きまぐれな日々

三連休はテレビやら新聞やらネットやらから離れた生活をしていたが、予想通り自民党最後の悪あがきも不発に終わり、いよいよ今日(21日)麻生太郎首相の手によって衆議院が解散される。

思い返すと、昨年の9月1日、福田康夫首相(当時)が突然辞意を表明して以来、衆議院解散の時期をめぐって与野党間および与党内で激しい駆け引きが続いた。「福田では選挙に勝てない」とする自民党は、総裁選の馬鹿騒ぎを演出し、「国民的人気が高い」とされていた麻生太郎を総裁に選出した。だが、「麻生でも選挙に勝てない」という世論調査結果が得られると、最適な解散のタイミングを得ようと解散の先送りを始めた。しかし、麻生内閣の支持率は下がり続け、中川昭一財務・金融相(当時)が、主要7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)後にもうろうとした状態で記者会見した、いわゆる「もうろう会見」の直後の2月末には、一部の世論調査では支持率が10%を切った。そんな麻生内閣人気どん底の時期にあった今年3月3日に、小沢一郎・民主党代表(当時)の公設第一秘書・大久保隆規氏が政治資金規正法違反容疑で逮捕され、その後ゴールデンウィークの時期まで民主党及び小沢一郎の支持率が下がり続け、その受け皿となる形で麻生内閣及び自民党の支持率が上がり続けた。一部の世論調査では麻生内閣支持率は30%を超えるに至り、自民党及び麻生太郎内閣にとってチャンスはここしかない、と思われた。しかし、麻生首相は解散を断行しようとはせず、そうこうしているうちに小沢代表が辞意を表明し、民主党が鳩山由紀夫代表を選出すると民主党の支持率が回復し、麻生内閣支持率は再び下降線を描き始めた。その頃から、民主党が唱える「政権交代」が有権者の心をとらえ始め、その間の地方自治体の首長選で自公推薦の現職や後継者の落選が相次ぐと、「政権交代」ムードが一気に高まった。そして、衆議院選挙の前哨戦と位置づけられた東京都議選で民主党が圧勝するに至ったが、もはや衆議院議員の任期満了(9月10日)が目前に迫り、自民党内の「麻生降ろし」を封じるためにも麻生首相は解散を決意せざるを得ないところにまで追い込まれた。とはいっても、麻生首相が衆議院を解散しない場合、公職選挙法の規定によって、任期満了選挙の投票日は、もし日曜日にするなら8月23日になり、それ以前にも以後にもずらせない。それに対し、現在想定されている日程では衆議院選挙の投票日は8月30日とされており、要は麻生首相及び自民党は任期満了選挙からさらに1週間、総選挙を先送りしたのである。最後の最後まで姑息な麻生内閣だったと総括せざるを得ない。結局、「政治空白」は丸1年続くことになった。

今回の総選挙は、「政権交代」の是非をめぐる単一争点(シングルイシュー)選挙になってしまうだろう。前回、4年前の総選挙は「郵政民営化」を問う単一争点選挙だった。それ以前に遡ると、1993年の総選挙が「政治改革」を問う単一争点選挙だったが(この時は、必ずしも「政治改革」は民意の支持を受けなかったが自民党が分裂してしまっていたために政権交代が実現した)、以後1996年、2000年、2003年の総選挙には異常な雰囲気はなく、いずれも直近の総選挙から3年以上を経て、時の内閣が国民に信を問う形の解散総選挙だった。

自公政権には反対だが、民主党に対しても批判すべきところは批判するというのが、当ブログの開設以来一貫した主張だが、そんな立場さえ熱狂的な民主党支持者たちから「隠れ自公」、「裏切り者」、「自公の工作員」などと叩かれる空気は、当ブログ開設前の郵政選挙の際、ネットの掲示板で自民党やコイズミの支持者たちから、コイズミを批判していた私が袋叩きにされた時とそっくりだ。現状を見ても、民主党が不審な動きを見せても支持者のブログはそれを不問に付す場合が大半だ。その好例の一つが比例区に的を絞った衆院議員定数の削減(民主党案では80削減)であり、日頃から良識的な意見の表明で私が信頼していたブログさえこの問題を完全スルーしたことには唖然とさせられた。一方、世評の高い民主党の農業者戸別所得補償法案だとか、私が評価している温室ガス削減中期目標(2020年)を1990年比25%削減とする環境・エネルギー政策(これに関しては、脱原発を鮮明にする社民党の政策がさらに先進的だと考える)などについては、「工作員」呼ばわりの好きなブログは何も触れようとせず、それどころか「地球温暖化陰謀論」などを信奉していたりするていたらくである。これでは、4年前にはびこっていたコイズミ信者のネット右翼と何ら変わるところはない。

それでも、自公政権が政権担当能力を完全に失ってしまったとしかいいようのない現状では、政権交代は起こさざるを得ない。基本的に2000年までの旧来自民党政権に比較的近い性格になると思われる、民主党を中心とした新政権に対する対立勢力として、どのような勢力が台頭するかが問題だと私は考えている。現在の自民党の流れをくむ新自由主義勢力(中川秀直ら)や極右勢力(安倍晋三ら)は弱小政党に落ちぶれてもらって結構だ。しかし、ネット右翼に人気の高い後者は、仮に平沼一派や改革クラブの合流があったところでたかが知れているが、前者には新たな政治勢力が加わり、それにマスコミや財界などが応援する恐れは相当に大きい。ここで私が橋下徹や渡辺喜美らを念頭に置いていることは言うまでもない。完全にミソをつけて国政への進出はもはや不可能とさえ思われる東国原英夫でさえ、彼らの尻馬に乗れば復活もあり得る。それに対抗して、社民主義的立場からの対立勢力を大きくしていかなければ、日本の政治はいつまで経っても良くならないと私は思うのだが、それを阻害するのが民主党の「比例区80議席削減」なのである。この流れを止めるには、90年代の「政治改革」の見直しにまで遡らなければならないと思うが、もしかしたら来月の総選挙がそのきっかけになるのではないかと私はひそかに思っている。


