乗客が少ない地方のローカル線が廃止に追い込まれ、住民の交通手段が自動車だけになっていったのも、自動車よりも電車の方が、はるかにコストがかかるからです。
 日本人全員が大都市に住んで電車に乗り、それ以外の地方には住まなければ、国全体のエネルギー問題や環境問題は改善するでしょう。でも、その時の日本は、耐えがたい過密の大都市の外は無人の廃墟と原野しかない国土になるでしょう。願い下げです。
 そうなると、一定以上の人口密度のあるところではできるだけ電車を使い、それ以下の密度のところは自動車を使うという現実を前提に、できるだけの改善を図るべきでしょう。」

「やはり欧州の多くの国のように、高速道路は長距離や都市間の移動に使い、たとえ地方都市でも、中心市街地は路面電車、自転車、徒歩などを主体とした交通を中心にすべきでしょう。
 さらに、自動車の害であるエネルギー消費、環境汚染、交通事故、などの改善により多くの資源を投入すべきです。そのうえで、国全体の交通の最適化を図るべきです。北海道から九州といった長距離では、電車や船を使った輸送が合理的です。
 インターモダルという仕組みを使えば、貨物列車からトラックへの移し替えも簡単ですが、日本では進んでいません。空港や港から鉄道や高速道路への接続も改善すべきです。」

「高速道路を無料にすれば古い町並みや生活が破壊されるのではないか、という心配も聞きます。でも、欧州に行けば、ドイツでも英国でもスイスでもイタリアでも何百年も変わらない古い街が多く残されています。欧州諸国ではほとんどの国で高速道路は無料か非常に安い年間の利用料だけしか取られません。
 むしろ、世界一高い高速料金を取っている日本こそ、古く美しい町並みをほぼ跡形もないまでに壊してきました。米国が空襲しなかった京都でさえ、美しい町屋の甍がビルのでこぼこに変わってしまいました。美しい国の多くが失われました。
 日常生活を見ても、昔ながらの食生活を守り古い店やレストランが残り農村が豊かなのは欧州です。便利だからといって、田んぼの中にショッピングセンターをどんどん作り中心市街地を空洞化させてきたのは日本です。
 その結果、東京の資本に地方の消費は吸い上げられています。規制緩和がこの風潮に拍車をかけました。
 欧州のように無料の高速道路と伝統的な街や生活を両立させることは可能です。でもそのためには、多少の不便は我慢し、エゴも抑えることが必要になります。
 それは昔の日本人が持っていた美徳でした。ドイツやスイスなどは、高速道路のインターチェンジ付近にはショッピングセンターなどは作らせないところがほとんどです。
 古い街の中心には車が入れないところも多くあります。人が歩くことを大切にします。だから、歩く楽しみを求めて世界から人が来ます。日本各地でも、よき伝統を守りそこから発展するという生き方も出てきました。街づくりこそ、地方が主権を持つべき分野です。」

「地方空港に海外からのお客さんが簡単に来られるようにしなくては、地方から海外へのビジネスの展開はうまくいきません。(中略)優れた人材を集め、世界に伸びていく企業を地域全体で応援しなくては世界企業は生まれません。東京以外から日本を元気にする、それによって東京の負担も軽くなり、東京もさらに元気になる、そんな循環を起こす時です。」

かなり長い引用になってしまいましたが、これをお読み頂ければ、フリスキーさんが
>やはり、山崎氏は無料化政策によって高速道を中心とする
>クルマ社会化を加速化させることで、
>公共交通機関おもに鉄道交通網が衰退し、駅を中心とする市街地が寂れていく
>ことを認識していると思われます。
>そこで、高速道路のIC周辺へ人口をシフトさせ、駅に変わる新市街地の形成を
>頭に置いているものと思われます。
と想像されたこととはちょっと違う交通政策を山崎養世氏が考えていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
つまり、「この新出入口周辺を生活者の町づくりの拠点にする」ことも目指すけれども、既存の地方の小さな街も大切にする、ということです。決して「後者から前者へのシフト」ではないと思います。シフトさせるのは、「大都会から田舎」へのシフトです。

