きまぐれな日々

平沼赳夫が、5月11日にフジテレビ系『報道2001』に出演し、激烈な反中プロパガンダや下品な陰謀論を口にしたのを見て呆れたことは、5月12日付エントリ「タカ派政治家の劣化?中曽根康弘と平沼赳夫の激しい落差」に書いたし、当ブログはその後も何度か平沼赳夫批判を行ってきた。

昨日のエントリで取り上げた雑誌『Voice』7月号には、「「平沼新党」勝負のとき」と題された平沼赳夫と関岡英之の対談が出ている。この記事は、ネットでも読むことができる。
http://news.goo.ne.jp/article/php/politics/php-20080609-01.html

平沼の対談相手である関岡英之は、『拒否できない日本』(文春新書、2004年)で一躍脚光を浴びた人で、「年次改革要望書」のプログラムに沿って、日本が新自由主義「カイカク」をアメリカに行わされているという仮説を提起した。このため、反新自由主義を唱える人の一部から神のように崇め奉られているが、関岡は同時に強烈な民族主義を唱える右翼でもある。関岡が平沼赳夫や城内実を盛んに持ち上げるのもむべなるかな、といったところだ。

対談冒頭で、5月11日の『報道2001』の平沼の出演および『月刊日本』5月号に掲載された平沼の記事を、5月12日の『産経新聞』が一面トップで取り上げたことを関岡が紹介している。つまり、今後平沼新党が結成されたあかつきには、産経新聞がこれを全面的にバックアップすることが予想されるということだ。

当ブログは平沼や関岡とは思想信条が異なるので、その論旨を紹介したりはしないが、対談の後半で2人は政局を語っている。
http://news.goo.ne.jp/article/php/politics/php-20080609-04.html

以下引用する。

積極論で日本の政治をリードしたい

関岡 さて政局の話になりますが、私はふだん永田町に出入りしているわけでもない政治のド素人ですが、庶民の直感で申しますと、日本の保守政治はいま、派閥や政党の枠を超えて3つの極に収斂しようとしているように見えます。

1つは小泉純一郎さんとか小池百合子さん、あるいは民主党の前原誠司さんなど、アメリカ的な市場原理を信奉する新自由主義派ですね。政策新人類といわれた塩崎恭久さんや渡辺喜美さんなどもイデオロギー的に近いのかなと思います。

もう一方は加藤紘一さんや山崎拓さん、民主党の仙谷由人さんなど「ラーの会」ですね。親中リベラルという立場では古賀誠さんや二階俊博さんや公明党も近いように思えます。そもそも保守と呼べるかどうかも疑問ですが。

平沼 北朝鮮に対してもこのグループは、圧力より対話、と非常に迎合的です。

関岡 小泉グループはアメリカの軍事力と資本力に頼ろうとする傾向が認められ、加藤・山崎グループは中国、韓国・北朝鮮との結びつきやそのマンパワーに頼ろうとする傾向を感じます。新自由主義とリベラルはイデオロギー的には正反対ですが、どちらも日本の自立を志向するのではなく、外国頼みという点では違いがないように思います。

その、どちらにも飽き足りない、どうしても保守の第三極が必要だと感じている国民が、とりわけ草の根の保守層に増えているように感じます。その衆望を浴びているのが日本の主権と伝統を重んじる平沼さん、麻生太郎さん、中川昭一さん、安倍晋三さん、4人のイニシャルから付けられた「HANAの会」で、日本を再生してくれる真の保守政治家として国民が期待しているように思うのです。

(月刊『Voice』 2008年7月号掲載 「「平沼新党」勝負のとき」より)


ここで平沼と関岡は、現在の保守勢力を、新自由主義勢力(親米派)、親中リベラル、「真の保守」の3つに分け、自分たち「真の保守」が草の根保守層に求められていると主張している。「草の根保守」というと、ここに名前は出てこないが、先日収監された村上正邦の名前がただちに思い浮かぶ。反新自由主義を標榜するブログでは、「喜八ログ」が彼らを熱心に支持する記事をよく公開しているようだ。

私などは、ついこの間まで「タカ派」といわれていた山崎拓が「親中リベラル」に分類されるなんて、と頭がクラクラするし、対談で言及されている「HANAの会」の平沼赳夫、麻生太郎、中川昭一、安倍晋三の4人など、日本を代表するトンでもない極右政治家だと認識している。

平沼や関岡が「親中リベラル」として、「中国・韓国・北朝鮮との結びつきやそのマンパワーに頼ろうとする傾向を持つ」と批判する人たちは、単にあまりに対米一辺倒の外交を改めて、アジア重視を打ち出しているだけだし、福田首相もその線に沿った政治家だと思うのだが、国粋的な平沼や関岡にはそうは思えないらしい。

私は、次の総選挙で自公と民主党がともに過半数をとれない場合、政権を攻勢する組み合わせとしては、平沼らが「親中リベラル」と批判する、実際には全方位外交を目指す人たちと民主党・社民党・国民新党の組み合わせがもっともましだと思う。それに対して民主党と「平沼新党」の組み合わせになったのでは、社民党の政権への参加は望めず、現在の福田政権よりタカ派姿勢(改憲指向)がかえって強まり、きわめて危険であると考える。

よく、「リベラル・左派は割れてはならない」などと言う人がいるが、自公政権が末期症状を呈している現在、次の政権のあり方については、人それぞれ意見が違って当たり前だ。ガンガン意見をぶつけ合っても良いのではないか。

「連合赤軍も殺し合いを始める前には激しい議論をしていたみたいだ」などと揶揄して、議論を避けて強い同調圧力をかける欺瞞に満ちた態度は、いい加減に止めたほうが良い。


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非常に興味深いテーマだと思います。基本的には、左派勢力だけで、自公政権を選挙で敗れるのならば、それでも良いと思います。長くなるので、ブログで私の意見を書いてみました。ご一読いただければありがたいです。

2008.06.17 12:08 URL | しっくい #TY.N/4k. [ 編集 ]

Voice誌のKY系脳内妄想記事は論外として、「真の保守」というか資本主義経済におけるホシュの本流は、経済界の求める路線により忠実なところです。経済界の求める路線のポイントはいくつかありますが、基本は新自由主義であり、対中関係については関係強化・改善(日中間の経済の相互依存が強まっている今日、反中反日を煽って商売ぶち壊しにするのはアホであるという認識)です。
件の三つのホシュグループは、民主党も含めて、新自由主義の継続では一致しています。しかし対中関係で経済界の要求に素直に(不承不承でなく)応えられるのは、第二グループだけです。
いずれにせよ、自公が勝とうが民主が勝とうが引き分けようが、反新自由主義が採られる可能性は絶無ですが。

2008.06.17 17:28 URL | Black Joker #- [ 編集 ]













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