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きまぐれな日々

今日から6月。当ブログが政治の話題を中心に書くようになったのが、3年前の6月上旬、当時コイズミ内閣の官房長官を務めていた安倍晋三が統一協会系の大会に祝電を送ったのがネットのスクープで発覚したのがきっかけだった。安倍晋三は、当時も今も変わらず、現存の政治家の中では一番嫌いな人間なので、この一件をきっかけに、安倍晋三の首相就任を阻止したいと思った。

それから3年。その間、安倍晋三は総理大臣になったが、1年後の参院選に「歴史的惨敗」を喫して退陣、あとに続く福田康夫内閣は民主党代表だった小沢一郎と大連立でいったんは合意したが、世論の反発を受けて挫折すると、1年後には安倍に続いて政権を投げ出した。そして、「選挙に勝つため」に登場したはずの麻生太郎は、思わぬ不人気に遭って解散を先送りし、西松事件や補正予算を利用して、いったんは10%前後まで落ち込んだ内閣支持率の浮揚に必死だ。なんとかもっとも自分の都合の良い時期の解散を狙っているのだろうが、麻生は既にチャンスを二度逸した。内閣発足直後の「ご祝儀相場」で内閣支持率が40%を超えていた頃と、西松事件が起きてから小沢一郎が民主党代表を辞任するまでの間だ。おそらく麻生には、「こんなはずはない、俺はもっと人気者のはずだ」という強烈なうぬぼれがあり、自民党が独自に行っている衆議院選挙の情勢分析に満足できず、むざむざ解散のチャンスを逃したものだろう。自民党内でも、麻生太郎のわがままぶりに舌打ちしている人は多いに違いない。

麻生太郎は、単にわがままであるばかりではなく、実に軽薄だ。政権浮揚につながりそうな政策を打診されると、すぐにそれに飛びついて、党内から批判を浴びるとすぐに取り下げる。最近では、ナベツネ(渡邉恒雄・読売新聞会長)の肝煎りといわれる厚生労働省の分割案が好例で、顔を潰されたナベツネは何をたくらむかわかったものではない。ナベツネをも恐れぬ麻生は、いい度胸をしていると思う。

まことしやかな週刊誌の予想によると、鳩山由紀夫が小沢一郎に代わって民主党代表になったことで、衆議院選挙は民主党の辛勝になりそうだという(先週号の「週刊ポスト」)。民主党代表が小沢一郎のままなら自民党が勝ち、岡田克也なら民主党の完勝になるが、鳩山由紀夫ならその中間になり、議席数は伯仲するが、当選の見込まれる自民系無所属の平沼赳夫や中村喜四郎らを加えても自公与党は民主党、社民党、国民新党、新党日本の4党連合に及ばないのだという。もっともらしいことを書くものだと思うが、週刊誌の予想が当たらないことは、4年前の「郵政総選挙」でいやというほど思い知っている。あの時は解散直後には自民党敗北、民主党勝利が予想されていたし、私もそうなるだろうと思った。その流れを変えたというか、コイズミが最初からたくらんでいたのが「刺客作戦」だった。あれほど小選挙区制の特性を活かした作戦はなかった。この一例を見ただけでも、90年代の「政治カイカク」の目玉だった選挙制度カイカクの誤りは明白だと思う。だが、第一党が視野に入った民主党は、その誤りを認めるどころか、さらなる比例区定数削減を訴えるありさまだ。現段階では民主党は自民党と比較して、小選挙区より比例区に強みがあるにもかかわらず。これこそ、「自民党(自公)政権を延命させる」主張なのではないか? なぜこれに対する批判の声が高まらないのだろうか?

政府によるネット言論の制限が取り沙汰されるが、日本には権力による言論弾圧など不必要なのではなかろうか。なぜなら、勝手に自主規制してくれるから。連日自公政権打倒を叫び、民主党は国民の味方で自公政権は大企業やアメリカの味方だと連呼して急成長した有名人のブログは、なぜか選挙制度のことを全然書かないし、そのフォロワーたちもみな右に倣えだ。この「右に倣え」がくせものである。自民・民主が競う比例代表の定数削減は、ますます政治を民意が反映されないものにする方向性を持っているが、それに反対する意見をブログで公開するのは、共産党支持のブロガーが中心で、中には民主党員の方や、当ブログ管理人のような無党派で反自公の者もいるけれども、たいていの「リベラル・市民派ブロガー」は、民主党執行部の主張には何も反対しない。こんな状態だったら権力による言論弾圧も何も必要ないのである。ほっといても、勝手に権力にとって好ましい形(単純小選挙区制)に向かって行ってくれるのだから。

先週号の「サンデー毎日」には中曽根康弘のインタビューが出ていて、自民党はマニフェストに大連立をにおわせる文言を入れよ、大連立政権で憲法改正を目指せと言っていた。自民党では、よりにもよって麻生太郎を総理大臣にしてしまったキングメーカー・森喜朗の影響力が低下し、前記「週刊ポスト」によると、安倍晋三は自民党が総選挙で負けたら潔く下野し、安倍自身を新総裁にして自民党は巻き返しを図るべきだなどと考えているのだという。選挙制度一つとってさえ、国民の意見を反映させるような方向性を持った言論が、マスコミからもネットからもほとんど上がって来ない現状では、いつまで経っても安倍晋三に代表される無能な世襲政治家たちが政治を壟断する時代が延々と続き、日本は没落の一途をたどってしまうのではないか。そんな暗い予想に傾きつつある。


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ココログからのTBが通りませんので、。
下記アップしました。

麻生さん、神楽坂の芸者さんがいる「幸本」で、一晩176万円の調査研究費(研修会費)って何の調査研究をしてたんですか?
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/06/post-2256.html

↓総務省のHPでの政治資金収支報告書の資料30ページ目をキャプチャ
http://soba.txt-nifty.com/photos/uncategorized/2009/06/01/20080912.jpg

↑そのURL↓
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/000024737.pdf

2009.06.01 12:34 URL | SOBA #XPXthLJ6 [ 編集 ]

「リベラル・左派」の正道を行く勇気あるエントリーに心からの敬意を表します。
今回の選挙制度改悪は、90年代初頭に行われた「政治改革」=小選挙区制導入の延長上にあるものです。従って、あの「政治改革」の意味を考えないとこの問題の重要性は見えてこないでしょう。

2009.06.02 02:19 URL | ぽむ #- [ 編集 ]













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