きまぐれな日々

福田内閣の支持率低下に歯止めがかからず、いくつかの世論調査で30%を切ったが、安倍前内閣の支持率が落ち続けていた頃と違って、反福田ムード、反自公政権ムードが全く盛り上がらない。

私は、この沈滞ムードは、野党第一党の民主党が道路問題なんかにかまけているせいではないかと考えている。

そもそも、道路問題はいつもうさんくさい。2003年にも、道路問題がクローズアップされたことがある。当時コイズミ内閣の国土交通大臣だった石原伸晃が、道路公団総裁だった藤井治芳(はるほ)氏を更迭しようとしたのに対し、藤井氏が強烈に反発し、石原のほか、当時自民党幹事長だった安倍晋三を名指しで厳しく批判し、大バトルに発展したことがあった。

実を言うと、当時私は内心、藤井氏を応援していた。というのは、コイズミ政権側の石原や安倍が仕掛けたこのバトルは、自民党内の「抵抗勢力」に向けたものであると同時に、自由党との合流が決まっていた民主党党大会の話題をかすませ、この年11月に行われた総選挙において自民党を有利に導くための策略であることがミエミエだったからだ。もちろん、当時から私は石原伸晃だの安倍晋三だのが大嫌いだったせいもある。

この03年総選挙で、コイズミは、自民党内の「抵抗勢力」と野党民主党の「両取り」をもくろんでいた。この狙いは空振りし、選挙で自民党は議席を減らし、民主党は議席を増やしたのだが、民主党が狙ったほどの大勝ちにはならず、玉虫色の選挙結果となった。コイズミが悲願とした「郵政民営化」でこの時の雪辱を果たしたのが2年後の総選挙だったが、それを許してしまったのも、03年の総選挙で民主党が勝ち切れなかったことが響いたと私は考えている。

それよりも何よりも、道路問題の議論の仕方が、地方に住む人間にとっては納得できない部分が大きい。地方に住む私の実感で言うと、地方には確かに無駄な道路も多いが、その反面、本当に必要な道路はむしろ不足している。不要な公共事業は切り捨てられるべきだが、乗数効果の大きい公共事業は行われるべきだ。問題なのは、その判断が利権構造によってねじ曲げられていることであって、国土の均衡発展までを否定する今の議論はおかしくはないか。その意味で、私は国民新党の亀井静香氏の主張に共感するものだ。

そもそも、新自由主義者は首都が発展して地方が衰退するのは、自由経済では当然だと言う。確か、オリックスの宮内義彦が、北海道の人口はもっと少なくても構わないと言っていたと記憶している。しかし事実として、1980年以降、主要先進国で首都だけが発展して地方が衰退しているのは日本くらいのものなのだ。このカラクリには、中央へ、中央へと流れる利権構造があるからに決まっている。竹中平蔵を筆頭とするデマゴーグたちは、厚顔無恥にも国民を騙すデマを流し続けているのである。

このように、地方在住の人間が鬱憤をため込んでいる時に、民主党が道路問題に焦点を絞っているのはまったく理解できないし、社民党や共産党までもがそれに流されているのを見ると、ブルータスよ、お前もか、と言いたくなる。

いま第一に論じるべきことは、道路問題なんかじゃない、そう思わずにはいられない今日この頃である。


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都民ですが、大筋で同意します。
道路が適正につくられていないなら、どのような配分が適正かをまず議論すべきです。道路特定財源というごく限られた目的の税金すらチェックできていないまま財源を一般化し、さらに適正利用のチェックを難しくしてしまうのは、ひかえめに言ってお気楽、はっきり言ってしまえば国民の怒りを利用したパイの強奪にしか思えません。

2008.02.26 17:21 URL | nil #- [ 編集 ]

利権抜きで道路は作れないのは事実。
とはいえ、中央に吸い取られているとも知らずに
地方自治体・財界は「地獄に落ちるぞ!」とばかり脅迫するのは
滑稽そのもの。
『バイパス開通→郊外大型店オープン』も
『中心部衰退』『道路メンテで住民負担増』がいい例。
まして『その日の売上金はその日のうちに本社に』とあっては。

2008.02.26 19:57 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

つい最近都市計画系の論文で都市集中は世界的な傾向である、と読んだ記憶があるのですが。調べてみますね。
「主要先進国で首都だけが発展して地方が衰退しているのは日本くらいのものなのだ」と言う部分にソースが有ればご呈示していただけると有り難いです。

2008.02.27 02:38 URL | TK #ElJgphU6 [ 編集 ]

TKさん

「主要先進国で首都だけが発展して地方が衰退しているのは日本くらいのものなのだ」というのは、堺屋太一の受け売りです。
たとえば下記URL。
http://www.news.janjan.jp/government/0711/0711260240/1.php

以下に記事の冒頭を抜粋します。
--------(ここから)--------
――皆さん方は、どこの国でも技術が進み交通が発展し通信が盛んになれば首都圏、その国の一番大きな町、首都圏に機能が集まっていると思われるかもしれませんが、それがじつは日本だけなんです。アメリカの首都圏、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントン、あの辺はどんどん下がってますね。伸びているのはテキサスであるとかカリフォルニアであるとか、首都圏から遠い方です。ドイツでもイタリアでもそうですし、フランスのパリのように非常に集中していたところもどんどん落ちてきました。ロンドンもそうです。あるいは中国でも北京より上海や広州が流行っている。韓国でもソウルの比重が落ちてきて最近は釜山にデリバティブ市場が出来たりしています。日本だけは、この官僚機構で頑固に東京集中をしているんです。
--------(ここまで)--------
この記事を読んで記事を書いたわけではなく、テレビで堺屋氏が発言していた記憶をもとに書きました。1980年以降、というのはテレビでの堺屋発言がソースです。

2008.02.27 06:22 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]

いわゆる『中進国』では首都や第二の都市(中国なら北京と上海)への人口集中が起きるのが普通だと思います。『先進国』では、積極的にそれを防止するような政策がとられているのだと思います。だから、日本の政治(と財界)はいつまで経っても三流といわれるのでしょう。

2008.02.27 14:01 URL | GPT #mQop/nM. [ 編集 ]

道路問題の議論に矮小化するのは、私はどうかと思います。
東国原知事が提起したのは、「地方をどうするのだ?」ということであって、道路について触れたのは、地方の格差が広がることを懸念したに過ぎないのです。

「いるところに作らず、いらないところに作る」というわけのわからない道路行政は正すべきですが、推進も反対も、双方とも「道路を作るか作らないか」の議論に矮小化されてしまっていますね。

自公政権の道路整備論も酷いですが、野党の道路を作らない論は、それこそ「地方に一本も道路ができないの?」と疑ってしまうようなものですから、究極の選択としては「まだ自公政権の方がマシ」というものでしょう。

国会の審議を見ると、本当に地方のためになる政策を打ち出しているのか。与野党ともに、なんか、着眼点が違うなぁって思う次第です。

2008.02.28 03:45 URL | wakuwaku_44 #- [ 編集 ]













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