きまぐれな日々

12日に投開票が行われる秋田県知事選は、自民党、社民党、連合などが支持する佐竹敬久氏の圧勝が予想されており、民主党が支持する川口博氏は劣勢だ。選挙結果が出たら、またマスコミが「西松事件の影響だ」と大騒ぎすることは目に見えている。

千葉県知事選でもマスコミはそう叫んだ。こちらこちらなどを読むと、この選挙がどういうものだったのがよくわかるし、東京都の小平市長選のように、自公の推す候補が惨敗した例もあり、自治体固有の事情をよく分析して報道しなければならないと思うのだが、マスコミは馬鹿の一つ覚えみたいに「西松事件の影響」の一点張りだった。

だが、どういうわけか民主党の鳩山由紀夫幹事長は、マスコミの言い分を半ば認めるかのように、自ら千葉県知事選と西松問題の影響を認めて、有権者にお詫びしなければならないと言うなど、前記リンク先のブログ記事に、

元々が知事選とは関係のないところでの事件でもあれば、30万票以上もの大差がついたことを考えれば、仮に影響があったとしてもそんなものは微々たるもの。にもかかわらず、影響があったとして陳謝してしまった鳩山由紀夫幹事長。甘ちゃんなのか、度胸がないのか、まったく理解に苦しみます。
(『undercurrent』?2009年3月30日付記事「バッカじゃなかろうか」より)

と酷評されるありさまだ。

小沢一郎に対して是々非々のスタンスをとる私などから見ても、鳩山はいったい何言ってるんだと思うのだが、菅直人と比較してより小沢一郎べったりの鳩山由紀夫は、小沢一郎に好意的な人たちからは好感を持って受け止められているらしく、なんだかなあと思ってしまう。鳩山は、2001年の参院選で民主党を惨敗させた一方、菅直人には2003年の総選挙で党勢を拡大した実績がある。

その鳩山由紀夫も、このところ姿勢がふらついてきた。都内での講演で小沢一郎の進退問題について、「大変厳しい世論が出ている。このままで政権交代できるかどうか、際どい状況になっている」と述べた。鳩山は「小沢代表を辞めさせることが政権交代をしやすくするのか、粘り腰で反転攻勢をかけることが評価されるのか。大変難しい」とも述べ、苦しい胸の内を吐露したという(下記URLの産経新聞記事参照)。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090408/stt0904082322010-n1.htm

私は、鳩山の本音は実は少し前から代表交代にあり、次の体制では、少しでも自らの属する右派の影響力を拡大しようという意図を持って動いているのではなかろうかと邪推している。現在の小沢一郎体制は、小沢が横路孝弘ら左派と結んだとされている政策協定なども関係するのか、左派の影響力が強く、右派には不満の多いものに違いないからだ。鳩山は、前原誠司あたりと比較しても「右」に位置する保守派の政治家である。

もう一つ、民主党の代表交代を後押ししているのが朝日新聞で、「きしむ民主トロイカ」、「代表続投巡り鳩・菅に距離」などの見出しのついた4月4日付記事の末尾に、鳩山・菅両氏をよく知る中堅議員の、

「結局、小沢さんに鈴をつけられるのは2人しかいない。その手法が違うだけだ」

という言葉を引用している。その朝日新聞は、もちろん鳩山ら保守派を支持しているわけではないが、以前にも菅直人を東京都知事選に転出させようとした例からわかるように菅直人とも合わず、中間派で新自由主義的傾向の強い岡田克也の代表就任を待望していることは明白だ。

私がダメ押しだなと思ったのは、昨日(4月9日)の朝日新聞に載った早野透のコラムで、「ポリティカにっぽん 「ラストエンペラー」は去る」と題されたこの記事は、90年代から小沢一郎を後押ししていたこの新聞記者による小沢一郎への惜別の辞としか読めないものだ。終わり近くから一節を引用する。

