きまぐれな日々

2009年度税制改革付則に「2011年度の消費税増税」を明記するかどうかで、麻生太郎首相と中川秀直元自民党幹事長の意見が合わず、政局になりかかったが、結局、実際の税率引き上げ時期は景気動向などを見極めて別の法律で定める「2段階方式」の採用で両者が妥協することになった。政局の回避には元首相・安倍晋三のとりなしがあったとかなんとか、ニュースで言っていたが、安倍の名前をニュースで聞いたのは久しぶりだ。首相在任時、新保守主義と新自由主義の「幸福な結婚」を目指した安倍らしい動きではあったが、相変わらずくだらない男だと思う。

今朝(23日)の朝日新聞を見ると、「首相がこだわる消費増税の道筋はぼやけ」などと表現しており、不満そうだ。朝日は消費税増税派の急先鋒になっている。

今回、消費税増税を急ぐことに反対しているのは、中川秀直を領袖とする「上げ潮派」、過激な新自由主義者たちであり、バックには竹中平蔵やコイズミがいるが、早期の消費税増税に反対する点では、新自由主義者たちの方が正しいのだから頭が痛いところである。もちろん、彼らの主張は、「骨太の方針2006」の堅持、すなわち社会保障費を年2200億円圧縮していく「コイズミカイカク」路線の維持がセットとなっていることは、決して忘れてはならない。

しかし、「増税派」のいう、「景気拡大過程にあれば消費税増税」というのはめちゃくちゃな話である。TBSテレビの「NEWS23」だったと思うが、景気拡大過程とはどういう時期を指すかということについて解説していた。現在は、明らかに景気の縮小期にあるが、それが「底」に達して上昇カーブを描き始めた時点以降を景気拡大過程とするのだと言っていた。

これを、1年の気温変化にたとえてみれば、1月下旬の現在は、1年でもっとも平均気温の低い時期だが、2月上旬以降徐々に気温が上昇し始め、以後半年間は気温が上がり続ける。この時期を「気温上昇過程」と言っているようなものである。つまり、景気が「底を打った」時点では、景気はどん底にあって、国民の暮らしがもっとも苦しい時期なのだが、それを少しでも過ぎていたら消費税率を上げますよと言っているわけだ。そんな時期の消費税増税が日本経済に与える悪影響は火を見るより明らかだろう。橋本龍太郎内閣時代、1997年の消費税増税と同じ、いや、もっとひどい効果をもたらす。橋本内閣の失政のせいで、1998年度の日本のGDPは前年比マイナス1.5%を記録したが、昨日(22日)日銀は、2008年度と2009年度のGDPをそれぞれマイナス1.8%、マイナス2.0%で、2年連続で戦後最悪を記録すると予想している。落ち込んだ経済が少しでも上向いたら消費税増税というのは、気違い沙汰というほかない。

それにしても、消費税増税を強硬に主張するマスコミは本当にどうかしている。1月15日付の四国新聞に、辺見庸の「水の透視画法」が掲載されたが(共同通信配信で、他の地方紙にも掲載されたはずである)、そこに、辺見が30代の新聞記者からもらった電子メールが紹介されている。彼の勤める新聞社は、

この不景気をしのぐために以前よりさらに権力や大企業、お茶の間になりふりかまわず媚びをうり、大事な記事をへらしてでも広告を入れようとしているけれども、異議をとなえる気力は社内にも自分にもない

と彼は嘆き、

仕事をやめたいのだがやめられない。「暗やみに吸いこまれていくような孤独と虚無感」に日々おそわれている

のだそうだ。権力をチェックする機能を持った大新聞社は、もはや日本には存在しない。

年が改まってから3週間以上が経過したが、明るい気持ちになどなりようもなく、鬱々とした日々が続く今日この頃である。


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一昨日の参院予算委で石井一氏は、
「景気がよくなったら増税というが、GDPがいくら上がったらとか
それなりの基準が必要だろう」と追及してました。
なのにメディア連は『漢字テスト』に矮小化していたのには呆れました。
結局、この連中にしろ与党にしろ景気の動向などお構いなしに
増税したいのが本音じゃないかと。

2009.01.23 07:47 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

kojitakenさん、皆さん、こんばんは

仰るとおり、不況が底を打って、上向きになった途端に、消費税増税は、景気の腰折りを招き、再度、不況を迎えるのは、誰が考えても分かることです。
阿呆首相も役職に就いていない2006年8月に「景気が上がるときに消費税を上げると言ったら景気がなえるでしょ。これまたやったらアホですよ」と言っていました。
その後、痴呆症になったのか、裸の王様になって、財務省に取り込まれたのか知れませんが。
少子高齢化、850兆円の巨額借金、年金・医療・介護・雇用崩壊という、お先真っ暗の閉塞感の中で、消費は伸びないし、ましてや直ぐに消費税アップは論外です。

全治3年も全く根拠ありません。
百年に1度の大不況が3年で収まれば、普通の景気の波と変わりません。
世界恐慌、バブルの崩壊も全治10年でした。
すべて、能タリンの阿呆首相の思いつき発言に、国全体が振り回されている感じです。

