きまぐれな日々

臨時国会の召集時期をめぐって、自民党は8月下旬、公明党は9月下旬を主張し、福田首相がその間をとって(?) 9月中旬と言ったら、民主党の代表選とバッティングするとかで民主党が文句を言い出した。

その民主党の代表選だが、小沢一郎代表に対抗馬を出す動きが出ると、それに対する激しい批判が出るのは理解に苦しむ。以前、出馬を検討するとしていた枝野幸男氏は、前原誠司氏らが属する「凌雲会」に属しているため「前原・枝野派」などと称されることもあるが、枝野氏は菅直人氏が主宰する「国のかたち研究会」にも属しているし、社民党の辻元清美氏ともパイプを持っている。枝野氏出馬の話はいつの間にか聞かれなくなってしまったが、仮に出馬して敗れたところで、それが民主党の分裂につながるなどということはあり得なかった。

出馬するかどうか揺れ動いたのは野田佳彦氏だが、産経新聞の報道(下記URL)などを見ていると、どうやら野田氏も出馬を見送らざるを得ない情勢のようだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080822/stt0808220200000-n1.htm

産経の記事によると、野田氏自身のほか、野田グループの馬淵澄夫、武正公一、近藤洋介各衆院議員らが野田氏の出馬に意欲を見せたのに対し、有力幹部の松本剛明前政調会長らが慎重論を唱え、結局グループだけでは立候補に必要な推薦人を集めきれない見通しになり、積極派は前原グループから推薦人に加わってもらうことを検討したものの、積極派の中からさえ、「小沢氏とかなりの距離を置く前原グループから多くの推薦人を出してもらうと、小沢執行部と決定的に対決すると党内でみられてしまう」とのためらいが生じて、出馬を見送ることになるのだという。

外野では、朝日・毎日を含む各紙が、民主党に代表選の実施を求める一方で、小沢一郎代表への対抗馬として出馬の動きが出るだけで、「党内の結束を乱す」、「自公政権を助ける」、果ては「自公政権が非自公票の受け皿として偽装CHANGE勢力を用意する」などと言い出す人たちがいて、心からうんざりする。

そういう人たちは、結局小沢一郎氏に全権を委任せよ、と言っているのだろうが、昨年の「大連立騒動」を思えば、小沢氏への全権委任は、大きなリスクを伴うと私は思うのだが、そのリスクへの評価はなぜかまともになされることはない。

確かに、現在の政局はもはや「大連立」に向かう方向性は消えているように見えるが、小沢一郎氏には『世界』の昨年11月号で主張したISAF派兵論などに見られる、日本を「普通の国」にしようとする、90年代以来の思想も残っている。私はやはり民主党の代表選には、誰か対抗馬が立って議論が行われるほうがよかったのではないかと思うのである。

もちろん、民主党の議員たちからしてみれば、政権奪取が目前に迫って、ここで敗北必至の立候補をしたり、その推薦人に名を連ねたりすると、新政権ができても大臣になれなかったりグループが冷遇されるのを恐れる、そんな気持ちが強いのだろうけれど。それでも、もっと小沢一郎路線に対する議論があっても良いように思う。

私がいうのは、田原総一朗が主張するような、新自由主義側からの対抗言論ではなくて、左派側からの対抗言論なのだが、左派は早々と小沢一郎支持を打ち出した。正直言って、その時点で私は民主党の代表選への関心が薄れてしまっている。だが、議論はないよりあったほうが良いに決まっている。

論点はいくつもあって、景気対策、貧困問題、外交・安全保障問題、地域の活性化、環境・エネルギー問題などだ。それらのうち、環境・エネルギー問題について、敵側(笑)の雑誌である『潮』の北欧特集を読んで興味を持ち、再生可能エネルギーの開発推進について論陣を張ろうとし始めたところに、「地球温暖化陰謀論」なる障害物にぶち当たってしまって、それへの批判にいくつかのエントリを費やす羽目に陥った。

