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きまぐれな日々

2日続けて不愉快な櫻井よしこの暴言を取り上げ、ブログへのアクセス数は増えたが、何しろ櫻井の暴言が暴言だけに、精神衛生上は全くよろしくない。そこで、今日は北京オリンピックの話題を取り上げたい。

今回の北京五輪は、日本チームにとってハードラックが続く。福田内閣になってかなり改善されたとはいえ、コイズミ時代の冷え切った日中関係の後遺症はまだまだある。先日、中国側による「なでしこジャパンに中国の観衆から声援が送られた」という報道をご紹介したが、それには多分に外交辞令が含まれていたかもしれない。実際には、日本チームの選手たちはかなりのアウェーの雰囲気で競技をしているようだ。

そのプレッシャーからか、男子サッカーは開幕から連敗し、早々と予選落ち。日本チームが獲得した金メダル3個は、いずれもアテネ五輪で優勝した選手の連覇だ。そして、その連覇がもっとも期待されていた選手の一人である女子マラソンの野口みずき選手が、左太もも裏の怪我で欠場することになってしまった。

1992年のバルセロナ五輪における有森裕子選手の銀メダル以来、日本選手はこの種目をお家芸にしていて、96年のアトランタでは同じ有森が銅、2000年のシドニーでは高橋尚子が金、そして前回、2004年のアテネでは野口みずきが金と、4大会連続のメダル獲得、2大会連続の優勝をなしとげている。今回も、野口選手は金メダル候補の最右翼といわれていただけに、欠場はとても残念だ。酷暑の北京でのマラソンに出場すれば、選手生命を失いかねないとのことで、欠場の結論に至ったとのことだが、野口選手の心中を察するに余りあるものがある。

過去4大会の女子マラソンは、いずれもドラマチックなレースで、有森、高橋、野口3選手の個性がとてもよく出ていて、いずれ劣らぬ素晴らしいものだった。有森の場合は、本人が「初めて自分で自分をほめたいと思います」と語ったアトランタより、果敢にエゴロワを追ったバルセロナの方が印象深い。あのレースでは、エゴロワが抜け出し、2位集団が互いに牽制し合うジリジリするような展開だった。その中から有森が果敢に抜け出してエゴロワを追い、はるか引き離されていたエゴロワをとらえた。最後の最後に再度エゴロワに突き放されたが、有森の勇気は実に素晴らしかった。あれは確か有森と同じ岡山県人の人見絹江以来、64年ぶりの女子陸上選手のメダルだったはずだ。有森はアトランタでも同じパターンでファツマ・ロバを追ったが、今度ははるか及ばなかった。しかし、2大会連続のメダルはお見事だった。

シドニーでの高橋尚子の金メダルについては、いまさら贅言を費やす必要はないだろう。あの頃の高橋は、世界最強の女子マラソン走者だった。彼女がひとたびスパートをかけると、誰もついていけなかった。見ている方にとっては痛快だが、あれをやられたライバル選手にとっては大きなショックになるそうだ。そんなショックをはね返したのが、今回2大会連続で出場する土佐礼子で、彼女は2000年のシドニー五輪選考会となった名古屋マラソンで高橋のスパートについていけずに完敗したが、2004年の同じ名古屋で、選考する選手をとらえて逆転優勝し、アテネ五輪代表の座をつかんだ。この大会で土佐が勝てなければ高橋が代表に選出されると見られていたが、土佐の優勝によって高橋は選から漏れた。そして、今年の名古屋マラソンに高橋は出場したが惨敗し、野口、土佐に続く3人目の北京五輪代表になることはできなかった(優勝した中村友梨香が代表に選出)。時代の流れである。

4年前のアテネは酷暑のレースで、野口みずきのスパートに、世界記録保持者のポーラ・ラドクリフらがついていけず、ラドクリフは悔し涙を流しながら途中棄権した。これは、イギリスのファンに大きなショックを与えたそうで、掲示板には野口みずきを誹謗中傷する書き込みが現れたと聞いた。日本でも、高橋尚子の熱狂的なファンが2ちゃんねるなどで野口を誹謗中傷していたから、そういう意味でも野口は不運な選手だ。かつて所属していた企業があこぎな商売で悪名高かった影響もあるようだ。

しかし、アテネ五輪の過酷なレースを制した野口みずきは素晴らしかったし、今回も同様に過酷な条件といわれており、野口にはうってつけだなと私は思っていて、当然ながら金メダルを期待していた。それだけに、欠場は本当に残念だ。女子マラソンに出場する日本選手は、土佐礼子と中村友梨香の2選手になったが、2人の活躍に期待したい。また、野口みずき選手には、焦らずじっくり怪我を治して、2012年のロンドン五輪を目指して頑張ってほしい。

