きまぐれな日々

自民党の総裁選は、麻生太郎、与謝野馨、小池百合子、石原伸晃の4氏に加え、棚橋泰文氏が出馬に意欲を見せている。棚橋氏が本当に出馬するかどうかはわからないが、他の4氏は、積極財政派、増税派各1名と過激な新自由主義者2名という色分けになる。

だが、今回は麻生太郎の圧勝が見えており、過激な新自由主義勢力から2人も出る意味はあまりわからないが、あえて解釈すると、特定の一人に「惨敗」のイメージを持たせないためだろうか。2人で負ければ怖くないというやつかもしれない。

それでなくても、竹中平蔵が「総裁選を盛り上げよ」と叫んでいる。竹中は過激な新自由主義者の元締めだ。新自由主義者が何を考えているかというと、最終的には麻生太郎の政策が「脱カイカク」に行かないように歯止めをかけることだろう。総裁選は麻生太郎の圧勝に決まっているが、それをせいぜいショーアップして盛り上がるだけ盛り上げ、総選挙での自民党の議席減を最小限に食い止めて、自公で過半数を確保し、選挙後に民主党に手を突っ込んで、同党の分裂を誘い、自公に民主党内の新自由主義勢力を含めた連立政権を新たに発足させる。そうなれば、麻生政権の政策も、現在唱えているよりも相当新自由主義寄りに修正がかかる。ざっとこういったあたりをたくらんでいるのではないか。

しょせんは出来レース。そんな白けた雰囲気が漂い始めたのを察知したのか、「報道ステーション」で古舘伊知郎が、自民党総裁選の報道が自民党の宣伝に利用されないように自戒しなければならないなどと、およそ古舘らしからぬことを言っていた(これを書きながら音声だけ聞いている「朝ズバッ!」でもみのもんたが同じようなことを言っていた)。

古舘というと、3年前の「郵政解散・総選挙」において、一方的にコイズミに肩入れし、国会議員を集めた討論会では、共産党議員による郵政民営化批判を司会者である古舘が遮るという暴挙に出たことがある。「報ステ」では、朝日新聞編集委員の加藤千洋までもが、雰囲気につられて、「コイズミさんの夢(郵政民営化)をかなえてあげたいですね」と発言したほどで、完全にコイズミ政権の宣伝機関と化していた。

だが、機を見るに敏な古舘は、今回は「自民党の宣伝にならないように」などと言う。過去の自らの悪行を棚に上げて何を言ってるんだ、と言いたいが、おそらくテレビ朝日のスタッフが取材していても市民の反応が悪くて、ここで自民党総裁選を大々的に騒いでも、視聴者のニーズと合わず、視聴率稼ぎにつながらないと感じているのではないだろうか。テレビ局が新自由主義の宣伝機関であるのはその通りなのだろうが、役者の質が悪くては、宣伝は功を奏さず、視聴率が下がってはテレビ局にとっては元も子もない。3年前の郵政解散・総選挙は、役者がコイズミだったから、新自由主義勢力は大勝利を手にした。今回は、コイズミは動かない。総裁選は麻生太郎の圧勝だ。麻生太郎の旧保守的主張(麻生自身は「旧保守」の代表者とは必ずしも言えないが)と他の3人の新自由主義的もしくは新保守主義的主張という狭い選択肢での「論戦」をブログでまともに取り上げて、宣伝に手を貸すことなど止めておきたいと思う。

そこで、当エントリの後半では、平沼赳夫を宣伝しておきたい。動機は、単に管理人のストレス解消のための趣味の「極右叩き」であり、それ以上でもそれ以下でもない。

ネット検索をしていたら、平沼の著書『政治武士道』が読めるサイトを見つけた。
http://books.google.co.jp/books?id=Es6U1BlJpzIC&printsec=frontcover&dq=%E5%B9%B3%E6%B2%BC%E8%B5%B3%E5%A4%AB+%E6%94%BF%E6%B2%BB%E6%AD%A6%E5%A3%AB%E9%81%93&as_brr=3&sig=ACfU3U3sxzVvh42YQh_oEax7LXtJDYPjdQ#PPP1,M1

