きまぐれな日々

今朝7時のNHKニュースのトップは北朝鮮・金正日の重病説だったが、それについては稿を改めて述べるとして、今日のエントリでは「コイズミカイカク」の総括から逃げる自民党の批判を行いたい。

毎日新聞の報道(9月9日)によると、

自民党の広島県連幹部は4日、党本部で古賀誠選挙対策委員長に会い、衆院広島6区には、同党の候補を擁立しないことを確認した。自民党関係者によると「擁立見送りは、衆院選後の政界再編に備えて、6区選出の亀井静香国民新党代表代行とのパイプを維持しておくため」という。

とのことだ。この報道が事実であれば、3年前の総選挙でホリエモン(堀江貴文)が「刺客」として出馬し、全国でもっとも注目された広島6区は、一転して無風区になる。この選挙区には、民主党も候補者を立てるはずがないからだ。

前回の総選挙では、亀井静香への刺客として送り込まれたホリエモンのほか、民主党前職(03年総選挙で比例で復活当選)の佐藤公治(現参議院議員)も立候補して、三つ巴の激戦だった。それが今回は、民主党も自民党も候補を立てないという。あまりの変わりように、呆然となってしまう。それでも民主党はもうだいぶ前から国民新党と共同歩調を取っているが、3年前、コイズミ率いる自民党は「カイカクを止めるな」と叫んで衆議院選挙に圧勝したはずだ。その公約はどこに行ってしまったんだろうか。

森喜朗は、郵政造反組の野田聖子に自民党総裁選への出馬を要請し、断られていた。野田聖子自身がこれを認めている。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-080909X681.html?fr=rk

 野田聖子消費者行政担当相は9日午前の記者会見で、自民党の森喜朗元首相から総裁選に出馬するよう要請されたものの、経験不足を理由に断ったことを明らかにした。

 それによると、福田康夫首相が退陣を表明した翌日の2日、森氏から電話で出馬を促された。野田氏は会見で「国を背負う、命を懸けてやるという重みと対峙(たいじ)したとき、修行不足と判断し、断った」と述べた。 

(時事通信 2008年9月9日)


亀井静香も野田聖子も「郵政民営化法案」に反対票を投じた議員である。「郵政民営化は「官から民へ」の改革を一気に加速するまさに本丸」ではなかったのか? 自民党は、国民に何の説明もせず、公約を反故にしてしまうのだろうか?

亀井、野田両氏らが次々と自民党から許され、手厚く遇されているのを見て、きっと平沼赳夫あたりもwktkだろう。次は平沼一派が許される番に違いない(笑)。

郵政総選挙でコイズミ自民党が圧勝した翌年、偽メール事件を起こした民主党の前原誠司前代表が退き、2006年4月に小沢一郎が代表に就任して、民主党はそれまでの新自由主義路線を転換した。これについても十分な説明がなされたとはいえないが、前年(2005年)暮から06年初めの耐震偽装事件やライブドア事件で新自由主義の問題点が顕在化していた時期だったから、民主党は新自由主義に懐疑的または反対の国民の支持を得ることになった。

ネットでも、新自由主義反対を掲げる人たちは多く、中には、新自由主義反対であれば「右」でも「左」でも構わない、つまり政治思想的スタンスは問わない人たちもいる。彼らは、「憲法改正」という言葉さえ用いずに「自主憲法制定」にこだわる元自民党の極右勢力への連帯や支持も表明した。

そういう政治家の一人である平沼赳夫は、たまたま3年前に郵政民営化に反対しただけで、もともとは「自主憲法制定」のことしか言わず、経済には何の関心もない政治家だった。平沼は、サッチャーの教育カイカクの信奉者でもあるのだが、それはサッチャーカイカクが伝統回帰の方向性を持つからであって、サッチャーが教育に市場原理を持ち込もうとしたことなどどうでもよかったのだ。私は、サッチャーカイカクを支持していたことをもって、平沼赳夫を「新自由主義者」と認定していたのだが、それは正確ではなく、「憲法改正にしか興味のない単なる狂信的な極右」とみなすべきだった。

それはともかく、新自由主義に反対でさえあれば、右でも左でもかまわない人たちからすると、民主党も自民党も「脱カイカク」の方向性を明らかにした今、振り上げたこぶしの下ろしどころに困っているのではないか。自民党総裁選は、最初の投票で麻生太郎が当選を決めるか、麻生太郎と与謝野馨の決選投票になるかのいずれかだ。三分裂した「カイカク」勢力のつけ入る隙はない。麻生太郎率いる自民党新執行部は、郵政造反組を拒む理由は何一つない。国民新党や平沼一派をうまく取り込めば、連立政権の延命だって可能だ。その際、「コイズミカイカク」なんてなかったことになる。

一方で、日曜日のテレビ番組では、「カイカク」派たちが好き勝手にしゃべっていた。結局推薦人を集められもしなかった売名政治家たち(山本一太、棚橋泰文)が、郵政造反組の復党を批判していた。総裁選に立候補する小池百合子、石原伸晃、石破茂の三氏も、「カイカク」の継続を主張している。

よく自民党の政治家や支持者は、民主党なんてばらばらな主張を持った人たちの寄り合い所帯ではないかと言うのだが、自民党だって同じではないか。しかも、自民党は「コイズミカイカク」の総括をしておらず、いまだにコイズミカイカクに沿った政策は「善」だというのがタテマエになっている。それでいながら、実際の政策では脱カイカクに向かおうとするから、政策が国民に理解しづらいのだ。コイズミとは毛沢東みたいなものかもしれない。中国は、今でもタテマエ上は毛沢東の作った共産主義国家だが、その実態は世界一過激な新自由主義国家である。

最後に、3年前の総選挙に用いられた自民党の政策パンフレットから引用しておこう。
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2005_seisaku/pamphlet/

改革を止めるな。
自民党 郵政民営化に再挑戦

前進か、後退か。改革か、停滞か。
いま、改革のための最後の戦いが、始まろうとしています。

(中略)

わが党は小泉総裁を先頭に、断々固として改革を推し進めます。
小泉の改革に力を。
改革は、国民との約束です。だから、改革を止めない。
自民党は、古い鎖を断ち切ります。
自由民主党は国民とともに改革のかがり火を未来に
向けて、明々と燃焼させる決意です。

小泉改革のめざすもの

■小さな政府をつくります。(詳細略)
■官の役割を、許認可からチェックへ。(同上)
■地域住民と向き合い、自立し、責任をもつ、真の地方自治を確立します。(同上)

(中略)

改革がいま必要でないという人に問いたい。
いま改革をやらずに、一体日本をどこに持っていく気なのか。
改革なくして、明日はありません。

改革は、国民との約束。だから、改革を止めない。
私たちは真の改革政党、自由民主党です。


自民党は、「コイズミカイカク」の総括から逃げてはならない。もし、新政権が「脱カイカク」へと踏み切るのなら、「コイズミカイカク」の誤りを徹底的に自己批判して、失政の責任を取れ。

それが、責任政党の務めだ。


#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。

↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

関連記事
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/731-7deb03e0