>その経歴から、金融界、産業界の各方面に分厚い人脈をもっていることは
>間違いないでしょう。
>その人脈から経営コンサル的なことしてるんじゃないですかね?
>こういう人が、本当に公益だけで物事を考えているのかも私は強く疑っています。

参考までに、最近の山崎養世氏は、「太陽経済の会」
http://www.taiyo-keizai.com/organizational/index.html
というものを立ち上げて活動しているようです。人脈は確かに、いろいろあるようです。この会がどのようなものに発展していくか、私は注目しています。

2009.09.09 05:00 URL | sweden1901 #SVqLzQOU [ 編集 ]

山崎養世氏の件のエッセーですが、Q18に公共交通との連関で
論じた部分があったのですね。読み落としていました。
ご教示ありがとうございます。
いつも、swedenさんは、読みやすさへの配慮を忘れない引用の仕方、
データの提示ををされていてこちらとしても議論しやすいです。

さて、問題の山崎氏のQ18の主張ですが、残念ながら机上の空論の
観を否めません。地方の活性化の実効性に乏しいと思います。
民主党の馬淵議員が言っているように、この政策は産業構造に密接に
リンクしているのです。ヨーロッパと同列に扱われていいのかも
疑問です。
まず、本質的にいえる事は、この政策のベースにあるのは、
(ここでは借金、税金の問題は除外します)
地方から大都市部への自動車によるアクセスのしやすさを金銭的なコスト面で
バックアップしようというものです。
以前も話したように、日本の道路の99.3パーセントは一般道です。
この整備が高度経済成長以降急ピッチで進んできました。
高速道路の部分を入れなくても、一般道の部分だけでも確実に地方から
のアクセスの便は向上し、移動コストは下がっているのです。
既に金銭的なバックアップがなされてきたのです。
しかしながら、
そのことと反比例するかのように、一極集中、地域間格差、農村の荒廃、
人口流出の問題が大きくなっていったのです。
地方の交通の便を良くするのは良いことです。
道路であれ公共交通であれ、それを地域に通せば便利になることは誰も
否定できません。そこの住人は間違いなく助かります。
しかし、ここに重大なジレンマが発生するのです。
地方の交通の便を良くすること、“移動コストを下げること=地方の繁栄”
とはならなかった現象が全国的に見られてきた現象なのです。
高速道路無料化は決して従来の道路政策からの方向転換をするものでは
ありません。同じベクトルの線上にあるのです。
ただ高速道路利用者のコスト的な負担をどうするかという受益者負担のあり方の
見直しをしているだけで、結果的に
そのベクトルの“速度”を急加速させることなのです。
ベクトルの“方向”は同じです。同じ線上にあるものです。
“日本の高速道路は本来、無料にするはずだった”という前提が
そもそもベクトルが同じ線上にあることを現しています。
そして、
この政策上の前提自体が間違っていると
飯田哲也氏や上岡直見氏も指摘しているのです。
ですから、現代の道路政策上のジレンマは、
高速道路無料化によってさらに大きくなる可能性が相当高いと見ています。
山崎氏にはこのことへの考察が欠如しています。

またここで私のツーリングネタをまた一つ紹介しましょう。
山梨県の東部に上野原という市がありますが、ここに“ゆずり原”という
地区があります。上野原ICから車で数十分北西に行ったところでしょうか。
群馬の上野村ほどではないですが、山間の静かな山村です。
このゆずり原というのは面白いところで、かつて長寿の村として知られていました。
かつえこの地域の僻地医療に携わっていた医師が地域住民に成人病が少なく、
高齢まで元気に畑仕事している人が多く、長寿であることに気づいて、
実地調査を重ね、論文を出しましたが、その原因として、
主に食生活があげられたそうです。私はこの地域の伝統的な郷土食を忠実に再現した
料理を食べさせてくれる民宿で食事しましたが、
動物性淡白はまったくありませんでした。豆腐、こんにゃく、がんもどき、
粟、きびなどを使った料理、山菜、うどん、味噌、じゃがいもなどが材料になってました。
この地域はコメが取れず、伝統的に、雑穀や小麦、大豆、じゃがいもなどを
食べていたようです。あと発酵食品ですね。
これと適度の農作業と気候もあるのでしょうか、
長寿に寄与していたようです。
しかし、戦後の道路整備とともに昭和30年公共バスがこの地域に開通しました。
たった一本の道とバスによってこの地域のライフスタイルと食生活が劇的に
変化したのです。若い人が農作業を離れ、都市に仕事に出かけるようになりました。
都市で食事をするようになり、洋風化した、脂肪分と動物性淡白を使った
都会人と変わらない食事をするようになり、成人病が増えていきます。
都市部での就業ですから(要するにサラリーマン化)
運動不足も起因しているかもしれません。
ここで逆転現象がおき、高齢の親より、子供が早く亡くなるという
現象も出てくるようになったそうです。
そして、住まいも都市へと若者が流出していき、過疎化しました。
今では、その肝心のバスが大幅に減便され、高齢者ばかりになった
地元民にとって不便が増しているというのです。

