きまぐれな日々

今年も残り2週間を切ったが、今年は年始からの流れを振り返っても、あとになればなるほど悪くなった年で、1年の回顧さえする気にならない。「派遣切り」が横行している現状なのに、野党提出の雇用対策関連4法案の参院での採決をめぐって国会が紛糾しているありさまだ。これには民主党が政争の具としているという批判が野党内からもあるが、今日の事態においてもっとも責任が重いのは、「まずは景気だ」とか「政局より政策」などと言いながら、結局喫緊の課題である雇用問題において手をこまねいてしまった麻生自民党である。

思えば、私がブログを始めて間もない時期、「AbEnd」(異常終了を意味するコンピュータ用語の "abend" (="abnormal end")と「安倍(晋三)」の「エンド」を掛け合わせた言葉)を考案して、ネットでの反安倍晋三キャンペーンに参加した頃、右翼側の「反コイズミ・安倍」の人たち(政治思想右派で経済左派の人たち)の多くが期待していたのは、平沼一派とともに麻生太郎だった。野中広務に対する差別発言が強烈に印象に残っていた私としては、なぜ彼らが麻生なんかに期待するのかさっぱり理解できなかったが、どうやら私の感覚の方が正しく、彼らは誤っていたようだ。麻生内閣発足直後に、彼らは、「麻生、終わったな」などと言って麻生を見限ったが、麻生の正体さえ見破れなかった自分たちの見る目のなさも、よーく反省してほしいと思う。

政治に関する報道を見ていると、来年以降の政治にも全く期待できない気分になってくるが、来年には総選挙がある。再来年の2010年には参院選があり、もし来年の総選挙が春までに行われる場合、そのさらに次の総選挙は2013年に衆参同日というわけにはいかなくなるから、おそらく2012年までに行われることになるが、この選挙まででほぼ流れが決まるのだろう。

昨年の参院選では、民主党でリベラル系の公約を掲げた候補(内実がどうかはわからないが)が多数当選し、民主党の体質を、多少なりとも政治思想的にも経済政策的にも「左」側に傾けた。現在の民主党衆院議員には、政治右派も経済右派(新自由主義者)も多いが、世論に占める改憲賛成の意見の割合が減り、新自由主義が不人気になっていることを考えると、来年の総選挙で一気に増えるであろう民主党議員にも同様の傾向が生じるのではないか。現在は、コイズミバブルによって、不必要な「コイズミチルドレン」が大量に議席を占めているが、彼らの大半は国会から追い出される。もちろん自民党でも、渡辺喜美を筆頭に、小池百合子、石原伸晃ら不愉快なネオリベ議員は残るだろうし、彼らに呼応する主張を持った民主党の議員たちは引き続き議席を維持するだろうから、それらがまとまって新自由主義政党ができる可能性はある。今日(12月19日)の四国新聞に辻元清美(社民党)のインタビューが出ていて、自民党内の「反麻生」の動きを、「新自由主義的な人が多い」とした上で、「今は新自由主義と社民主義を対立軸にした政界ビッグバンへの過渡期で、いっぱい動きが出ればいい」と言っているが、基本的に私も同感である。個人的には、以前にも書いたように、自民党の新自由主義者にはろくなのがいないが、民主党の前原誠司は、その考え方は私とは全く相容れないけれども、主張にはそれなりに筋が通っていて、信念を持った政治家だと思うので、将来的には新自由主義者を束ねた政党のリーダーになれば良いのではないかと考える。あとは、民主党の「ポスト小沢」で、どれだけ新しい社民主義的勢力が台頭し得るかがカギで、これが伸びないようでは日本の政治に未来はないだろう。

この際に考慮しなければならないことが一つあって、それは有名ブログでも論じられ、私の身近な某所でも話題になった選挙制度の話である。日本は、90年代前半の「政治改革」以来、二大政党制を目指して衆議院選挙に小選挙区制を導入したが、これに対する批判がTBSの『サンデーモーニング』(12月14日)でも取り上げられた。この番組では、日本がお手本にしようとしたアメリカでも、共和党、民主党の二大勢力に加えた第3の勢力の必要性を、国民の47%が求めているという世論調査が紹介され、日本でも二大政党制で本当に良いのかという疑問を提示していた。

現在民主党の中枢を占めている小沢一郎、鳩山由紀夫、菅直人の各氏は、いずれも「政治改革」を推進した側だが、私は当時からこの「政治改革」には大いに違和感を持っていて、その最大の理由がこの小選挙区制導入だった。この制度では少数政党に不利だし、現在のように政治家が新しい動きを起こそうとしても、小選挙区制があるから有力政治家個人としてはともかく、新党として一定数の議席を確保するのは非常に難しい。だから、腐り切った麻生自民党政権が、それこそ「たらたら」と続いてしまって、国民を絶望に突き落とすのである。あの当時、小選挙区制だと金のかからない選挙ができるなどと言っていたが、そんなことは今や誰も信じていない。選挙制度は、比例代表制中心でなければならないと、これはずっと以前からの私の主張でもあるが、民主党内から台頭する社民主義指向の勢力にも、比例代表制に重きを置いた選挙制度の再改革を求めたい。

最後にひとこと言うと、私は絶望するにはまだ早いと思う。


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「絶望するにはまだ早い」良い言葉を有難うございます有難うございます。

2008.12.19 08:10 URL | 和久希世 #- [ 編集 ]