平沼は、最初に衆院選に出馬した1976年には、9人の候補者中最下位の得票で供託金を没収される惨敗を喫したそうだが、中川一郎に認められて、3度目の選挙である1980年総選挙(衆参同日選挙で自民党が圧勝した選挙)で初当選を果たし、現在では選挙にめっぽう強い議員として知られるようになった。

そんな平沼だが、演説では「自主憲法制定」のことしか語らないほどのゴリゴリの右翼政治家だ。『政治武士道』ではこんなことを書いている。

 まだ落選時代に、中川(一郎)先生が応援のためわざわざ岡山まで来てくれました。私が演説していると、壇上にいる中川先生がたまりかねて、私を舞台のそでに引っ張ったのです。聴衆は何が起きたのかとキョトンとしています。するとあの剛腹な中川先生が「おまえは憲法のことしか言わないじゃないか。道路や橋のことももっと言いなさい。オレが来ているんだから」と言った出来事もありました。

(平沼赳夫著 『政治武士道』より)


よく、左翼言論が「憲法9条のことばかり言って社会保障のことは何も言わない」と批判されることがあるが、同様のことが右翼にも言えて、「憲法改正のことばかり言って公共事業のことは何も言わない」、平沼赳夫とはもともとそんな政治家だった。

日本国憲法は、アメリカの占領政策によって制定された「押しつけ憲法」だから、自主憲法を制定しなければならない(平沼は、「憲法改正」とは呼ばず、「自主憲法制定」と呼ぶことにしていると、著書でも力説している)。そんな主張の平沼には、もともと反米に傾く素地があった。

だからコイズミとは肌が合わない。小渕が勝った自民党総裁選では、平沼はコイズミと同じ三塚派(現町村派)に属していたが、平沼は総裁選に立ったコイズミを裏切り、小渕政権成立に大いに協力したことがある。

平沼は郵政民営化に反対して、3年前、コイズミによって自民党を叩き出されたのだが、当時反米右翼の言論人として頭角を現してきた関岡英之と結託することによって、一転して一部から「反新自由主義の雄」として担ぎ上げられることになった。だが、平沼自身は、既に見たように経済問題には何の興味もなく、憲法改正のことしか頭にない政治家なのである。

こんな平沼を、新自由主義反対を叫ぶ一部の人たちが祭り上げているのだが(実際には、平沼の子分である城内実を担ぎ上げているのだが、実質的に平沼を担ぎ上げているのと同じことだ)、私などは真に「偽装CHANGE勢力」といえるのは平沼一派ではなかろうかと思っている。

いや、おそらく平沼自身は「担ぎ上げてくれ」と頼んだことはなく、周りが勝手に担ぎ上げただけの話なのだろう。それにしても、「九条の会」に参加する「護憲」の人たちが、「反貧困」を叫んで「9条護憲と25条護憲の共闘」を主張しながら、憲法改正しか頭にない人たちが集まろうとしている政治勢力に肩入れするとは、なんという喜劇だろうか?

現実的には、麻生太郎政権が成立してしまえば、「HANAの会」つながりの平沼赳夫が新党を結成する可能性は相当低くなるし、kechackさんがしばしば指摘するように、平沼云々の議論は、ネット限定のローカルなものだが、当ブログもまたプライベートな性格を強く持つものであり(なんたって「私闘論理派」だからね)、時々平沼赳夫をぶっ叩いておかないとストレスが解消できないのである。読者の方々のご容赦をお願いしたい(笑)。


#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。

↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。
FC2ブログランキング

関連記事
スポンサーサイト

 残念ながら警戒心のかけらもない放送局。或いは意図的に宣伝活動に協力している放送局もあるような気もしますが。

2008.09.05 08:38 URL | kechack #1/Y8RI0s [ 編集 ]

総裁選の顔ぶれはまさに『百鬼夜行』。
マスコミがいくら距離を置こうとしても、
必ずしも関心が民主党には向いてませんね。
というか民主党もこのタイミングでもアピールしきれてないのは歯がゆい。
「目くらまし合戦を仕掛けろ!」は論外としても、
何かしら政策を出しておかないと「政権交代、生活が第一は口先だけ」となりかねません。

2008.09.05 21:47 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]













管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/727-024c6c67