さて、ここでお気づきになられたでしょうか。
馬淵議員がこの無料化政策を“産業の転換”として発言していましたが、
これは認識の仕方として間違っています。
要するに、地方の交通の便を良くして移動コストを下げても、
“地方の一次産業や地場産業”と“大都市の二次産業、三次産業”
との産業構造上の極端な不均衡が変わらない限り、
交通の便を良くすれば良くするほど、その良くなった交通網を使って
労働人口は、地方から大都会およびその周辺へと人口シフトしていくのです。
これは産業構造上からいって必然的です。
この政策はやる順序が逆なんです。
山崎養世は、地方における移動コストを下げれば、地方に移り住む人が増えると
言ってますが、これは傾向としては逆なんです。
このことが分かっていないのは、上記の産業構造がわかっていないからです。
いや、実は彼はそんな簡単なことがわかっていないわけが無いとも
思うんですけどね。
生き馬の目を抜くような外資系金融の世界でのし上がった
したたかさを感じます。
真に受けてはならないです。

この点から見ましても
山崎養世氏の主張を読むと、そこに大きなまやかしがあることに
気づくはずです。
つまり、地方から中核都市、都心部へのアクセスが良くなることばかりが
強調されています。そのための方便ばかりが強調されています。
しかし、現代の産業構造においては、
これは地方から中央への労働人口の移動をさらに加速化
させることを意味します。
ある地域が栄えるためには、住民はその地域で仕事をして、
その地域の生産高を上げることが必要です。
まず政策において地域復興策をやるならば、
優先的にやるべきは、いかに労働人口の中央への流出を防いで、
地元で仕事をする需要を増やすかにかかっています。
住民が車に乗って遠くまで行ってしまわずに、
地元で仕事する人、買い物する人、生活する人
を増やす必要があります。
“地域の1次産業、地場産業”と“中央の二次産業、三次産業”の極端な
不均衡という現代の産業構造の上での
高速無料化政策は、この不均衡をさらに大きくすることを意味しているでしょう。
山崎養世氏のやり方は、高速無料化をすれば、
この不均衡が是正されると言っているようですが、
これは明らかに本末転倒なんです。

地方が栄えれば、そこに商業施設が増え、医療機関も増え、
公共交通機関も充実して行き、便利なものが増えていきます。
そうすると、その地方の繁栄の度合いに比例して、
大都市に出て行く必要性が低くなっていくのです。
結果的に人口流出を防げます。
ところが、
山崎氏の主張では、一見、一極集中の解決とか、地方の振興とか、
地域主権とか言っておきながら、それとは裏腹に、
「大都市に来やすくしますよ、便利なものは大都市にありますよ、
大都市には仕事がありますよ、物がありますよ、
さあ、大都市にいらっしゃい。」

簡単に言うとこういう前提から抜けられない発想で、
結局は一極集中的発想で物を
考えていると思われます。
彼の主張は、地方の生産高を上げる実効性に乏しい、むしろ
逆効果に働く方向性が高いです。
つまり自家撞着を起こしているのです。
いっけん交通全体を見渡した上でのバランスを考えているようにみえて、
この産業構造の不均衡による労働人口のシフトという大事な点が
欠如しているようなので逆効果だと
私は言っているのです。

