きまぐれな日々

フジテレビの「報道2001」に、菅直人がゲストで出ていたが、竹村健一が、「民主党が参議院で多数を取ったおかげで、これまで政府・自民党がいい加減なことをずいぶんやってきたことがわかった」と前置きしながら、民主党に妥協を求める注文をしていた。竹村の主張の後段はともかく、従来の自民党政治のデタラメぶりを批判したことに注目したい。

老舗のブログ 「かみぽこぽこ。」 は、日銀総裁人事についての記事中で、さらに明快に指摘している。
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/200803130000/

以下引用する。

ただ、そんな「日銀人事」の過程だけど、
なにも意義がないというわけではない。

「日銀人事が初めて国民に注目された」
「これまで日銀総裁に
財務(大蔵)出身者が
何度も起用されていたことに
国民が初めて注目した」

というようなことがあると思う。
要は、これまで何度か書いてきた

「衆参ねじれ国会下における政治力学」

つまり、参院を野党が抑えたことで
政府・与党がこれまで長年
適当にごまかして通していたことが
ぜんぶ参院で

「野党の関所」

で引っかかるようになった。

防衛省でも厚労省でも
法案が参院で引っかかって
モタモタしているうちに、
これまで自民党・官僚・業界によって
長年行われてきた政治の恥部ともいえる
スキャンダルがボロボロ出てきた。

(「かみぽこぽこ。」 2008年3月13日 「日銀人事に思う。(前編)」より)

このブログは、久々に読んだのだが、かつてネット検索でよく引っかかってしばしば記事を読んだことがある。郵政総選挙の頃やその前の頃の記事に、見覚えのあるものがずいぶんあって懐かしく思い出した。管理人さんは2003年からブログを続けておられるようだ。論調は、必ずしも反政府・与党系ではなく、コイズミの構造カイカクに対しても、懐疑的だが明確な反対の立場には立たない。

私は、「かみぽこぽこ。」さんのような意見こそ中立の立場に立ったものだと思う。マスコミは、従来反政権的だと見られていた朝日新聞が、日銀総裁問題では一方的に民主党に譲歩を求めている。毎日新聞も朝日に引きずられたように、歯切れが悪いながらも民主党批判をしているし、読売・日経・産経などにいたっては、当然ながら民主党非難の大合唱だ。大新聞は、いまや揃って自民党のタイコモチと化したかのようだ。

私は、民主党には日銀総裁人事なんかより年金や社会保障の問題に力を入れてほしいと思うし、この日銀総裁人事の問題については、民主党を全面的に支持する立場はとらないのだが、それでも、一方的に民主党の譲歩ばかりを迫るマスコミの論調には強い違和感を持っている。「ねじれ国会」に関しては、民主党のやり方に一部稚拙なところがあるにしても、本当に問題なのは、衆議院で与党が3分の2を上回る議席を持ちながら、参議院では少数派であるという事実を自民党が受け入れることができず、安倍晋三政権当時のようなゴリ押しの方法に頼りがちなところではないか。だから行き詰まるのである。よく、与野党双方に責任があるというが、より責任が重いのは自民党のほうであることはいうまでもない。

昨年の参院選の結果を受けて、国内の論壇では新自由主義に批判的な意見が次第に強まり、NHKやTBS、それに「週刊東洋経済」などが新自由主義を批判したり、福祉国家を評価する報道を行った。

これに対し、今年に入ると新自由主義者が猛然と反撃に出た。竹中平蔵がテレビに頻繁に出演するようになり、経済財政製作担当の内閣府特命担当大臣・大田弘子は1月18日、「残念ながら、もはや日本は『経済は一流』と呼ばれる状況ではなくなった」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080118it11.htm?from=navr

上記読売新聞の記事にあるように、この時、大田は 「2006年の世界の総所得に占める日本の割合は24年ぶりに10%を割り、1人あたり国内総生産(GDP)は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で18位に低下した」と日本経済の凋落ぶりを訴えたのだが、これは新自由主義政策の失敗の帰結であるとともに、ここ数年の円安の影響だったと思うのだが、大田やそのバックにいる竹中平蔵、それに彼らを応援する田原総一朗らは、「福田政権がカイカクを後退させた」せいにしようとしていた。こういう主張を聞いて、私などは「盗人猛々しい」と思ったものだ。福田康夫が責められるとしたら、それはコイズミや安倍晋三の「カイカクを引き継いだ」ことにある。

このところのアメリカ経済の変調により、急激な円高・ドル安が進んでいるが、今朝のフジテレビ「報道2001」に出演した榊原英資は、円/ドル為替レートはここ10年の日本のデフレとアメリカのインフレ率を考えると、過度の円安が調整されただけで、現在の1ドル=100円でさえ、10年前の1ドル=130円に相当する円安であって、これはかつて榊原氏がドル売り介入をした水準であると指摘し、今後さらに円高・ドル安が進んで、夏までには1ドル=90円を突破するだろうと予想していた。

