きまぐれな日々

麻生太郎首相があてにしていたたばこ増税が潰され、指示していた3年後(2011年)からの消費税増税が、将来の税制抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」に消費税率引き上げの時期が明記されないなど、麻生はすっかり指導力を失った状態だ。

たばこ税や消費税などではなく、日本の税制において欧米と比較してもっとも負担が低い所得税の制度を改革して、高額所得者の負担をせめてアメリカ並み(笑)に引き上げるとか、経団連が大反対している環境税を導入するとか、どうしてそういう方向に議論が向かわないのかと思う。たとえば共産党などは所得税の累進性再強化と法人税増税を主張しているはずだし、社民党は環境税創設を方針に入れているが、そういう議論はほとんど表に出てこない。どうやって社会保障を充実させていくか、入口と出口の両方について議論されなければ、福祉国家建設は着工さえできないと思う。もちろん、「埋蔵金」の問題もあって、短期的には取り崩しがきくのだろうが、永続的な財源にはならないのは当然だ。

最近は大新聞が軒並み保守化して、特に朝日新聞などはどういう人たちの主張を代弁しているのかと思う。日経新聞が経団連の代弁者であったり、読売新聞が自民党の代弁者であることは今や明らかだが、コイズミカイカクの路線にいまだに強くこだわる一方で、消費税増税を強硬に迫る朝日新聞を見ていると、少なくとも一般市民の声を反映する新聞ではなく、官僚か自民・民主両党にいる新自由主義者の声を代弁する新聞に成り下がってしまったように見える。

一方で朝日新聞は環境問題や再生可能エネルギーの問題に熱心で、社説を一本立てにしてこれらの問題をシリーズで論じたりもしており、こうした面は評価しているのだが、財源論になると消費税増税論一本槍になってしまうところがどうしても理解できない。今朝(12日)の一面トップの見出しも、「消費増税 首相の指示 与党覆す 「3年後」明記せず」(大阪本社発行統合版)などとなっていて、いかにも「せっかく麻生が2011年の消費税増税を言明したのに、選挙で議席を失うのを恐れた自民党がそれを潰した」と言わんばかりだ。消費税増税よりもっと前にやることがたくさんあるという発想は、朝日新聞からは決して出てこない。機能不全に陥っているのは、政治ばかりではなくジャーナリズムも同様に見える。

そうこうしているうちに、非正規従業員の首切りはすさまじい勢いで進んでいる。「JANJAN」に、「政治は「非正社員切り」に全力対応を」と題した記事が出ているが、ヨーロッパよりはるかに非正規の割合が多い日本は、労働時間はヨーロッパより長く、社会保障費ははるかに少ない(アメリカよりちょっとだけ多い程度でしかない)。その、ただでさえ手薄な社会保障をさらに削減しようとしたのが「骨太の方針」と称する、実質的に骨粗しょう症の方針だった。

最近はもっぱら、「はてな」で活躍されているブログ『美しい壺日記』の管理人・やっしゃんさんが『dj19の日記』で当ブログの昨日(11日)のエントリを紹介してくれているが、その記事に現状が簡潔な言葉でまとめられているので、以下に紹介する。

■[政治]こちらを唖然とさせる自民党の議連が2つ旗揚げ

普段ニュース番組をほとんどみないんだけど昨日の夜はめずらしくNHKの7時のニュースをみた。いまや社会問題化している低所得者層である派遣労働者の首切りが大量に行なわれている現状をつたえていた。ったく、人ごとじゃありませんぜ…(汗)。んで、その後に支持率急落で追いつめられてる自民党議員がいまごろになって社会保障に関する新たな議員連盟「(仮称)生活安心保障勉強会」を発足しようとしていることもつたえていたんだけど、そのメンバーというのが、なんとあのコイズミ構造カイカク派の中川秀直、渡辺喜美、小池百合子、安倍晋三といった新自由主義者達なわけ。周知の通りこの人達ってのは構造カイカクで社会保障を削り、ワーキングプアと呼ばれる貧困層を作りだしてきた側じゃん。どんだけ矛盾と欺瞞だらけのグループなんだよ、と。会長に就任する予定の中川秀直は「政策の実現が目的であり、政局的なねらいはない」と説明したようなんだけど、うそつけ!としかいいようがありませんね。ほんとこんな政権ははやく終りにしてほしいなぁ。

