きまぐれな日々

昨日の当ブログには、一昨年に二度『きっこの日記』からリンクを張っていただいた時を除いて最多となる8323件のアクセスをいただいた。政権交代前夜に、大接戦となった静岡県知事選の結果が全国的な関心を集めた現れだと思うが、地元・静岡県在住のtamukoさんからコメントをいただいたので紹介する。

こんにちは。静岡県民です。
今回の知事選は、あまりにもあからさまなマスコミによる誘導にあきれつつ苦笑しながら眺めていました。
ほかの都道府県でどのような報道をされていたのかは知りませんが、こと県内に限っては、坂本と川勝しか候補者がいないかのような扱いに終始し、海野、平野両氏の名前は、報道のいちばん最後に
「なお、知事選にはこのほか海野徹氏、平野定義氏も出馬を表明しています」
と付け足すのみ。
海野なんて石川が辞める前から出ることを決めていたのにね。

いままでも政治報道の不公平はひどかったですが、ここ数年は輪をかけてひどくなっています。
真に公平な選挙なんて不可能なのはわかっていますが、それでもできるだけそこに近づくような仕組みを作っていかないと。
もう僕は、候補者の氏名性別年齢以外はニュースで報道してはならない、それ以外のことは選挙公報のみで公表すること、というくらい極端にしないとダメなような気がしています。
それ以外で候補者について知りたいことがあるなら有権者が自分で調べろ、と。

すいません。あんまりひどい報道が続いたんで、つい不満を吐き出してしまいました。
それでは失礼します。

2009.07.06 19:49 tamuko


tamukoさんお尋ねの、静岡県外での報道だが、他地方在住者が全国紙で読んだ記事から判断する限り、坂本由紀子氏と川勝平太氏しか候補者がいないかのような報道は、全国的なものだったと思う。7月6日付の毎日新聞社説が典型だろう。この社説は、

「自民・公明対民主」という次期衆院選の対決構図を念頭におきながら投票した有権者が多かったのではなかろうか。

などと書いているが、マスコミがそうなるように誘導したというべきだと思う。

この選挙が、オール与党対共産党という構図だったなら、共産党候補(今回の場合は平野定義氏)の得票が、当選圏に迫るとまではいかなくとも、かなり伸びただろうと思う。「自民党(自公)でなければ誰でも良い」というのが現在の民意なのだ。今回は、無党派層のかなりの部分が、坂本、川勝両候補をよしとせず、海野徹氏に投票したほか、共産党支持層の一部も海野氏に流れたとの分析もどこかで見たが、川勝氏の思想信条に対する警戒感が海野氏の得票を押し上げたとも解釈できる。

当ブログに寄せられたコメントにも、川勝氏の思想信条をよしとせず、「地獄の始まりになるかもしれません」(謎のカスパール・ハウザーさん)、「民主党が勝っても実質的に政権交代は行われません」(sonicさん)などの「暗い」(by Black Jokerさん)コメントが多い。当ブログ管理人も、キーボードを打つ指の動きがどうしても鈍ってしまう。だが、指の力を振り絞って(?)sweden1901さんからいただいたコメントを最後に紹介したいと思う。

川勝氏の思想信条はとても受け入れられるものではありません。
民主党系候補として、川勝氏のような思想信条を持つ候補者が例外的存在であることを願いますが、実際はどうなのでしょうか?
次期総選挙に向けて公認が決まっている民主党新人は公募で選ばれているはずですが、実際問題としては小沢・前代表のお眼鏡にかなった人間に限られているのではないかと思います。

新人のことはほとんど調べようがありませんが、現職の議員については、思想信条はいくつかのソースから推測するとして、経済政策へのスタンスについては、日経ビジネスオンラインに掲載されている2回(昨年6月と今年1-2月)にわたるアンケート調査で、ある程度は把握することができます。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080627/163910/
(グラフの対立軸は、規制緩和vs格差是正、大きな政府vs小さな政府)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090309/188533/
(グラフの対立軸は、民間競争vsセーフティーネット、公共投資vs官の無駄排除)

記事全体の主張には首をかしげるものもあるのですが、ここではそれはおいておいて、次期総選挙で一気に増えることが予想される民主党新人議員がどのような傾向を示すのか。
(政権交代したとして、)民主党が掲げるマニフェストの個々の政策が実現されるか否かは、新人議員の、上記のような経済政策へのスタンスの内訳にかなり左右されるのではないかと思います。

