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きまぐれな日々

2008年8月8日と「8」の3つ並んだ日。日本でも「八」は末広がりというが、中国でも縁起の良い数字だそうで、それで現地時間の今日午後8時8分に開会式が行われる。

コイズミ内閣の頃は中国の対日感情は最悪だった。しかし、本来強烈な「反中」論者である安倍晋三は、サプライズ効果を狙ったか就任早々中国を訪問した。さらに、福田康夫政権になって、対中関係に配慮した外交をするようになった。これは、右翼からは「媚中」として強く批判されているが、中国の対日感情はコイズミの頃と比較するとずいぶん改善された。私が話したことのある在日の中国人も、福田首相に好感を持っている一方、コイズミを蛇蝎のごとく嫌っていた。

すでに競技の始まっている北京五輪の女子サッカーでも、「なでしこジャパン」に中国の観客から声援が送られたそうだ。歓迎すべきことだ。
http://www.excite.co.jp/News/china/20080806/Searchina_20080806094.html

しかし、日本では未だに「反中」コイズミの人気は非常に高く、「親中」福田康夫の人気は低い。そして、毒入り餃子事件やチベット騒乱の影響もあって、日本人の対中感情は相変わらず悪いままだ。

「リベラル・左派」の人たちの間でも、中国の印象はあまり良くなく、中には「中国で五輪を開催すること自体間違っている」という人もいるし、そういう意見を表明するブログもある。

しかし、そんなことを言い出したら、イラクやアフガンで悪逆非道の限りを尽くしたアメリカや、そのアメリカの「犬」として積極的に協力した日本での五輪開催も認められるべきではないことになる。

さて、昨日のエントリで、『広島瀬戸内新聞ニュース』平和記念式の記事にリンクを張って紹介し、エントリの後半でポピュリズムについて論じたら、同ブログから「ポピュリズムの系譜と今後への教訓」と題した記事をTBしていただいた。

同記事は、ポピュリズムの開祖は中曽根康弘ではないかという。なるほどと思った。厳密には、政権側でのポピュリズムの開祖というべきではないかと思う。

中曽根の親友である渡邉恒雄(ナベツネ)に『ポピュリズム批判』(博文館新社、1999年)という著書があることからもわかるように、コイズミ政権発足以前は、「ポピュリズム」批判は主に右派の論者が政権批判側を逆批判するのに用いられた。ナベツネは、旧社会党や現在の民主党、それに朝日新聞などを批判する時に、よく「ポピュリズム」の言葉を持ち出したが、一度石原慎太郎に対しても「ポピュリズム」批判をしたこともあった(2000年の外形標準課税の際)。

ともあれ、従来政権擁護側から用いられてきた「ポピュリズム」という言葉が、政権を批判するために用いられるようになったのは、コイズミ政権からだ。しかし、政権側のポピュリズムの始祖は中曽根康弘だ、というさとうさんの指摘は実に面白いし、的を射ていると思う。

彼(中曽根康弘)は国鉄を民営化さえすればすべてが解決するような雰囲気をかもし出しました。国鉄職員をバッシングの対象にした。

という実例を挙げた指摘は鋭い。

中曽根康弘は、日本における新自由主義の開祖でもある。ここから、新自由主義はポピュリズムと分かちがたく結びついているという仮説を思いつく。本当は、階級を固定化し、格差を広げるためのプロジェクトである新自由主義が、国民を騙してそのような方向に社会を持っていくための人気取りをすると考えるのだ。

個々の政策を捨象して、一律にレッテル張りし、「**さえすればよくなる」「**さえやっつければよくなる」というのは乱暴な話です。

とさとうさんは書くが、そういえば今日8月8日はあの忌まわしい「郵政解散」の日でもある。あの「郵政総選挙」ほどポピュリズムの本質をむき出しにした選挙はなかった。「郵政民営化さえすればよくなる」「抵抗勢力さえやっつければ良くなる」とコイズミは絶叫し、それを国民は熱狂的に支持した。今思い出しても悪夢のようだ。そして、そのあげくに現実のものとなったのが、戦後最悪の格差社会と貧困なのである。

もっとも、「自公政権さえ倒せば日本は良くなる」、「たんぽぽさえいなくなれば平和になる」、「諸悪の根源はユダヤだ」などというのも、コイズミと同質のポピュリズムなので注意が必要だ。昨年の参院選前までのように、敵が巨大で、安倍晋三というネオリベとネオコンの象徴のような男がその頂点にいた頃は、コイズミや安倍の問題点を指摘して批判する、あるいは単に「安倍打倒」「野党共闘」などのスローガンを連呼することにも意味があったが、現在はもはや、民主党を中心とした野党連合が政権を握ることを前提とした議論をしなければならない段階だ。民主党にも経団連はかなり深く食い込んでいるので、市民の側からも民主党に対して、経団連とは逆方向の圧力をかける必要があると思う。

五輪の話からずいぶん脱線してしまった。当ブログ管理人も、かつてほどではないが、4年に一度の五輪中継を見るのを楽しみにしている。来週後半からは当ブログも夏休みをとる予定だ。皆さまも、「北京五輪なんて」などと言わず、たまには五輪中継を観て気分転換をされてはいかがだろうか。


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なでしこジャパンに中国の観客が声援おくったんですかあ?
きのうの男子は中国人は露骨にみんなアメリカを応援して日本チームは完全アウェー状態だったそうです。

2008.08.08 09:52 URL | 茶々丸 #q7EjBrqg [ 編集 ]













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