(『d19の日記』 2008年12月12日付エントリより)


特に、コイズミカイカクに反対してきた「リベラル」の人たちが渡辺喜美ごときにあっさり騙されるような愚は避けてほしいと思う。

一方で、自民党の右派議員たちは「日教組問題究明議連」なるアホバカ議連を立ち上げ、右翼イデオロギーごっこにいそしむつもりらしくて、そこらへんへの突っ込みはやっしゃんさんたちの大活躍に期待したいと思う。私は、これを報じる朝日新聞記事につけた「はてなブックマーク」に「こりゃダメだ」というコメントだけをつけた。あほらしくてまともに論じる対象ではない。ただ、こういうアホバカ政治家たちが、直面している大量首切り問題に何の手も打とうとしない一方で、こんなバカなお遊びをしているのは断じて許せないことで、やはり総選挙は一刻も早く行われなけれならない。

今日は、補給支援特別措置法改正案が、参院本会議で否決後、衆院で再可決成立する見込みだ。朝日新聞は1?3面には報じず、4面で報じている。民主党はこの件で与党を解散総選挙に追い込むことはできなかった。未曾有の大恐慌が始まりかねないこの時期に、アホバカ自民党が相変わらず衆院の安定多数を確保して国会議員に居座り続け、漢字も読めない総理大臣が命脈を永らえる。あってはならない状態が立法府でずっと続いている。国民の絶望は深まるばかりだ。


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下野後の自民党の姿を先取りにしているのでは?下野後は少数派の意見を吸収する専門商店として、新自由主義政党、極右政党などに分裂するのではないでしょうか?

2008.12.12 20:45 URL | kechack #1/Y8RI0s [ 編集 ]

こんばんは、KOJIさん。
>あってはならない状態が立法府でずっと続

まあ、行政府は官僚が握っていて、「美味く」対処できていれば、この限定表現も好いかな? 
ところで、久々に毎日新聞を2日続けて読みましたけど(喫茶店で)、ロシアの国家社民・自由・権威主義が着々としかれているのが窺がえました、特集面記事で。危機を乗り越えるべく、毒祭政を引くのが。
迷走でばらばら、大衆課税のみ強化アン毒出の国とがっちりとお情けの国。どっちも勘弁したいモンです。
ちなみにプーチン、先のTV問答で、
「ヴォロージャ[ヴラヂミールの愛称]叔父さン、クリスマスのお洋服が欲しいの。しんでリアのような」と幼女に頼まれて、「おばあちゃんのことも考える善い子なら、クリスマス会に招待しよう」てな感じ。
聖者の夜は、厳しい現実を誤魔化す為に派しなくも利用される。「おとぎの国のろ~しあで。ぱるなす、ぱるなす、モスクワのぉあじ・・」
ドコも「現実逃避」がお好き?なようで。

2008.12.12 22:56 URL | 三介 #CRE.7pXc [ 編集 ]

三介さん、

> >あってはならない状態が立法府でずっと続

> まあ、行政府は官僚が握っていて、「美味く」対処できていれば、この限定表現も好いかな?

今日のエントリは国会議員の悪口だったから「立法府」と書いたんですが、行政府はねえ、なんとも書きようがありませんね。

首相をはじめとする閣僚があまりに無能だから、官僚はやりたい放題。悪知恵に長けた彼らにとって、現在の自民党議員みたいな空虚な人たちはとても都合が良いんでしょうね。

2008.12.12 23:09 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

ちょっと、今回のエントリーの内容から 外れてしまいますが、立法府で思い出したのが「ビック3救済法案に対するアメリカ議会の対応」です。国際的な要請や次期大統領の賛成があっても、 上院で廃案にしてしまう凄さは圧倒されてしまいます。

自己責任のを伴った自由を厳格に求めてきたアメリカらしい選択だと感じました。(もちろん賛否両論ありますが…)

