きまぐれな日々

金曜日のエントリ「やはり東国原英夫らの妄動は「新自由主義の逆襲」だった」は、当ブログとしては5月以降では一番の人気エントリになったが、土日は外出して日常生活から離れており、政治番組も一切見なかった。

その前、金曜日のテレビ朝日「放送ステーション」では、時々同番組に出演する寺島実郎が、東国原と橋下の妄動を厳しく批判した。寺島氏は、4年前の「郵政総選挙」同様のワンフレーズ選挙にするな、「地方分権」のワンフレーズで、さまざまな国政の課題をそっちのけにしてしまうと、日本の行く末を誤りかねない、と強い調子で語り、前日(木曜日)に東国原と橋下を手放しで賛美した古舘伊知郎は憮然とした表情を見せた(ざまあみろ)。4年前の「郵政総選挙」の時とは違い、権力側の妄動に反撃する姿勢を見せる知識人がいることに救いを感じた。

東国原がアドバルーンをぶち上げた直後には、「次の総理大臣は誰が良いか」とのテレビ局の街頭インタビューで東国原が鳩山由紀夫と麻生太郎を大きく抑えたが、これもわずか数日で勢いがしぼんだ。古賀誠が東国原を訪れて衆院選出馬を要請したのが6月23日で、前記の街頭インタビューはその日に行われたものだが、その2日後にフジテレビが首都圏で行った調査では、「次の総理大臣」の人気調査で東国原は鳩山由紀夫(15.0%)はおろか、舛添要一(8.4%)や岡田克也(7.8%)より下の4位(7.6%)だった。5位はコイズミ(5.8%)で、麻生太郎はやっとこさ6番目だ(4.6%)。売名パフォーマンスで売った鳩山邦夫は3.0%しかなく、橋下徹に至ってはわずか0.8%だった。もちろん大阪でインタビューすれば橋下はもっと多いのだろうが、全国区での人気はまだ知れている。ただ、橋下の場合はひとたび口を開けば勢いで人を引っ張る能力を持っていることは、山口県光市母子殺害事件の弁護団の懲戒請求をテレビで煽った時の実績から明らかだから、強い警戒を要すると思う。橋下がアジった番組は、首都圏では放送されていないやしきたかじん司会の極右番組で、読売テレビ(大阪)が製作して首都圏以外の日本の大部分で放送されている。庶民の町と言われて人々の反骨精神が旺盛で、かつては自民党の支持率も低かった大阪から、こうした極右のうねりが生じていることは、まことに嘆かわしい限りだ。

その橋下にも、古賀誠から衆院選出馬の要請があったことが報じられている(産経新聞記事参照)。東国原と違ってここで大はしゃぎしなかったのが橋下のしたたかなところだ。東国原は、自民党の「カイカク勢力」に決起を呼びかけるなど、舞い上がった言動をとり、「なんで自民党にすり寄るんだ、みっともない」という印象を視聴者(笑)に与えたことがマイナス材料となった。「郵政総選挙」でコイズミを応援した伊藤洋一が東国原には最初から冷淡だったことは6月25日付エントリ「静岡県知事選・東京都議選で苦戦の自民党と、東国原の野望」で書いた通りだが、それだけに古舘のはしゃぎぶりには狼狽した。だが、情勢は東国原や古舘が望むような方向には必ずしも進んでいないようだ。日曜日の「サンデープロジェクト」は、私は見ていないが、聞くところによると、出演者はみな東国原らの妄動には冷淡だったそうだ。

そして、昨日の日曜日に投開票が行われた横須賀市長選では、コイズミや公明党、それに自民・民主の一部や連合などが応援した現職の蒲谷亮一市長が無所属の前市議・吉田雄人氏に敗北した。既に元首相・安倍晋三の地元下関市でも安倍系列の候補者が完敗しているが、その波は「カイカク」の本丸・コイズミの地元にも及んだということだろう。そんなコイズミ系列の蒲谷市長を、連合や(一部とはいえ)民主党も応援していたことは、70年代末からずっと続く地方自治体での共産党を除く「オール与党」体質が今も続いていることを示すが、民主・社民両党や連合などは、こんな時代錯誤から一刻も早く脱却してもらいたい。いくら「自公民相乗り」だろうが、「現職」というだけで住民の反感を買って敗れるのが最近の地方選挙の特徴だ。下関で安倍系列、横須賀でコイズミ系列が敗れたのは、「現職」が忌避されたためだろう。もっとも下関の場合は現職の江島潔が出馬せず、後継候補が敗れたのだが、江島が出馬しなかったのは、立候補しても勝てないと判断したからだと言われている。