当ブログは、温室効果ガスによって地球温暖化が進んでいる可能性が高く、それらが地球環境に不可逆的な変化さえもたらす可能性さえあると指摘されている現状に対して、「地球温暖化仮説」を前提とした対策を講じることは当然であると考える。また、再生可能エネルギーの開発を推進する政策を打ち出すためには、多額の税金を投入する必要があるが、産業を興し、雇用を生み出すことができるので、確実な見返りが期待できる税金の使い道だと思う。そしてこういう政策は、「小さな政府」を主張する自民党の新自由主義勢力にも、原子力発電業界とどっぷり癒着した旧保守勢力にも打ち出せない。つまり、「非自公政権」の目玉にできる政策なのではないかと思うのだが、「リベラル・左派系」ブログが大々的に「地球温暖化陰謀論」を宣伝しているようでは、味方の足を引っ張るようなものだ。そんな陰謀論を撒き散らすブログを読むくらいなら、環境・エネルギー問題に力を入れると宣言して、定期的にこの問題に関する社説を掲載している朝日新聞を読む方がよほどましだと思うのだが、こんなことを書くと、大新聞に媚びを売る体制側の言論だ、などと言い出す人がいる。そういう人たちがやっているブログなど、しょせん「反体制運動ごっこ」のお遊びに過ぎないと私は思うのだが、いかがだろうか。

最終的には、国民生活をよくする方向にもっていくために、1日の訪問者数が2000人そこそこのブログであっても声をあげることは決して無駄ではないと考えている。訪問者数2000人のブログが、別の訪問者数2000人のブログに影響を与えて、賛意を表するエントリが掲載されれば、両方のブログを読む人が500人いると仮定しても、3500人の読者に記事が読まれることになる。もし、説得力のある意見であれば、ネットを介して広められていき、ある時多数派になる可能性だってあるだろう。

もちろん、私が書いているのは、新聞、雑誌、書籍などの引用・紹介が主であって、オリジナルの意見などでは全くないのだが、その道の専門家たちが練り上げてきたものに対抗して、ど素人のブロガーがそうそう簡単に新機軸を打ち出せるはずもない。

できるのは、世の中にある言説から、良いと思われるものを取捨選択し、それを広めていくことだ。革命家を夢想してブログで荒唐無稽な記事を書いたところで、そんなものはそのうち自然淘汰されていくだけだろう。


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反知性派ラジオ屋です。
「犬の気持ち」とか「猫の気持ち」と言う雑誌がありますが、ここは「野田の気持ち」とか「枝野の気持ち」になって見てはと提案する次第です。どのブログを見ても週刊誌的推測の域を出てはいません。どうせ推測するのなら自由な発想で書いてみても別段責任を問われる事もない訳なのに、どのブログも「踏み込み」が足りないのではないでしょうか。大風呂敷でもいいから大胆な発想を求めたいですね。読者は別に情報の精度を求めてばかりはいません。コイズミ新党などと言う馬鹿を言う雑誌もあるのですから。

さて、ブログ主さんの言われる通り小沢氏には未だ「大連立の夢」覚めやらずの感があります。そこで確かに党首選は建前上必要ではあります。しかしこれで選挙実施ともなれば推薦人の名簿があらわになります。そして投票結果が即ち「反小沢」の数として明確になります。一旦はそこで選挙は終わり小沢氏の勝利は動かず淡々と解散総選挙を待つ事となるでしょう。そこで考えられるのは総選挙は民主大勝の趨勢ですから、小沢氏が「反小沢」を切って捨て「大」ではなく「中」連立を目指したりすればと考えるのは突飛でしょうか?大勝利の後だけに公明党との連立解消も自民党に要求できます。即ち「元の木阿弥・純自民」の復活となるシナリオだって描けます。公明を切らなければ連立せずも良し、切って連立すれば選挙のパワーはもうない旧自民党ですから古い議員に引導を渡しつつ実権は握れます。「王手飛車」と言う奴ですか。

