きまぐれな日々

1月11日付の朝日新聞に掲載された「派遣切り、限界集落…そこに「共産党」―ルポにっぽん」という記事が話題を呼んでいる。1面左と2面右の、かなり大きなスペースをとって掲載された記事だ。1面では、解雇された派遣社員が共産党に入党したことを紹介し、「なぜ、共産党なんですか?」という問いかけで1面の文章を締めくくり、2面へと続く。

2面では、派遣社員をしていたが、次の仕事が見つからずホームレスになるうちに体調を崩し、飛び込み自殺しようとして駅員に取り押さえられた男性をはじめ、自民党や役所や労組などに相談したが相手にしてもらえなかった人たちが共産党に入党した例を挙げ、「まるで現代の「駆け込み寺」だ」と書く。

記事は、二大政党制が進んだものの、「「働く貧困層」のような新たな課題、地域固有の切実な問題に政治はこたえきれていない」と指摘する。そして、地域固有の問題の例として、奈良県川上村の限界集落を取り上げる。昨年3月以降、住民95人のうち60歳以上の10人が共産党員になったという。50年来の自民党支持者だったが郵政民営化を契機に民主党支持に変わった85歳の元森林組合長が、衆議院奈良4区の選挙では、「選挙区は民主、比例は共産」という選挙協力を進めているとのことだ。

記事は、

「自分の考えを持って行動しないと、村も政治もよくならないと思うようになった。それがなかったら、惰性で死ぬまで自民党支持だったかもしれない」

という元森林組合長の言葉で締めくくられる。

この記事は、「はてなブックマーク」での評判も良かったのだが、私にはかなり引っかかるところがあった。そこで、

これが共産党擁護の記事に見える人はどうかしていると思う。むしろ、「共産党にしか頼れないなんて」というニュアンスで、体制の内側から、なんとかしろと支配者層をせっついているような記事に私には見える。

というコメントをつけた。なお、「はてな」が朝日新聞と業務提携しているせいでもあるまいが、「はてブ」では「共産党擁護の記事だ」として叩いている人はごく少数だった。

記事を書いた高橋純子記者は、かつて政治部で森首相番を務めたことのある人だと思うが、いかにも政治記者らしい視点から書かれていることが、記事に違和感が感じられた原因かもしれない。社会部の記者が書いた記事だったらもっと良い記事になったのではないかと思う。

ところで、派遣問題についての、朝日をはじめとする大新聞のスタンスはどうなっているのか。調べてみると、毎日新聞は、昨年10月6日付の社説で、

私たちはこれまで、法を99年の改正前に戻し、登録型派遣そのものを原則禁止し、派遣元が常用雇用する労働者を専門業務に限って派遣する方向での改正などを主張してきた。常用雇用なら不安定さは格段に解消され、派遣先を専門業務に限定すれば低賃金の改善にもつながるはずだ。抜本的見直しを改めて求めたい。

と書いている。

朝日は、毎日ほど明確な主張はしていないように見える。それどころか、ひとつ気になる記事があった。麻生内閣の支持率が19%に落ちたという結果が出た世論調査で、朝日は製造業への派遣禁止の是非を問うているのだが、なんと下記のような聞き方をしている。

派遣の打ち切りが相次いでいることを受けて、労働者の派遣を製造業については禁止し、直接雇い入れることを原則とすべきだという意見があります。これに対し、かえって雇用の機会が減るという意見もあります。製造業への派遣を禁止することに賛成ですか。反対ですか。

信じられないような露骨な誘導尋問である。結果は案の定、賛成30%、反対46%。そして、「製造業への派遣禁止に反対する人の方が多数」という結果だけが一人歩きするのである。この「質問と回答」は、13日付朝日新聞の2面に出ている。その隣の3面には、朝日新聞主筆・船橋洋一の「「成長の質」高める道を」と題したご立派な記事が出ているのだが、いくら中国をはじめとするアジアと地域協力せよとか、日本でもアメリカの「グリーン・ニューディール」に倣って「低炭素国」を目指せなどと言っても、その横に「製造業への派遣の維持」への誘導を意図する世論調査の質問文の記事があるのでは、読者として朝日新聞の主張に信を置くことなどできないのである。
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2009.01.13 07:30 | メディア | トラックバック(-) | コメント(7) | このエントリーを含むはてなブックマーク