北京五輪の女子マラソンは、17日日曜日の午前7時半(日本時間で同8時半)から行われる。当初15日金曜日に予定されていたが、日本のテレビ局の圧力によって、日程が変更されたといういきさつがあるそうだ。地上波では日本テレビが中継する。ふだんなら「サンデーモーニング」(TBS)、「日曜討論」(NHK)、「サンデープロジェクト」(テレビ朝日)などを見る時間帯だが、私はおそらくチャンネルを切り替えながら両方見ることになるだろう。

ところで、個人的には、前回のアテネ五輪でもっとも印象に残ったのは、卓球の福原愛とミャオミャオ(オーストラリア)の試合だった。ミャオミャオは漢字で苗苗と書き、中国出身の選手だが、オーストラリア代表で出場した。福原は1回戦はシードで、これが2回戦、福原の方が格上だったが、試合はミャオミャオが2ゲームを連取して第3ゲームもリード。ところがそこから福原が逆転で第3ゲームを取ると、第5ゲームまで3ゲームを連取。一気に勝つかと思われたが、第6ゲームはミャオミャオが奪い返してタイ。そして、最終の第7ゲームも大接戦となった末、福原が辛うじて勝った。私が見ていたのはNHK-BSだったかの録画で、手に汗を握りながら見ていた。実はその時にはとっくに結果が出ていたのだが、幸い結果を知らなかったので試合を存分に楽しめた。テレビ東京が行った生中継は、福原が2ゲーム取られてピンチの状態から始まり、30分程度放映し、試合が終わらないまま番組は終了したそうだ。

この試合で負けたミャオミャオだが、容姿やプレースタイルが日本人ファンの心をつかんで、2ちゃんねるにミャオミャオのスレッドが立つなど、大人気となった。あげくの果てには、ミャオミャオが飛行機の中で酔っ払って暴行に及んで逮捕されたというデマが飛び交い、ネット上でバカバカしい騒ぎが展開された。あの頃は、まだ「政治の季節」になる前で、そんなバカ騒ぎに興じることができた。

勝った福原は、次に格上とされていた米国のガオジュンと対戦した。ガオジュンも漢字で高軍と書く中国出身の選手で、2ちゃんねるでは「ガオガオ」と呼ばれていた(笑)。強敵とされていたこの選手との対戦では、一転して福原は4-0のストレート勝ちを収めた。しかし福原はベスト8をかけた4回戦で韓国の金暻娥に敗れ、入賞はならなかった。

今回の北京五輪にもミャオミャオとガオジュンは出場するそうだ。ミャオミャオやガオジュンにとっては、他国の代表として母国に帰ってきた今回の大会は、特別に感慨深いものだろう。そして福原愛は、コイズミ政権下での日中関係が冷え込んだ時代に中国に渡り、中国での人気も高いと聞く。だからこそ、北京五輪でも旗手に選ばれた。その福原は、世界ランキング12位だそうだが、抽選の結果、3回戦からの出場となり、これに勝てば4回戦で世界ランキング1位のでアテネ五輪単複の覇者・張怡寧(中国)と対戦する組み合わせとなったそうだ(下記URLの毎日新聞記事による)。
http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20080812k0000m050095000c.html

なんともハードラックだが、健闘を期待したい。卓球は今日13日から団体戦、18日からシングルスが始まる。女子シングルスの3回戦は20日、4回戦は21日に行われる予定だそうだ。時間帯が悪くて生中継は見られそうにないのが残念ではある。


[追記] (2008.8.14)

福原愛とミャオミャオは、北京五輪でも日本対オーストラリアの団体戦で対戦した。団体戦のシングルスは5セットマッチだが、またしても両者相譲らぬ熱戦の末、11-9, 9-11, 11-9, 6-11, 11-4のゲームカウント3-2で、福原がミャオミャオを破った。しかし、オーストラリアも日本も予選で韓国に敗れ、オーストラリアは予選落ち、日本は3位決定トーナメントに回ることになった。福原はオーストラリア戦でミャオミャオに辛勝したものの、シングルスではスペイン戦で1勝1敗、韓国戦で1敗の計2勝2敗で、調子が上がらないようである。一方のミャオミャオは団体戦のシングルスでは1勝もできず3連敗に終わった。


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