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月末の30日投票ということで今度の当選者は31日の1日だけの議員在籍で、一ヶ月分の議員報酬を得ることになるはず。

国民の窮状を知ってるだろうか。次回の当選者たち

2009.07.21 15:14 URL | 通りがかりです #- [ 編集 ]

題意に関係なく?申し訳ないのですが気になったので。 鳩ぽっぽ弟が総務大臣を辞めた(罷免された)頃 たしか中指に包帯してましたね。 今日の自民党反省会で見かけた石破 彼もどの指か忘れましたけど包帯してました。 ひょっとしてどこからでも無線で爆破出来るプラスチック爆弾かなにかで よけいなことを言ったらいつでも爆破するぞとゆう何者かからの脅しではないでしょうか? レベルの低いことで申し訳ありません。

2009.07.21 15:50 URL | ricanikanmuri #- [ 編集 ]

ricanikanmuri氏へ.

たまたま札びらでも数えててさっくり切ったんじゃないですかね。新札だとよくあるんですよ。手の切れるような札って、あれ本当なんですよ。

※プラスチック爆弾でやられたら指の包帯じゃ済まないと思います

2009.07.21 18:45 URL | 謎のカスパール・ハウザー #- [ 編集 ]

邦夫は、自宅でパーティーを開いて、有機野菜だかなんだかを使った料理を参加者に紹介した。
そのとき、自分で食材を切っていてうっかり指切っちゃったと言っていたよ。

2009.07.21 20:01 URL | nessko #aIcUnOeo [ 編集 ]

じゃあ石破はプラモ作ってるときに指でも引っ掛けて怪我したんでしょうな。

僕は今回の選挙を『目糞鼻糞選挙』と命名します。

2009.07.21 21:36 URL | 謎のカスパール・ハウザー #- [ 編集 ]

今度の選挙は自公か民主か右か左かという政策や政権担当能力比較論での投票行動よりも、「自民をいっぺん下野させるのが是か非か」という投票行動が多くなると思います。
これは4年前の小泉郵政に是か非かというものと何も変わってない気がします。

自民はダメだが、かと言って世間の空気の支配で中身を良く知らずに民主一辺倒に風が流れるのはちょっと危うい。
だから自分の選挙区の候補者を「民主党だから」では無く、よーく吟味すべきかと。

党、派閥、出身、新人、現職、元職関係なくマニフェストをちゃんと理解できて行動できる奴なのか。
4年間何をやってたのか、政治理念はなんなのか。
反論に対して論破するだけの理論を持っているのかを。

血筋や知名度・人気や口先だけで流されると、ま~た4年間同じことの繰り返しになりますから。


そもそも、麻生内閣の明らかな失政の具体例をあげられる国民がいますかね?
要は印象としてそうだからと・・・・

2009.07.21 23:50 URL | 与志 #- [ 編集 ]

どうでもいいことだけど、私の耳クソは(自分では)わりと高貴な匂いだと思ってて気に入っています。
おそらく、そういう自分にしか良さがわからない基準で、選挙民それぞれが独自に個人候補と比例投票先を選ぶ、それが重要になる選挙なんだろうな、と今回は特に思います。

大勢としては民主党、されど権力の集中は今回の自民党の滅茶苦茶さを見ていれば、避けたい。
それが大方の一般市民国民の胸中なのではないかと思います。
あとは民主党(と自公)以外の党が、自分の党自体の良いところ、
それを広くアピールしたところが、得票を伸ばすように思えます。

いや極めて当たり前の話のようですが、今回、民主VS自公の構図の間に割って入れるほどの、アピール力がある党というのは、意外に少ない。
自公以外の党というのは、大体が民主党におもねっている。

国民新党なんかはその辺り、独自アピールをするのに努力している風が見られ、党自体の得票を案外伸ばすのではないか。
社民党、共産党なんかはそれに比して埋没している向きがある。
細かい所を見れば、違っているところ、民主党と違っていてしかも良いと判断してもらえるところは、それぞれ持っているでしょう。
問題はそれを確とアピール出来るかどうか、今回、少数政党には特にそれを求められます。

うかうかしてると、一方の手で民主党に投じた、そのもう片方の手でコージツもとい幸福実現党に票を入れられてしまう、
そんなことはあり得まくります。
彼らのアピール力、知名度を広めるための努力金力メディア力は今、ものすごいことになってますから。

民主党にある程度協力気味な姿勢を打ち出したから、衆院選はそれなりに票が入るだろう、
なんて甘々な見通ししてたら、共産党は志位以外全員落ちます。
むしろ民主との対決姿勢を革新政党として、反貧困・脱財界の政策・主張と共により強く打ち出した方が、
国民に「すゎここにも第3極が」と思わせることが出来て、
それなりの票数を獲得できるのではないか。

結局は選挙を過ぎてみないことには、何が良く、何が悪かったかなんてわかりませんけれども、
共産党や社民党の革新候補諸氏が、保守の再編に巻き込まれ、コージツ党にすら票を奪われるほど、埋没してしまわないことを、小生ささやかに望むばかりです。

2009.07.22 00:10 URL | shimura #XQYq98OQ [ 編集 ]

謎のカスパールさん nessko さん

レベルに合わせて頂いたご回答 ありがとうございました。

2009.07.22 06:31 URL | ricanikanmuri #- [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2011.10.30 05:41  | # [ 編集 ]













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