比例代表制について、これは反論でも何でもない、自分の頭の片隅にずっとある一つの疑問なのですが、ご意見を聞かせていただけるとありがたいです。

比例代表名簿の上位にいる候補者は、国民がどのような評価をしていようとも当選してしまうという欠点の解決法はあるか。

ある国でそういう事例を見たことがあるのです。その党は政党全体としては支持基盤が強いので、疑惑・不評だらけのベテラン議員を数名、名簿の上位に入れてしまったのです。
そういう政党には次から投票しなければいい? でもその国は、国民が右か左かの大局的な方向選びを優先せざるを得ないような政治状況です、ずっと。

今の日本では、まあ起こらないこととは思いますが、しかし制度としてはその問題の可能性を含んでいます。

2008.12.19 10:28 URL | ホタル #OARS9n6I [ 編集 ]

比例区の名簿の順位は、通常は党内で決めるもので、
有権者の選択が入る余地はないです。
よって、ホタルさまがご指摘のように、投票したい党に、
不本意な候補者が名簿の上位に来ても、拒否することができないです。

しいて解決する方法があるとしたら、比例の単独立候補をやめて、
かならず選挙区との重複立候補にして、比例で取った議席は、
選挙区で惜敗率の高い候補者の復活当選に、使うことだと思います。
名簿の上位の候補者を、簡単に当選させるよりも、
比例の議席を、選挙区の死票を減らすことに使ったほうが、
有権者にとっても、民主的とも言えるでしょう。

また政党や候補者の立場から見ても、選挙区で苦労したあげく
惜敗する候補者がいる一方で、比例で楽に当選する候補者がいる、
という不公平を、防ぐことにもなっています。
(民主党はそう考えて、比例単独の立候補はさせず、
比例の議席は復活当選専用にあてています。)


このシステムのよいところは、選挙に強く、
自律性のある候補者が、残りやすくなることだと思います。
比例区だと、政党が前に出るので、党のお金や組織に頼りがちですが、
選挙区だと、自前で支持基盤を作って、票田を堅めたほうが有利になるので、
自力で当選できる候補者が残りやすくなります。

党がかかえている支持基盤(民主党なら連合など)に、
あまり依存しないで当選するので、そうした組織の影響を受けずに、
自分の政治信条を発揮しやすくなり、選んだ有権者の民意も、
結果的に反映されやすくなるでしょう。
政党としても、お金や組織を、基盤の弱い新人候補者の支援に
集中させることができるので、負担が少なくすむことになります。

また、比例区との重複立候補ができるので、
惜敗率が高ければ、復活当選させて、救いあげることができます。
これで、支持基盤がかたまりかけた候補者を、
みすみす潰すことなく、つぎにつなげられるようになります。

1996年の衆院選では、(旧)民主党は、選挙区と比例区の重複立候補という、
ここでお話した方法を採ったのですが、当選1回の議員を、
比例復活で、かなりの数再選させられたのでした。
議席は伸びなかったけれど、改選前の52議席と同数が取れて、
自民・新進の二大政党のはざまに、埋もれずにすんでいます。

2008.12.19 21:50 URL | たんぽぽ #ZiqE0vWU [ 編集 ]

ホタルさん、たんぽぽさん、
コメントどうもありがとうございます。
ホタルさんの懸念を解決する方法としては、小選挙区比例代表併用性がありますね。私は以前からこれを推していました。政治改革の時にも社会党が推していたと思いますが、保守の側には「何が何でも改憲したい」という、3分の2の議席確保ありきの発想があって、それで現行の小選挙区比例代表並立制をごり押ししたんだと思います。
「カクマンダー」の野望を弟子の小沢一郎がかなえたって格好ですね。
でも、結局小選挙区制が郵政総選挙での自民党圧勝を生んでしまい、その後現在の政治の混乱を招いてしまったわけで、現在の制度は明らかにメリットよりデメリットの方がはるかに多いとしか言いようがありません。

2008.12.20 07:56 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

比例代表制はあらゆる選挙制度の中で最も正確に民意を反映した勢力分布を国会に創り出しますから、最も民主主義の本旨にかなう制度だと思います。

問題点はホタルさんが挙げられたもの以外に「小党乱立による政治混乱」「選挙による劇的な変化が望めない」「大連立による寡占状態が生まれやすい」などが挙げられます。

小党乱立は得票率制限(例えばドイツは5%を超えなければ議席を配分しない)によりある程度解決可能ですが、後二つは厄介です。

比例代表制で一党が過半数を制することはまずあり得ませんので、必然的に連立交渉が鍵を握ることになります。その結果、与党第一党が批判を集め議席を減らしても、他党の動向によっては与党第一党が動かないということがあり得ます。その場合、政策にあまり変化は望めないでしょう。

また比例代表制の下で二つの大政党がある場合、中間政党が選挙の結果にかかわりなくほぼ常に政権に参加することになります。ドイツ自由民主党(FDP)がその典型ですが、日本で比例代表制にした場合、おそらく公明党がその役割を担うことになるでしょう。

さらに中間政党と大政党の一方の連立が困難であったり、あるいはそれでも過半数を取れない場合には、二大政党による大連立が組まれ、国政野党がほぼいなくなるという事態になります。ドイツでは左翼党が躍進したため、CDU+FDPの右派連合もSPD+緑の党の左派連合も過半数を取れなくなり(左翼党は一切の連立参加を拒否)、その結果CDU+SPDによる議席の73%を占める大連立となったのです。日本でも共産党が躍進した場合に同様の事態が生じうると思われます。

2008.12.22 11:27 URL | ワームホール #qJ8EGVjs [ 編集 ]













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