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きまぐれな日々

ひところのマスコミ報道では総選挙が行われるはずだった11月が足早に過ぎて行き、早いものでもう師走だ。

11月は土日や祝日が多かったせいもあって、当ブログの新規公開エントリも20件にとどまったが、月間アクセス数は138,288件(FC2カウンタによる計数)に達し、ブログ開設以来最多を記録した。特にアクセスが多かったのが11月7日公開の「田母神俊雄、渡部昇一、元谷外志雄、佐藤優らに呆れる日々」で、このエントリに月間で4000件以上のアクセスをいただいた。次いで、11月5日付エントリ「田母神俊雄の「痴的生活の方法」 ? 日本の右翼は大丈夫か」が3000件以上のアクセスをいただいている。3位は11月20日の「テロ行為と極右政治家・城内実だけは絶対に許せない」で、2800件を超えるアクセスのうちかなりの数(952件)は、元政治家(笑)・城内実のブログから張られたリンクを経由したものだ。

先月の当ブログへのアクセス数を押し上げたのは田母神俊雄の論文だが、今朝(12月1日)の朝日新聞1面トップは、懸賞論文の選考において、アパの元谷外志雄会長が当初から田母神氏の論文と知り得る立場で審査に加わり、メンバーで唯一最高点を与えていたことを報じている。
http://www.asahi.com/national/update/1201/OSK200811300062.html

審査委員の一人・花岡信昭は、「審査は筆者名を伏せて進んだ」と主張していたが、朝日新聞は、少なくとも元谷外志雄はあの駄文が田母神の手になるものだったことを知っていたと報じている。

以下、朝日新聞の記事から引用する。

 4人の審査委員のうち、取材に応じた3人によると、応募作は事前にアパ側が絞りこみ、委員が実際に目を通した論文は全体の1割程度の25作品にとどまった。委員に知らされたのは受理番号のみで、応募者名や職業は伏せられていた。

 委員は作品を「5点」「3点」「2点」「選外」の4段階で評価し、ファクスで送るようにアパ側から求められ、アパ側は10月16日の審査会で集計結果を一覧表にして配った。まだ最優秀作は決まっていない、この時点で応募者名、年齢、職業が委員に明かされた。元谷代表だけが、1作品に限って付けることができた最高点の5点を田母神論文に与えていた。

 委員の一人、花岡信昭氏によると、審査の後、元谷代表が審査前から田母神氏の論文応募を知っていたことを明かしたという。元谷代表は審査委員に名を連ねておらず、アパ側は元谷代表が採点に加わっていた事実をこれまで公表していない。

 山本秀一氏は「元谷代表が、他の委員が高く評価した論文をおしなべて低く評価したことに不自然さを感じた」と話す。

 一覧表では、田母神論文と大学生、近代史研究家の論文が合計点数で同点に並んでいた。元谷代表の提案で大学生の論文をまず優秀賞に落とし、残った2作品のうち、元谷代表が田母神論文を推した。「異存ありませんか」と元谷代表が各委員に確認したが、反対意見は出なかったという。

 小松崎和夫氏は「今思えば、元谷代表は初めから田母神氏の応募を知っていたのだから、トップにしようと思えばできたはずだ」と話す。山本氏は「田母神氏に賞金を贈るための懸賞論文と見られても仕方がない」と語る。

 アパグループの広報担当者は「審査の内容に関しては一切お答えしていない」と話す。元谷代表個人にも取材を申し込んでいるが、11月30日現在、応じていない。(武田肇)

(asahi.com 2008年12月1日)


ここで花岡信昭は「審査の後、元谷代表が審査前から田母神氏の論文応募を知っていたことを明かした」と言っているのだが、花岡はこの重要な情報をこれまで自分の記事には書かなかった。実にふざけた態度であり、花岡にはジャーナリストの資格など全くないと言わざるを得ない。

朝日新聞の紙面では、この件はもう少し詳しく報じられており、田母神らの論文が3点同点で並んだ状況で、元谷は「学生には賞金30万円で十分だと思う」という趣旨の発言をして、これを学生部門の最優秀賞(賞金30万円)とすることを提案したそうだ。

