きまぐれな日々

昨年秋、麻生太郎が自民党総裁及び日本国首相に就任した直後に、全国に麻生の顔写真とともに「麻生が、やりぬく。」、「まずは、景気だ。」と大書されたポスターが張られた。目ざわりかつ不愉快なポスターだったが、かけ声とは裏腹に、麻生は何ら有効な景気対策を打ってこなかった。選挙をすると政治空白が生じると言って、衆議院の解散を先送りし続けたが、麻生内閣発足以来の5か月あまりこそ、政治空白そのものだった。

しびれを切らしたのは国内ばかりではなく、英フィナンシャル・タイムズまでもが日本の衆議院の解散を要求するという未曾有(笑)の事態になった。しかし、昨日(1日)のいわゆる「政治番組」では、これを題材に政府要人に解散を迫る展開になると思いきや、ワンテンポ遅れた郵政民営化の議論で時間を潰していた。いつも余裕綽々(しゃくしゃく)の竹中平蔵に亀井静香が舌鋒鋭く切り込み、竹中が冷静さを失って声を荒らげていたのは見ものではあったが、喫緊の課題は郵政民営化の是非ではない。そう思った。

もう誰もが感じていることだろうが、諸外国の景気対策はずっと早い。台湾で給付金の案が持ち上がったのは日本より遅かったが、既に実施されて経済効果が出ている。オバマは大胆な景気対策を打ち出し、富裕層の所得税減税を廃止して、逆に富裕層に増税する方針も示した。しかし、麻生は「まずは、政権延命だ」、「麻生が、さぼりぬく」とばかりに何もやらない。読売新聞や朝日新聞は、あろうことか強烈な消費税増税・緊縮財政論者の与謝野馨を次期自民党総裁に擬するありさまで、よほど日本経済を根底からくつがえしたいものと見える。いまや日本は、無能な政府とマスコミに破壊されようとしている。

本当は、昨日の「政治番組」では麻生内閣を解散総選挙に追い込む、そんな展開が期待されたのだ。だが、そうはならなかった。

いうまでも私は、現在の自公政権に反対である。だが、昨年秋以来、何度も「解散総選挙を先送りにすればするほど、自民党の議席は減る」と主張してきた。解散を先送りすると、いつかは情勢を自民党に有利にする「神風」が吹くとは、日本が「神の国」であると言ったことのある森喜朗なら考えそうなことだが、鮫の脳みそが夢想するような事態が起きるはずもない。

私は別に自民党のために早期解散を主張して、自民党の議席減に少しでも歯止めをかけさせてやろうなどと思ったわけではなく、既に安倍晋三政権の頃から政権担当能力を失っていた自民党政権が、これ以上続くのに耐えられなかっただけの話だ。特に、首相が福田康夫から麻生太郎に代わってからはひどかった。安倍、福田、麻生の三代の中では、辛うじて見どころがあったのは福田康夫だけであり、それでも福田にも合格点はつけられないが、麻生太郎に代わった時点で、「こりゃダメだ」と思った。しかし、ここまでひどいとは想像もしなかった。自公与党の連中はもうだいぶ前から「麻生がここまでバカだとは思わなかった」などと言っていたし、2009年度予算案成立を機に、自民党内から公然と麻生下ろしの声が上がっているが、麻生は彼らが選んだ総理総裁なのである。仮にこの時期に自民党総裁選を実施するとして、その大義名分など何もないし、何より彼らが総選挙を回避する口実に用いていた「政治空白」を自ら作り出すことになる。いくら「自民党のコマーシャル」をやるマスコミだって、今度は批判するだろう。