このまやかしに気づくべきです。

これが私の主張の趣旨ですが、以下山崎氏の主張についての
細かい点の指摘を。

「欧州に行けば、ドイツでも英国でもスイスでも
イタリアでも何百年も変わらない古い街が多く残されています。
欧州諸国ではほとんどの国で高速道路は無料か
非常に安い年間の利用料だけしか取られません。
 むしろ、世界一高い高速料金を取っている日本こそ、
古く美しい町並みをほぼ跡形もないまでに壊してきました。」

とんでもないこじつけです。(笑)
欧州は町並み保全のための政策と厳しい建築規制を強いているから
残っているのです。その背景に住民の高い意識もあるでしょう。
日本のそれが壊されていったことを高速が有料であることと
連関されるのは、こじつけ論としか表現のしようが
ありません。

「日常生活を見ても、昔ながらの食生活を守り古い店や
レストランが残り農村が豊かなのは欧州です。」

そういう山崎氏が一方で、農村復興策として、
企業による農家のフランチャイズ化、企業による
農地所有を認めさせる規制緩和をやろうとしている。
前も話しましたけど、このやり方でフィリピンのバナナ農家は
完全に多国籍企業の支配化に置かれ、狡猾な搾取構造が浸透したのです。
デルモンテやドールが有名です。
山崎の農村復興作では儲かるのは農村でビジネス展開する企業であって、
農家ではありません。それはフィリピンで実証済みです。
ひじょーに危険な考えであることに気づくべきです。
鶴見良行の「バナナと日本人」は、
とくに農家の方は読んでおくべき書物です。
山崎が何を仕掛けようとしているのか、
推察がつくかと思います。

>ドイツやスイスなどは、高速道路のインターチェンジ付近には
>ショッピングセンターなどは作らせないところがほとんどです。

IC周辺を生活者の町づくりの拠点にするということと矛盾しています。
自動車ユーザーを念頭に置いた街づくりは、自動車の特性上、
施設と機能が周辺へと拡散化していきま
ICのすぐ近くにはショッピングセンターが
無くても、多少はなれたところならそこに車が流れます。
日の出のイオンモールを想起してみてください。
もしやるのなら、IC周辺の街の形成を規制するべきです。
そこに街が出来たら、必ず人口のシフトが起きます。
その分、他が衰退するということです。
そして、それに合わせて、車のための施設がその近くに出来ます。
ですから、IC周辺に街を作らせないようにしなければならないのに、
山崎さんの言ってることはここでも矛盾しています。

>古い街の中心には車が入れないところも多くあります。
>人が歩くことを大切にします。

その街の人が普段中心部まで車を入れていたのに、
それが出来なくなると不自由します。
たとえば毎朝家族の車で駅まで送ってもらっている
人など不自由します。
これはやめて欲しい。

>優れた人材を集め、世界に伸びていく企業を地域全体で
>応援しなくては世界企業は生まれません。
>東京以外から日本を元気にする、それによって東京の負担も軽くなり、
>東京もさらに元気になる、そんな循環を起こす時です。

山崎氏のやり方では、今まで長々と書いてきたとおり、
地方から中央への労働人口のシフトをさらに加速
させることになるでしょう。
ただ、中央から工場の誘致などに成功した地域では、
法人税の増収、地方の雇用増、地域の商業施設の売り上げアップも
期待できるでしょうけど、
それに反比例して一次産業が衰退するでしょうし、
地場産業の衰退も考えられる。
より中央依存的、大企業依存的地域活性化という意味で、
旧態依然の地域活性化策に過ぎません。
既に散々やってきたことなんですよ。
それで今の現状があるんです。
これで本当の意味での地域主権になるんですかね。

繰り返しますが、高速道路無料化策は、
従来の道路政策と同じベクトルの線上にあるということを
お忘れなく。
同じ線上を急加速させるだけです。

2009.09.09 19:02 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

swedenさん

先の私の投稿は貴殿へのレスです。

それと、
お教えいただいた
山崎養世氏が立ち上げたという「太陽経済の会」ですがね、

http://www.taiyo-keizai.com/organizational/index.html

主要メンバーを見てみると、
天下り官僚、現職官僚、財界人、外資系金融機関の経営者がゴロゴロ
いるじゃないですか(笑)
“やはり”と思いましたね。

飯田哲也氏の環境エネルギー政策研究所とは、
一味も二味も、いやそれ以上に趣の異なる
団体のようですね。(^^;

山崎さんは、公益を大義名分にして、実のところ、
腹では自分たちの大きな私益を目論むタイプの人だと
私は勝手に推察してますよ。

それにしても、山崎養世をブレインにしちゃって
民主党は本当に大丈夫かしら??

