きまぐれな日々

27日に行われた自民党の麻生太郎総裁と民主党の鳩山由紀夫代表との間で行われた党首討論は、たいした内容のものではなかったが、どういうわけか新聞各社はこの党首討論を持ち上げていたようだ。昨日(28日)のテレビ朝日「やじうまプラス」で、朝日、毎日、日経の三紙が社説で毎週でも党首討論をやれと書いたと紹介していたが、それを見ながら、自民党と民主党だけで良いのかと思った。コメンテーターの中でただ一人それに触れたのが江川紹子で、公明党と共産党で党首討論をやっても良いのではないかと言っていた。

公明党と共産党の討論だったら、激しい討論になるかもしれないが、民主党が言っている衆議院の比例区定数80削減だとか、自民党が言っている国会議員定数の3割削減などには、両党とも「断じて反対」で一致するだろう。

民主党の「比例区80削減」は、2007年の参院選向けマニフェストにも盛り込まれた前々からの主張とのことだが、15年経って誤りが明らかになってきた「政治改革」の路線を無批判に継承するものである。誤りを正そうとする努力をしない民主党からは、やはりこのところ私が懸念しているように、百家争鳴の党風が失われてきているのだろうか。党内で路線転換の議論すらなされないようでは、民主党の前途は明るいものとはいえない。そもそも、このところの衆参の選挙で、選挙区ではまだまだ自民党が強いが、比例区では民主党に強みがある。その強みを自ら削ごうとは、民主党はいったい何を考えているのか。

自民党の「国会議員定数の3割削減」に至っては論外で、現在の衆参両院の合計定数722人を、約10年かけて200?300人程度減らすこの案は、憲法を改正して衆参両院を統合することを念頭に置いている。与野党が逆転している参議院が邪魔だから、なくしてしまえというのが自民党の本音なのだ。

このように、どんどん過激さを増す自民・民主の国会議員定数削減「カイカク」競争だが、私は多様な民意を議会に反映させるためには、二院制の堅持はもちろん必要だし、議員定数を削減する必要は全くないと考える。改革をやるなら、議員報酬を大幅に引き下げれば良いだけの話だ。自民党は両院の「ねじれ」を問題にするが、一昨年の参院選直前に、時の首相だった安倍晋三は何をやったか。民意を無視した強行採決の連発だった。その安倍が総裁を務めていた時に自民党が惨敗したのは、自公政府の暴走を止めよという民意の反映だったのである。

それにしても、党首討論を持ち上げる朝日・毎日・日経の翼賛新聞にも困ったものだ。毎日新聞はこれまで比較的頑張ってきたが、このところひどい記事が目立つようになった。三沢耕平という記者が書いた「御手洗経団連会長:難題次々「悲運の財界総理」 最終年へ」という記事など、とんでもない経団連ヨイショ記事で、むかっ腹を立てずに読むことは不可能だ。ともに世襲のボンボンである安倍晋三と御手洗冨士夫(キヤノン創業者は叔父の御手洗毅)が、2006年当時既に時代遅れになっていたレーガノミクスというか狂った新自由主義政策の推進に邁進し、自滅しただけの話なのに、それを御手洗や経団連、安倍らからの「目線」で「悲運」などと書くとは、日経、朝日に続いて毎日新聞も「経団連の広報紙」の仲間入りをしたいのだろうか。

こんな新聞が持ち上げる「党首討論」。多様な民意を汲み上げるどころか、世襲の政財界人による日本の支配を強化するつもりなのか、と思ってしまう。政治を国民の手に取り戻さなければならない。


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>答弁が長すぎるというお話でしたけど、これは討論であって答弁ではありませんので、今後とも討論をさせていただくうえには、答弁を求めるというような形ではなく、討論を申し込んでいただくようにお願いを申し上げます。

これが麻生首相の最後のセリフですが、産経と毎日には(WEBだけかもしれませんが)出ているけれど、朝日には出ていません。麻生の党首討論に対する考え方はおかしいと思います。そもそも公開の討論で、「質問には答えなくていいんだ」はないでしょう。

2009.05.29 09:39 URL | jsds001 #wm5n2XIM [ 編集 ]

こんにちは。

共産党vs公明党
共産党委員長ならガチの戦いをしてくると思いますけど、公明党の委員長はしょせん例のセンセイの傀儡みたいなものですから、案外面白くないような気がします。
やるなら公明党じゃなく、指示、失礼、、支持母体との討論です。
メッセンジャー介してファイトしてもフィルタがかかってしまうので。