さらに、社会面では元谷の呆れた言動が報じられている。以下引用する。

 また、中山泰秀衆院議員によると、元谷代表は中山議員本人や、代理で審査委員を務めた山本秀一氏に審査経過の公表について抗議の電話を入れていたという。田母神氏が更迭された後の11月上旬、山本氏がテレビ番組のインタビューに応じ「(田母神論文に)私は0点をつけた」と話したところ、元谷代表から電話があり「事実と違う」と強く抗議されたという。

 山本氏によると、田母神論文に一時5点満点中「2点」をつけたが、誤ってアパの指示より1作品多い論文に点数を付けていたため、2回目の審査会の席上、点数のない「選外」に変更したという。

 中山議員によると、元谷代表から携帯電話に電話があり、「あなたの秘書は2点から最低点ではなく、最高点に付け直したんだ。ウソをつくと選挙に落ちる。政治生命を失う」と語ったという。中山議員を審査委員に選んだのは、論文募集時、外務政務官だった肩書きがほしかったからとも明かしたという。中山議員はこうした経緯を大阪府警に相談しているという。

(朝日新聞 2008年12月1日朝刊より)


なんと元谷は、中山議員の肩書きを利用しようとしていながら、同議員秘書が田母神論文に0点を付けたことに怒り、中山議員を脅していたらしいのだ。

朝日の記事には、中山議員の秘書・山本秀一氏のコメントも掲載されている。

 審査では元谷代表が田母神論文を強く推し、審査委員もそうした空気につられた感じがする。私自身は、日米安全保障条約と、日本が朝鮮半島を植民地にした条約を同一視する田母神論文には違和感があり、論文では低い評価にした。審査では元谷代表が自分の意向を反映させる機会が数多くあり、田母神氏に賞金を渡すための懸賞論文だったと見られても仕方がないのではないか。

(朝日新聞 2008年12月1日朝刊掲載の山本秀一氏のコメント)


この山本秀一氏に対しては、花岡信昭が罵詈雑言を投げつけていたことを思い出しておこう。JanJanの記事によると、東京・豊島区で11月15日に開かれた「日本文化チャンネル桜支援講演会」で花岡が「政局の動向と日本の行方」と題して講演し、その中で山本氏を罵倒した。以下引用する。

中山議員の秘書が0点をつけたというのは全くの嘘

 政治的に保身に走って嘘を言ったのだろう。そもそも中山議員というのは、まったくけしからんヤツ。渡部昇一先生が委員長を務める審査会の委員に選ばれただけでも大変なことなのに、こともあろうか審査の場に本人が来ない。秘書に来させた。挙げ句にその秘書に嘘をつかせて保身に走った。

 私は頭にきたのでその嘘を週刊誌で暴露した。が、その後、先方から何ら抗議はない。後ろめたいから何も言えないのだろう。私も保身のためにその時の書類はとっている。いつか機会を見つけて、公衆の面前でヤッツケてやる。

(JanJan 2008年11月21日 「花岡信昭氏、田母神論文審査の裏側を語る」より)


果たして嘘つきは山本秀一氏なのか、それとも花岡信昭や元谷外志雄なのか。今後明らかにしてほしい。

朝日新聞の紙面には、花岡信昭や審査委員長・渡部昇一のコメントも掲載されている、花岡は、「田母神論文に書かれた歴史的事実は、先の戦争でのコミンテルンの力を過大視するなどの難点があり、採点では最高点を付けなかった」と釈明しながら、審査は公正であり、「あらかじめ田母神論文が最優秀と決まっていたという勘ぐりは、審査委員の名誉を傷つけるものだ」と開き直っている。また渡部は、極右雑誌「WiLL」2009年1月号に「最高点を取った論文を開けてみたら、空幕長が執筆者だった」と書いているらしいが、「審査はスムーズだったので、特に記録に残っていません。雑誌「WiLL」に書いた審査経緯が私の記憶です」などとすっとぼけたコメントをしている。

だが、花岡信昭や渡部昇一の開き直りにもかかわらず、田母神論文事件にはますます「贈収賄」の匂いが濃厚になってきた。


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やっぱり胡散臭いアパ代表
朝日新聞の取材によると、田母神氏がアパグループの懸賞論文で300万円せしめた背景には、胡

2008.12.01 18:28 | 土佐高知の雑記帳