しかし、アメリカではコリン・パウエル前国務長官がなんとライバル民主党のバラク・オバマ支持を表明した。
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008101901000467.html
日本では麻生太郎内閣支持率の毎日新聞調査が、発足直後の45%から36%に大きく下落した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081020ddm003010188000c.html
共同通信の内閣支持率調査でも、48%から42%に下げている。
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008101901000216.html
毎日新聞調査で特に目立つのは、40代から60代の、社会の担い手の世代が麻生離れを起こしていることだ。特に、50代の支持率低下が目立ち、支持は前回の38%から28%に減り、不支持は前回の33%から実に53%に増えている。
これは、今までの経済政策のあり方を大きく転換しなければならないという認識が広く共有されるようになり始めたためだろう。但し、民主党にも新自由主義者が多く、どれくらい経済政策を転換してくれるかはっきりしないせいなのか、自民党の支持率減が民主党の支持率増に必ずしも結びついていない。民主党がもう少しはっきり新自由主義への訣別を打ち出せば、もっと支持率も上がるだろう。
そういえば、テレビ朝日の「報道ステーション」でも、新たなコメンテーターの一色清が、「新自由主義」という単語を口にした。昨日の「サンデープロジェクト」でも、田原総一朗が「ブッシュはフーバー(世界大恐慌当時の米大統領)に、オバマはルーズベルトになぞらえられている。麻生太郎と小沢一郎のどちらがルーズベルトなのか」などと言い出していた。
『世界』11月号でも「政界交代選挙へ」という特集が組まれ、山口二郎や金子勝が論文を寄稿している。山口二郎は、政治思想の波には30年程度の周期があり、第二次世界大戦後から70年代までの30年間は福祉国家整備の時代、70年代後半から現在までが「小さな政府」をめざす新自由主義の時代で、現在は新自由主義に起因する問題点が、サブプライムローン問題が契機となった金融危機となって顕在化しており、きたる総選挙では新自由主義を転換するかどうかが問われると書いている。但し、麻生内閣がなし崩し的な構造改革否定路線をとっているので、対立構造がぼやけており(だから前述の田原総一朗のように、「どっちがフーバーでどっちがルーズベルトだ」などと言い出す人が出てくる)、民主党は自民党との対決を演出するより、自らの未来構想を具体化することに専念せよ、と書いている。オーソドックスな議論だと思った。
金子勝はいつものように過激で(笑)、ねじれているのは国会ではなく自民党だと書いている。つまり、福田前首相は「郵政総選挙」で増えたネオコン・ネオリベの「構造改革」と自らの「5つの安心プラン」を両立させることができなくなって自壊したというのだ。自民党は、コイズミカイカクを総括しないまま、景気が悪くなると景気対策のバラマキを行ない、景気が少し回復すると再び「構造改革」に走る、このパターンを繰り返しては沈んで行ったと指摘する。金子は、構造改革を総括し、戦略的な政策転換を行う必要があると主張し、法人と金持ちに増税するとともに、バラマキ公共事業ではなく、大胆な再生可能エネルギーへの転換によって新しい需要や雇用を作り出す政策が求められていると書いている。いつもの金子節だ。
いまや大きなうねりが、自公政権のみならず新自由主義をのみ込んでいこうとしているように見える。自民党も民主党も迷走を続けて心許ない限りだが、麻生太郎首相も腹をくくって国民に信を問うべき時が到来したと私は考えている。
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6年続きの「好景気」(実は一部の輸出関連大企業の一人勝ちだった)と言って国民を騙していた勢力が今頃になって世界金融恐慌を認めざるを得なくなった。
こんなことは昨年の夏までに分かっていたことだ。それを捻じ曲げて「いざなぎ景気」をしのぐ好況だとうそぶいていた連中が節操もなく世界不況に恐れおののいている。全く滑稽な話ではないか?
特にその提灯持ちであった学者やマスコミはどの面で出られるのか?「臆面もなく」とは正にこのことではないか?
天罰てき面というか、たぬきの泥舟にのって豪華パーティに興じていたら浸水して船が沈みそうになっている様なのだ。
さてここで、彼らが一番恐れていることは何か?それは「経済の縮小」つまり「マイナス成長」なのだインターネットで検索してみればすぐ分かる。「経済の縮小均衡」を検索してみよう彼らが一斉にそれを恐れ避けたがっている姿が浮き彫りになる。「経済の縮小均衡」で何が悪い!と言ってやりたい。
私はへそ曲がりだからあえて主張する。彼ら(勝ち組)が一番困る「経済の縮小均衡」を促進するのだ!成り行きとして放っといてもそうなるのだから仕方がないだろう。
こうして沈み行く狸の泥舟に向かって「夕日がきれいだ!」と言ってのけるのだ。もちろん助けることも出来ないし、助ける必要もない。
いやむしろ私が漕いでいる小さなボートの櫂でバチャバチャして泥舟に波を贈るのだ。ご愁傷様!
2008.10.20 13:50 URL | 100%勇気 #- [ 編集 ]
あまりにも安倍が異常かつ無能だったので、そのあとの福田がずいぶんましに見えたものです。
しかし、その福田も党利党略で、政権を投げ出した。次は麻生とほぼ決まっていた。
出来レースの茶番総裁選をやって、麻生が首相になった。
麻生は総裁選に3回も出たわけで、アメリカの大統領選の言い方を借りれば、「準備ができている」のかと私も思っていました。
しかし、総裁選途中の、岡崎・安城への水害被害に対する暴言など、出だしからつまずき、中山迷走議員も影響を与えたとはいえ、一番の麻生首相の誤算は、自分が思っているほど「準備ができていなかった」というか、信じがたいほど、無責任、無能だったこと。
国会答弁など見ても、ぶら下がり取材の話を聞いても、要領を得ず、無定見で、反動軍国国家論だけは相変わらずで・・・。
そりゃぁ、人気も落ちますね。
麻生が本当に有能なら、ここで新自由主義をぶった切り、総括を兼ねて新自由主義者をたたきだし、恰好だけでも国民向けの政策をとれば、人気爆発だっただろうに・・・。
それができなかった点で、すでに麻生は終わっていると言えます。
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