きまぐれな日々

読売新聞の社説(2月26日)に、もはや撤退するしかない、店じまいすべきだと引導を渡された「新銀行東京」に対する東京都による400億円の追加出資がほぼ決まった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080326-OYT1T00428.htm

読売新聞は、この記事でも、「新銀行の再建計画の実現性や責任の所在などが明らかにならないままの可決で、今後、都民の批判が強まる可能性がある」と手厳しい。

「FACTA Online」「阿部重夫編集長ブログ」 によると、最初にこの件を問題視して取り上げたのは、昨年1月20日発売の月刊「FACTA」2007年2月号の記事 "重篤「慎太郎銀行」の深い闇" だったという。
http://facta.co.jp/article/200702055.html

以下、「阿部重夫編集長ブログ」から引用する。

月刊誌FACTAは07年1月20日発売号で、どこよりも早く「重篤『慎太郎銀行』の深き闇」を報じて警鐘を鳴らした。そこでは06年12月に金融庁が最後通牒を突きつけていたスクープが書かれている。それを都や知事が知らなかったとは言わせない。少なくともこの記事は、同年4月の都知事選を控えたスキャンダルとして石原陣営を緊張させたのだ。彼は3選のためにひたすら「臭いものにフタ」で済ませた。

(中略)

現在の新聞などの報道の原点はここにある。都知事選前に報道を手加減し、新銀行東京の惨状を追及しなかった都庁クラブ詰め記者は恥を知るべきである。日ごろ大政翼賛型の記事しか書いていないから、責任回避に汲々とするだけの知事に恫喝されるや、呑まれて怯んでしまうのだ。それを悔いるなら、今からでも知事の首を取る覚悟で臨むべし。都議会で400億円追加増資に賛成するような都議は、次期都議選で落選させなければならない。

石原ファミリーの選挙区(石原伸晃の東京8区、石原宏高の東京3区)で、新銀行東京に対する情実融資例が一つでもあれば、知事は一発辞任である。

(「FACTA Online」?「阿部重夫編集長ブログ」・"「石原慎太郎銀行」の深き闇――1年前のFACTA第一報で明らか" より)

この「新銀行東京」の問題は、石原にとってよほど突かれたくなかったものらしく、都知事選を控えた昨年の都議会でも、民主党都議の質問に切れたことがある。当ブログの昨年3月9日付記事の抜粋を以下に再録する。

「新銀行東京」については、都庁内では当初から「うまくいくはずがない」と囁かれていたもので、実際、2006年9月期決算で154億円もの赤字を記録した。青木さんの記事(注:月刊「現代」2007年4月号掲載の青木理『石原慎太郎 「モノ言う知事」の品性と功罪』)には書かれていないが、最近、都議会で民主党の田中良幹事長から「都知事は業績悪化の責任を取るべきだ」との追及を受けた石原は、議長から発言を許されてもいないのに、「馬鹿な質問すんな!」などと怒鳴り、その行為を議長に注意されてもなお、周りにだけ聞こえるような声で、「バカなこと言ってんじゃない」と繰り返し、しまいには「卑怯で下賤だ」と吐き捨てた。このことからも察しがつくように、石原にとってもっとも突かれたくない失政の一つが、この「新銀行東京」なのである。

(「きまぐれな日々」 2007年3月9日付 "石原慎太郎批判(その4)?イデオロギー抜きの石原批判" より)

なお、「FACTA」の記事より一足早く、2006年末に発売された「週刊現代」の2007年1月6・13合併号の記事 "新銀行東京設立の『真』の狙い" も、新銀行東京が、主に石原の三男・石原宏高の選挙地盤の品川区と大田区の企業に融資していたことから、身内の選挙対策ではないかとこれを批判していた。その頃は、「週刊ポスト」や「サンデー毎日」も、毎週のように石原批判の特集を組んでいたし、選挙戦中の昨年3月18日に放送された「報道2001」での都知事選候補者による討論でも「新銀行東京」の問題は築地市場の移転問題と並んで大きく取り上げられ、石原は浅野史郎、吉田万三、故黒川紀章の三氏に袋叩きに遭って、論戦に完敗していた。それでも、東京都民は都知事選で石原を当選させてしまったのである。「少しは反省してよね! だけどやっぱり石原さん!」などというふざけたキャッチコピーを、「護憲派」を自称していた藤原紀香が宣伝していたが、思い出しただけでもムカムカする。

