きまぐれな日々

当ブログは、田母神俊雄のアパグループ懸賞論文問題は、日本の今後を考える上で絶対にいい加減にすませてはならない問題だと考えている。だから、現在この問題を集中的に取り上げている。

こういう問題に関しては、まだまだ朝日新聞と毎日新聞も生きているとも思う。両紙は、経済問題についてはまるでダメだが、安全保障の問題では、まだ「連盟よさらば!我が代表堂々退場す」という見出しで朝日新聞が日本の国際連盟脱退をほめたたえた翼賛報道の段階にはきていない。「いつか来た道」を警戒する論調が紙面では支配的だ。

一方、昭和初期の段階に踏み込んでいるのは自民党の議員たちである。nesskoさんコメントで教えていただいたのだが、自民党参議院議員・佐藤正久が、自民党国防関係合同部会における紛糾の模様を描いた文章をウェブサイトに公開している(下記URL)。
http://east.tegelog.jp/?blogid=24?catid=164&itemid=1934

以下引用する。

また自衛官の教育に関しては、防衛省側から「歴史教育をしっかりやりたい」との発言に、「政治将校をつくるのか」「憲法違反の恐れがある」と批判が集中した。

本日の部会において、最も紛糾したのは、11月9日付の毎日新聞に掲載された五百旗頭真・防衛大学校校長の論文だった。この論文では、今回の田母神さんの空幕長解任に触れ、「これに関連して想起するのは、1928年の張作霖爆殺事件である」として、「軍部に対するブレーキが利かないという疾患によって、日本は滅亡への軌道に乗った<中略>このたびの即日の更迭はシビリアンコントロールを貫徹する上で、意義深い決断であると思う」と綴られている。

ある議員が問題視したのは、今回の田母神論文事案と張作霖爆殺事件を同一視しているという点と、あわせて、この五百旗頭論文は「部外への意見発表」であるが、その手続きがなされていたのか、という点だった。
防衛省は、手続きの有無について、即座に答えられず、また論文の内容については確認していない、との発言があり、議員の間からは、「これこそ懲戒の必要があるのではないか」との怒号にも似た声が相次いだ。

(佐藤正久オフィシャルページ掲載 「国防部会、田母神論文事案で紛糾す」より)


ここで言及されている、11月9日付毎日新聞掲載の五百旗頭真(いおきべ まこと)の論文は、同紙のウェブサイト「毎日jp」には掲載されていないようだ。五百旗頭は神戸大学名誉教授で、現在防衛大学校校長を務めており、猪木正道に師事した穏健保守の学者である。上記引用部分から読める五百旗頭の主張は、私から見ると正論としか思えないのだが、産経新聞の「正論」を信奉する右翼の自民党議員にとってはもってのほかなのだろう。

いずれにしても、朝日新聞や毎日新聞が保守派の論客による正論を掲載し、それに自民党議員が極右側から噛みつく構図になっている。もちろん、民主党にも同様の意見を持つ極右議員は結構多い。

さて、本エントリの後半では、「サンデー毎日」の記事を紹介する。いちおう、開店休業状態の「毎日新聞叩きに反対するキャンペーン」の一環にもなるかなと思う。「サンデー毎日」は編集長が交代してから鋭く権力を批判する記事が減ったのではないかと危惧しているのだが、11月23日号では久々に同誌らしく、前航空幕僚長・田母神俊雄とアパグループ代表・元谷外志雄の「F-15戦闘機体験搭乗」を批判する記事を掲載している。

この件は、先週、朝日新聞に報じられた。以下引用する。

 元谷氏は07年8月、小松基地でF15戦闘機に体験搭乗。その時の写真は元谷氏の著書に収められている。航空幕僚監部広報室は「広報活動の一環で、小松基地金沢友の会の会長として搭乗してもらった」と説明する。

 元谷氏は朝日新聞社の取材に対し、田母神氏に論文の応募を依頼したことはないと説明している。「毎月送っているアップルタウンの告知で気づいたのではないか。まさか航空幕僚長が応募してくれるとは思わなかった」。田母神氏の論文は8月に届いた。他の航空自衛官の応募作78編も含む235編が、執筆者名を伏せた形で審査されたという。その結果、元谷氏のペンネームを冠した最優秀賞に田母神氏が選ばれ、300万円の懸賞金を受け取ることになった。

(朝日新聞 2008年11月8日 10時4分)


「サンデー毎日」の記事はさらに踏み込んで、元谷外志雄らに小松基地の方から体験搭乗の案内をしたこと、そのお伺いを立てる「進達文書」という内部文書に最終決裁し、許可を与えたのが田母神俊雄であることを自衛隊関係者からの取材によって明らかにして、公務員が第三者に便宜を図り、懸賞金という名の現金を受け取る構図は、「贈収賄」に当たるのではないかと書く。そして、問題発覚直後に麻生政権が素早く田母神を更迭したのは、文民統制の問題のほか、「刑事事件に発展する恐れがある」とみなされたためではないかと推測している。

記事はさらに、航空自衛隊出身の参院議員だった田村秀昭(国民新党、小沢一郎の元側近)が今年1月に死去して(昨年の参院選に立候補せず引退していた)、自衛隊出身の国会議員が陸上自衛隊出身の中谷元(自民党)と前述の佐藤正久(同)の2人しかいなくなったため、田母神を次期参院選の候補者にしてはどうかという話まで持ち上がっていたと伝えている。まったくもってとんでもない話である。

この問題の背後には、森喜朗や安倍晋三もいる。彼らをも巻き込んで、「サンデー毎日」が書くように、「第二の守屋事件」に発展すれば面白いのだが、政治家まで到達しなかった守屋事件同様、どうせまた尻すぼみに終わってしまうのだろうと半ばあきらめている今日この頃である。


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田母神こそが、自衛隊内で思想的に偏向した「政治教育」をやっていたのでしょう。
「政治将校をつくるのか」「憲法違反の恐れがある」などとは、笑止千万としか言いようがありませんね。

2008.11.15 03:56 URL | かつ #5xkAihd. [ 編集 ]

おはようございます、kojiさん。
日経のコラムで伊東氏がこの件について、かなり気張って書いてはります。
2008年11月14日伊東 乾 オバマ政権とアフリカ政策
「植民地主義」レッテル貼りと「表現の自由」

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20081113/177102/

植民地主義の肯定&立憲主義の無知[麻生首相も含めて]という点で、
きわめて危険なアナウンス効果あり、と。ちとアメリカに甘すぎる内容ですが、
概ねまともなこと書いていると思いました。
小泉改革と金融危機のWパンチで、経済的社会的にズタズタの中、
政治・外交的にもぼろぼろ。急速にカオス化に転げ落ちつつある。
その自覚が与野党とも、希薄。
「与野党ともに沈没」という保坂氏の危機感はまったく正しい。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/221d6ec7e9a2b2625a48c2f06af4358c
年明けには全員もっと顔引きつらせてアタフタしているとは思うけど・・。
茫然自失・自棄のやんぱちが増えることも確か。

2008.11.15 05:56 URL | 三介 #CRE.7pXc [ 編集 ]













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