きまぐれな日々

一体いかなる「信頼できる筋」が「抜き打ちでクリスマス解散が行われる」などと言ったのだろうか。私は最初からそんなことはあり得ないと思っていたが、このガセネタに振り回された人は結構多かったようだが、当然ながらそんな事態は起きず、臨時国会は閉会した。

ポストコイズミの自民党の歴代政権は、郵政総選挙で得た衆議院の議席が惜しくて、株取引にたとえれば「損切り」をし損ねたのである。

チャンスは三度あった。まず、安倍晋三が圧倒的な「コクミンテキニンキ」を背に受けて総理総裁になった時。しかし、安倍はこのチャンスを活かせず、自民党は2007年の参院選で与野党逆転を許し、参院第一党から転落した。次は、福田康夫政権に交代した直後の2007年11月に大連立騒動が発覚した時。しかし、福田も何もできなかった。そして、最大のチャンスだったのが三度目で、いうまでもなく麻生太郎内閣発足早々の臨時国会冒頭解散である。これをやられたら、自民党はもちろん大幅に議席を減らしただろうが、政権にとどまる可能性はあった。だが、麻生太郎は自らそのチャンスを放棄した。

結局、麻生内閣は死に体のまま年を越す。臨時国会の終盤に民主党が出した解散要求決議案に渡辺喜美が賛成し、毎日新聞などはこれを評価しているが、私は、コイズミカイカクの一翼を担った渡辺がそんな行動をとるのなら、自民党を離党して議員辞職し、9月までに行われる総選挙に無所属なり民主党なり新党なりから立候補すべきだと思う。だが渡辺はそれをせず、自民党離党を否定したり、中川秀直らとの連携を口にしたりしている。ネット検索で見つけたブログ『民間人です』の12月12日付エントリに書かれているように、「中川秀直や渡辺喜美のドタバタって国民だますための大がかりなイルージョン」だと私も思う。新自由主義者は、過去の政策で日本をすさまじい格差社会にしてしまった責任もとらずに、政権をとりそうな民主党に擦り寄ろうとしているのであり、これはとんでもない茶番だとしかいうほかない。

それに関連して思うのは、「野党共闘」とか「現政権に反対」などというスローガンは、果たして来年どうなるのかということだ。何もしなくても政権が転がり込むであろう民主党は、もはや選挙前に分裂する契機などなく、順当にいけば来年には民主党、社民党、国民新党、新党日本による連立政権が成立し、共産党はこれには加わらない。共産党は、社会民主主義的な立場から(つまり「左」から)引き続き政権を批判する勢力になるだろう。私はそれは大いに必要なことだと思うし、新政権にも新自由主義的な傾向は残るだろうから、共産党の政権批判に同調する記事も書くことになると思う。つまり、政権に対しては是々非々の立場をとる。これに対して、現在の「野党共闘」論者は今度は「与党共闘」を叫ぶのか、それとも、「所期の目的を達成したから、ブログで政治のことを書くのは止めます」というのか。あるいは、「現政権に反対」な人は、「前政権に反対」(笑)と看板を架け替えるのか。興味津々である。本当は、政権交代は第一歩に過ぎないのだけれど。

さて、一昨日(12月24日)の『きっこの日記』は、「食べ物を捨て続ける国」と題した記事で、食糧問題や環境・エネルギー問題に言及している。私は、たまたま2000年に出版された飯田哲也氏の『北欧のエネルギーデモクラシー』(新評論)という本を読み終えたところで、もう10年近くも前に出版されたこの本が全然新鮮さを失っていない、というよりその間日本の政策があさっての方向に向かい続けていたことに改めて愕然とした。北欧では30年も前から脱原発、再生可能エネルギー開発や、省エネルギーと経済成長の両立を目指す努力が続けられていたのに、日本での動きというと、大平内閣の頃の「省エネルック」なるダサダサのスーツや、コイズミ時代のクールビズのようなくだらないパフォーマンスしか思い浮かばない。それどころかコイズミは、再生可能エネルギーへの補助金を打ち切り、それ以後、従来高いシェアを誇っていた日本の太陽光発電のシェアは急激に低下している。

本当は、野党は自民党の道路建設に対抗して、再生可能エネルギーによる地域振興を訴えて、きたる総選挙での大きな争点としてクローズアップすべきなのである。ムダの削減ももちろん大事だが、それしか言わないようでは、「小さな政府」路線に固執する新自由主義そのものの発想に思えてしまう。もっと有効な政府支出による雇用の創出策を、前面に打ち出すべきである。

そうでなくても、飯田哲也氏が日経エコロミーに掲載した「グリーン・ニューディール――オバマ次期米大統領が担う大変革への期待」という記事で書いているように、アメリカも再生可能エネルギーの開発推進の方向に大きく舵を切る。そんな時代に、道路開発(必要なものもあるが、無駄なものが多い)にばかりこだわる一方で原発建設を引き続き進めようという自民党の政策は、世界的に見ても時代遅れだし、環境は悪化させるし、活断層だらけの地震国に建つ原発のリスクは増す一方だしと、良いところは何もない。だが、それに対して与謝野馨一派が主張するような財政再建路線を推し進めるのでは、国民の暮らしは全く良くなる見込みがない。遅ればせでも、先進国の真似でも良いから(もはや日本は先進国とはいえないと私は考えている)、今こそ「日本版ニューディール政策」を打ち出すべき時だと思う今日この頃である。


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渡部氏は少なくとも国民をだまそうとは思っていないと思うなあ。
中川はありゃダメだ。いつまでも小泉人気にあやかろうとあの手この手、策を練ってのこの数年。はずれっぱなし。小池の総理擁立はどないにしたん?と言いたい。本気の小池総理構想なら今がチャンスなんとちゃうんかい!たらたら、世論伺うのは汚い。
テレビにどんどん出て、自民崩壊に寄与している中川氏に応援します

2008.12.26 10:59 URL | きまぐれ #- [ 編集 ]

日本版ニューディール政策大いに賛成です。社会的弱者を助ける政策をどんどん押し進めてほしいです。

新自由主義、私も大嫌いです。新しい日本社会を導く人材や構想が必要だと思います。

2008.12.26 15:01 URL | yuyu #- [ 編集 ]

スウェーデンに二ヶ月いました。医療と教育と介護はほぼタダ、外国人にも適用。年金完備・完全就職・住宅完備。大学まで無料。小学校は学用品タダ、食堂で朝から食事。16歳まで年間20万円が所得調査無しで出る。16歳以降高校で月額4万円の援助金、大学では支援金が週2万円でる。日本流の児童手当等の個別手当を全部やめて、ベーシックインカムという方法で所得調査なしで全ての人に最低限所得を保障する。行政経費を考えるとこの方が安くすむという。行政サービス(高速道路も)はタダ。難点は重税。給与の50%税金、消費税25%、相続税は重い。物価が高い、競争が無い、国民総中流、活気がない、娯楽が少ない。公務員が全体の3割。女性の労働参加率は8割、福祉部門。福祉は経済を支える重要な柱。貯蓄率が先進国で最低なのは老後に備えて貯蓄する必要がないため。生活を豊かにするために使われない日本の税金は重税だが、国民のために使われるスウェーデンの税金は重税でないともいえる。会計がガラス張りで国民の声が行政に生かされる仕組みなので、利権や天下りが発生する余地がない。議員は日当制。無税国家の穏健党と福祉国家の社民党。

2008.12.31 10:54 URL | ぷーさん #- [ 編集 ]













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