きまぐれな日々

中谷巌も麻生太郎も新自由主義からの転向を表明した今日この頃だが、今後はコイズミや竹中平蔵をはじめとして、これまで新自由主義の旗を振って日本の社会や経済をぶっ壊した戦犯たちを、日本人自らの手で断罪し、裁くべきだと思う。

機を見るに敏というか、「空気の読める」人たちは、中谷巌が典型例だが、いち早く新自由主義批判側に身を転じ、生き残りを図っているが、彼らが犯した犯罪同然の行為は、徹底的に追及されなければならない。

特に見過ごせないのは、日本における新自由主義の開祖である中曽根康弘が、市場原理主義批判の論調をとっていることである。サッチャーとレーガンが新自由主義政策を推進していた1982年に総理大臣に就任した中曽根は、外交・安全保障政策では「ロン・ヤス関係」(ロナルド・レーガンと中曽根康弘)と称する対米隷従路線をとり、経済政策では民活(民間活力の活用)路線で民営化を推進し、小さな政府を目指した。中曽根路線を極端な形で推し進めたのがコイズミである。中曽根は、コイズミによって政界引退に追い込まれてからコイズミに批判的なスタンスをとるようになり、コイズミ政権末期頃から行き過ぎた日米関係一辺倒の外交を批判していたし、最近では市場原理主義批判もするようになった。

前のエントリを書くために中谷巌について調べていた時、『安原和雄の仏教経済塾』の記事「相次ぐ新自由主義者たちの変節」に行き当たった。著者の安原和雄氏は足利工業大学名誉教授で元毎日新聞論説委員。この記事は昨年11月12日に書かれており、その直前の昨年11月8日付朝日新聞に掲載された中曽根のインタビュー記事を引用しながら中曽根の変節を指摘、自らの責任に言及しない中曽根を批判している。

同じ記事には、昨年11月7日の経済同友会主催シンポジウム「新・日本流経営の創造」において中谷巌が「新自由主義への反省の弁」を述べたことが紹介されている。

安原さんの記事に、現在「モラルなき拝金主義」を批判している中曽根が、かつて「リンリ、リンリと鈴虫でもあるまい」と述べて、政治倫理を求める民の声に「リンリ」すなわち「倫理」を揶揄(やゆ)した、とある。これは1983年12月に行われた総選挙の際になされた発言で、その直前の同年10月に田中角栄元首相がロッキード事件裁判の一審で有罪判決を受けたこともあって、政治倫理が総選挙の争点になっており、中曽根内閣は「田中曽根内閣」として批判され、総選挙では敗北を喫した。「日刊ゲンダイ」などは「田中曽根 退陣へ」との見出しで報じて、私は期待したのだが、結局自民党は新自由クラブと連立を組んでこの危機を乗り切り、長期政権となった中曽根内閣は、政権後期にバブル経済を引き起こした。1986年の衆参同日選挙で自民党が圧勝するなど、自民党政権はそのピークに至ったが、中曽根の失政によって、その後の日本経済の混乱がもたらされた(よりにもよって中曽根の路線をさらに極端に推進したのが、やはり長期政権となったコイズミ内閣だった)といえると思う。中曽根はコイズミや竹中平蔵らと並んで、戦後日本政治最大の戦犯といっても過言ではあるまい。

現在政治家や経済学者などに求められていることは、新自由主義が誤りであったことを認め、過去に新自由主義政策を推進した人たちの責任を追及し、二度と同じ誤りを繰り返さないようにすることである。中曽根は、過去の自らの政治を棚に上げて新自由主義批判や対米隷従の外交・安全保障政策批判を行っているが、「お前が言うな」と言いたい。90歳になってもなお持ち前の「風見鶏」ぶりを発揮していることには呆れる。中曽根は、改憲の夢をまだ持ち続けており、盟友・渡邉恒雄(ナベツネ)の読売新聞を利用して、つい数年前には世論調査でも改憲賛成が反対を大きく上回るところまでこぎ着けていた。その後、安倍晋三がその短い首相時代にあまりに性急に改憲路線を突っ走ったことが警戒されて、改憲反対の世論が賛成を上回る再逆転が起きたが、党内に改憲派と護憲派を抱え、前者の方が多い民主党の動向次第では、改憲への動きが再燃する可能性もある。