ところで僕は、なぜ党首討論なるイベントが行われるようになったのか理由を知らないのですが、どなたか教えていただけると嬉しいです。

2009.05.29 11:07 URL | 謎のカスパール・ハウザー #- [ 編集 ]

定数削減によって一院制とその先の憲法改正の危険性があることは認める。そして数を減らすことによって社民党や共産党などの少数党がなくなる危険性があることも事実だ。また比例を削減に反対というのはお説のとおりだ。
 だが一方で改革をするからと議員報酬を下げろとすぐになるのは安直過ぎるのではないだろうか。もちろんまともに仕事をしていない議員がいるのは事実だ。だが官僚に頼らず政治家が自ら法律を作っていくにはそれなりのスタッフが必要だ。官僚に頼らないで法律を作っていくには今の状態では私設秘書をそれなりに抱えなければならないがその負担はかなりものがある。ボランティアの学者や専門知識をもった人物との連携も重要だがそれはあくまで連携程度のものとしかならず本職とのスタッフとは比較にならない。
 またスタッフの中でも現状では一番エネルギーの注がれる選挙対策や地元を管理するスタッフも引き続き必要だ。本来の国会議員の職責は法律を作ることにありそこに全力を尽くすべきだが、現実として選挙や地元の対策を欠かすことは出来ない。
 以上のように官僚に頼らずに自ら法律を作るには費用が掛かる。もちろん今のような官僚任せの議員には歳費を上げてもそれはボーナスに過ぎない。だが真に官僚支配を脱しようとするならばそれを変えるために政治家に力を付けなければならない。政治家の力をそいでおいて官僚政治を打破しろというのはどうなのだろうか。

2009.05.29 12:00 URL | 政権交代を望むものとして #- [ 編集 ]

下記アップしました。

麻生様、党首討論での天然無知はギャグですか?嗚呼、汝アホ太郎、存在自体が漫画で、同時に背筋が凍る様な悪夢を体現する者。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/post-99c8.html

贔屓目を割り引いても昨日の党首討論は鳩山ゆっきーの圧勝でしょう、どう見たって。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/post-8655.html

自民の対民主ネガキャン広告、われ海援隊BBSに応え図書館急行す。マスゴミの雄ゴミ売りの何ともはやの広告で脱力。(^^;
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/05/post-e085.html

http://soba.txt-nifty.com/zatudan/0anime/jiminwotheend73.gif
 

2009.05.29 13:21 URL | SOBA #XPXthLJ6 [ 編集 ]

「党首討論」
イギリスのクエスチョンタイム、その中の水曜の午後30分間「首相質問」というのがあって最も白熱する、それがモデル。
小沢が幹事長時代、ヨーロッパ調査団として米ソ冷戦終結と共産主義国家崩壊の実情、それに西欧諸国がどう対応しているか、そして各国の選挙制度と政治改革の実態を調査。
団長小沢幹事長、メンバーは田辺社会党副委員長、市川公明党書記長、米沢民社党書記長、野田毅、西中清、池田行彦、渋沢利久、中西啓介。
小沢幹事長は公式調査以外に個人的に勉強したいとイギリス、フランス、西独の3カ国で選挙制度と政党運営の専門家からレクチャーを受ける。

2009.05.29 14:04 URL | sarah #RLJMvFJw [ 編集 ]

sarah様

ご教授ありがとうございます。
小沢のヨーロッパ土産だったんですか、知りませんでした。
いずれにしても麻生が党首のうちは、誰が相手だろうと盛り上がりに欠ける気がして、大して見たくも聴きたくもありません。

2009.05.29 20:36 URL | 謎のカスパール・ハウザー #- [ 編集 ]

党首討論は、与野党の申し合わせで「衆院または参院で所属議員10人以上の野党会派」が参加要件のようですね。(福島瑞穂のどきどき日記より)
衆議院TVで全部見ました。私は、kojitakenさんの印象と逆で、ネットの新聞記事の見出しは、「政策議論深まらず」「政策論争なき党首討論」「非難合戦」など否定的なものでしたが、それなりに面白く拝見しました。また、見た後の感想が、本当に人それぞれなのも、面白く思いました。

2009.05.29 21:46 URL | 散策 #TY.N/4k. [ 編集 ]

