きまぐれな日々

一昨日には強気に留任の意向を見せた中川昭一財務相だが、昨日、予算案成立後に辞任するとの意向を明らかにし、それでも野党が即時辞任を求めて問責決議案を出すと、責任を取って辞表を提出した。

こういう展開になると、朝日新聞と同じことしか書けなくなって全く面白くないのだが、中川の辞任は当然であって、中川だけではなく麻生太郎首相の後手に回った対応は拙劣そのもので、もはや政権の体をなしていない。

思い出すのは、閣僚の不祥事を庇っては、その都度情勢が悪化して閣僚が辞任に追い込まれた安倍晋三内閣であって、その中でも参院選2か月前の一昨年5月28日に松岡利勝農水相が自殺した件は衝撃的だった。そして、中川昭一の父・中川一郎も1983年に自殺している。

中川昭一は、中川秀直と区別するために、ネットのスラングでは、「中川(酒)」などと表記される(中川秀直は「中川(女)」)。酒癖が悪いのは以前から知られていたが、世界経済、その中でも特に日本経済が未曾有(笑)の危機に瀕している時に行われたG7で酩酊状態になっているようでは、仕事ができない状態と見られても仕方ない。

財務相と金融担当相を兼務していた中川の辞任は、「経済の麻生」をもって任じ、「まず景気だ」とか「政局より政策」などと言っていた麻生内閣の土台が崩れ去ったことを意味する。朝日新聞の見出しは「首相退陣 流れ加速」(大阪本社発行統合版、1面真ん中)と打たれており、昨夜の『報道ステーション』では朝日新聞編集委員の星浩が後任の首相候補の名前を挙げていた。いわく、谷垣禎一とか高村正彦とか野田聖子とか舛添要一など。いずれも、自民党の負けを最小に抑えるには適当な人たちではないかと思えるが、このうち誰が総理総裁になっても、短命の「自民党政権最後の総理総裁」にならざるを得ない。しかし、現在は自民党や民主党云々などと言っていられるような経済や社会の状態ではない。国民生活が崩壊していっているのだ。ここであえて自ら犠牲となって選挙管理内閣の首班となる勇気を、自民党の心ある政治家に求めたい。間違っても、「なんとか劇場」などを起こそうとしてはならない。そして、首相になって組閣したら、なるだけ早い時期の解散総選挙を行うことだ。「政局より政策」などと言いながら無策を続けた結果、麻生政権が発足してからの4か月あまりの間は、まるまる政治空白になってしまった。これ以上こんな状態を続けてはならない。本当は麻生太郎こそ、当初の目論見通り、内閣発足早々の臨時国会冒頭解散を行うべきだった。解散を先送りすればするほど自民党の議席は減ると、当時から当ブログはずっと主張していた。

それにしても、国会で多数を占めている勢力が集団で間違い続けるのだからどうしようもない。公明党は、福田康夫では勝てないと福田下ろしに動き、麻生で解散総選挙をもくろんだが、情勢のあまりの悪さに麻生が立ちすくんでしまい、現在の状態に至った。

そんなわけで、麻生内閣の先はそんなに長くないのだろうが、いただけないのは与謝野馨経済財政相が財務相と金融担当相を兼務することだ。与謝野は、中川昭一とは対照的な緊縮財政論者であり、リーマン・ショック直後の昨年9月16日に、「日本経済のファンダメンタルズの健全性というのは、相対的には高いと私は思っております」などとほざいていた。与謝野はこんな超楽観論に基づいて、緊縮財政路線を歩もうとしていたわけだ。コイズミ時代、いやその前の90年代後半からずっと続く外需頼みの自民党政権の失政によって、世界経済危機で日本経済こそ最悪のダメージを受ける体質になっていたことを、与謝野は全く理解していなかった。能力的に大きな疑問符をつけざるを得ない。

せめて中川の後任には、もう少しマシな人物を据えるのではないかと私は思っていたのだが、よりにもよって与謝野の兼任。麻生太郎や中川昭一と全然方向性の違うはずのこの人事は、もはや麻生がまともに政権を運営する意欲を失っている現われに、私には見える。安倍晋三、福田康夫に続く「政権投げ出し」は目前なのではないか。安倍や福田は、それでも1年持ったが、麻生内閣は発足後まだ5か月も経っていない。

だが、現状を招いた最大の戦犯はコイズミであることを最後に指摘しておきたい。コイズミ劇場の「郵政解散・総選挙」で空前の議席数を獲得したあと、コイズミは政権を退いた。そして、その議席を頼んで「力の政治」を行ったあげく、参院選で惨敗して衆参の「ねじれ」を招いたのが安倍晋三だった。その後の福田康夫も麻生太郎も解散できなかった。福田は、「大連立」騒動が勃発した時、麻生は就任直後に、いずれも最大のチャンスがあったが、それを活かせなかった。それは、どんなに自民党が善戦しようが、衆院選で議席の大幅減は避けられなかったからだ。コイズミの勝ち逃げこそ、もっとも罪が重かった。