2009.09.09 19:08 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

Sweden1901さんが、紹介してくださった山崎養世氏が公共交通機関について述べられたことですが

>でも、当たり前の話ですが、電車に乗る人数が少なくなればこうした環境への優位性は減ります。1両に数人しか乗らない電車の乗客1人当たりのコストと環境負荷は巨大です。電線に通しておく電気、沿線での照明、信号機、さらに、駅や線路のメンテナンス、掃除、洗車、さらには、駅員や乗務員のコストがかかります。
>インフラだけを見れば、人口密度の低い地域では、鉄道よりも道路の方がはるかに維持コストは低いのです。乗客が少ない地方のローカル線が廃止に追い込まれ、住民の交通手段が自動車だけになっていったのも、自動車よりも電車の方が、はるかにコストがかかるからです。

確かにその通りです。でも、考えなければいけないのは、なぜ地方がこんな事態になってしまったかではないでしょうか。
フリスキーさんが詳細に書かれているように、自民党政権は地方から大都市部への自動車によるアクセスのしやすさを金銭的なコスト面でずっとバックアップしてきました。にもかかわらず、地域間格差、農村の荒廃、地場産業の衰退、人口流出の問題が増大してしまいました。
地方経済が破綻し故郷で生活できなくなった若者が都会に出てきて大企業を潤す安い労働力となっているのが現状です。この歪んだ産業構造は、偶然にできたものではありません。自動車産業や道路行政への異常な優遇によって意図的に作り出されてきたと言えると思います。
そして、新政権が高速道路を無料化したら、それは自動車産業優遇つまり自民党政権の経済政策の追認にほかならないとしか思えません。

「太陽経済の会」ですが、
理事 船橋洋一(朝日新聞主筆)
発起人 大竹美喜アメリカンファミリー生命保険会社
最高顧問 松沢成文(神奈川県知事)
顧問 松場 清志(キャピタル・パートナーズ証券株式会社取締役会長)
李 克(日本大学大学院グローバルビジネス研究科准教授 経済学博士)
などなど。どう考えても異様にネオリベの香りが…。

2009.09.10 01:49 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

フリスキーさんのコメントから。

>山梨県の東部に上野原という市がありますが、ここに“ゆずり原”という 
地区があります。上野原ICから車で数十分北西に行ったところでしょうか。 
群馬の上野村ほどではないですが、山間の静かな山村です。 
このゆずり原というのは面白いところで、かつて長寿の村として知られていました。 
中略 
この地域はコメが取れず、伝統的に、雑穀や小麦、大豆、じゃがいもなどを食べていたようです。あと発酵食品ですね。 
これと適度の農作業と気候もあるのでしょうか、長寿に寄与していたようです。 
しかし、戦後の道路整備とともに昭和30年公共バスがこの地域に開通しました。 
たった一本の道とバスによってこの地域のライフスタイルと食生活が劇的に変化したのです。若い人が農作業を離れ、都市に仕事に出かけるようになりました。 
都市で食事をするようになり、洋風化した、脂肪分と動物性淡白を使った都会人と変わらない食事をするようになり、成人病が増えていきます。
都市部での就業ですから(要するにサラリーマン化)運動不足も起因しているかもしれません。 
ここで逆転現象がおき、高齢の親より、子供が早く亡くなるという現象も出てくるようになったそうです。 
そして、住まいも都市へと若者が流出していき、過疎化しました。 
今では、その肝心のバスが大幅に減便され、高齢者ばかりになった地元民にとって不便が増しているというのです。