東国原人気がいまいち盛り上がらないのも、東国原が「自民党のカイカク派」なんかに決起を呼びかけたりしたからだろう。なんだ、東国原は自民党とつるんでいるのかという印象を視聴者に与えると、それだけで人気はしぼんでしまう。橋下徹はそんなことは百も承知しているから、自民党からアプローチを受けていながら、民主党に色目を使うなどの手練手管を使う。それにまんまと引っかかる鳩山由紀夫や菅直人も情けないが、日曜日のフジテレビの番組では、民主党の岡田克也幹事長が「東国原がやっていることは、郵政総選挙におけるコイズミの『刺客作戦』と同じだ」と批判したそうだ。鳩山由紀夫が「反自民」で岡田克也が「親自民」だなんて言ってたのは誰だ、と嫌味の一つも言いたくなる。

電波芸者たちの話題の的は、麻生首相がいつ解散するか、そのことばかりだが、私はもういい加減にこの話題には食傷しており、そんなことはどうでも良いと思えてきた。ブログへのアクセス解析を見ていても、土曜日には「棚橋泰文」を検索語にしたブログへの来訪が少しあったが、この売名屋が「麻生降ろし」の声をあげていたであろうことは、アクセス解析を見て見当がついたし、実際その通りだった。

政策そっちのけで、対民主党及び自民党内の謀略合戦ばかりが繰り広げられている現在の醜態こそ、「郵政総選挙」で有権者が自民党に圧倒的な多数を与えたことの結果だ。ありもしない「カイカクの断行」なんかに期待してコイズミに騙されたから、こんなことになった。麻生首相がいつ解散しようが遠くない先に必ず行われる総選挙では、今度こそ騙されないようにしたいものである。

[追記]
読売新聞で読んだのですが、フジテレビで東国原を批判した岡田克也も、他の番組では橋下に容認的な発言をしていたそうです。これでは鳩山由紀夫や菅直人ともどもダメですね。


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 権力亡者の妄動と、風見鶏たちの右往左往が目につきますが、誰一人として、景気の話と、国民生活を話題にしないのは、彼らがいかに国民からかい離した精神を持っているかの証拠です。

 もう、とにかく早くマニフェストを出して選挙をしてくれという気持ちです。

2009.06.29 08:46 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

岡田は橋下を批判しているのではなく、そのまんま東を批判しているだけです。一方、菅直人と鳩山由紀夫はそのまんま東に対しては無視していますが、橋下には波風を送っています。従って、岡田対菅、鳩山を対立的に見るのは間違いでしょう。

岡田は、経団連の御手洗とも悪い関係ではなく、親自民というよりも親財界です。しかも、彼は日本郵政の西川善文社長を「党として正式に続投を認めないと決定したわけではない」とまで述べています。これでは、国民新党とうまくやっていけないでしょう。私は、岡田のほうが経済思想的な体質として橋下と親和性があるのではないかと思います。だから、橋下については何もいわないのでしょう。

岡田や鳩山はもちろんですが、かつて私が支持した菅にも不満があります。しかし、個々の政治家の体質をいっているだけでは、結局は橋下らを利するだけのような気がします。民主党の政策のうち(自民党はもはや論じるに値しない。私にとって自民党は嫌悪か憎悪の対象でしかない)でどの点が賛成で、どの点が反対かを具体的に述べるほうが余ほど生産的であると思います。

私が論外の自民党に比べて民主党を評価するとすれば、「取調べでの可視化」と「情報公開」を主張している点です。民主党を中心とした野党が政権を取った後、実際に政策に反映させるのかを見たい。この2つが達成されたら、少しは風通しのよい社会になるような気がします。この2つが確保されていない限り、民主的な福祉国家を目指すことさえ不可能なように思います。

なお、与謝野の迂回献金はほとんどテレビで取り上げられなくなりました。テレビ局の罪は重いとつくづく思います。オリエント貿易はどう考えても、まっとうな企業とはいいがたい。そこからの多額の迂回献金。これを見逃していいのだろうか。与謝野のほかにも、町村やあの中山成彬も多額の献金を受けている(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090627ddm041010068000c.html)。そうそう、亀井静香もこの迂回献金を受けた口だ。このスキャンダルだけで本来なら、現政権は崩壊しなければならないのに、いけしゃーしゃーと次の選挙でも生き残りを画策している。信じがたいことであるが、これもマスコミの責任である。

