たとえば、テレビ朝日の「サンデープロジェクト」。昨日、「言論は大丈夫か」と題したシリーズの第3回をやっていたが、テレビで何を言っていても私の心は上の空だった。
いったいどの面を下げて、安倍晋三の統一協会祝電問題をほぼ完全に黙殺しているテレビ局が「言論は大丈夫か」などと言えるんだろうか。このコーナーの最後で、田原総一朗の口から「言論」という単語が発せられた時、私はテレビのスイッチを切った。
(注)私の知る限り、テレビ朝日が安倍の祝電問題を報じたのはただ一回で、それも朝の「やじうまプラス」で「朝日新聞」の報道を紹介する形だった(これは、ピリカラ納豆・甘納豆さんの記事で知りました)。テレビ朝日が自前のニュースとしてこの件を報じたことは、私には確認できていない。
北朝鮮の拉致家族の問題もそうだ。北朝鮮の犯罪行為が許されないものであることは論を待たないが、安倍晋三に、『北朝鮮の「拉致被害者母子再会シーン」を見て、北朝鮮は情報統制下にあり自由な発言の出来ない国だから…、母子再会劇は北朝鮮のヤラセだ…なんて、馬鹿でもわかるような「正論」を、いつものようにペラペラと馬鹿の一つ覚えのようにまくし立て』られ(山崎行太郎の政治ブログ「毒蛇日記」2006年7月1日)、それに岸井成格あたりがしたり顔で同調しているのを見ると、なんともいえない嫌な気分になる。
『それなら、聞くが、日本には言論の自由が保障されているというのかね。そもそも、今回の茶番劇の裏でほくそ笑んでいるのは誰なのか。安倍官房長官一派だろうが。
たとえば、NHKの「女性戦犯法廷報道」への「政治家の弾圧」を巡って、安倍とトラブルを起こしたNHKや朝日新聞は、今でも自由に「安倍スキャンダル」を報道できるというのかね。出来るわけないだろうが。
ということは、日本にも言論の自由なんてないのだよ。だから、ゲリラ的な情報伝達空間とはしてネットやブログや「2ちゃんねる」が活発化し、「安倍・統一教会・祝電スキャンダル」に関して活発に動いているのだろう。』
(山崎行太郎の政治ブログ「毒蛇日記」2006年7月1日)
「言論の自由の危機」。これこそが、私がブログを始めた動機だ。
あの野口英昭氏変死事件。有力な2つのブログが声を挙げたことで注目を浴びたこの事件は、権力によって無理やり蓋をされた形で今に至っている(「きっこの日記」は今でも執拗にこの件を追いかけているが)。
そして、この「言論の自由の危機」は、今回の「安倍晋三統一協会祝電事件」で、疑う余地のないものになった。あれほど明らかな物証がいくつもあるのに、安倍はもう露骨な言論統制までかけて、この件をなかったことにしようとしているとしか思えない。
こんなことが許されて良いのか?
また、戦前、戦中ならいざ知らず、戦後、これほど「次期総理大臣候補」に対する批判がマスメディアのタブーになっていることがあっただろうか?
少なくとも私は、経験したことのない不気味さを感じている。
このまま、安倍晋三を総理大臣にしてしまったら、AbEndならぬ日本Endになってしまうだろう。
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- やった!「反日」に認定されたよ! (2006/07/01)
子路氏(負け犬の遠吠えブログ)のブログに時々投稿している「r」と申します。
日本はある意味「戦時中」だと思います。
実戦としてのイラク戦争加担もそうですが、アメリカによる新自由主義普及(冷戦下の共産主義普及と同じニュアンス)に伴う経済金融戦争に植民地としての属国軍の立場で参戦しているからです。
新自由主義は虚構と嘘で成立する一種の電波思想ですからマスゴミは嘘をつかなければならなないのでしょう。
2006.07.04 11:33 URL | r #a2H6GHBU [ 編集 ]
rさん
コメントありがとうございます。
新自由主義は虚構と嘘で成立する一種の電波思想って、本当にその通りだと思います。
たとえば、新自由主義理論が成り立つような完全な市場など存在しないことを示す最たる例が、村上世彰ではないかと勝手に考えています。
日経にしても朝日にしても毎日にしてもその電波思想を撒き散らしていますよね。経済関係の論調では、大新聞では読売新聞が一番まともなのではないかと思っています。
私自身は政治も経済も全くの門外漢で、知ったかぶりの投稿を撒き散らしているだけですが、AbEndにトラックバックされる投稿に、新自由主義批判の記事が比較的少ないのが弱点の一つかなと思っています。
よろしかったら、ブログを開設されて、安倍批判に新自由主義批判を絡めた投稿をTBしていただけませんか?
2006.07.04 19:29 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
>いったいどの面を下げて、安倍晋三の統一協会祝電問題を
>ほぼ完全に黙殺しているテレビ局が
>「言論は大丈夫か」などと言えるんだろうか。
自分たちの情けない現状を、暗に訴えたいのだろうかって、
ちょっと本気で考えた。
2006.07.04 23:47 URL | たんぽぽ #ZiqE0vWU [ 編集 ]
TBありがとうございました。
あの番組は、「やじうまプラス」という名前だったですね。チェックしていただいてありがとうございました。
女性アナが、朝刊の記事の中のいくつかを、ただ読み上げただけで、それに対するコメントや見解は一切なしでした。
ほんとに、異常ですね。今日は朝から、安倍さんやら、麻生さんやら、ライスさんやら、うっとうしいのは雨のせいだけではありません。
ブッシュさんは、何か嬉々としてますね。これで支持率が回復すると胸算用?
2006.07.05 16:44 URL | pirikara710 #ieBsaL3k [ 編集 ]
ピリカラさん
当初、私のリストではテレビ朝日は「未確認」になっていたのですが、ピリカラさんの記事を見て修正したといういきさつがあります。
「やじうまプラス」は、今朝は私の嫌いな勝谷誠彦が出ていました。でも、大したコメントができなかったみたいで、ざまあみろでした。
それより、安倍の態度がなぜか歯切れが悪く、視聴者に悪印象を与えたみたいです。何か、安倍にとって計算違いでもあるんじゃないかと、ひそかにほくそ笑んでいます。
少なくとも、この時期に切り札を切らざるを得なかったのは、安倍にとってあまり良い材料とは言えないんじゃないかな。
(あれ、勝手に何かを決めてかかってますけど(笑))
2006.07.05 21:25 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
>いったいどの面を下げて、安倍晋三の統一協会祝電問題をほぼ完全に黙殺しているテレビ局が「言論は大丈夫か」などと言えるんだろうか。
係の者がうっかり祝電を送ってしまったという、小さなミスで大騒ぎは出来ないでしょう。
2006.07.07 23:18 URL | アクシオン #- [ 編集 ]
アクシオンさん
この件は、「係の者がうっかり祝電を送ってしまった」などというレベルの問題ではないということを、私は多くの記事を通して主張しています。
6月30日の記事で書いたように(ハムニダ薫さんのブログにコメントされた方からの引用ですが)、この件は、揚げ足取りではありません。戦後の保守の本質につながる裏面史なのです。
なお、これ以上水掛け論となるコメントをされてきた場合は、管理人権限でコメントを削除いたしますので、予めご了承ください。