今朝(9月15日)の朝日新聞(大阪本社発行統合版)の一面トップは、三笠フーズの冬木三男社長らが2005年から06年にかけて、農林水産省近畿農政局大阪農政事務所の消費流通課長(当時)を、大阪市内の飲食店で接待していたという記事だった。
http://www.asahi.com/national/update/0914/OSK200809140075.html
やはり業者と農水省の癒着か。さもありなん、と思わされるところが長年にわたる政官業癒着のニュースに慣れ切った悲しさだ。
昨日朝のTBSテレビ「サンデーモーニング」は、冒頭の約15分こそ自民党の猿芝居を扱っていたが、そのすぐあとに汚染米事件を取り上げ、「コイズミカイカク」がこの事件の遠因となったのではないかとの見方を示した。カイカクの目玉の一つだった2004年の食糧法改正によって規制緩和が行われ、(悪徳)業者は参入しやすくなり、検査は手抜きされるようになった。その結果、汚染米事件が起きた。これぞコイズミカイカクの成果だろう。
2005年に起きた耐震強度偽装事件も、今では「姉歯秀次個人の犯罪」などという妄言がまかり通っているが、事件の本質は1998年の建築基準法改正による規制緩和と、国交省の官僚による耐震偽装隠しだった。藤田東吾が『月に響く笛 耐震偽装』(imairu, 2006年、「完全版」として講談社, 2007年)で指摘している通りである。藤田氏に「耐震偽装事件隠蔽」にかかわったとして指弾された、当時の国交省住宅局長の山本繁太郎は、今年4月の衆議院山口2区補選に立候補し、後期高齢者医療制度の開始の余波を受けて落選した。開票開始と同時にマスコミが平岡秀夫氏(民主)の当選を伝えるという、山本の惨敗ぶりだった。
今回の汚染米事件も、その構造は耐震強度偽装事件と同じだ。しかも、耐震偽装事件の場合は遠因となった建築基準法改正は1998年で、コイズミ以前だったが、食糧法改正は2004年、コイズミ政権時代に行われたことなのだ。やはり、きたる総選挙は、耐震偽装や汚染米横流しなどが横行する原因となった新自由主義政策への審判をその争点にしなければならない。
「コイズミカイカク」の後継者を自認する小池百合子の場合は、主張は明確だ。耐震強度偽装事件を受けて2006年に改正された建築基準法を批判し、汚染米事件を受けて、前述のTBS「サンデーモーニング」などに見られる規制緩和批判を逆批判していた(昨日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」)。「コイズミカイカク」と「規制緩和」しか口にしない新自由主義者のコイケを、毎日新聞特別編集委員の岸井成格は持ち上げていたが、田原総一朗ともども、腐り切ったコイズミ応援団の代表格・岸井も相変わらずだなあと呆れた。恐らく、田原や岸井にとってもっとも望ましい総選挙の結果は、自民党と民主党がともに過半数に届かず、選挙結果を受けて政界再編成が起こり、新自由主義勢力を軸にした政変によってコイケあたりが総理大臣になることだろう。昨日本屋で立ち読みした「リベラルタイム」という雑誌にも、そのようなシミュレーション記事が出ていて、うんざりさせられた。コイズミが、麻生太郎圧勝と見られる自民党総裁選において、あえてコイケ支持を表明したのも、選挙後の政変をにらんでのことと思われる。だから、次の総選挙は「伯仲」ではダメで、自民党を惨敗させる必要があるのだ。田原や岸井は、この小選挙区制において、なんとか与野党伯仲の選挙結果に導こうと画策しているようにさえ見えて、実に不愉快だ。
唯一の救いは、今回は「自民党総裁選報道批判」がマスコミ報道にも見られることで、朝日新聞2面の「時時刻刻」でも、「総裁選 メディア自戒」との見出しで、大きく特集記事が出ている。いまさら何を、という気もしなくはないが、郵政解散・総選挙の悪夢の再来だけは避けられそうだ。
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やはり業者と農水省の癒着か。さもありなん、と思わされるところが長年にわたる政官業癒着のニュースに慣れ切った悲しさだ。