国民が求めていない 法案を平気で強硬採決してしまう日本の国会というのは、立法府として未熟なのかもしれません。

現憲法をアメリカからの押し付け憲法と言う国会議員が滑稽に思えます。

2008.12.13 00:23 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

それにしても、どうして日本のマスコミは、こうも与党としての自民党にこだわるのでしょうかね。
どう考えても、すでに自民党の耐用年数が過ぎているのは明白なのにな。
自民党を構成する、2世議員・中央官庁天下り・地方の公共事業依存者代表。
これらが各勢力の利権をのみ考えるから、その結果日本の足を引っ張っている。
この現実からしても、自民党型の政党の不適格ぶりも明らかじゃないの。
それでも必死に自民党を支え続けるマスコミは、結局彼らがまた利権集団と表裏一体でしかなく、時代が変わり、日本の構造が変われば沈没していく存在なのでしょうね。
戦後55年体制も現在も、結局日本の政治は劇場型のよく言えば予定調和、悪く言えば八百長政治だったわけで、国民はその予定調和のプロレス型政治に安穏としてきたわけだな。
でも、そんなインチキ民主政治など、世界の中ではゴミみたいなものじゃない。
今の日本の迷走ぶりは、日本国民の愚かさの結果だよね。
まるで馬鹿丸出しです。
しかも、この気におよんで、またしても小泉がしゃしゃり出てきて、それを待望するマスコミも一部の国民も、さしずめイワンの馬鹿ですね。
小泉は国民のことを考えて出てきたのではなく、自分がどこかの勢力の為にしでかした郵政民営化という名の金融大供出を、麻生が凍結しようとしているからに他ならず。
小泉にしてみれば、このままだとどこかの勢力に約束した事が反故にされかねないとアセってでてきたのでしょう。
それをマスコミときたら大喜びで小泉を持ち上げている。
今のマスコミの現場の記者も幹部連中も本当に屑ですね。
こいつらにはジャーナリストとしても誇りも見識もまるでない。
こんな連中にいいようにされている日本の未来は・・・無いでしょう。
でもあまりにも幼稚で、何も分かろうとしない国民では、当たり前の結果かもな。
残念だけど

2008.12.13 06:35 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

初めて書かせてもらいますが
風太さん、マスコミの中でも持ち上げているのは一部だと感じますよ。
小泉改革の欠点を特集した朝日だってその一つです。
現場の記者どうこう言う問題ではなくやっぱり編集局の意向じゃないでしょうか?

2008.12.13 21:26 URL | AAA #- [ 編集 ]

レスどうもです。
そうですね、一見するとそういう風にみえるかもしれませんね。
でも、やはりマスコミは自民党を押していますよ。
kojitakenさんも指摘しておられますが、麻生批判はしても、返す刀で野党を自民党に代わる政権担当党としては持ち上げたりはしない。
彼らマスコミの殆どは、自民党内の反対勢力でしかない渡辺や中川を持ち上げる。
NHKなどは実に巧妙に、視聴率の高い定時ニュースで与党のコメントを長々と放送して、野党のそれはアリバイ作りに少しだけ入れる。
新聞も、一般国民の目によく触れる紙面には、野党は殆ど無視して、良きにつけ悪しきにつけ自民党の動性ばかりを伝える。
その中では人気の無い麻生を悪役に仕立てて、対立する渡辺などを期待の星風に描く。
特集記事では小泉改革の検証みたいなことをしてはいるが、大体一般の国民はそんな特集記事まで丁寧に見る人は少ないから影響力も限定される。
私の知っていた朝日の記者は、東京本社から飛ばされて今は地方の支局で新人の教育係をしてますよ。
他にも多くの骨のある記者たちがペンを奪われていますね。
編集局の意向だけなのかどうかはわかりませんが、御用マスコミ化した主体性の無いマスコミの責任はかなり重いですね。
殆ど救いようがないのが現実です。
でも政権が代われば、どうなるかはわかりませんが。
なんたって節操の無い連中ですからね。

2008.12.14 00:42 URL | 風太 #seTEoywg [ 編集 ]

こちらでははじめまして。国籍法の際に城内氏のブログで同じく紹介されていました、久間です。

さてさて、

>日教組問題究明議連

これまた頭の痛くなる……。
一応、私は改憲派とか右派とかを自認していますが、こういう人たちのせいでどれだけ足引っ張られてるのか……orz
国籍法のときもそうでしたが、どうしてこういうことに精を出してもっと他に突っ込めるところを突っ込まないのか……。マスコミにしても、首相の食事なんてどうでもいいことを俎上に上げて、経済のことなんかお構いなしですしね……^^;

2008.12.14 18:30 URL | 久間知毅 #hGDfx7Pg [ 編集 ]













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