おそらく、反貧困・反自由主義を全面的に推し進めようとする議員は残念ながら相対的に少ないでしょう。
そうだとしても、現在の自民党政権が続くよりはbetterとは思いますが、自民党と、そのような民主党との間で政権交代が続いていく限り、財界の顔ばかりを向いた政治が延々と続くことになってしまいます。

そういう未来が予想されるとしても、よりマシな方向へ引っ張るために、何をどうしたらよいのか。
簡単には答えは見つからないでしょうが、諦めてはならないと思います。

2009.07.07 00:56 sweden1901


sweden1901さんご紹介の日経ビジネスオンラインの記事は、これから読もうと思うが、ぱっと見て気づいたのは、鳩山由紀夫氏が民主党内でも特に「小さな政府」推進派に属するのに、「格差是正」にはもっとも積極的だということだ。いったいどうやって格差を是正するの?と思うのだが、「友愛」の力をもってしてだろうか。また、一部の人たちから「反党分子」呼ばわりされている前原・枝野・野田系列の人たちに、むしろさほど「小さな政府」には傾斜していない人が多いように見えた。グラフを一瞥しただけなので、そういう印象を受けたというだけにとどめておくが。

マスコミ報道にせよ、ネットの一部のグループで主流になる論調にせよ、あまりそれらに流されないようにすることが求められると思う。何より大事なのは、sweden1901さんも書かれるように、「諦めてはならない」ことだ。


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リンクされていた「きっこの日記」昨日のエントリー「小異を捨てて大同につく」を読んだのですが、あれほど反安部晋三を叫んでいたきっこさんも、川勝氏の政治思想については完全にスルー。
「護憲」や「反新自由主義」って「政権交代」という「大同」のために捨てるべき「小異」なんでしょうか。

自民が論外で民主にも多くは期待できないのは以前からわかっている事なので、それについてとやかく言う気はありません。
問題は、ちょっと前までは「反新自由主義」だの「護憲」を言っていた(現在でも「ソマリア派兵反対」などと言っている)「リベラル派」の方たちの多くが今回の知事選の結果を「政権交代への力強い流れ」と手放しで喜んでいることです。
川勝氏の政治思想を本当に知らないのか知っていても都合の悪いことは書かないのかは知りませんが、こういう流れにはとても怖いものを感じてしまいます。

2009.07.07 09:57 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

川勝氏は新聞によると小渕、安倍政権のブレーン学者。
 そういう御用学者も自民を見限り民主に流れたと言う事か・・・
 橋下、そのまんま・中田の首長連合は河村ら民主党系の首長も取り込むのか???

2009.07.07 12:30 URL | ぶじこれきにん #U9m.xr6A [ 編集 ]

なるほど、面白いです
またおじゃまします

2009.07.07 12:58 URL | さいと #bAUDf4do [ 編集 ]

 勝てそうな候補ということで、野党が川勝氏に白羽の矢を立て、本人も、「正論」や「Voice」等の常連で民主党の悪口ばっかり書いていたらさすが恥ずかしかったろうが、そうではなかったので、無名私大学長よりは…ということで立ったのでしょう。
 民主党は海野氏では、坂本氏には勝てないと踏んだのでしょう。何せ2004年の参院選で
坂本氏に負け、後の市長選も無所属で出て負けているのですから。
 政争に勝つには仕方ないんじゃないでしょうか。

2009.07.07 14:48 URL | cube #- [ 編集 ]

初めまして。

いつも冷静なご意見を貴重なものと思い拝見させてもらってます。

>「自民・公明対民主」という次期衆院選の対決構図を念頭におきながら投票した有権者が多かったのではなかろうか。

>などと書いているが、マスコミがそうなるように誘導したというべきだと思う。

ということや、

>sweden1901さんご紹介の日経ビジネスオンラインの記事は、これから読もうと思うが、ぱっと見て気づいたのは、鳩山由紀夫氏が民主党内でも特に「小さな政府」推進派に属するのに、「格差是正」にはもっとも積極的だということだ。いったいどうやって格差を是正するの?と思うのだが、