2009.06.29 11:44 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]

負け組の矜持さん、

一点だけ。私は、「岡田克也氏が財界寄りではない」とは何も言っていません。
世襲政治家で、岡田氏とは比較にならないほど右派イデオロギーが強く、新自由主義にも(岡田氏同様)親和的な鳩山由紀夫氏を、一部の人たちがリベラルにして反権力の希望の星のごとく持ち上げる反民主性というか反知性ぶりに皮肉を述べているに過ぎません。

2009.06.29 11:57 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

 ここは小泉、竹中、西川売国奴倒せ、イケイケドンドンの場面でしょう。しかしこの場面でkojitakenさんが深読みを発揮されて、「鳩山は右だ…」などとやっても、それこそKYではないでしょうか。
 私は、鳩山由紀夫が後で右転するための一時方便であっても、西川氏には退任してもらう、消費税は議論するつもりもない、西松捜査は漆間氏の予言通り自民党に及んでいないじゃないか…とはっきり言うだけでも、まだ期待が持てると思います。まるでアリバイ作りのように上記の件ではっきりさせない岡田氏の方が恐ろしい。
 私は、鳩山・小沢派が敗れて、岡田・前原派が勝ったときが、名実共に第二自民党の誕生なのだと思います。
 kojitakenさんが隠れ自公などとは決して思いませんが、鳩山批判はオマケぐらいにとどめるのが、現在の反体制側のとるべき戦略だと思いますよ。

2009.06.29 12:55 URL | cube #- [ 編集 ]

そのまんま東は、知事の仕事より、テレビに出る露出振りが有権者の嫌悪を買っている。
 橋下にエール送る民主党幹部は民主党が新自由主義的体質の党であることを露呈した。
 タレント知事の人気で無党派層ひきつけようとする狙いミエミエ。
 民主党も、自民党も政治タレント頼みだと言う事がよくわかった。

2009.06.30 04:44 URL | ぶじこれきにん #U9m.xr6A [ 編集 ]

東国原騒動を冷ややかに見る一方で、あと1週間発言が早ければ、我が市の市長選挙も自公民相乗りの現職ではなく、「○○市から日本を変えよう!」と渡辺喜美や河村たかしをバックに大風呂敷を広げた我が候補が勝っていたのに…と、未だに終わった選挙のことをグダグダ考えている私です。
東国原騒動は誰に一番得をもたらしたかといえば、地方の選挙でカイカクを叫ぶ、しがらみの無い=地盤のしっかりしていない勢力に一番力を、風を吹かせている気がします。
東国原がどの程度まで影響を測って騒動を起こしたのかはともかく、「憲法改正」と同じくらい中身がはっきりしない=言ってる人それぞれで微妙に内容が異なる「地方分権」が、
今度の衆議院選挙の大きな争点となることは間違いない。
彼自身は不発弾で終わるでしょうが、この騒動は確実に選挙の争点に火をつけることにはなった。
私としてはあくまで官僚主導型政治及び官僚機構の改革を主軸に、「地方分権」は優先順位からすれば4番目か5番目の、官僚機構編纂に関連する付随事項でしたが、
「中央よりむしろ地方を早くカイカクしなければ!」といった熱狂の向きさえある最近の流れ、
この流れが官僚主導型政治及び官僚機構の改革に混乱をきたし、システムの改変をかえって遅らせるのでは、と危惧しています。

まあ、地方から「しがらみ政治」を切り離していって、中央の改革を余儀なくさせる、というのは民主主義の原点にも沿うカッチョイー流れではあるのですが、
長らくお上にお任せ民主主義に浸っていた我が日本国民が、ここにきてそんなカッチョイーことをなせるのか?
疑問の残るところでもあります。
なせるとすれば、明治維新にも匹敵する日本史に残る政治改革になるわい、と私の中の楽観的な部分は嘯きますが、
あまりにカッチョイー、ドラマチックな展開というのは、どこかで詐欺に似た騙し行為が行われているのが現実というものの常です。
頭一つ分 常に後ろに下がって、醒めた目と頭でこの流れを見極めていくつもりです。

2009.06.30 07:38 URL | shimura #XQYq98OQ [ 編集 ]

だっくろっく様のおっしゃる通り!
与謝野の不祥事とタイミングが良すぎです!
こういうコントに飽き飽きですよねー!
大手マスコミも所詮、自民党の手先ですし。

2009.07.01 11:39 URL | まーじーびーと #JkoNWQak [ 編集 ]













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