短絡的・単純思考の方から「地方の人は都市文化にふれることなく、地方に閉じこめておくのが一番幸福だと言いたいのか」というようなクレームがきそうですが、もちろんフリスキーさんはそのような主旨で書かれたのではないです。従来の道路政策が真に地方の活性化や地元住民の生活向上のためになされたわけでなく、都市の大資本を儲けさせるためのものだった結果を述べられたのでしょう。食生活についての同じような現象は欧米の食文化が移入されたトンガなどでも顕著に見られることです。

2009.09.10 09:13 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

ぽむさん

私の拙文から文意をよく理解してくださり、
ありがたく思います。
山崎養世は、しきりに田中角栄のはじめた
料金プール制を批判していますが、
しかしながら
彼の「日本列島快走論」は、
角栄の「日本列島改造論」を
補完したものにすぎない
と言えるかもしれませんね。

2009.09.10 15:04 URL | フリスキー #iMBi6aSc [ 編集 ]

フリスキーさん、

まず、上岡直見氏の「高速道路無料化論の錯覚」記事
http://www.news.janjan.jp/government/0810/0810130370/1.php
における試算について。
上岡氏が一般道路の交通量減少分も考慮した上での試算をしている、ということは理解しました。ありがとうございます。
ただ、
>当然ながら、一般国道を使っていた人が高速道路にシフトしようとする。
>同様に「均衡」が成立するとして計算すると、
>高速道路ルートには1410台、一般国道ルートには320台の車が配分され、
>双方の所要時間が同じ114分になったところで均衡する。

この「均衡理論」とでも言うべき前提が理解できません。
もし成り立つとしてもそれは、相当量の交通量がもともと存在する路線・区間でしか通用しないのではないでしょうか。
いずれにしても上岡氏は上記のような前提の上で、
「高速道路無料化で高速道路の交通量が増加する→平均旅行速度が低下するし、整備されていないアクセス道路に殺到して渋滞が悪化する」というような理由も加味されて、「一般道路の交通量が減少してもCO2排出量が全体として若干増える」と試算しているのだと思います。

高速道路へのアクセスの悪さを改善していくことについては、民主党の無料化案では、インターチェンジ(以下、IC)の増設を一体的に進めようとしています。無料化区間では料金所は不要ですから、従来のような複雑な構造のIC(40億円かかるそうです)は不要になりIC増設費は大幅に軽減できます。現在ETC限定となっているスマートIC(=SAやPAから一般道へ出られるようにしたIC)をETC非装着車でも通過できるようにするだけでかなりアクセスはよくなるでしょう。
上岡氏はこのようなアクセス道路の改善についても「地方の一般財源がさらに投入され、地方債残高も増加することになる。公共事業の発生が高速道路無料化論の最終目的ではないかという側面も警戒すべきであろう。」と懐疑的なので、フリスキーさんもそのようにお考えなのかもしれませんが。

山崎養世氏の主張について。

>交通の便を良くすれば良くするほど、その良くなった交通網を使って
>労働人口は、地方から大都会およびその周辺へと人口シフトしていくのです。
(中略)
>彼の主張は、地方の生産高を上げる実効性に乏しい、むしろ
>逆効果に働く方向性が高いです。
>つまり自家撞着を起こしているのです。
>いっけん交通全体を見渡した上でのバランスを考えているようにみえて、
>この産業構造の不均衡による労働人口のシフトという大事な点が
>欠如しているようなので逆効果だと
>私は言っているのです。


ストロー現象のみが起こる、と考えるのか、それだけではなく逆も起きると考えるのかの違いなのでしょう。
無料化によって、アクアラインと木更津に起こるであろう予測が山崎養世氏の発言・主張にはよく出てきます。
一例↓
http://www.yamazaki-online.jp/voice/arc/000021.html

それが机上の空論では、どうやらないようです。
9/8(火)夜、テレビ東京系『ガイアの夜明け』で、「1000円高速 光と影…検証 値下げの経済効果」と題していくつかの地域の話題がまとめられていました。その最後に出てきたのが、このアクアラインと木更津に関してのパート「アクアライン終日値下げ 人が、モノが、街が変わる」です。

