きまぐれな日々

「痛みを伴うカイカク」を日本国民が熱狂的に支持したのは8年前、2001年のことだった。あの年の参院選で、自民党の候補は「私たちこそ改革者だ」と絶叫し、有権者は彼らに大量得票を与えた。しかし、彼らの多くは6年後の参院選で地位を失った。コイズミが後継に指名したも同然の安倍晋三率いる自民党に対し、有権者はカイカクの痛みに「ノー」の審判を下した形だ。

昨日のエントリでは、それにもかかわらず都市部の有権者は「カイカク」に幻想を持っていたらしいことを書いたが、それは都市部が地方と比較してカイカクの痛みが相対的に少なかっただけのことだ。カイカクの見直しは時代の要請である。その「カイカクの痛み」の象徴ともいえるのが、コイズミ退陣の直前に策定された「骨太の方針06」(私は「骨粗鬆症の方針」と呼んでいる)に盛り込まれた、社会保障費の自然増分から2200億円を削減するという目標だ。その目標が、2010年度当初予算の大枠となる概算要求基準(シーリング)から削除される見通しとなった。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090623k0000m010071000c.html

リンクを張った毎日新聞の記事にあるように、与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が明言したものだが、あの貧乏神のような超緊縮財政論者の与謝野がこれを言わざるを得ない状況になった。竹中平蔵あたりがまた週末の読売テレビ(大阪)の番組あたりで「カイカクの後退」を責めるのではないだろうか。

記事を書く前にコンビニで見た限りでは、このニュースは日経が一面トップで取り上げていたが、一般紙の扱いは小さく、朝日新聞には4面に2段の記事が出ているだけだ。2009年度当初予算で実際に削減したのは230億円にとどまっていたから、ニュースバリューが低いと判断したのだろうか。

その朝日の記事には、厚労族の尾辻秀久参院議員会長が「2200億円抑制しないと明記すべきだ」と抵抗した、などと書かれているが、厚労「族」だとか「抵抗」だとか、いかにもコイズミカイカク路線を熱烈に支持する朝日新聞らしい表現だ。毎日新聞(朝日や日経ほどではないがカイカク寄り)は、尾辻氏が10日の党政調全体会議で、社会保障費抑制路線の撤回を求め、党政調幹部を怒鳴り上げたとか、政調会長代理の園田博之が、財源論があいまいな民主党との差別化を図る観点から「一つの基準を捨てることは党にとって大きなマイナスだ」と理解を求めた、などと報じている。

園田の寝言には呆れてものも言えないが、尾辻氏は湯浅誠の『反貧困』(岩波新書、2008年)にも好意的に取り上げられている議員である。NHKニュースでは「『小さな政府』を掲げてきたコイズミカイカクの路線を転換しようとしている」などと、解説委員が不満そうにしゃべっている。もっとも、政府は「骨太の方針06」に書かれた方針自体は撤回せず(つまり2011年度以降のことは何も言っていない)、「カイカク派」にもいい顔をするそうだから、やはり自民党は2005年の「郵政総選挙」をもたらしたコイズミカイカク路線に今でも強く束縛されているというほかない。

今朝の社説では主要紙のどこもこの件を取り上げていないが、今日(23日)に閣議決定されるらしいから、明日の社説では取り上げられるのだろうか。まさかいかなネオリベ朝日といえど、この期に及んでまだ「改革はどうした」とは書かないと思いたい。


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ココログからTBが通りませんので、。

下記アップしました。

久しぶりに救援連絡センターのHPを見たら、ゆっきーの写真が、、、。&それに続く記事のご紹介。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/06/post-1644.html

自民党は泥船路線一直線なんでしょう(笑)Re:おバカな検察、メディア、そして倒壊寸前の政権
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/06/re-298c.html

目に見える形で、早期の解散・総選挙を要求する主権者・国民の意思を表せないですかね。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/06/post-16b3.html

 

2009.06.23 12:53 URL | SOBA #XPXthLJ6 [ 編集 ]

社会保障2000億削減が小泉改悪のシンボル。選挙対策で削減断念でも、財源はどこから出す。
 民主党は西松裁判でダメージ。自民は社会保障2000億自然増と迷走が続く。
 加藤が言うように、2~3週間で支持率はその政党のイメージでコロコロ変わる。
 自民は政権維持をやめて民主党に任せて解散させて政策で勝負する。これがいいかもしれない。
 迷走政局の間、国際社会で浮いた存在、アメリカの忠犬ジャパン!!どこへ行く。
 政治の迷走が経済に直結するだけに経済低迷の悪化に打つ手がない。
 これが国際社会でダメージになるのは間違いない。世界も麻生政権の足元を見て対応するだろう。(特にロシア・中国や、あの北朝鮮ですらそう見ている。)

2009.06.23 13:35 URL | ぶじこれきにん #U9m.xr6A [ 編集 ]

派遣切り、医療・福祉問題などの「セーフティーネット問題」を大騒ぎしたマスコミが今回の小泉「骨太06」を擁護し、「麻生政権」を非難。 やはりマスコミは小泉に毒されている。 小泉非難はタブーなのか? 民主党の最大の敵は「泥舟に乗った麻生太郎」ではなく「小泉・竹中の亡霊」である。

2009.06.24 06:35 URL | 世直し大工 #- [ 編集 ]

小泉時代の小泉支持者の実態はB層ですからね。彼らは小泉のキャラクターやなんとなく日本を変えてくれそうだと、政策の中身をよく吟味もしないで支持していた人たちですから。小泉改革の中身をよく理解した上で支持していた人って実はそう多くないのではないですか。
ただ選挙は結果がすべてですから、有権者は自らが痛む政策を支持したことになってしまうのですよね。
お隣の韓国の保守論壇で「日本人は自らが痛む政策を選んだ。見習うべきだ」というような解説が一人歩きしたりして、おかしなことになるのですが…。

2009.06.24 09:53 URL | kechack #- [ 編集 ]

嘆かわしい人々というのが正しいのかどうかわかりませんが、現在の”コイズミカイカク”の一般的な評価が広まっても”橋下”や”東国原”へのポピュリズムの流れに疑問を抱かない人々の多さに呆れるばかりです。

残念ながら私にはそれに対してどのような効果的な手段があるのか?考えが及びません。

”橋下カイカク”が”コイズミカイカク”と同じ様な構造であることに気がついて欲しい。とくに低所得層は自分で自分の首を絞めていることに気がついて欲しい。

今回の出馬依頼劇に対しても、普通に考えれば茶番でしかないことは明らかなのに、”東国原はよくやった”というようなことを何の疑問もなく言える人々が、この期に及んでまだ多く存在する事実に政権交代以後の政治を苦慮します。

2009.06.24 19:36 URL | kongasound #YzsZgp7A [ 編集 ]













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