これを書きながら、自民党のことだから、いっそのことコイズミを選挙管理内閣の首班にして解散総選挙を行うのではないかという考えが脳裏をよぎったが、麻生は曲がりなりにも「脱カイカク」を目指していたのだろうから、せめて芝居っ気なしで粛々と解散総選挙を行える後任に道を譲って、潔く内閣総辞職して、次の選挙管理内閣の下で、可及的速やかに解散総選挙を行うべきだ。なお、本来なら自民党はいったん民主党に政権を譲り、民主党の選挙管理内閣下で解散総選挙を行うのが筋だと思うが、私は自民党にそこまでの良識は期待していない。


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あれ程の醜態だったから、予想通りの結末で一件落着納得なのだが、米CIAあたりは中川の酒癖の悪さくらいは知っていた筈で、。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-1d90.html

中川とアホウ太郎のせいで日本国民全体が国際的に恥をかかされている。野党何とかしろ!⇒「政治に対する倦厭感」作戦成功するかな?
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-1173.html

アル中が経済関係の担当大臣なんて他の国であるのかねぇ、どう見ても酔っ払いだろう⇒G7閉幕後に会見した中川財務・金融担当相
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/g7-da55.html

雑談日記みたいな長いブログの場合、「最近の記事」にスパッと飛べるようにした方が良いかもね。アンカー設定して改善しました。
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-792b.html

アクセス解析でたどったら面白い記事がこんなに。子鼠がシャシャリ出てきたおかげだ。いいバナーができただけじゃなかった(笑)
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2009/02/post-4f4e.html

2009.02.18 09:11 URL | SOBA #XPXthLJ6 [ 編集 ]

 今朝の朝のテレビ番組では、みの(バカ猿)もんた、は見ないので、日本テレビとテレビ朝日を並べてみていました。
 どちらも、麻生はもう終わりという見方でしたが、その終わり方と、「次はだれか」で、両局の対応に若干の差が出ました。
 日本テレビ(読売系)は、断言はしない物の、キャスターやコメンテーターが、必ず、「たとえば小池百合子」と名前を出していました。小池だと女性票が逃げてぼろ負けするだろうなと思いますが。
 テレビ朝日は、次は与謝野と言ったり、与謝野ではダメと言ってましたが、フリップには、なぜか国会議員でもない(議院内閣制では、首相には国会議員しかなれない)橋下が出ていて不愉快でした。
 しかし、やはりマスコミ総出で、新自由主義者を何とか持ち上げようとしているのはわかりましたが、新自由主義で、今の経済の難局をどうするのかは、誰も語りませんでした。
 個人的には一番の要注意は野田聖子。
 逆に石原の息子を含む新自由主義者にやらせて選挙でぼろ負けしてもらって命脈を絶つというのも手かと思います。

2009.02.18 11:09 URL | 眠り猫k #2eH89A.o [ 編集 ]

お酒、大丈夫?と心配されていた大臣がお酒で辞め、今度は、お体大丈夫?と心配されている人が、短期かもしれないにせよ三ポスト兼務とか、なんかもう危なっかしいです。

2009.02.18 12:19 URL | n2 #PPucW/LA [ 編集 ]

そもそも中川元大臣は金融と財政を両方担当していた時点でおかしくないでしょうか?
大蔵省そのまんま。

2009.02.18 18:37 URL | 平社員 #- [ 編集 ]

トップがんと申します。「トップがんのトリガミ日記」というブログを書いているしがない一ブロガーです。

先日、中川財相が「泥酔会見」の責任をとって辞任しました。しかしながら、私にはどうしても「中川大臣の辞任」が妥当な結末だったとは思えません。

☆中川元財相は、なぜ「意識朦朧」となってしまったのか?
☆中川元財相は、本当に酒を飲んでいたのか?
☆あの記者会見の場において、なぜ中川元財相を非難する記者がいなかったのか?
☆あの記者会見の後、なぜ中川元財相はバチカン博物館に行ったのか? 
☆今回のG7における日本の資金援助が「今回のサミット最大の成果」とまで褒め称えられた真の理由をご存知ですか? 

これらの疑問点を「中川元財相がアル中議員だったから」の一言で説明することができますか?私は、麻生内閣を攻撃できる好機をとらえたマスコミがG7での真実を隠すために、中川氏に「泥酔」というレッテルを貼り、多くの国民がまんまと騙されてしまったと考えています。

自民党支持者であれ、民主党支持者であれ、マスコミが偏向フィルターとなって真実を隠蔽し、国民を騙すようなことが許されていいはずがありません。民主党支持者にとっても「明日はわが身」となるかもしれないのです。「マスコミによって踊らされてしまった」と後悔することのないよう厳しく監視し、「くだらない揚げ足取り」には「NO!」と言う必要があるのではないでしょうか。

2009.02.23 23:44 URL | トップがん #- [ 編集 ]













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