 はじめ、この派遣調査の記事を見たときこころある記者の造反記事かと思いましたがそうではなさそうな。ちゃんとチェックはされている。つまりは、朝日新聞側の居直りなんですね。こんなアンケートであることはことわっているという。数字はそれでも一人歩きしますので、こんな質問だとはわからなくなります。二重に悪質だと思います。

 共産党の記事は「赤旗」かと思いましたが要するに書き方がわからないのですね。

2009.01.14 00:27 URL | 奈良たかし #- [ 編集 ]

こういうルポを政治記者なんかに書かせている時点で終わってますね。
こんな愚行は読売だってやりません。
こと反貧困については朝日は読売以下と言っていいでしょう。
誘導尋問にしても、読売が自民をかばう常套手段として使うのは
そういう役回りだから、と納得できますが
朝日が同じ土俵に乗ってどうする。

2009.01.14 01:44 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

しかし、管理人さんはなぜ朝日ばかり八つ当たり?心中主義(基)新自由主義(笑)を煽っている蛆産経こそ元凶なのでは?管理人さんひょっとしてあなたはリベラルを装ったウヨですか?答えてください!!まぁ、朝日も創価や竹中の記事を大題的に載せて居るところをみて完全な民主主義新聞でないところはありますが・・・

2009.01.15 02:02 URL | 右も左もいりません #2sQQXnjA [ 編集 ]

> しかし、管理人さんはなぜ朝日ばかり八つ当たり?

私が自宅で朝日新聞をとっているからですよ。

> 管理人さんひょっとしてあなたはリベラルを装ったウヨですか?

あなたは朝日新聞の経済記事を肯定する新自由主義者なんですね、わかります。

2009.01.15 06:18 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

就職氷河期、それも超就職氷河期に私たちは直面しています

この、<a href="http://www.pwblog.com/user/xru01/syusyoku/">就職活動</a>は並大抵の努力では乗り切ることが困難と言われています。

米国、アメリカのサブプライムを皮切りに引き起こされた今回の不況、それこそ数年間にわたって、世界経済に影響を与えます。

この時期の、今のあなたが直面している就職活動というイベントは、あなたの人生、就職人生の大きなウエイトを占めることとなります。

就職活動は、技術と知識で乗り切ることが出来ます。就職氷河期、絶対に後悔しないように全力で戦いましょう。

2009.01.19 14:14 URL | icejobjob #INTxwcaw [ 編集 ]

ああ、判っちゃいないね(笑)
だからリベラルは一寸でもずれた所があると
すぐ右的な判断をするからなぁ。だからといって自分はウヨを賛美しているわけではありません。これも朝日の記事からですが(笑)
たしか正月の記事だったとおもいますがオノ・ヨーコさんがリベラルが弱いのは一つに纏まらず互いの主張ばかりしているからで
逆に保守的な連中(即ちウヨ)は戦争を現実的なものと捉えて行動するから強いとおしゃっていました。どうです、少しずれただけで足の引っ張り合いはやめにしませんか。例えば現実的にあのウヨ賛美糞掲示板2chは管理人が変わったとはいえ健在だし、我々が足を引っ張っている間にも元管理人の西村博之はがっぽり貯まったカネでセレブしてリベラル同士の足の引っ張り合いを見てほくそ笑んでいますよ。これは由々しき事態なんです!!

2009.01.25 01:10 URL | 右も左もいりません #2sQQXnjA [ 編集 ]

このコメントは管理者の承認待ちです

2012.10.19 02:28  | # [ 編集 ]













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