臨戦態勢の議員には政策や理念は後回しが常道ですから、枝野・野田両氏が「手を下ろす」のも解らないでもありません。小沢氏は常に「政党は道具」と言っているように、そこを知り抜いている執行部は「当面小沢」の線でいるのは当然かと思います。「喧嘩は自民を倒してからすればいい」とでも説得されたのかも知れないですね。

すみません「小沢の気持ち」になってしまいました・・・(笑

2008.08.22 15:13 URL | 秀太郎 #- [ 編集 ]

私は社民主義は完全に過去の遺物だと見放された状況からようやく若干見直されつつある段階で、国民の支持を得るには相当な力不足だと認識しております。民主党左派の議員が社民主義的な政策で代表戦に打って出るのは3年早いと思います。
 ちなみに野田議員は歴史認識的にはかなり右ですけど。それでも歓迎ですか?

2008.08.22 18:20 URL | kechack #1/Y8RI0s [ 編集 ]

秀太郎さん、

> 小沢氏が「反小沢」を切って捨て「大」ではなく「中」連立を目指したりすればと考えるのは突飛でしょうか?

それは、突飛でも何でもなく、「大連立」が頓挫した頃から、「大連立がだめなら小沢一郎は中連立を目指すだろう」などと、それこそ週刊誌でさんざん書き立てられてきたことです。

でも、それは全然現実化していません。

2008.08.23 00:50 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

kechackさん、

確かに民主党内の社民主義勢力の主張は、まだまだ多くの人の支持を獲ているとは言えませんが、この段階から代表選に打って出るくらいの意気込みなくして、将来的にせよ多数を形成することなどできないと思います。

> ちなみに野田議員は歴史認識的にはかなり右ですけど。それでも歓迎ですか?

全然歓迎じゃありませんけど、羊の皮をかぶった狼をやられるくらいなら、政策論争をしてほしいものだと思います。

本当はネオコンないしネオリベなのに、リベラルの皮をかぶっているとしたら、それこそ「偽装CHANGE」勢力だとのそしりは免れませんよね。

2008.08.23 00:55 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

というのが率直な印象です。党の活力が政策論争にあるのは間違いないと思います。自民党が長期間政権を担当できたのは、総裁選を通じての権力闘争があったからに他なりません。

小沢代表に匹敵する人物がいないと思われることも民主党の今後にとっては深刻な問題です。

野田氏については党首の器ではないように感じてしまいます。永田メール問題の泥沼化や地元千葉4区で接戦を演じていることを考えると、選挙に強い人物ではありません。

個人的には、徳島1区の仙谷由人氏や福島3区の玄葉光一朗氏などは党首として向いている人だと考えます。

もし、前原氏が代表選挙に出馬しないならば、安易な党批判した人格を疑われることになるでしょう。

2008.08.23 01:49 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

はじめまして 初めてのコメントです。
全然政治の世界を知らないオバサンです。
が小沢さんこそ、自民党の中の自民党だと信じてる私にとりましては民主党と自民党は同じに見えます。
そんくらいしか分からないのです。ごめんなさい。
毎日楽しみにブログを読まさせてもらってます。

2008.08.23 06:42 URL | kuzu #- [ 編集 ]

葉隠さん、

コメントどうもありがとうございます。
ところで、当ブログのテンプレートのせいで、コメントのタイトルが表示されません。
葉隠さんのコメントのタイトルは、「小沢氏以外で総選挙は勝てるのか?」となっていて、これが「というのが率直な印象です」につながるんですね。

野田佳彦氏が党首の器でないというのは私も同感で、あの永田メール騒動の時に、前原誠司氏ともども醜態をさらしたことは私もよく覚えています。政治思想的スタンスが右寄りであることも承知しています。

私は、平岡秀夫氏とか長妻昭氏あたりが立てばよかったんじゃないかと思いますが、彼らは時期尚早だと思ったのかもしれませんね。菅直人氏も、自民党の麻生太郎同様、小沢一郎氏からの政権禅譲を期待するなどのスケベ心があるんじゃないかという気もします...