という指摘は、他の「政権交代・リベラル」のブログでは希少なので、素晴らしいことに思います。

「民生を安んずる」というのは、政治経済の基礎の基礎ですが、今の議員さんに興味がある人や重視する人が少ないのは「社会の劣化」でしょうかね。

ではまた。

2009.07.07 18:13 URL | 忠武飛龍 #RFphBmaY [ 編集 ]

初めまして。ROM専でしたけど、いつも拝見しています。
大いに納得したり、勉強になります。
だけど時には、生意気ですが「少し違うでしょ」と思ったり致します。

だから昔から言うように「大同小異」と言うことなんでしょうか。今度の静岡知事選挙、ネットで見る限り、川勝さんの思想に危険性を感じている方も多いようですね。
私もその内の一人ですが、かと言って自民党が勝てば、マスゴミや当の自民党が勢いづくのは間違いないし、痛し痒しですか。地方選挙はそれとして。
国政の方は、結局のところ色んな方が述べてるように、何度か政権を交代していき、それによっていくつかのグループが収斂して行くしかないのでしょうか。
いずれにせよ、このままの自民党独裁だけは終焉させなければと、強く思います。

2009.07.07 18:21 URL | something #- [ 編集 ]

「大異を捨てて小同につく」ということでしょう。ただ単に自民党がひど過ぎるということでしょう。とにかく自公政権だけは御免被るということでしょう。

2009.07.07 19:27 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]

はじめまして(もしかしたら、一度くらいコメントしたことがあるかも知れません)。

私も、政権交代という言葉が独り歩きして、捨ててはいけない小異を大同のために捨ててしまう「リベラル系ブログ」の方々に疑問を感じる一人です。
政権交代は手段であって目的ではないはずで、本来目標は「反貧困」であったり「反新自由主義」であったり「護憲」であったりするはずですね。手段を目的化して、公僕を教祖化して、擬似目的に、擬似教祖に逆らうものは「悪徳ペンタゴン」「隠れ自民」「工作員呼ばわり」。コイズミ郵政選挙に踊った人たちと何が違うの?と思います。
そんな中、静岡県知事選挙の結果と「リベラル系ブログ」の政権交代原理主義化を見るにつけ、鬱屈した気持ちがたまっているのですが、kojitaken や、「世に倦む日日」などの良識のある主張に勇気付けられた次第です。
自分もブログなりで思うところを主張すれば良いのでしょうが、まとまった時間が取れず、かといっていい加減な姿勢でやる気にもなれず、実現には至っていません。せめて貴ブログや本などで勉強させていただき、いち国民として責任ある態度で投票行動ぐらいはせねばと思っております。

余談ですが、先ほど名前を出した「世に倦む日日」氏も「政権交代」原理主義への警鐘を鳴らされています。

http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-100.html

などは秀逸であると思います。
惜しむらくは、「とりあえず民主に一旦政権を獲らせてみるべし」という現実論に替わるソリューションを提示できていないところでしょうか。
STOP THE KOIZUMI を私はリアルタイムに知っておりませんが、騒動(?)で kojitaken さんとも袂を分かつ形になったのは何となく存じています。しかし少なくとも新興宗教と化した自END界隈の「主流派」などよりは主張が似通っているのではと思います。共闘とまでは言いませんが、彼のブログの主張にも言及し、理想論ととられがちな主張(しかし正論です)に対して、現実的に我々ができることは何かということについて議論を深めて頂けると、「主流派」に抗し得るほどのアイディアがでるのではないかなぁなどと考えます。

勝手ばかり申しましたが、これからも応援しています。

2009.07.07 20:50 URL | ozzy #- [ 編集 ]

ozzyさん、

たぶんはじめまして、ですね。コメントありがとうございます。
『世に倦む日日』と「STOP THE KOIZUMI」についてですが、私は2005年の郵政選挙当時に同ブログを知った読者で、当時はブログをやっていませんでした。その頃、右翼ブログや、今は廃れましたが当時多かった小泉改革支持ブログの中にあって、反改革を鮮明にしていたブログは『世に倦む日日』くらいのものだったので、特に郵政選挙前後には熱心に読んでました。しかし私がブログに参入した時には「STOP THE KOIZUMI」は既に周囲のブログとトラブってましたので、直接かかわったことはありません。2006年9月に、『世に倦む日日』の管理人氏が「安倍晋三TBP」にクレームをつけてきた時に同ブログを批判したことはありますが、もともと組んでいなかったので「袂を分かった」って感じではありませんね。私のブログ参入がもう少し早ければ、「STOP THE KOIZUMI」に参加を申し入れていた可能性はありますが、その後の光市母子殺害事件などについては、全く意見が合いません。現在はかのブログの有料読者ではありませんが、ブログの無料公開分には目を通しています。時々当ブログを揶揄しているとしか解釈できない表現なども見かけますので、共闘というわけにはいきませんけど。