それでは、麻生がこのまま居座り続けたらどうなるだろうか。昨日のTBSテレビ『サンデーモーニング』で、田中秀征が「このまま麻生政権が続いて3月末を迎えると、不況が麻生さんのせいにされる」と言っていた。実際、世界金融危機の発生自体は麻生のせいではないが、昨年9月末の麻生内閣発足以来の無策によって景気の足を引っ張ったのは、明らかに麻生のせいである。「まずは、景気だ。」というかけ声には、実体が何も伴っていない。それどころか、アル中の中川昭一がG7で醜態をさらして辞任に追い込まれると、後任に(読売や朝日の思惑通りに)与謝野馨を据えた。仕事のやる気は何もないのに、権力の座にだけは醜く固執する。最悪の政権である。ようやく、さしもの自民党議員からも早期の解散総選挙を求める声が出てきた。

こんなていたらくでも、コイズミら新自由主義者よりましという観点からか、「麻生内閣を応援しよう」という声も出ているようだが、冗談ではない。コイズミは次期総選挙には立候補せず引退する。コイズミチルドレンは大部分が落選するし、彼らを束ねている武部勤も落選する可能性が高い。コイズミ一派を恐れて無策の麻生を応援するなどというのは、「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」の類の愚挙だ。「かんぽの宿」問題で目立っている鳩山総務相を応援する、などと言っている人もいるが、亀井静香の言うように、郵政民営化の見直しは次期政権に任せておけばよい。

とにかく、有効な景気対策を打てない麻生内閣は、日本の社会と経済にとって百害あって一利なしなのである。可能な限り早期の解散総選挙を求めたい。


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 スパムコメントが来ているのかな?↑
 最近、政権批判や麻生批判をすると、狙い撃ちのように右翼が全く中身のない、低知性の因縁をつけてきますね。

 さて、麻生政権ですが、というより自公政権といった方が良いか・・・。末期的ですね。マスコミも新自由主義を喧伝してますが、アンチ・小泉・竹中の本も続出し、財界やナベツネの思い通りにはならないようで。
 もはや、自公政権はただ存在しているだけで、何の効果的な景気対策も打てないまま漂流している感じです。
 小沢民主党代表の第七艦隊関係発言を批判したりしていますが、その前にやることがあるだろう、麻生。という感じです。
 私は基本無党派ですが、民主党が先の参院選で社民主義路線に舵を切ったのは、今の不景気に必要なことと考えていますので、自公政権よりは民主党を選びます。
 国籍法改正を民主党が悪いなどという、事実と違った妄言を吐き散らすネット右翼は、自公厨の、脳みそぬかみその連中かと。

2009.03.02 07:49 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

はじめまして。
定額給付金は景気対策になりませんか?

メディア論を学ぶものです。昨今のメディアに疑問をもっています。ブログで検証していますので、どうぞご覧ください。

2009.03.02 14:06 URL | maria #onplKJwM [ 編集 ]

給付金に関してはブログ本文で明確に評価が書いてありますけど読んでいらっしゃらない?

そちらのほうもちょっと拝見しましたが、「とりあえず全部捏造」という、2ちゃんねるのコピペでよく見る定番ですね。
メディア論を学んでいらっしゃるという風には見えませんでした。

2009.03.02 21:00 URL | Gl17 #EBUSheBA [ 編集 ]

mariaさん、はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

> 定額給付金は景気対策になりませんか?

以前から当ブログで主張しているように、方向性としては間違っていないと思いますが、森永卓郎さんも指摘しているように、額が小さすぎますし、何よりスピードが遅すぎます。

エントリ本文で書いたように、台湾では日本よりあとから給付金の案が出てきたのに、さっそく実行され、成果を挙げています。

日本では、選挙を意識した自民・民主両党の政争の具に利用されて、せっかくの財政出動の効果が十分に発揮されません。

その責任は、野党にもありますが、麻生政権及び与党の自民・公明両党はより責任が重いと私は考えています。

2009.03.02 21:01 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

さたか氏(辛口評論家)
「昨日だったか、麻生が私の本を手に軽口を叩いたようだが、
買わなかったのは賢明という他ない。
何より『差別体質が背広を着ているのが麻生』
『私が彼に期待するのはさっさと引退してくれることでしかない』と書いたから。
そんな麻生の軽口に付き合って記事にする新聞屋たちは、
麻生と同じくオメデタイ奴という他ない。」

2009.03.02 23:13 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]













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