先日、標記の本を読んだ。著者は雑誌「噂の真相」元編集長の岡留安則氏で、ソフトバンク新書の創刊シリーズの一冊。
雑誌「噂の真相」は、創刊号から読んできた。それどころか、前身「マスコミひょうろん」の頃から知っている。「噂の真相」が創刊された頃、私はまだ高校生だった。
一度も買ったことはない。すべて立ち読みですませてきた。創刊の頃は、まさかこの雑誌が多大な発行部数を誇り、25年も続くとは思わなかった。
この雑誌が休刊したのは2004年のことである。編集長の岡留安則氏は、セミリタイア生活に入ろうとしながらも、しばしば表舞台にも出てきている。
この雑誌は、筒井康隆、本多勝一といった、私が愛読していたライターの連載が載っていた。しかし、本多勝一と「噂の真相」はその後喧嘩することになり、本多氏の独善的な体質が世に知られることになった。ちなみに、私がもっとも高く評価する本多氏の仕事は「子供たちの復讐」(1979年)である。読みながら、あれほど動揺を感じた本はそうそうない。しかし、思想的なバイアスが強くかかった氏の雑文まで支持しているわけではない。そして、氏に独善的、独裁者的な性格があることは、氏の著作から読み取れることであると思う。しかし、それはそれとして、氏の業績は多面的に評価されるべきであると考えている。
そんな本多氏との確執も、この本には書かれている。また、猪瀬直樹氏がエラくなるにつれて変質し、「朝日ジャーナル」誌上で、田中康夫氏に批判記事を書かれた時、朝日新聞社の上層部を通じて、「朝ジャ」の編集部に圧力をかけたことも紹介している。現在テレビなどにしきりに出演し、傲慢な物言いの彼が、三宅久之氏や塩川正十郎氏、櫻井よしこ氏らにやり込められるのは、テレビにおける恰好の見世物になっているが、ジャーナリスト、ライターとしての本分を忘れた猪瀬氏の末路といいたいところだ。だが、現実にはこの男が小泉内閣のブレーンだというのだから、呆れてしまう。
雑誌「噂の真相」は、創刊号から読んできた。それどころか、前身「マスコミひょうろん」の頃から知っている。「噂の真相」が創刊された頃、私はまだ高校生だった。
一度も買ったことはない。すべて立ち読みですませてきた。創刊の頃は、まさかこの雑誌が多大な発行部数を誇り、25年も続くとは思わなかった。
この雑誌が休刊したのは2004年のことである。編集長の岡留安則氏は、セミリタイア生活に入ろうとしながらも、しばしば表舞台にも出てきている。
この雑誌は、筒井康隆、本多勝一といった、私が愛読していたライターの連載が載っていた。しかし、本多勝一と「噂の真相」はその後喧嘩することになり、本多氏の独善的な体質が世に知られることになった。ちなみに、私がもっとも高く評価する本多氏の仕事は「子供たちの復讐」(1979年)である。読みながら、あれほど動揺を感じた本はそうそうない。しかし、思想的なバイアスが強くかかった氏の雑文まで支持しているわけではない。そして、氏に独善的、独裁者的な性格があることは、氏の著作から読み取れることであると思う。しかし、それはそれとして、氏の業績は多面的に評価されるべきであると考えている。
そんな本多氏との確執も、この本には書かれている。また、猪瀬直樹氏がエラくなるにつれて変質し、「朝日ジャーナル」誌上で、田中康夫氏に批判記事を書かれた時、朝日新聞社の上層部を通じて、「朝ジャ」の編集部に圧力をかけたことも紹介している。現在テレビなどにしきりに出演し、傲慢な物言いの彼が、三宅久之氏や塩川正十郎氏、櫻井よしこ氏らにやり込められるのは、テレビにおける恰好の見世物になっているが、ジャーナリスト、ライターとしての本分を忘れた猪瀬氏の末路といいたいところだ。だが、現実にはこの男が小泉内閣のブレーンだというのだから、呆れてしまう。
「噂の真相」は、ゲリラジャーナリズムの代名詞のような存在だった。東京地検特捜部に名誉毀損罪で起訴され、刑事裁判で最高裁まで争ったりもしている(結局敗訴し、岡留氏らの有罪が確定)。森喜朗首相(2000年当時)に買春検挙歴があることを暴露して、森氏に訴えられたほか、野中広務の同和利権、安倍晋三の韓国パチンコ利権も暴いて、それぞれ訴えられて裁判沙汰になっている。また、右翼からの攻撃を受け、岡留氏が負傷したりもしている。
本書中でも、雑誌ジャーナリズムの現況に対する批判が展開されているが、特に昨年9月の総選挙で小泉自民党が圧勝して以来、週刊誌などによるゲリラジャーナリズムは死に絶えたように私も感じている。昨年11月に発覚した、マンションやホテルの耐震強度偽装事件で、「きっこの日記」がスクープを連発して、世の注目を集めた。このサイトには「噂の真相」に相通じる精神を感じるので、私は毎日チェックすることにしているが、雑誌のライターたちはきっこさんに刺激を受けて発奮するだろうとばかり思っていた。しかし、その後「四点セット」といわれた諸問題が騒がれるようになっても、雑誌ジャーナリズムは甦る気配はない。ふがいない限りだと思う。
いま、次期総理大臣候補には安倍晋三が控えている。バックに電通(やホニャララ団?)が控えている安倍は、「噂の真相」とも裁判で争っていた男だが、岡留氏の見立ては、「安倍の能力は大したことがない」「安倍には穴が多過ぎる(昨年12月のヒューザー小嶋社長の証人喚問で「安晋会」の名前が出たときの対応ぶりなど)」「人気だけで総理の座を獲得したとしても、短命に終わる」とのことだ。それなら良いのだが、一方で「マスコミ工作とマスコミへのドーカツだけは巧妙だしタカ派的なので、その点だけは要注意である」とも書いている。
私は、今後もし日本の政治が安倍晋三ごときに好き放題にされるようなら、日本は破滅への道を歩むしかないと考えているので、安倍の動向は厳しくチェックしていこうと思っている。
本書中でも、雑誌ジャーナリズムの現況に対する批判が展開されているが、特に昨年9月の総選挙で小泉自民党が圧勝して以来、週刊誌などによるゲリラジャーナリズムは死に絶えたように私も感じている。昨年11月に発覚した、マンションやホテルの耐震強度偽装事件で、「きっこの日記」がスクープを連発して、世の注目を集めた。このサイトには「噂の真相」に相通じる精神を感じるので、私は毎日チェックすることにしているが、雑誌のライターたちはきっこさんに刺激を受けて発奮するだろうとばかり思っていた。しかし、その後「四点セット」といわれた諸問題が騒がれるようになっても、雑誌ジャーナリズムは甦る気配はない。ふがいない限りだと思う。
いま、次期総理大臣候補には安倍晋三が控えている。バックに電通(やホニャララ団?)が控えている安倍は、「噂の真相」とも裁判で争っていた男だが、岡留氏の見立ては、「安倍の能力は大したことがない」「安倍には穴が多過ぎる(昨年12月のヒューザー小嶋社長の証人喚問で「安晋会」の名前が出たときの対応ぶりなど)」「人気だけで総理の座を獲得したとしても、短命に終わる」とのことだ。それなら良いのだが、一方で「マスコミ工作とマスコミへのドーカツだけは巧妙だしタカ派的なので、その点だけは要注意である」とも書いている。
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