> 擬似目的に、擬似教祖に逆らうものは「悪徳ペンタゴン」「隠れ自民」「工作員呼ばわり」。コイズミ郵政選挙に踊った人たちと何が違うの?と思います。

というのは、本当に困ったもので、私はあの「疑似教祖」さんは何を思ってアジテーションをしているのかと思います。たとえば、小沢一郎氏が辞意を表明した5月11日には、
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-8edf.html
で後継に菅直人氏を推し、条件つきで岡田克也氏の後継も認めているのに、翌日になると
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-dd5d.html
で前日には名前も出さなかった鳩山由紀夫氏を、鳩山氏しかいないような書きぶりで推して、岡田氏を批判しました。その後も時々突如岡田氏批判をやって、私や平成海援隊BBSの「自公工作員」(笑)の方々を呆れさせています。それこそ眩暈がしますよ。たぶん、「主流派」が感情的に、小沢氏を支えてきた鳩山氏がかわいくて、小沢氏と距離を置いていた岡田氏や、小沢氏の辞任を迫ったとされる菅氏への反発があり、その空気を読み、かつ民主党内の情報を仕入れた「疑似教祖」氏が、一夜にして主張を豹変させたのだと思います。それを誰も批判しないんだもの。呆れてものも言えませんでしたよ。なお、あの代表交代劇は、それこそ『世に倦む日日』が書くように、鳩山氏と菅氏がともに小沢氏を追い落とそうと画策し、鳩山氏の方が巧妙に振る舞って、まんまと追い落としに成功したというのが本当のところだと思いますね。もちろん、小沢氏の方も「御輿を担ぐ」方が得意だから、Win-Winではあったんでしょうけど。

話を戻すと、私は、1日3万件以上のアクセスのあるブログを持つ「疑似教祖」を誰も批判できないところに、「リベラル・市民派ブログシーン」の病理が象徴されているとさえ思います。

2009.07.07 21:37 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

いやはやバカだねー日本人。
これで民主が勝ったって?
単に極右知事がふえただけ。
コネズミ選挙の二番煎じだと気づかない奴が政治に口出しなど
笑わせる。

まず以下見てから物言ってもらいたい。
http://warabidani.blog81.fc2.com/blog-entry-2422.html

2009.07.08 00:17 URL | ペリクレス #z8Ev11P6 [ 編集 ]

結局・・・
「よりまし」ということで民主を応援することが、
結果的に自民を延命させてしまうように思えてなりません。
政治ってずっと続くものだから、
民主が今回政権を取っても、
自民は「次」を狙えばいいだけですよね。
あの手この手で突っつきゃいいわけで。
どうせまたいろいろ出てくるでしょうし。

何より「鳩山ブラザーズ」結成なんてことになったら・・・。
大連立とか。

ちなみに日本新党が政権を取った後ってどうだったんですか?
何かが「よりまし」になったんですか。

考えれば考えるほど「よりましで民主」ってのが・・・。

やっぱ本気で、共産・社民を応援するべきではないんでしょうか。
ものすごい遠回りでも、それしかないんじゃないのかな。
有権者はみんな忘れっぽいわけで、
このままいけば自民はまた復活してきそうな気しませんか。

「とりあえず民主」。
たしかに。
でもその後どうすんの?という気がします。

2009.07.08 01:21 URL | トシロート301 #e27Gk6UE [ 編集 ]

私のコメントを本文に取り上げていただき恐縮です。日経ビジネスオンラインの記事は、以前から紹介したいと思っていたのですがなかなか良いタイミングがなくて延び延びになりました。個々の質問に対する回答を見ることもできるはずなので、各議員がリーマンショックをはさんで経済政策に対するスタンスが変わったのか変わっていないのかを分析することなどもできると思います。
いずれにしても、自民党議員と民主党議員は、思ったより重なっていない、というのが私の感想の一つでした。もちろんkojitakenさんが指摘された点も同感です。