これまで閑古鳥が鳴いていた木更津の工業団地「アカデミアパーク」に、川崎のある部品メーカーが移転しました。川崎周辺に住む社員のための送迎バスを出しても、トータルのコストは少なくなっているそうです。また木更津の賃貸マンションに移り住んだ社員もいて、「同程度の賃料で広さが2倍広くて満足」という声を紹介していました。
これは例外的な一例なのかもしれないですから、山崎養世氏が期待するような形、つまり「大都市から田舎へ資本も人口もシフトする」ことが本当に起きるのかどうか、正確に予測することはできませんが、私は夢物語だとは思っていません。(ただし、アクアラインが無料化路線になるかどうかは現時点では流動的だと思います)

>IC周辺を生活者の町づくりの拠点にするということと矛盾しています。

これについての反論も前回と重なりますが、山崎養世氏の主張は、
・IC周辺を生活者の町づくりの拠点にする
・既存の街も大事にする
です。一見矛盾するように見えるのは、地方の人口が増える、と山崎氏が期待していることを忘れているからではないでしょうか。
地方高速道路無料化が「大都市から田舎へ資本と人口のシフトを促す」という考え方なので、これは矛盾していないのです。
もちろん「既存の街を大事にする」ためには十分な配慮が必要です。無料化すればあとは何もしなくてもどんどん世の中が良くなっていく、などという主張を山崎氏も私もしているわけではないことはご理解いただいていると思います。

>欧州は町並み保全のための政策と厳しい建築規制を強いているから 
>残っているのです。その背景に住民の高い意識もあるでしょう。 
>日本のそれが壊されていったことを高速が有料であることと 
>連関されるのは、こじつけ論としか表現のしようが 
>ありません。

山崎氏は、
「高速道路が無料化されたら、地方の伝統ある街並みが残されている地方都市の建物や生活に影響がある、という懸念があるが、それは、『街の中心部には車が入れないようにする』という制限をするなどの工夫(多くは不便を強いることになるが)をすることで、影響を最小限にできるはず」と言っているわけです。

そして「世界一高い高速料金を取っている日本こそ、古く美しい町並みをほぼ跡形もないまでに壊してきました。」という部分は、「高速道路が有料だったから日本の古い街並みが破壊された」と短絡的に言っているわけではなく、「高額な高速料金を課すことによって、利便性だけを追い求める買い物客や観光客が来ないように(結果的に)なっていたはずなのに、日本の伝統的な街並みはいつの間にか廃れてしまった。」ということを言っているのだと私は理解しました。

少し話はずれますが、スウェーデンでも、都市を離れた小さな田舎町でも、古くからの街並みが大切に残されています。(近代的なものもないわけではもちろんありません)それらはどこも魅力的で、観光客を呼び込む重要な要因になっているものと思います。日本と異なって地震がありませんから、頑丈な建物でなくても100年単位でいくらでも残すことができる、という事情もあるのでしょうが、フリスキーさんも指摘されているように「その背景に住民の高い意識もあるでしょう。」これが大きいと推測しています。

翻って日本はどうでしょうか?どの都市に行っても変わり映えのしない風景が目に入ります。特に駅周辺の景観は、売らんかなの商業主義が全面に出ていて、少しも魅力的に映りません。残念なことです。外国人の多くが日本を魅かれるのは、秋葉原のようなところも例外的にあるでしょうが、多くは「伝統的な文化を感じる」モノあるいは自然そのものです。それらはもちろん日本人(の多く)にとっても魅力的なはずです。

2009.09.11 22:48 URL | sweden1901 #SVqLzQOU [ 編集 ]

 山崎氏がこの無料化で得ようとしている利益について一つ考えると、山崎氏がいたゴールドマンサックスがこれまでやってきた戦略からして、一部フェリー会社を潰して関係会社の利益にしようとしているのではと想像してしまいます。フェリー業界での動きのうち、関西汽船、名門大洋は商船三井が完全子会社化しました。次はこれらを商船三井フェリーに吸収か、第2商船三井フェリーとして合理化し、商船三井系でない阪九フェリーなどを潰し、少なくとも瀬戸内海からは商船三井系列以外を叩き潰すところまで考えているのではないでしょうか。商船三井のメインバンクは三井住友銀行、三井住友はゴールドマンとの関係が深い。更に商船三井の役員を歴任し、元商船三井フェリーの社長で、しかも山崎氏と同じ高校出身の中村清次氏は、現在日銀の委員をやっていて、経済政策に大変影響力のある人です。当然二人の間には面識があると考えるべき。「産業構造の転換」が自分らにとって利益になる業界再編を含んでいると考えられます。