昨日の報道ステーションで消費税を「3年後の消費税引き上げていうのは、評価してもいいじゃないかな」といっていました。
政府の回し者に成り下がった気がします。
基礎年金の国庫負担増加のためといっていますが、消費税自体が福祉目的税から始まり、結局は一般財源で、借金返済のために使われるのは目に見えています。
基礎年金の国庫負担増加だって、民主党の言うように予算の組み替えや特別会計の一般財源化で対応できる可能性もあるので、イコール消費税アップは誤りといえます。
また、日本の消費税(5%)自体、歳入の2割程度で、これはイギリス(17.5%)と同じで、充分高いです。
イギリスは食料品0%です。
だから、消費税アップへと、短絡するのは間違っています。

まともなジャーナリストはいなくなったのですね。
筑紫哲也さんが亡くなったのは、地に落ちた象徴か、それとも後輩への警告も知れません。
大企業やときの政権に媚びるようになったら、ジャーナリストという資格はないし、マスコミの存在価値もないですね。

2009.01.23 22:24 URL | 愛てんぐ #PARia3Ic [ 編集 ]

 仮に次の総選挙で自民党+公明党で過半数を割り野党に転落したとしても、2011年になれば自民党と民主党が「大連立」を組んで無条件で消費税を増税するのではないかと私は疑っています。民主党自身も、消費税増税については「絶対反対」ではないでしょう。

 民主党が政党助成金をもらわず、企業団体献金ももらわず、消費税増税に断固反対し、日米安保条約破棄・日米友好条約締結を政治理念とするならば、日本共産党と選挙協力・政権協力出来る条件はあると思うのですが、残念ながら現時点ではそうではありません。

 私は今まで通り、比例だけではなく小選挙区でも日本共産党公認候補を応援するだけです。

~たしかな野党 支え続けて 上げ潮めざす!~
~「政治の中身を変える」ために勇気を出して奮闘しよう!~
~党名変えずに「国民が主人公」の政治を実現させ党名へのイメージアップを~

2009.01.23 23:05 URL | 嶋重ともうみ #- [ 編集 ]

景気回復したら消費税増税、その発想に疑問。
一昨年11月まで続いたとされる史上最長の景気回復(名称不明)でさえ、国民の所得は減少の一途でした。反対に大企業は、史上最高の収益を上げていました。それなのに、企業減税は放置し、所得の減少している国民の所得税減税は廃止し、大幅に負担増を強いました。これが構造的な日本の消費不況の原因の一部であるとも思います。ですから、景気回復しても、国民の所得が増えるかも疑問です。もし、どうしても税収不足なら、景気回復で収益が上がっているだろう大企業や、お金にお余裕のある大金持ちの方に、負担をお願いすることが、優先されるべきだと思います。
景気回復したら消費税増税は発想自体が間違っていませんか?

2009.01.24 10:08 URL | scotti #4SSKmKVw [ 編集 ]

ブログに貼り付けられている、「その山の画像」、何年もみていないので懐かしくなりました。一目見て分かりました。

管理人様に質問ですが、
1.消費税の増税は必要ありませんか?
2.増税が必要な場合、その時期は?
というものです。私は、財政健全化のための一つの施策としてあり得ると思います。私の記憶では、麻生首相がぶら下がり記者の質問に対して、名目成長率が3%なら消費税率を挙げてもいいんじゃないか、という発言を首相がされていました。

2009.01.25 19:15 URL | ゆき #rVrsVBgs [ 編集 ]

消費税増税を決める指標について、キーパーソンによる発言を時系列に並べてみます。

1. 与謝野経済財政担当相は、昨年10月31日に、
「2%とされる『潜在成長率』を上回ること」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/191467/
と発言しています。

2. 自民党の柳沢伯夫税制調査会小委員長も昨年11月16日に次のように発言しました。
「3年後というのはわかりやすいが、我々は日本の潜在成長力に見合った成長を安定的に実現した暁にお願いしたい」と指摘。その上で「経済の安定とは常識的に言って、潜在成長率2%、物価上昇率1%、だから3%ぐらいの名目成長率だ」(日経)

3. 財務省の杉本和行事務次官はその翌日(11月17日)の記者会見で、「経済社会の動向を総合的に見ていく必要がある。個々の経済指標で一義的に定義することは困難だ」と述べ、(前日の柳沢伯夫氏の「名目成長率で3%」を指標とする考え方に)反対する考えを示した。
(時事通信)

4. 昨年12月3日の経済財政諮問会議で合意された「提言」によると、
・速やかな施行のためには「景気の回復を確認してから法案準備に入るのでは時機を失してしまう」とし、実施時期に先立ち制度的準備を整える必要があるとの手順も確認。
・成長率が潜在成長率を上回ることが見込まれる段階では「(その後の)成長率上昇に弾み・勢いがつき、GDPギャップも縮小・解消に転じていく」ことが見通せるため、消費税率引き上げなど増税が景気に与える影響を最小限にとどめることができるとの考えから、
・「現在1.5~2%程度とされる潜在成長率を実際の成長率が上回ることが見込まれる段階から「速やかに実施できるようにすることが望ましい」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35237120081203

次いで、同じ記事によれば

・内閣府によると、80年以降の景気変動における景気後退期間は平均2年程度で、景気の「谷」から「潜在成長率達成点」までは同1年程度。エコノミストらの間では、前回の景気拡大局面の山は2007年10─12月期ごろとの見方が多く、平均値を単純に当てはめると、遅くとも2011年までには消費税引き上げの環境が整うことになる。

だそうです。

100年に一度の経済危機なのに、景気回復の波は通常と同程度と経済財政諮問会議のメンバーは認識しているのでしょうか?

