きまぐれな日々

昨日(9月7日)のNHKテレビ番組「日曜討論」で、自民党の古賀誠選挙対策委員長が「総裁選を十分生かせるようなタイミングで総選挙を迎えることができれば一番いい」と述べた。これを受けて、各紙は一面トップで「臨時国会 冒頭解散へ」(朝日新聞)、「11月9日投票強まる」(四国新聞)などと報じており、11月の総選挙がもはや既成事実であるかのようだ。

古賀誠の発言は、私もテレビで見ていたが、自民党総裁選の「議論」が総選挙に向けての自民党のPRであることを堂々と認めたも同然だったから、あきれてしまった。

しかし、それ以上にあきれたのが、昨日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」に出演した、自民党総裁選に名乗りを上げているネオリベ政治家たちで、石破茂、棚橋泰文、山本一太の3人がスタジオ出演、小池百合子と石原伸晃が外出先からの中継で出演し、麻生太郎と与謝野馨は出演しなかった。

田原総一朗は、わざわざネオリベ候補5人だけを集めて、新自由主義の宣伝でもするつもりか、そこまで露骨にやるかと思ったのだが、その討論はお粗末極まりないものだった。麻生太郎の積極財政に対する説得力ある反対論などは聞かれず、唯一エキサイトしたのは、郵政造反議員の復党をめぐって、復党を認めるべきだった、いやそうではない、あなたには復党を認めた責任がある、などとやり合ったところだった。これを言い出したのは棚橋泰文で、この男がテレビで自説を述べるのを意識して見たのは今回が初めてだったが、きわめて印象が悪く、「討論」の後半における棚橋と山本一太の暴走は、番組を見ている人をしらけさせるに十分なものだった。

痛快だったのは、討論の最後に、朝日新聞編集委員の星浩が山本一太に向かって、「推薦人を集められなかったら責任とってくださいよ」と言い放ったことで、これに対して山本は「頑張りますけど」などと口ごもっていたが、星は「政治は結果責任だから」と追い討ちをかけた。これは、視聴者に「山本一太は売名行為をしているんだな」と思わせる効果を与えるものだった。

自民党が総裁選をやることになって、民主党など野党からの間には、これが自民党の宣伝になり、野党が埋没してしまうと懸念する向きもあった。特に、代表選を無投票にしてしまった民主党には焦りも生じた。

しかし、自民党の勝手気ままなネオリベたちの馬鹿騒ぎを見ていて、「過ぎたるは及ばざるが如し」ということわざが頭に浮かんだ。せっかくの自党を宣伝するチャンスを自ら潰した民主党にも、なにやってるんだと思ったものだが、われもわれもと手を挙げて、苦しい国民生活のことなど全く顧慮しないで、大昔の郵政造反議員復党問題でいまだに程度の低いケンカをやっている自民党議員たちを見ていると、これなら無投票で麻生太郎を総裁に決めたほうが自民党にとってまだマシだったんじゃないかと思えてくる。

テレビの報道でも、昨日のTBS「サンデーモーニング」などは冷静そのものだった。今回の自民党総裁選は、経済問題が争点になっているが、国際関係には全く触れず、7候補全員が「日米同盟重視」(実際には対米隷従)の立場を取っているのでは、議論として偏っているのではないかと指摘されていた。寺島実郎が指摘していたのは、ここ数年でドルは対ユーロで7割ドル安になっているが、円も対ユーロ6割の円安になっていることで、日本経済はアメリカ経済に連動しているが、サブプライム問題などでそのリスクが大きくなっている、これまでの対米重視一辺倒から、日米関係を基軸としながらも、対中国、対ロシアなとどのつながりを深めていくように改めるべきだ、だがそうした議論は自民党総裁選ではなされない、いまやパラダイム変換が必要な時なのに、といったことだった。金子勝は、ちらっと再生エネルギー技術開発の必要性に触れたが、環境・エネルギー問題にも、テレビの「討論」で自民党総裁選のネオリベ候補者たちはほとんど言及しなかった。ただひたすら郵政造反議員復党問題でクダラナイ喧嘩をしていただけだったのだ。

自民党にはもはや政権担当能力はない。視聴者に与えたこの印象を、今後麻生太郎と与謝野馨が覆すことができるかが自民党の課題になるのだろうし、野党は、麻生vs与謝野の論戦(既に見たように、過激な新自由主義者たちは論外で、総裁選の圏外に去ったと見るべきだろう)に埋没しないように、政策をアピールしなければならない。内政の経済問題もさることながら、国際関係、環境エネルギー問題、教育問題などで自民党を圧倒する政策を提示すれば、総選挙は野党が有利になるだろう。


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NHKの世論調査で自民党が33.8%に上がり、民主党が18.4に下がってるみたいだけど、
あれを見ると、自民党の猿芝居でこれまでの庶民いじめの政策や福田の愚行を忘れて、簡単に自民党支持になるこの国の国民のレベルの低さに呆れます。

そして、選挙では自民党に投票して、選挙が終わって税金や社会保障費が上がると、また不支持になるんでしょう。
(選挙が終わってから不支持に回っても何の意味も無いのに)

2008.09.09 00:44 URL | のと #- [ 編集 ]

テレビ局による違法献金1日4.8億
一日あたり2時間、平均視聴率10%、単価10万円。(計算が間違ってたらごめんなさい。在京テレビ局ひとつにつきこれだけの金額になる。全国ではいくらになるのか見当もつかない。)宮崎県の「そのまんま」知事のテレビ露出をスポットCMに換算して経済効果いくらとか言ってる例のアレである。もしこれが合法ならば、JRが乗車券を配ったり、航空会社がチケットを配ったり、電気会社がメーターをはずしたり、銀行が札を配ったり、全部合法ぢゃないか。

2008.09.09 01:38 URL | foo #- [ 編集 ]

なんか、すごく同意します。
アメリカ大統領選挙でもないのに、大統領選挙っぽいプロパガンダ的盛り上げを図ることが「政治のダイナミズム」と勘違いしている政治輩みてると、「家族は大切だ!」と人前でぶってはいるが、自分の家庭が崩壊しているのに気づいていない教育関係者を見ているようです。彼ら憐れですね。

2008.09.09 08:37 URL | 歴史豚 #- [ 編集 ]













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2008.09.08 08:08 | 大津留公彦のブログ2

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