2008.08.23 07:08 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

kuzuさん、はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

> 小沢さんこそ、自民党の中の自民党だと信じてる私にとりましては民主党と自民党は同じに見えます。

90年代初め頃のことを覚えておられる方にとっとは、当然の感覚だと思います。

あの頃、小沢一郎氏というと、竹下登、金丸信両氏とともに「金竹小」(こんちくしょう)と呼ばれて、毎日のように朝日新聞夕刊のコラム「素粒子」あたりに叩かれていました。旧来自民党の象徴扱いでした。

それが、93年頃の「政治改革」議論の時に、いきなり「改革派」扱いされるようになってしまって、こりゃいったいどうなってるんだ?と訝ったものですが、そんな感覚を覚えている人は、「政治ブログ」の世界にもほとんどいなくなってしまったようで、浦島太郎気分に襲われることも珍しくありません。

2008.08.23 07:14 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

管理人さんありがとうごさいます。

長妻氏や平岡氏などは、私からするとじっくり実績を積んで頂きたい方ですね。
ちょっと、有名だから担ごうという虫の良い心理は、あの悪夢の郵政選挙と何ら精神的な構造は変わりません。

私の地元である北海道は、何ら小泉改革の嘘に惑わされずに
(前回総選挙において)小選挙区議席増加に成功した地域です。 労働組合が強いから勝てたのではありません。こまめに地道な活動をしてきた結果になりません。

参院選での一人区圧勝も小沢代表が政策を何度も現地入りし、説明して勝ち取った勝利なのです。 だからこそ、安易に小沢代表を批判する輩が許せないのです。

中央では無名かも知れませんが、北海道4区選出の鉢呂吉雄氏(民主党道連会長)は北海道完勝の立役者の人物です。新党大地 の鈴木代表との連携には欠かせない人でもあります。
将来、党首になって頂きたい一番の人物だと考えます。

西日本の議員は、思想的に遥かに連携しやすい橋本大二郎氏との折衝に走らないのか理解できませんね。平沼氏よりは遥かにインパクトのある連携に思えるのですが…

2008.08.23 23:26 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]

 まあ野田佳彦議員は保守的な思想も隠していないし、リベラル派と自称してもいないので、あり得るとしたら有権者の勘違いでしょうか。
 民主党は最近ようやく新人候補者の中でも社民寄りの考えの人が出てきましたね。一時は松下政経塾と小沢スクール出身者ばかりだったのですが…
 旧社会党出身以外でリベラルの会などの護憲グループが育ってきているので、この辺が力を持つのを暫く見守るべきでしょう。
 あとは正面切って高福祉高負担を謡うのか、現状受け入れられやすい中福祉中負担でいくのか論点整理が必要でしょう。

2008.08.25 03:19 URL | kechack #1/Y8RI0s [ 編集 ]

地球温暖化陰謀論って今の大量消費社会をそのままにしておきたい人が主張してるんだと思ってましたが…それを環境問題に取り組むエネルギーがあまりなく、しかし罪悪感は感じてしまう人たちが、自分が何もしないことを正当化するために支持するのだと…そうではなかったんでしょうか…?

2008.08.25 15:20 URL | MT-TM #T/SfmGl6 [ 編集 ]

小沢さんはまだ裁判で黒になった訳ではない、むしろ白になる可能性の方が大きくなってきた、マスコミの報道で国民は勘違いさせられているのだと思う、その人が実力が有り日本の国を大きくしてくれるのなら、少しぐらい許すことが大事だと思う、中国(毛沢東の言葉?)のことわざに個人の大きな問題は小さく国の問題は小さい事も大きくとことが有る、その人を3億円のことで潰したら日本のこれからの3000…兆円をなくすかもしれない… 小沢排除の人間は小沢さんがいると目立たない(上に行けない)人間だと思う…

2011.08.30 21:50 URL | 小沢で何が悪い☆ #- [ 編集 ]













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