今年1月16日の経済財政諮問会議で「経済財政の中長期方針と10年展望」が審議されましたが、そこに提出された内閣府の試算「経済財政の中長期方針と10年展望 比較試算」
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0116/item2.pdf
によると、今後の世界経済が (1)2010年に順調に回復する (2)2010年に急速に回復する (3)世界経済はしばらく底ばいを続ける
の3つのシナリオを想定し、それぞれについて検討していて、
(1)、(2)ともに、2009年の日本の名目成長率は+0.1%、2010年:+1.5~1.8%、2011年: +2.1~2.2%
と試算しています。(実質成長率はそれぞれ、0.0%、1.2~1.4%、1.3~2.0%)
与謝野氏、柳沢氏が消費税増税の指標とする「名目成長率3%」に、2010年はもちろん、2011年になっても届かない試算になっています。(この試算では、消費税を据え置いた場合、名目成長率3%にはいつまでたっても到達しません。2011年から消費税を上げた場合、2015年に名目成長率が3%に到達するようです。)

さらに!kojitakenさんが指摘しているように、今月22日に日銀は、
2008年度のGDPをマイナス1.8%、2009年度のGDPをマイナス2.0%という予想を公表したわけで、名目成長率が2011年に+3.0%に到達できる、など誰も予想していないでしょう。

昨年10月の時点よりも、日本経済が被る打撃がずっと大きなものであると分かってきているのに、なぜ「3年後に増税」の方針を再検討することをしないのでしょうか?

そこがそもそも疑問です。

そして、今回の玉虫色決着(=「経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、平成23年度(2011年度)までに必要な法制上の措置を講じる」)によって、「2011年度に消費税を上げる」ことに直結はしなくなったとは言え、「もし経済状況が好転すれば消費税増税をスムースにできるよう、それまでの間に準備を整えておく」とわざわざ現時点でアピールする必要がどこにあるのでしょうか。

1/26のエントリーにも関連しますが、麻生首相は「脱小泉」をずっとアピールしたかったのではないかと私は考えています。

「新自由主義・構造改革路線とは違って、私は『脱小泉』なんですよ。消費税増税からは逃げた小泉とは違うんですよ。責任ある政治を行うとしているですよ」と。(そもそも麻生氏は、小泉内閣の総務相・外相を務めながらも、小泉・竹中の構造改革路線には距離を置いていたとは思います)

NHKの城本解説委員も1/23の「時論公論」でこう述べています。
「麻生総理を支える、ある与党幹部は『ぶれない麻生』をアピールするには、もはや消費税増税しかなくなったと言います。財源論があいまいで無責任な小沢民主党と、消費税から逃げない責任ある麻生自民党、という構図に持ち込まないと、次の衆議院選挙を戦えないというのです。」

確かに消費税増税についてだけは「ぶれてない」ように見えますが、愛てんぐさんが指摘されているように、2006年8月の「景気が上がるときに消費税を上げると言ったら景気がなえるでしょ。これまたやったら アホですよ」発言は隠しようがありません。

2009.01.27 05:08 URL | sweden1901 #- [ 編集 ]

こちらへの連投、済みません。

嶋重ともうみさんが、
>仮に次の総選挙で自民党+公明党で過半数を割り野党に転落したとしても、2011年になれば自民党と民主党が「大連立」を組んで無条件で消費税を増税するのではないかと私は疑っています。民主党自身も、消費税増税については「絶対反対」ではないでしょう。

と心配なさっていますが、少なくとも
「民主党税制抜本改革アクションプログラム」(2008年12月24日発表)
http://www.dpj.or.jp/news/?num=14851
には、
「消費税率の引き上げについては、民主党が政権を獲得した後に税金のムダづかいを徹底的に根絶した上で、社会保障目的税化やその使途となる上記の社会保障制度の抜本的な改革の具体的内容を示した上で検討する。仮に引き上げが必要となる場合には、引き上げ幅などを明らかにして総選挙で国民の審判を受け、具体化するものである。」
と明記されています。

将来の選挙において、必要となる時期が仮に来たとしたら、
「選挙のマニフェストに、時期と引き上げ幅を明記する」ということでしょう。

ここまで明言しておきながら、もし『自民党と民主党が「大連立」を組んで無条件で消費税を増税』をしまったら、民主党への信頼は地に墜ちると思います。

2009.01.28 05:35 URL | sweden1901 #- [ 編集 ]













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