きまぐれな日々

今年も「9・11」がやってきた。

新自由主義に反対する者にとっては、厄日である。世界最初の新自由主義国家といわれるチリのピノチェト政権は、1973年9月11日に、アメリカの差し金によって、アジェンデ大統領を暗殺しての軍事クーデターで成立した。2001年9月11日のニューヨークでのテロは、アメリカに「テロとの戦い」の口実としたアフガン(やイラク)における暴虐のチャンスを与えてしまった。そして、2005年9月11日には、新自由主義の権化ともいえるコイズミ自民党が、歴史的な大勝をおさめ、以後日本国民は次々と打ち出される負担増や社会保障削減などの圧政に苦しむことになった。

当ブログは、昨日(9月10日)に累積アクセス数が200万件に達した。一昨日までのペースだと、200万件到達は「9・11」になりそうだったが、昨日は検索語「加藤千洋」(報道ステーションのコメンテーターを勇退することが報じられた)によるブログ訪問が殺到してアクセス数が増えたために、予想より1日早く200万件に到達した。ブログの記念日が「9・11」と重ならずに済んでほっとした次第だ。加藤千洋氏には、これまでの労をねぎらうとともに、当ブログの昨日のアクセス数を押し上げていただいたことに感謝したい。

そんな個人的な話は読者にはどうでも良いことだろうが、ブログにはプライベートな性格も強いので、ご容赦をお願いしたい。「9・11」についていうと、アメリカの「テロとの戦い」に安易に同調しすぎ、それに何の異論も差し挟まなかった日本政府の政策は間違っていた。だが、自民党総裁選ではそのことは一切議論されないし、昨日の朝日新聞社説にも、アメリカへの批判や注文はあっても、それに追随した日本政府や朝日新聞自身を含めたマスコミ言論への批判や反省はない。

前首相・安倍晋三が辞任を表明する前日の、昨年の「9・11」に当ブログが何を書いていたかと思って当日のエントリを読み返してみると、「コイズミ一派とアベシンゾー一派の内紛が始まった」と題されたその記事には、

安倍改造内閣で官房長官に与謝野馨を起用した時、与謝野が財務省を代弁する緊縮財政論者で、竹中平蔵や中川秀直の「上げ潮政策」と対立する人物であることから、あれっと思った人は多いはずだ(私はいずれの政策も正しくないと思っているが)。

とか、

田原(総一朗)は、安倍内閣に期待したのは、コイズミカイカクを引き継いで公務員改革をやってくれるものと期待したからだ、しかるに安倍は意に反して内閣改造で「カイカク」メンバーが軒並み閣外に去った、内閣の実権は麻生太郎と与謝野馨が握った、などとして今回の内閣改造を批判した。

などと書かれている。

今回の自民党総裁選は、いちおうコイズミ?竹中の「新自由主義過激派」からは少し距離を置く人たちの争いになっていることは間違いない。次期総理・総裁は麻生太郎で決まったようなもので、この流れはもはや変えられない。麻生の積極財政政策は、コイズミ?安倍の頃の過激な新自由主義政策よりはいくぶんマシだろうが、田原総一朗らの新自由主義者は、「自民党も民主党もどっちもバラマキなんだ!」と批判するだろう。番組に出てくる、中川秀直や前原誠司ら自民・民主の政治家たちは、それぞれ総選挙後の政界再編の政局をにらんで、微妙な言い回しの発言をするだろう。そんなことは今からわかっているから、政治番組で繰り広げられる茶番が今から頭に浮かんで、うんざりする。これからは、週末の政治番組を見る頻度を減らした方が良いかもしれない。精神衛生上よろしくないし、特に田原の番組など、たまにやる「言論は大丈夫か」のシリーズなどを除いて、見て得られるところは少ない。

ところで、麻生太郎について忘れてはならないのは、麻生がコイズミの新自由主義政権を支えてきた中心人物の一人だったことだ。亀井静香は、その麻生を強烈に批判している(下記URLの「夕刊フジ」記事)。
http://www.zakzak.co.jp/top/200809/t2008090836_all.html