 

2009.09.28 04:11 URL | よろよろ #- [ 編集 ]

高速無料化は交通量偽造の根回しで不要工事起案の原因となるだけでなく弱肉強食社会さらに日本の地形経済におくと見にくい景観を呈する。

2009.10.05 00:13 URL | 監理技術者 #- [ 編集 ]

高速無料化すると利用量が増え運搬の高速化が不要に拡大し交通の大部分を占める末端交通が経済に影響を及ぼさなくなるため都市と地方が疲弊する。高速無料化で最小に留めている運搬の無駄が拡大し競争力を失う。日本の地形経済条件と違なり景観が見にくい。

2009.10.05 00:37 URL | 監理技術者 #- [ 編集 ]

稲田氏に対して、言論の自由を侵す重大なテロとの危機感は、そこにはみじんもなかった。……北海道新聞らしい論調ですね。(笑)
加藤紘一の家が焼かれて笑った人は、加藤のことを嫌な奴だと思っていたからでしょう。事実、そう思われてもしょうがない政治家だからです。
 ここの管理人はどうしても稲田朋美がきらいなんですね。(笑)

2009.11.25 14:00 URL | りり #- [ 編集 ]

加藤のことを嫌な奴だと「思っていた」から「事実」、放火はやむを得なかった?
それじゃテロリストと同じじゃないですかw

>そう思われてもしょうがない政治家だからです。

具体的に?

2009.11.26 18:58 URL | yasu #- [ 編集 ]

ましてや怠け者は懲農送りにしてしまえなどという、本末転倒というか、実態をよくわかっていないというか、蔑視というか・・・。

「政治理念」見させてもらいましたけど・・・。
逆にどこが支持できるのか是非とも伺ってみたいですね。
「神輿を担ぐこと」しかできないなら、それはもはや伝統ではないんですよ。
「軽い」というか何というか・・・。
もっと文化を、重んじてほしいですね。
「なんとな~く」じゃなくて。

2009.11.27 18:32 URL | やす #EtJ4CVjI [ 編集 ]

稲田朋美氏に代表される右派政治家やその支持者はよく「テロとの戦い」を強調される傾向にあると思います。

私も「テロとの戦い」は重要だと考えます。

しかし、加藤紘一氏のように思想的に異なる(あるいは人間的に嫌いな)人に対するテロを容認するのは明らかにダブル・スタンダードで矛盾しています。

これが認められるのであれば、逆に思想的に異なる相手からテロを受けても仕方がないということになります。

テロはまた新たなテロを生み、テロの応酬ということになれば結局「テロとの戦い」には勝てないのではないでしょうか。

蛇足ですが、北海道新聞は右派の方からはよく左翼新聞だと非難されているようです。

私は北海道に住んでおり、確かに基本的には左派的な論調であることは認めます。

しかし一方ではフジサンケイグループに属している関係で、時にはかなり右派的な記事が出ることもあります。

北海道新聞らしい論調だと単純に決めてかかるのは安易だと思います。

2009.11.28 00:44 URL | nohohonn68 #- [ 編集 ]

高速道路無料化の損失を試算すると千兆を突破する。経済効果があるとする試算は設定範囲が限定的で作り話。高速無料化とセットになる策は、徴兵制と核武装。民主党の他のマニフェストとセットにした趣旨とは、タイヤ損耗と偽装起案工事から高速道路無料化金を着服する方向へ動かす言語を書き込んでおり、疑獄犯罪。

2010.01.30 19:08 URL | 監理技術者 #- [ 編集 ]

高速無料化と関係があるのは、核武装と徴兵制。マニフェストは核武装と徴兵制を出さずに子供手当、授業料無料化、消費税等にスリ替えての尻込み背任。このことは、高速道路無料化金の盗みに動く。

2010.01.30 21:44 URL | 山ちゃん #- [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2011.05.28 01:23  | # [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2011.09.16 06:41  | # [ 編集 ]













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