>cubeさん、
>勝てそうな候補ということで、野党が川勝氏に白羽の矢を立て、本人も、「正論」や「Voice」等の常連で民主党の悪口ばっかり書いていたらさすが恥ずかしかったろうが、そうではなかったので、無名私大学長よりは…ということで立ったのでしょう。

静岡県知事選の候補者擁立の経緯は、こちらが詳しいです。

候補擁立まで関係者どう動いた検証(上・中・下)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20090605-OYT8T00959.htm
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20090606-OYT8T00808.htm
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20090607-OYT8T00790.htm

上記URLはいずれもリンク切れで、下記ページにまとめられています。
http://www.asyura.com/09/senkyo65/msg/192.html

この記事から興味深い部分を抜粋します。
・仮に自民、民主が知事選で候補者を立てると、負けた場合に衆院選への悪影響は計り知れない。それを避けるため、「国政のごたごたを県政に持ち込みたくない」との理由で自民、民主双方から期せずして出てきたのが、「相乗り」だ。

・民主党側との相乗りを目指す党県連幹部の動きが続く中、大型連休中の5月2日に転機が訪れた。県東部の9市10町の首長が三島市内に集まり、坂本氏に出馬を要請することを決めた。現職の自民党参院議員に出馬を求めることは、自民、民主の相乗りを拒否することに等しい。以後、坂本氏に対し様々な団体からの出馬要請が相次ぎ、坂本氏もその度に出馬への意欲を語る一方、民間人を軸にした県連の候補者選定作業はしぼみ、「坂本氏擁立」の流れが強まった。

・だが、同じ組織内にありながら、坂本氏の最終的な意向を県連執行部はなかなか確認できず、どのような選挙態勢を組むのかが決まらない「中ぶらりん」の状態が続いた。(中略)
県連幹事長として坂本氏に出馬要請した中谷氏を含む自民県連所属の県議5人が、民主党県連や連合静岡の代表らと一緒に、超党派で川勝平太氏の擁立を目指す「夢あるしずおか創造会議」発足の記者会見に出席した。

・民主党の候補者選考作業は、
〈1〉自民党側との相乗りによる民間人擁立の模索と断念
〈2〉国会議員の擁立断念
〈3〉再び民間人の擁立を模索――
という過程をたどった。

・川勝氏は5月27日には「出馬の意思は全くない」と記者団に語っていたが、29日には「6月5日には決意を初めて凛として明らかにする」と含みのある文書を報道機関に送った。5月30日には小沢氏が川勝氏と会い、「出馬を決断してくれればしっかりと応援する。頑張りましょう」と激励して握手を交わした。

これらから、静岡県の自民党と民主党は(他県の多くも県連レベルでは往々にしてそうかもしれませんが)相乗りを許容する下地があって、川勝氏も自民党を含む複数のグループから名前が上がって来た人物であることが分かります。

また上の記事以外の情報を散見すると、川勝氏は当初「自民、民主の相乗り」を前提に出馬を検討していた模様。それが崩れたので出馬を渋っていたところ、小沢氏に口説かれて最終的に立候補を決めた、ということのようです。

一方、海野氏については、

>民主党は海野氏では、坂本氏には勝てないと踏んだのでしょう。何せ2004年の参院選で坂本氏に負け、後の市長選も無所属で出て負けているのですから。

という評価は表面的に過ぎないのではないでしょうか。
そもそも2004参院選では、定数2の静岡県区に民主党は2人の候補を出して、海野氏が落選。本人のせいというより、民主党の戦略ミスです。(まあ、負けた事実は変わりようがありませんが)
また静岡市長選は、現職市長に対して惜敗率99.1%での落選だそうです。

海野氏が民主党の推薦を得られなかったのは、「連合」とうまく行っていなかったことが最大の問題だったのではないでしょうか。
今回の知事選でも「職員給与の引き下げ」を訴えていることからもその信条がうかがえます。(そこに渡辺喜美氏が食いついてきたわけですが)

小沢氏からすれば、
・川勝氏の思想信条の問題
・海野氏の連合との仲の悪さの問題
これを両天秤にかけて、前者の方がデメリットが少ない、と判断したことになるのでしょう。
社民党がそれに追随して川勝氏を推薦した理由もそれと同じかどうかはわかりませんでした。