ところで「FACTA」の阿部編集長は、「都議会で400億円追加増資に賛成するような都議は、次期都議選で落選させなければならない」と書いているが、賛成した都議の一覧表は、「きっこのブログ」 に掲載されている。
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2008/03/post_e899.html

転載自由とのことなので、次回の都議選で落選させるべき都議のリストを転載する。
(注:採決に欠席した樺山たかし氏(自)、佐藤裕彦氏(自)および議長のため投票しなかった比留間敏夫氏(自)をリストから外しました=2008.3.30追記)

秋田 一郎(自)、石井 義修(公)、石川 芳昭(公)、
石森 たかゆき(自)、伊藤 興一(公)、上野 和彦(公)、
宇田川 聡史(自)、内田 茂(自)、遠藤 守(公)、
遠藤 衛(自)、大松 成(公)、神林 茂(自)、
川井 しげお(自)、川島 忠一(自)、菅 東一(自)、
木内 良明(公)、きたしろ 勝彦(自)、串田 克巳(自)、
倉林 辰雄(自)、こいそ 明(自)、小磯 善彦(公)、
古賀 俊昭(自)、崎山 知尚(自)、桜井 武(自)、
新藤 義彦(自)、鈴木 章浩(自)、鈴木 あきまさ(自)、
鈴木 一光(自)、鈴木 貫太郎(公)、鈴木 隆道(自)、
高木 けい(自)、高倉 良生(公)、高島 なおき(自)、
高橋 かずみ(自)、高橋 信博(自)、田島 和明(自)、
田代 ひろし(自)、橘 正剛(公)、立石 晴康(自)、
田中 たけし(自)、谷村 孝彦(公)、東野 秀平(公)、
ともとし 春久(公)、中嶋 義雄(公)、長橋 桂一(公)、
中山 信行(公)、野上 純子(公)、野島 善司(自)、
野村 有信(自)、服部 ゆくお(自)、早坂 義弘(自)、
林田 武(自)、東村 邦浩(公)、藤井 一(公)、
松葉 多美子(公)、三田 敏哉(自)、三原 まさつぐ(自)、
三宅 茂樹(自)、宮崎 章(自)、村上 英子(自)、
矢島 千秋(自)、山加 朱美(自)、山田 忠昭(自)、
吉倉 正美(公)、吉野 利明(自)、吉原 修(自)、
米沢 正和(自)

それにしても、一昨日(25日)のテレビ報道では、公明党の判断が注目されるなどと言っていたが、公明党が追加出資に反対するなどと予想したおめでたい人は誰もいないだろう。創価学会に牛耳られた公明党の議員には、そもそも自分の頭で考えたり判断したりする自由など与えられておらず、上からの命令によってロボットのように追加出資に賛成させられたのだ。都議会にせよ国会にせよ、公明党というのは日本の政治に害毒を垂れ流す存在でしかない。だが、地方選の投票率は特に都会では著しく低いので、公明党の議員が大量に当選し、今回のように石原を助けるのである。公明党は特に東京や大阪などで異様に強いが、前のエントリで書いたように、民度の低い東京や大阪ならではといえよう。私は、公明党は政教分離を定めた日本国憲法に違反する政党であって、解散が相当であると考えているが、これには当たらないとする強引な憲法解釈がまかり通っていて、公明党は現在も存続を許されている。