 小沢氏は、こんどの事件を「天命だよ」と語ったと伝えられる。ここ十数年の小沢氏が、時代の牽引力であったことはまちがいない。しかし、表と裏、理念と現実の乖離には、小沢氏も苦しむのではないか。かえっていま、そこが明るみに出て、小沢氏は安堵しているのではないか。「新しい政治文化」をつくるべき政権交代の前夜、角栄王国のラストエンペラーはやはり去るほかない。
(朝日新聞 2009年4月9日付記事「ポリティカにっぽん 「ラストエンペラーは去る」より)


「自エンド」にTBされる記事を読んでいると、小沢一郎体制は磐石であるかのような錯覚が起きるが、朝日新聞の記事を読んでいると、小沢一郎体制の終焉は間近ではないかと思われる。小沢一郎の指示でこれから行われる衆院選の情勢調査の結果によって、小沢一郎の進退が決まるのだろうが、調査結果の周知を長妻昭が迫ったことも報じられた。テレビの露出度も高く人気のある長妻昭のスタンスがうかがわれる。

そんなわけで、週明け以降はまた民主党代表がらみの政局の話で騒がしくなるのは間違いない。そうなったら、昨日のエントリのような環境・エネルギー問題関連の記事(予想通り不人気だったw)を上げるタイミングをまた失してしまいそうなので(昨日のエントリもいったんお蔵入りにしていたものだった)、これに関連してちょっと書いておきたい。

発売されたばかりの月刊誌『世界』5月号に、「日本版グリーンニューディール」の特集が出ている。その中に、飯田哲也氏が「日本の環境エネルギー革命はなぜ進まないか 賢く機能する政府への転換を」と題する論文を寄稿している。ここで飯田氏は、

オバマのグリーンニューディール政策は、単なるバラマキ公共事業ではなく、民間投資を促すと同時に長期的な構造改善に役立つ、「賢く機能する」政策が特徴なのである。

と高く評価する一方、フィードインタリフ導入をめぐる日本の政策の混乱を、

現状では、「賢くなく機能しない」政府のもとで、ただのバラマキに終わる懸念がある。

と評して厳しく批判している。

日本版グリーンニューディール政策が失敗すると予想する要因を、飯田氏は3点指摘している。1点目は、「知のガラパゴス列島 普遍知・実践知・統合知の欠如」として、政策を成功させるための「知」が世界の常識や現実から隔離されているとする。2点目は、「政治決定する官庁」、すなわち官僚の政治支配である。経産省と環境省が争っているが、環境・エネルギー政策に消極的な経産省が優勢で、政治はこれまでこの問題にほとんど関心を持っておらず、ようやく関心を持ち始めたものの、今年1月の国際自然エネルギー機関(IRENA)への出席にも消極的だったが、アメリカが出席するという情報が入ると、急遽日本も出席を決めるというていたらくだった。

3点目が、「電力幕藩体制」であって、飯田氏は、

自然エネルギーにもっとも消極的であり、かつ構造的な課題は、日本の一〇電力体制であろう。

と指摘している。戦時体制で一元化されていた電力事業は、戦後全国を10の地域に分け、それぞれの地域を唯一の電力会社が独占する「地域独占」と発電から送電、配電、売電までの機能を一つの電力会社が独占する「垂直統合」(機能の独占)を特徴とする体制となった。1990年代からの規制緩和・自由化の流れにあっても、部分的な自由化が進められたものの、根幹には手つかずで、「世界的に見ると途上国を含めても極めて異例」の状態が続いている。その電力会社が、電気事業連合会(電事連)という業界団体や経団連を通じて自民党のエネルギー政策に強い影響を与えている。一方、電力総連や電機労連は民主党に強い影響を与えている。つまり、国会のエネルギー政策は電力会社の強い影響下にあるということだ(以上、『世界』2009年5月号掲載飯田哲也論文の166頁より自由に引用)。仮に民主党中心の新政権へ政権交代が起きたところで、政策が劇的に変化することは考えづらいが、先進的な環境エネルギー政策を持つ(と筆者が考えている)社民党あたりが、民主党に強く働きかけて政策転換へと動かしていってほしいものだ。