昨日朝のTBSテレビ「サンデーモーニング」は、冒頭の約15分こそ自民党の猿芝居を扱っていたが、そのすぐあとに汚染米事件を取り上げ、「コイズミカイカク」がこの事件の遠因となったのではないかとの見方を示した。カイカクの目玉の一つだった2004年の食糧法改正によって規制緩和が行われ、(悪徳)業者は参入しやすくなり、検査は手抜きされるようになった。その結果、汚染米事件が起きた。これぞコイズミカイカクの成果だろう。
2005年に起きた耐震強度偽装事件も、今では「姉歯秀次個人の犯罪」などという妄言がまかり通っているが、事件の本質は1998年の建築基準法改正による規制緩和と、国交省の官僚による耐震偽装隠しだった。藤田東吾が『月に響く笛 耐震偽装』(imairu, 2006年、「完全版」として講談社, 2007年)で指摘している通りである。藤田氏に「耐震偽装事件隠蔽」にかかわったとして指弾された、当時の国交省住宅局長の山本繁太郎は、今年4月の衆議院山口2区補選に立候補し、後期高齢者医療制度の開始の余波を受けて落選した。開票開始と同時にマスコミが平岡秀夫氏(民主)の当選を伝えるという、山本の惨敗ぶりだった。
今回の汚染米事件も、その構造は耐震強度偽装事件と同じだ。しかも、耐震偽装事件の場合は遠因となった建築基準法改正は1998年で、コイズミ以前だったが、食糧法改正は2004年、コイズミ政権時代に行われたことなのだ。やはり、きたる総選挙は、耐震偽装や汚染米横流しなどが横行する原因となった新自由主義政策への審判をその争点にしなければならない。
「コイズミカイカク」の後継者を自認する小池百合子の場合は、主張は明確だ。耐震強度偽装事件を受けて2006年に改正された建築基準法を批判し、汚染米事件を受けて、前述のTBS「サンデーモーニング」などに見られる規制緩和批判を逆批判していた(昨日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」)。「コイズミカイカク」と「規制緩和」しか口にしない新自由主義者のコイケを、毎日新聞特別編集委員の岸井成格は持ち上げていたが、田原総一朗ともども、腐り切ったコイズミ応援団の代表格・岸井も相変わらずだなあと呆れた。恐らく、田原や岸井にとってもっとも望ましい総選挙の結果は、自民党と民主党がともに過半数に届かず、選挙結果を受けて政界再編成が起こり、新自由主義勢力を軸にした政変によってコイケあたりが総理大臣になることだろう。昨日本屋で立ち読みした「リベラルタイム」という雑誌にも、そのようなシミュレーション記事が出ていて、うんざりさせられた。コイズミが、麻生太郎圧勝と見られる自民党総裁選において、あえてコイケ支持を表明したのも、選挙後の政変をにらんでのことと思われる。だから、次の総選挙は「伯仲」ではダメで、自民党を惨敗させる必要があるのだ。田原や岸井は、この小選挙区制において、なんとか与野党伯仲の選挙結果に導こうと画策しているようにさえ見えて、実に不愉快だ。
唯一の救いは、今回は「自民党総裁選報道批判」がマスコミ報道にも見られることで、朝日新聞2面の「時時刻刻」でも、「総裁選 メディア自戒」との見出しで、大きく特集記事が出ている。いまさら何を、という気もしなくはないが、郵政解散・総選挙の悪夢の再来だけは避けられそうだ。
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岸井は以前、香田さん事件のときに、小泉と食事をしていて、事件がおきても平然としていた、とテレビで話していた。
もちろん他の記者も一緒だったのだが、記者として総理に懐柔されるような食事会を共にするなど論外であるし、懐柔された見本のような人物である。
ちなみに小泉時代の首相動静には、テレビ各社社長との懇談(官邸で)というのがあった。
2008.09.15 19:28 URL | 厭世気分 #- [ 編集 ]
その「時時刻刻」。
『ブロードキャスター』の『お父さんのためのワイドショー講座』で
『角界大麻騒動』に負けた話には笑えました。
三宅、残念w
2008.09.16 18:53 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]
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