きまぐれな日々

イージス艦と漁船との衝突事件は、イージス艦が衝突12分前に漁船を視認していながら、衝突直前まで自動操舵を続けていたことがあとから判明するなど、呆れてものも言えない。アメリカにつき従うことが使命と化している自衛隊が国民の命を守ってくれるとは、はなから思っていなかったが、ここまでひどいとは思わなかった。

あまりの無力感に、このところちょっと政局ネタに興味を失って、週刊誌を買うどころかあまり立ち読みもしなくなっていたのだが、今週発売の「週刊ポスト」、「週刊現代」それに「週刊朝日」の3誌に、細川護熙と小泉純一郎の両元首相が密談した、という記事が出ている。3誌が、すわ、新党結成かと大騒ぎしていることはいうまでもない。密談を当事者は認めていないそうだが、1誌だけなら、「週刊誌にはガセネタが多いから...」で済ませられても、3誌の報道となると俄然信憑性が高まる。昨年の今ごろにも似たようなことがあって、「週刊ポスト」、「週刊現代」、それに「サンデー毎日」の3誌が、当時首相だった安倍晋三の健康問題を報じた。果たして、安倍はその半年後、健康問題を理由に総理大臣の職を辞した。今回も、細川とコイズミの密談はおそらく事実だろう。

3誌とも、この2人の動きは「反福田・反小沢」(というより「反大連立」)勢力の結集を目指すものだ、と指摘している。特に、細川が政界を引退してから10年になるが、「10年経てば禊(みそぎ)が終わる」と言って、政治的発言を再開することを細川自らがほのめかしていることを、「ポスト」と「週刊朝日」の両誌が書いている。「ポスト」の記事は、両元首相と北川正恭・東国原英夫らが結成した「せんたく」とのつながりを指摘しているが、これも記事のタイトルを見ただけでピンとくるくらいミエミエの関係だ。要するに、新自由主義カイカク勢力を再結集して、渡邉恒雄が媒介して福田康夫と小沢一郎らがやろうとした「大連立」、すなわち旧保守の結集に対抗しようというのだ。

もちろん、細川もコイズミも悠々自適の生活に入っていて、彼らが新党の党首になることは考えられないが、自民党では小池百合子、民主党では前原誠司や枝野幸男を筆頭に、新党のリーダーの座、そしてそう遠くない将来の総理大臣の座をつけ狙う人たちはいくらでもいる。宙に浮いた格好の「コイズミチルドレン」たちにとっては、この動きは「天の助け」だろう。

一方、枝野幸男らに対しては、加藤紘一や山崎拓も接近していて、超党派の訪韓団を結成した。加藤や山崎は、旧保守と近いかと思っていたのだが、民主党の反小沢グループと接近しているようだ。但し、前原誠司とは距離を置いているように思われる。さらには、中川昭一、平沼赳夫ら極右政治家が結集した「真・保守政策研究会」の存在もある。これの裏には安倍晋三もいて、加藤・山崎らの動きはこの極右グループに対抗するものと考えるべきだろう。総選挙が遠のいた今、自民、民主両党内では福田康夫、小沢一郎の両党首の求心力が低下し、合従連衡の動きが水面下で活発化しているようなのだ。

非常に錯綜したこれらの動きは、例の政治思想軸・経済軸の2次元解析で考えると多少分かりやすくなる。細川、コイズミおよび「せんたく」は、新自由主義に基づく「経済右派」の勢力で、「小さな政府」と自由競争を標榜する、アメリカでいえば共和党に相当する勢力の結集を目指すものだ。ひとことでいうと「ネオリベ」になる。細川・コイズミを後見人として、表看板には小池百合子あたりを立てる可能性が高い。

一方、安倍・中川昭・麻生・平沼の、ひところ「AHA?Nの会」などといわれた勢力は、強烈な国家主義を信奉する「政治思想右派」であり、「ネオコン」あるいは「極右」と言い換えられる。

この両者に対抗するのが「旧保守」あるいは「保守リベラル」にあたる勢力で、これはちょっとわかりにくいのだが、福田康夫と小沢一郎を中心とした旧保守と、加藤紘一を中心とした保守リベラルにさらに分かれる。これは、旧田中派と旧大平派(宏池会)の違いととらえればわかりやすい。宏池会は「加藤の乱」でさらに分裂し、谷垣禎一の系列と古賀誠の系列に分かれたが、いずれも21世紀に入ってからの自民党の右傾化に伴って、個々の政治家も右傾しており、加藤を中心としたリベラルの勢力にあっさり合流するかは不明だ。「経済右派」に対するカウンター勢力になっているのが、旧田中派的性格を持つ、福田・小沢の「旧保守」であり、「政治思想右派」に対するカウンターになっているのが、旧大平派の代名詞のような加藤を中心とするグループだと私は考えている。だから、前者は政治思想に関しては右翼から左翼までを抱え、後者は経済思想に関しては新自由主義者から社民主義に近い人たちまでを容認する。だから、加藤が枝野幸男らと接近したりする。

また、国民新党は典型的な「旧保守」の勢力だが、亀井静香には「政治思想右派」の側面もあるので、「AHA?N」の極右グループと提携する恐れもある。

以上のほかに、リベラルあるいは左派の勢力が存在し、民主党左派、社民党、共産党がこれに相当する。今後は、民主党左派と社民党の連携が強まり、共産党は相変わらず独自路線を歩むと思われる。

当ブログとしては、最初に挙げた2つのグループ、すなわち細川・コイズミを後見人とする「ネオリベ」グループと、「AHA?N」率いる「ネオコン」グループを排除した、残りのグループによる政権樹立に向けて再編を進めていくのが、日本にとってもっともマシな選択肢だと思うが、現状は日本人になお「カイカク」への幻想が強いと思うので、「ネオリベ」グループには特に警戒してかからなければならないと考えている。最近、竹中平蔵のメディアへの露出が増えており、前述の「週刊朝日」にも竹中のインタビュー記事が出ているが、彼が再びイニシアチブをとるようでは、新自由主義政策によってこれまでに進んだ「格差」はさらに拡大し、日本経済は疲弊し、国力はどんどん落ちていってしまうだろう。それだけは避けなければならない。


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