最近、麻生氏は小泉改革路線を否定しているが、重要閣僚や党幹部として小泉改革に手を貸してきた張本人。国民生活をここまで破壊した責任者の1人だ。ほおかむりしてきれい事を並べるのはおかしい。自らを総括し国民におわびするべきだ。

(2008年9月8日 夕刊フジ)


全く亀井静香の言う通りで、麻生は昔からコイズミカイカクに反対していたかのような口ぶりで演説しているが、実は「カイカク」の張本人なのだ。

いってみれば麻生は、東条内閣の大臣でありながら、戦後総理大臣になった岸信介のような男だといえる。麻生の祖父、吉田茂は戦時中から親米英で、和平工作などをしてにらまれていた人物だった。政治思想的には吉田茂はゴリゴリの右派だったが、戦争には反対だったので、戦後首相になっても不思議のない人物だった。しかし岸は、日本人が戦争責任を総括しなかったことに乗じて総理大臣になった人物だ。自民党がコイズミカイカクを総括していないことに乗じて総理大臣になろうとしている麻生太郎は、自民党の無責任体質の象徴だといえる。そして麻生は、祖父の吉田茂より、祖父の政敵だった岸信介によほどよく似ている。

自民党と同じように民主党も、前原前代表時代までの新自由主義路線を総括していない。ここは、民主党が「カイカク」の総括を行ない、過去の誤りを認めて謝罪した上で、改めて「カイカク」の後継者たる麻生自民党との対決姿勢を打ち出すべきではないか。

前の参議院選挙が、「アベシンゾー審判選挙」であったとしたなら、きたる総選挙は、「コイズミカイカク審判選挙」であるべきだ。争点は、「カイカクの是非」である。「消えた年金」や後期高齢者医療制度の問題も、最終的には「カイカク」に絡めて論じられるべきだと思う。

自民・民主両党は、ともに「カイカク」を総括せよ。その上で、「脱カイカク」競争をしてほしい。特に、コイズミ内閣の中枢にいた麻生太郎は、コイズミ時代の失政の責任をどうとるのか、明らかにすべきである。


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こんにちは。
200万アクセスおめでとうございます。
それにしても、昨日の報道ステーションは、総裁候補者5人をそろえながら古館ばかりがつっかかるようなつまらない質問をして、横にいた加藤千洋は一言もしゃべりませんでしたね。勇退が決まって気が抜けたのでしょうか。
それに比べるとニュース23の後藤謙次はけっこう頑張って食い下がっていました。報道におけるテレビ朝日の劣化が、この頃進んでいるような気がします。新しいコメンテーターが来れば、報道ステーションも少しは変わるのでしょうか。変わらないだろうなあ。

2008.09.11 08:11 URL | ooaminosora #v64swWl6 [ 編集 ]

ばらまいて何になると言いたい。故小渕総理が100兆円ばら撒いて、結果利権集団だけ太ったのが実情だろう。2極化とよく言われますが、あれも規制が掛り過ぎている証です。真に自由になれば今朝の日経1面トップに電動二輪車の文字があるが如く民間活力には元気付けられます。後は真の自由を闊歩する人作りの為に教育改革だがこれが難儀。官僚の頭が変らねば教育制度に手が付けられない。

2008.09.11 11:05 URL | Hbar #- [ 編集 ]

エントリの中身はバラマキを肯定しているのではなく、バラマキ批判にかこつけて再配分やセフティネットを切り捨てることの批判ですよ。
内容を読んでからコメントなされたほうが良いと思います。
旧来型の自民的バラマキに関しては麻生評価の文脈で批判されてますが。

2008.09.11 15:52 URL | Gl17 #EBUSheBA [ 編集 ]

どの政党も耳障りのいいことばかりを並べ立てるのは選挙前でどうしようもないのでしょうか。

聞こえの良い話の裏には必ず国の負担があり、=将来にわたる締め付けるような負担が後世にのしかかってくることを考えると、どちらにも進んで投票できない気分です。

まだ20代ですが、30年後の日本が恐ろしいことになってそうです。

2008.09.25 21:21 URL | ナタタロー #- [ 編集 ]













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