この30年を現在の方向に引っ張ってきた原動力が、中曽根でありナベツネであった。一昨年の「大連立」の仕掛人も彼らで、森喜朗を入れた「老害三兄弟」と揶揄したが、中曽根やナベツネに対して、森喜朗では団子の大きさが小さすぎる。兄の2人の10分の1もないに違いない。しかし中曽根やナベツネは文句なしの戦犯である。彼らを徹底批判せずして日本の再生はない。いくら大勲位だろうが、テレビでありがたいご託宣を垂れる偉人になど祭り上げてはならない。


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 おはようございます。
 中曽根政権の時代は、私の大学生時代と重なっています。当時、経済学にはさほど明るくはなかった(今でも)私でも、中曽根による、何でも民営化は以下の問題があることに気付いていました。

〇 国鉄などの民営化をし、その株式を売却するというのは、国民の税金で作ったものを、さらに国民に売りつけるわけで、いわば二重取りの詐術に近い。

〇山手線内の土地の売買規制の撤廃や建物の高さ規制の撤廃は、必ずや狂乱地価の再来を招く。

 ということです。
 特に後者は、土地本位制によるバブルの到来をもたらしたことは間違いありません。
 しかし、当時の大学自治会を支配していた某政党系の学生たちは中曽根の政治右派の姿勢だけに注目し、批判を繰り返していました。それは当然、その上部組織の認識と同じだったのでしょう。
 確かに「不沈空母」発言など、中曽根のその面は批判されるべきでしたが、当時は新自由主義という言葉はまだ聞かれなかったとはいえ、規制緩和が、地価高騰などの悪影響を招くことは一学生の私にすら予測できたことで、当時、批判の声を上げなかった野党、学者たちの無能もまた批判されるべきでしょう。

 あと、中曽根、コイズミに共通するのは、国民の多くが規制緩和、民営化は善だというプロパガンダを支持したことです。
 コイズミのケースの場合、バブルの夢が忘れられない人々が再びだまされたということかもしれません。
 3度目はないということを知るべきでしょう。

2009.02.02 07:43 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

こんにちは!

相も変わらずの老害ぶりですねぇ。
ナカソネといい、ナべツネといい、
ジイサマの権力好きはオハナシにならんネ!

森喜朗では団子の大きさが小さすぎる、との事ですが、シンキロ~、あの方、今、自民党の黒幕気取りだよ。あんなのが黒幕だから自民党の凋落は推して知るべきですが、…。

話しはかわりますが、最近、おうどんを食べてらっしゃいますか?
今の住居近辺に美味しいおうどん屋さんがないもんで、ミナミまで出て行く有様で、…。
貴方が羨ましいよねぇ!

では、また、お元気で!

2009.02.02 09:03 URL | とらちゃん #- [ 編集 ]

こんばんは。紹介されてる中谷巌氏ですが、自著『資本主義はなぜ自壊したのか』のなかで「一時、日本を風靡(ふうび)した『改革なくして成長なし』というスローガン」にふれ、「新自由主義の行き過ぎから来る日本社会の劣化をもたらしたように思われる」として、「『貧困率』の急激な上昇は日本社会にさまざまな歪(ゆが)みをもたらした」と指摘。「かつては筆者もその『改革』の一翼を担った経歴を持つ。その意味で本書は自戒の念を込めて書かれた『懺悔の書』でもある」と書いていることが2/20の赤旗で紹介されています。エントリにしたんでTBさせてもらいました。

2009.02.20 20:46 URL | dj19 #OmEQ3VCk [ 編集 ]













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