しかしながら、橋下徹や石原慎太郎の人気にはほとほと手を焼く。この2人に東国原英夫を加えた3人は、都道府県知事の中でも、代表的な「ポピュリスト」(大衆迎合主義者)だろう。国政ではコイズミや細川護熙らが代表的なポピュリスト政治家だが、自公政権に反対する勢力は、安倍晋三には勝てても、彼らポピュリストに勝ったことは一度もない。この5人はまた、揃って新自由主義者でもあるが、新自由主義者というなら安倍晋三だって同じだ。昨年の参院選では、有権者は安倍の新自由主義より民主党の「国民の生活が第一」を選択した。しかし、今年1月の大阪府知事選では、民主党の候補を「極右ポピュリスト」の橋下徹が圧倒した。つまり、有権者は政治に暮らしを良くしてもらいたいと強く望んでいるが、同時にその政治には強いリーダーシップを求めている。そして、そのリーダーシップが、よしんば格差を拡大する方向のものであったとしても、リーダーに選ばれた者であればアッパー・クラスに移ることができるのではないかと幻想を抱いて、ポピュリストに希望を託すのだろう。3年前の総選挙におけるコイズミはその極端な例だが、第三者的に見れば典型的な「負け組」の人たちが、旧来の秩序を「ぶっ壊して」くれるコイズミを支持しさえすれば、秩序が壊れた世界でなら自分も「勝ち組」に入れるかもしれないと一縷の望みを抱いて自民党に投票したのだ。

安倍晋三を倒すのは容易でも、ポピュリズムを得意とする新自由主義者を倒すのは容易ではない。彼らと同じ手法、たとえばワンフレーズ・ポリティクスなどによるのでは、マスコミを敵に回すも同然だから勝てないだろう。「柔よく剛を制す」の積み重ねで、地道にポイントを稼いでいって倒すしかないのではなかろうか。ブロガーの皆さまも、昨年の参院選直前のような勝てそうな時にだけ活性化するのではなく、こうした時期にこそ声をあげる必要があると思う。根気が求められる話だ。


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>創価学会に牛耳られた公明党の議員には、そもそも自分の頭で考えたり判断したりする自由など与えられておらず、上からの命令によってロボットのように追加出資に賛成させられたのだ。都議会にせよ国会にせよ、公明党というのは日本の政治に害毒を垂れ流す存在でしかない。

 基本的にはこのとおりなのですが、沖縄では自民党と異なり米兵の犯罪糾弾集会に参加しました。 もうひとつの理由として東京都民の突き上げが弱いこともあると思います。

2008.03.27 21:28 URL | 焚火派GALゲー戦線 #tmqJlh8o [ 編集 ]

 公明党=創価学会については、今日の私の記事を。ほぼ狂信者の妄動を批判。
 さて、新銀行東京。すでに現経営陣が、「減資」を打ち出している以上、その時点で、都側に1000億以上の損失が出るのは必至。そこらへんわからない人が多いのだろうなぁ。その時になって批判しても遅かったのに。
 さらに、新経営陣が本当に旧経営陣を訴追するかどうかも注目。法廷に出れば、融資の適正か否かが審理される。仁司氏が石原に忠誠を誓う義理もない。本当に法廷に出れば、真実が明らかになる。だから、現経営陣が本当に訴追を行うとは思えない。
 訴追をしなければ、石原に悪があった間接的証拠ともなる。まだまだ注目しなければ。

2008.03.28 09:15 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

いわゆる「B層」の人たちは想像力が乏しいからそういう生活に甘んじているのだろう、と私は勝手に想像しています。弱い者いじめを見て「次は私がいじめられるかも」と警戒するのか、「他人事」と考えて面白半分で眺めているのかと言う違いだと。後者の考え方なら、ワンフレーズで面白そうなことをベラベラ喋る人が受けますしね。

2008.03.28 14:07 URL | GPT #mQop/nM. [ 編集 ]

公明党というか創価学会の違憲性を示す証拠は、創価学会の会則の中にあります。会則第7章「中央会議」第45条「社会協議会」では、社会協議会が国や自治体の選挙に関する対応を決定する旨が述べられています。すなわち「会員は社会協議会で決定した候補者に投票せよ」ということで、政教分離を破っているのです。
こんな会則を掲げている宗教団体は、オウムと同様に、宗教法人の認可を取り消されて然るべきです。

2008.03.29 17:30 URL | Black Joker #- [ 編集 ]













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