なお、鳩山代表は川勝氏のことを次のように評して応援していました。
「小渕首相や安倍首相の下で日本の知性として様々な政策を世に出した方が、今は民主党の色を丸出しにして戦っている。全力で応援したい」6月26日読売新聞静岡版:リンク切れ

呆れました。

2009.07.08 01:39 URL | sweden1901 #SVqLzQOU [ 編集 ]

私も無料配布の部分しか読んでないのですが、特にここ数か月の『世に倦む日日』は確かに非常に共感できるエントリーが多いです。
しかし、Kojitakenさん同様、光市の事件等については、全く意見が合いません。
そして、更に不思議なのは、それでいてこの方、辺見庸さんをすごく賞賛してることなんです。本当に、機会があったら直接この件について聞いてみたいと思うくらいです。

2009.07.08 01:42 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

連投すみません。政策ではない、政局中心の話になりますがご容赦ください。

都議選後の内閣不信任案提出が画策されているようです。
一刻も早く解散・総選挙を行って、まともな経済政策をやってもらいたいのでそのこと自体には賛同したいのですが、大きな障害があります。鳩山由紀夫氏の個人献金問題です。

もしこの問題がなかったら、2009年度補正予算が通ったあと、特に麻生下ろしの動きがはっきりしてきてからは、野党はいつでも不信任案を提出できたはずです。

麻生下ろしの動きを見せているのは、次期総選挙で落選の危機にある小泉チルドレンやその元締めである中川秀直氏ラインですが、野党が提出した不信任案に賛成はしにくい。よって不信任案には反対するしかない。反対したあと麻生おろしをやるとなったら、まぎれもなく自己矛盾。有権者に説明がつきません。というわけで、野党の望み通り麻生首相のもとでの総選挙が行えることになります。

もちろん不信任案が万一成立すれば、プライドの高い麻生首相としては、内閣総辞職を選択するはずがなく、解散となるでしょう。そうなってくれれば野党の思惑通り、というわけでした。

鳩山氏の個人献金疑惑自体は、二階氏、与謝野氏、渡辺喜美氏の献金問題より悪質度は低いとは思いますが、秘書にすべての責任を負わせているばかりではなく、脱税の意図がなかったかどうかなども説明していないわけで、そういう現時点での「解散を促す」目的での「内閣不信任案提出」は、 「個人献金の疑惑隠し」との批判を許すことになります。これでは選挙戦では、自公両党からの格好の攻撃材料となってしまうことでしょう。

民主党はきょうの幹部会後、「都議選後に提出を検討する」などと決めたようですが、
「都議選で民主党が勝利すれば、鳩山氏への献金問題が不問にされたと判断できる」
というような身勝手な解釈をしようとしているに違いありません。

都議選では自公過半数割れに追い込むことができるとは思いますが、それとは別に、鳩山氏は個人献金疑惑について、国民にきちんと説明をするべきだと私は思います。

2009.07.08 02:40 URL | sweden1901 #SVqLzQOU [ 編集 ]

またまた、失礼します。
そのまんま東は、お里が知れわたってしまったので、ほっておけばいいのにテレビはまたぞろ自民党の菅や古賀などとの会談を大々的に取り上げたりしています。テレビは全くKYというしかない。

民主党と橋下はやはり、徐々にいい関係になりつつあるようです。橋下は民主党と自民党を天秤にかけている。川勝を静岡県知事に仕立て上げ、橋下については地方分権特命大臣にでもするつもりですかね。

民主党を厳しく監視する必要性が高まったということです。社民党がもう少ししっかりしていればいいが、これも頼りにならない。共産党の秘密主義(あのセクハラ事件に対する対応は信じがたい)と教条主義にも辟易。一体、どうすればいいのでしょうね。まあ、自公政権の悪行が暴露されること、および情報公開と取調べの可視化を期待して小選挙区は仕方なく民主党に、比例では情けない社民党を激励する意味で、社民党に1票投ずるしかないですね。あ~。

それにしても知事という職業は本当に暇であることがわかりました。石原東京都知事は今、金曜日のみの登庁らしいですね。そのまんま東はいつ知事の仕事をしているのでしょうかね、そのまんま東が悪化させてしまった宮崎県の財政が大変な時に。