そもそも、ドルはユーロなど諸国通貨に対してはここ数年ずっと値を下げ続けており、ただ円だけが対ドルレートがあまり変化しなかった。日本は、米国債をせっせと購入してはアメリカ経済を支えていたが、それももう限界に達したというところなのではないだろうか。これは、輸出に頼る日本の企業にはもちろん打撃だろうが、日本の企業はそれでなくても法人税の減税や円安によって恩恵を受けてきたのに、9年連続で平均給与所得が下がり続けてきたことからもわかるように、利益は勤労者には還元できなかった。今回の円高によって、日本国民の輸入品の購買力は上がるが、給与が下がっていたのでは消費にブレーキがかかる。今後は内需拡大なくして景気拡大はない。福田首相でさえ(というと語弊があるかもしれないが)、企業に賃上げを求めているのは、人気取りの意図もあるかもしれないが、そうした背景もあるのだと思う。企業の経営陣には英断を求めたい。

それにしても、新自由主義政策をとったことによる経済失政まで新自由主義推進に利用しようとする新自由主義者の面の皮の厚さにはあきれるばかりだ。先日、イギリスの「エコノミスト」誌が、「Japain」(Japanと「痛み」を意味するpainを引っかけたタイトル)と題する特集を組み、話題になっているが、これも日本国内の新自由主義者が呼び込んだようなものだというべきだろう。

この特集に対し、民主党の岩國哲人国際局長は5日、ほかならぬ「エコノミスト」誌が主催する「日本国政府とのビジネス円卓会議」の昼食会の席上で講演を行ない、この特集に対して「エコノミスト」誌に抗議した。民主党がホームページで報じている(下記URL)。
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=12821

以下引用する。

 岩國国際局長は、(中略)長年政権の座につき続ける自民党に対して、民主党が政権交代に向けて追い込んでいる時に、英「エコノミスト」誌が極めて否定的な見方を羅列した記事を掲載したことに、過去の同誌の論調と反し「ねじれ」があると指摘しつつ、苦言を呈した。

 さらに、表紙に「Japa”i”n」として日本の国名を「Pain(苦しみ、苦痛)」であると「いたずら」するのは、「いたずらの度が過ぎる」とし、いずれの国に対してであれ、国民の敬愛する国名をこのように茶化すのは問題であるとして、国民を代表する国会議員として、また民主党の国際局長として抗議するとともに公式な謝罪を要求した(会場から拍手あり)。

(民主党ホームページより)

「報道2001」では、竹村健一がこの岩國哲人氏の抗議を、番組中で称賛した。竹村は「民主党」と口にする時、若干口ごもって、本当は野党なんか褒めたくないんだけど、という竹村の心の揺れが感じられて面白かったが、アメリカの奴隷に成り下がった自民党からはこんな声は出てこないのだから仕方がない。私は長年に渡って竹村というのはどうしようもない右翼のコメンテーターだと思って嫌い続けてきたが、竹村は昨年、従軍慰安婦問題についての安倍政権の姿勢を批判した。今回の竹村の指摘には、その時に次いで驚かされた。これは、竹村が変わったのではなく、竹村でさえ政府・自民党を批判せざるを得ないほど自民党が極端に右傾するとともに、対米隷従の姿勢を強めたせいだろう。売国の新自由主義者に乗っ取られた自民党政権をこれ以上存続させると、日本という国自体が存亡の危機に瀕してしまう。

とにかく、今日の「報道2001」は、フジテレビの番組だって捨てたものではないと思わせる部分があった(もちろん、片山さつきの主張を聞かされたりもしたが)。そういえば、昨日のエントリに対し、「カナダde日本語」の管理人・美爾依さんから、
確かに花岡氏の記事は、エンタメの部類されても当然かもしれませんね(笑)。しかし、個人的には、花岡氏の個人攻撃はするべきではなく、そのバックで圧力をかけて記事を書かせている政府こそ責められるべきだと思います。花岡氏を非難すればするほど、ネトウヨは喜ぶし、彼は有名になるだけですから。
とのコメントをいただいた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-593.html#comment2918

確かにその通りで、いまやフジ産経の主張がまともに思えるほど、自民党の政権運営は末期的な症状を呈している。大政奉還の時期が迫っているというべきだろう。


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新自由主義の本当の狙いは階級権力の復活であって、新自由主義者とはそのためにあらゆるウソ、陰謀、破壊工作を駆使しても何の心も痛まない人でなしです。

今や全人類の敵と言って良いかも。

2008.03.16 18:46 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]

新聞・テレビが「学級会的論法」をふりかざしたのは、
「読者・視聴者に疑問すら抱かせたくない!」
というメッセージが透けて見え、見苦しかったです。
これじゃ日本の民度は上がるはずありません。

2008.03.17 18:50 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

全国紙各紙が民主党の日銀総裁不同意に対して袋叩き的な論調であったことから、全国紙の紙面を握っている人々がもはや「普通の庶民」ではなく「持てる人々」であることが明らかになったと思います。大マスコミ内部の人は、高い給料や場合によってはプラスαの副収入を元手に特権的情報力を活かして株取引を旺盛にしていらっしゃるんでしょうかね。旧来の「ジャーナリスト的」発想ならば政治のスジを通すことより株価の維持が大切なんて論理が出てくるわけがありません。

2008.03.18 15:40 URL | GPT #mQop/nM. [ 編集 ]













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