単純に考えれば、社民党は共産党同様に抗議の声をあげなければおかしいのですが、民主党との関係からそれができない。
これは、90年代初頭、旧社会党が細川連立内閣への参加と引き替えに、従来の主張を変え小選挙区制導入を受け入れた時と同じ図式です。
社会(社民)党を自己の陣営に引き込むことで反対の声を封じ、共産を孤立化に追い込む。結果、両党とも党勢を失っていくわけです。今回も「反対しているのは共産党だけ=特殊な少数派だけ」にしてしまうのでしょう。しかも、その共産党が自ら孤立化に追いやるという体質の党で、幅広い市民運動に展開させていくことがむずかしい。
しかし、比例区の定数削減は共産党にとって不利とかの問題ではなく、日本の民主主義の根幹にかかわる事といってもいい事なのです。「彼らが最初に共産党員を弾圧したとき」で始まるマルチン・ニーメラーの有名な詩を思い出して下さい。

以前にも私は「小選挙区制導入はあけてはいけないパンドラの箱だったと思います」と書いた事がありますが、比例区の定数削減は「箱に残った希望」すら失わせてしまいかねません。
公明党・社民党・国民新党・新党日本が反対の声をあげないとしたら、自分たちの党は消滅してかまわないと言っているようなものです。

小選挙区比例代表並立制を単純小選挙区制に近づける比例区の定数削減が様々な民意が反映されない事を促進するのは当然で、特に「ブレーキのきかない車」に「国権の発動たる」国会がなってしまうのが恐ろしいです。
山口二郎氏は、近著「政権交代論」で「日本の政治が、長期にわたって非現実的な左翼イデオロギーに毒され、半永久的な保守政治による支配を許してきたのは不幸なこと」とされています。確かに長期にわたる「選挙された独裁制」ともいえる自民党政府のもたらす弊害は言うまでもありません。しかし、戦後63年経ても戦前の価値観が根強く残り、個が確立されず多勢に流されやすい国民を反動から遠ざけるために果たした「非現実的な左翼イデオロギー」の意義はそれなりに評価すべきではないでしょうか。

2009.05.30 02:44 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

山口二郎も酷いな。てっきり反体制的な学者だと思っていたら、ここに集う人々を完膚無きまでににこき下ろしているではありませんか。
 「非現実的な左翼」が議場からいなくなれば、少数意見はなくなります。そんなものは民主主義とはもはやいえません。単なる専制政治です。

2009.05.30 08:53 URL | puyonyan #- [ 編集 ]

人口比から見て日本の国会議員の数が、先進国の中でもアメリカに次いで少ない事を、定数削減に反対する何人かのブロガーさんが指摘しています。
ところで、アメリカが日本以上に少ないのは、強い自治権をもつ50州からなる連邦国家だからです。
その事を考えると、この国会議員の定数削減案は、数年前から言われ始めているアメリカの連邦制をモデルとした道州制導入も関係しているのかもしれません。
この道州制導入は経団連が後押ししている事からわかるように、きわめて新自由主義色が強いものです。「地方が中央依存体制から抜け出し、自由になれる」と賛成派はそのメリットを主張しますが、競争原理によっていままで以上にひどい格差の拡大につながってしまうおそれがあります。

議員報酬についてですが、大幅に下げるというのは、いささか短絡的ではないかと思います。麻生氏や鳩山氏のような潤沢な資産を持つ議員とそうでない議員とでは大幅な報酬カットの影響は大きく違うでしょうし真面目に活動していれば、ある程度の費用は必要です。もちろん、この際、現在支給されている額が本当に的確なものであるかを見直すべきとは思います。
それにしても小泉チルドレンなどを見れば「こんな議員はいらん」という気持ちになるのも当然で、党公認のダメ議員さえも権力保持に利用していると言っていい自民党の厚顔さにはあきれるばかりです。

2009.05.30 14:14 URL | ぽむ #mQop/nM. [ 編集 ]

kojitakenさん、皆さん、こんばんは

国民目線の政治にするには、議員特権を大幅削減し、多様な意見を代表する議員を増やすことです。
議員を減らすのは大間違いです。
欧州の英独仏伊で議員は日本の1.5~3倍ほどいます。
議員報酬は2400万円も要りません。
欧州では議員報酬は1000万円以下が常識です。
ボランティア意識を高めるため、1000万円以下で充分です。
議員年金やJR無料パスは全廃、公設秘書と100万円/月の経費は政党助成金として政党に一括交付し、政党内でやりくりし、政策も個人でなく政党で研究すべきです。
無駄が無くなり、国会議員に掛ける費用は減ります。
比例区削減は以ての外、民意を反映しない二大政党制でなく、選挙制度は比例代表制にすべきです。

2009.05.31 22:55 URL | 愛てんぐ #PARia3Ic [ 編集 ]













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