なお、政治献金の説明責任では、民主党は記者会見まで開いているのに対して、自民党は全くやっておりません。自民党の腐敗振りは、「きっこの日記」のエントリー「小異を捨てて大同につく」に詳しくあるようにどうにもならないところまできている。こいつら腐敗議員をまずは政権から追放することからしか何も始まらないことだけは確かのようだ。

2009.07.08 07:56 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]

腐敗といえば、ダーティーなハトとかクリーンなタカなどという分類がありましたね。
 加藤紘一や山崎拓は、確かに大いに腐敗しています。しかし、安全保障に関しては、民主の大半の議員より左でしょう。
 民主には、彼らほど汚い議員はいないでしょうが、自民党でも滅多にお目にかかれないほどのタカ派もいます。
 わたしは、加藤山崎のほうが、後者よりはるかにマシと考えます。

2009.07.08 08:48 URL | puyonyan #- [ 編集 ]

はじめまして。産まれも育ちも静岡県民です。
静岡県知事選の分析、前の記事も含めて興味深く読ませていただきました。

今回の選挙は確かに、国政報道の影響に煽られて県内の争点がいろいろぼかされてしまった残念な選挙になりました。まあ有力3候補の出してきた政策が大幅に異なるってことがなかったので争点も作りにくかったんですが。直近の世論調査で坂本対川勝の構図になってしまい、アンチ自民票がより勝てそうな川勝氏に流れたことが勝利の要因でしょう。私は海野さんに投票したのでより残念です。

川勝氏の思想信条の話ですが、そこまで言われるものかな?とは思います。
確かに教育再生委員会などに関わってはいますし、右寄り文化人の友達多そうですけど、「つくる会」については誤解みたいですよ。

川勝平太新静岡県知事が「つくる会」との関わりを強く否定 - rocketdolphinの日記
http://d.hatena.ne.jp/rocketdolphin/20090710/p2

川勝氏は、サラリーマンも失業者も畑耕して自給自足すれば、貧しくても飢えることはない、という究極の小さな政府主義者でもあるので油断ならないですがw

2009.07.10 22:58 URL | いるか #qbIq4rIg [ 編集 ]

こんにちは、こちらでははじめましてでしょうか?

さて、くだんの川勝平太氏ですが、就任時の記者会見で、少なくとも現時点では「つくる会」との関係を明確に否定しています。

詳しくは下記を。

・川勝静岡県知事「私は『つくる会』の賛同者ではない。彼らとは一線も二線も画している」
http://www.asyura2.com/09/senkyo66/msg/1174.html
投稿者 ブッダの弟子 日時 2009 年 7 月 10 日 23:43:42: WrVq5GKL9DWTY

静岡県ページ
http://www2.pref.shizuoka.jp/all/kishakaiken.nsf/WebDateView/4A2592303A11A30C492575EE002BE7A1

<記者>
教育についてお聞きします。川勝知事は選挙中も「一に勉強、二に勉強、三に勉強」と教育について力を入れられていました。今までも教育再生会議の委員等も務めておられました。あと過去に、新しい歴史教科書に賛同されたと伺っておりますが、教育において、人間への愛だとか、地域への愛だとかそういったものをどのようにお考えでしょうか。

<知事>
非常に大事な質問をありがとうございました。まず誤解を解かなければいけません。新しい歴史教科書をつくる会ですか。一度もメンバーになっておりません。あれは最初会長になった西尾幹二という方が電話をかけてこられて、歴史教科書についてどう思うか、私の観点では日本史と東洋史と西洋史が分けられているのがおかしいと、そしてそれが選択科目になっているのがおかしいと、そういう観点での歴史教科書についての疑問があったので、教科書を見直すというのであればいいと、ところが御承知のように蓋を開けたところ特定の問題について必ずしも歴史家でない人たちが自らイデオロギーを論じる場になっていたので、一度もメンバーになっていません。それが誤解されてですね、あなたは中日新聞ですか、朝日新聞でも、教育再生会議の委員になったときに最初の版で、私がメンバーであるとお書きになって、それは調べてみたら違ったと、それで外されました。ですから私はメンバーではありません。

2009.07.11 02:25 URL | poppo-x #KnHW2vQ. [ 編集 ]













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