飯田氏は、霞ヶ関政治のあり方やそれを産み出す政治構造を、打倒すべき「敵」だとして、

 今こそ、われわれの真の敵を見出し、近視眼的・ムラ社会的な利害を超えて、「賢く機能する政府」に向けて、真の政治改革を行うときではないだろうか。

と論文を結んでいる。「真の政治改革」という表現には若干抵抗があるが、飯田氏の論文は説得力に富んだもので、当ブログ読者の皆さまにも一読をおすすめする次第である。


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国策捜査糾弾バナーのネタ元、どなんとぅさんがブログを始めたようです。石垣島からのようです。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/04/post-4698.html

下記もよろしくです。
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http://soba.txt-nifty.com/zatudan/0anime/jiminwotheend80-2.gif

2009.04.10 10:34 URL | SOBA #XPXthLJ6 [ 編集 ]

鳩山由紀夫は新憲法制定議員同盟の役員です。

新憲法制定議員同盟の前身である自主憲法期成議員同盟は1955年に保守合同に先駆けて結成された団体で、自民党の元になった団体です。自民党そのものと言えるでしょう。
また、その名前からもわかる通り、憲法改悪を指向する団体です。

鳩山由紀夫がその団体の役員であるということは「隠れ自民党員」であるということです。
鳩山由紀夫が「隠れ自民党員」であるとすれば、奇妙な言動も説明がつきます。

ちなみに、前原誠司も同団体の役員です。

新憲法制定議員同盟 会員名簿
http://www.kyodo-center.jp/ugoki/kiji/sinkenpou-kaiin.htm
新憲法制定議員同盟 役員名簿
http://www.kyodo-center.jp/ugoki/kiji/sinkenpou-yakuin.htm

2009.04.10 18:56 URL | nekonekoneko #/8nqih4Y [ 編集 ]

こんばんは。kojiさん。

今日昼休みに本屋に行ったら、この佐藤勝氏が文春の文学雑誌に『ドストエフスキー論』を連載し始めたそうで。確かこの人、ドスと訓が読まれる時代は暗いとかなんのンとか言ってたのに、どういう風の吹き回しと思いつつ、あんまりぱっとしないので買いませんでしたけど・・。でもやはりドスト君の思索には、魯迅が継承しているっぽいところがタクサンあるので、気にはしています。「地下室の手記」辺りから始まる、ドスト君のある種の転向(深化≒ニヒリズムのとの闘い)は今日的に読み直さんとアカン話や露ね。やけくそファシズムの拡大する時代にこそ。
ちと、今日のログとは、ずれているみたいなコメになりましたけど、いえいえ、19世半ば以降の様々の思想潮流が、『革命』だったのは、斬新的『改良』(ある意味、菅直人氏のスタイルtって言えばいいかな)では、我慢ならぬ(全く埒あかん)と、捨て身にならざらヲ得ぬ存在が大量発生していた時代状況ゆえ、かも? そこを『お決まりのヒューマニズム』でお茶を濁さず、複雑に人間の野蛮さも非っくるめて捉えるがゆえ、ドスト君の作品は、反動扱いされてしまったりする。ここら辺の、思想的なフン詰まりが経済や政治・思想に出ているんじゃないかなと、その意味では、階級闘争(2極と言うか、貧富の差と言うかどっちでもいいけど)は確かにある。けど、現状の延長線上にある方向は、血なまぐさい、過当競争か、死競る停滞。
後者の代表(既得権益者)の1つとして、槍玉に上げられる公務員や大手企業の正社員(労組)があろうどう貴族なんて言われてた時代が懐かしいですけど・・。相変わらず、政治的プロパン感田に活用され続けるのには、それなりの根拠はあるわけで。ここら辺の掘り下げが戦略的には必要ではないかと思う、きょうこのごろごろです。

2009.04.11 01:18 URL | 三介 #CRE.7pXc [ 編集 ]

以下参照せよ。
>小沢が気に食わんからザマみろと思ってる方は、相当にオメデタイ。
http://yahhoo.cocolog-tcom.com/goodwill/2009/04/post-9401.html#more

2009.04.18 20:27 URL | ss #- [ 編集 ]













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