きまぐれな日々

岩国市長選の投票が締め切られた直後に起きた沖縄での米兵による女子中学生暴行事件には、選挙結果と合わせて、どうにもやり切れなさを感じる。ここまでされて、なおアメリカに隷属して生きなければならない日本とはいったい何なんだろうか。

さて、2月2日付エントリで、朝日・日経・読売の大手新聞三社が始めた共同運営サイト「新s あらたにす」を批判したが、私が気になるのは、これら以外のジャーナリズムだ。朝日・日経・読売及びその系列放送局を除くと、毎日新聞、TBS系の放送局、共同通信及び地方紙、NHK、それに右派のフジサンケイグループなどが思い浮かぶ。

朝日・日経・読売の三社連合は、「言論の戦い」を標榜しているが、いずれも新自由主義に傾斜していると私は考えている。これに対し、NHKは昨年末に放送された「ワーキングプアIII」などの優れた番組で、新自由主義に警鐘を鳴らした。手前味噌だが、「ワーキングプアIII」を検索語にしてGoogle検索をかけると、当ブログが5番目に検索された。但し、「I」を3つ並べた「III」の代わりに、機種依存文字であるローマ数字を検索語に用いると引っかからない。かつては、ローマ数字の全角文字は、Macなどでは読めないから使うなと言われたものだが、現在ではどうなのだろうか。

しかし、頑張っていたNHKも、安倍晋三の息のかかった新会長の就任によって、今後もこれまでのような報道ができるかは大いに疑問だ。私はこのことが非常に気になる。

もう一つ気になるのが毎日新聞だ。「あらたにす」発足前後から、リベラル色を失いつつある朝日新聞に対し、このところ毎日新聞の思い切った主張が目立つように思う。

この新聞社は、社内に右翼から左翼まで幅広い意見が存在するのだが、ことに大阪府知事選関係では、大阪社会部などによる思い切った橋下知事批判の記事がよく載る。

2月9日付の大阪本社版に載った記事「発信箱:テレビと新知事=松井宏員」(下記URL)には、4件の「はてなブックマーク」がついている。最初のブックマークをつけたのは私だが。
http://mainichi.jp/kansai/osakaprefelection/news/20080209ddn002070007000c.html

発信箱:テレビと新知事=松井宏員

 最近、テレビ局のプロデューサーの話を聞く機会があった。やっぱりそういうことか、とうなずいたのは、ワイドショーなどのコメンテーターについてだ。

 「政府擁護の人が多いのは、政府・与党からの批判を恐れているから。東京では番組がチェックされている。バランスを取ったように見せかけるため、政府に批判的な人も入れるが、論戦に負けそうな人を選んでいる」

 6日、大阪府知事に就任した橋下徹氏が、タレント弁護士として数多くの番組に引っ張りだこだったわけが、ここにある。番組でのかつての発言を問われて、「話芸だった」と釈明した橋下氏の言葉は、コメンテーターが言論人ではなく、「電波芸人」であることを図らずも示した。

 就任前から物議をかもす発言を連発した新知事もさりながら、気になるのはテレビ局のスタンスだ。当選が決まった夜、収録済みで未放映だったレギュラー番組を早速流した局や、選挙戦の模様などを交えて、手腕が未知数の新知事をヒーロー扱いする特集を組んだ局もあった。

 3日のテレビ欄(関西地区)には、「橋下知事」の名前が躍る番組が五つもあった。いずれもバラエティー系。旬の人だから視聴率が取れるのだろうが、テレビが応援団と化したかのようだ。

 新知事に対する身内意識が潜んではいまいか。今後もテレビ出演は続けるという新知事だが、失政をおかした時、テレビはあくまで応援団でいるのか、それとも昨年のボクシングの亀田一家のように、手のひらを返してバッシングに走るのだろうか。(社会部)

毎日新聞 2008年2月9日 大阪朝刊

いたって常識的な橋下批判だが、大阪発行のスポーツ紙にはこの常識は通用しない。毎日新聞の系列スポーツ紙である「スポーツニッポン」を含む大阪の全スポーツ紙は、府知事選の最中、強力な橋下徹の宣伝媒体と化していた(当地でもそれらは読めるので、私はよく知っている)。そんな大阪のマスコミ状況を念頭に置くと、この毎日新聞の記事は言うべきことをガツンと言ってくれた痛快なものなのだ。橋下徹が東京局制作の番組を含むテレビの売れっ子なのは、橋下の主張が政府寄りだからだ、とはっきり指摘している。

それにしてもひどかったのは大阪のスポーツ紙で、その橋下への肩入れぶりは異常の一語に尽きた。彼らは、普段は阪神タイガースの提灯持ち記事を書くのを生業としているが、最近、憎たらしいネット右翼に、妙に阪神ファンが多いことが気になる。

毎日新聞の大阪府知事選報道の話題に戻ると、2月6日付の「記者の目」で、やはり大阪社会部の犬飼直幸記者による橋下批判記事が掲載されていると聞いた。それで、ネット検索してみたら、既にリンク切れだったが、「まいまいクラブ」で読むことができる。
https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/weblog_eye103/index.php?date=20080206

「ワイドショー型で知事選圧勝」と題されたこの記事で、犬飼記者は橋下が政策や政党色を隠して、イメージ戦略だけで選挙に勝ったことを批判している。

これに34件のコメントがついているが、見たところ過半数が犬飼記者の記事を右から批判したものであって、これが府知事選で橋下を圧勝させた大阪人の感覚なのかと思ってしまう。

ともあれ、毎日新聞には、「あらたにす何するものぞ」との気概で頑張ってほしいものだ。


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はじめまして。前にコメントしたことがあるかもしれませんが、もし違っていましたらお許し下さい。
http://news.ameba.jp/domestic/2008/02/10983.html
これによるとNHK大阪の態度、NHKの悪い癖が橋下徹を怒らせたとNHKに批判的です。
関西ローカルで関西テレビが放送する「ムハハnoたかじん」の収録済み分が放送されていたため30分遅刻、それをNHK大阪の“顔”藤井彩子アナに「30分遅刻」と生番組で堂々と指摘されたことに橋下が激怒。「同じ時間帯に同じタレントが出演する番組を放送しない」というのは民放の暗黙の了解になっているので理解できますが。

これからはNHK大阪が橋下を厳しく追及するようになるでしょう。
NHK全体ですが、和歌山カレー事件以降、ニュースのワイドショー化が進みました。時期的にも須田寛・JR東海会長(現・相談役)がNHK経営委員長(東海北陸地区経営委員)に就任し、海老沢前会長と共に民放の物真似を進めてきました。
須田氏は国鉄時代旅客営業部門で首都圏の房総方面の急行を特急に格上げ。特に関西・中京で新快速電車に使う車両を首都圏では急行に使用、のちに特急に格上げして東京~伊豆の輸送と言う独占手段を悪用。東京から草津・水上方面の急行にも悪用しました。食堂車の廃止などサービス切捨てや駅ビル・駅構内の駅弁業者といった天下り先など国鉄利権追求にはしりました。これはJR東海初代社長になってからも続き、新幹線食堂車全廃となりました。時間短縮が大きいとはいえ、サービス切捨ての一種でしょう。その後を継いだ葛西敬之は典型的なネオコン、フジサンケイ・読売御用達です。要するにネオリベでした。

2008.02.12 08:08 URL | ゴルゴ十三 #DTxGwd9Y [ 編集 ]

 実は産経新聞も橋下に批判的です。 単に、「その場限り公約」であるのが明白だった府債発行とかの問題だけではなく、橋下の唱えた福祉政策の底の浅さ・いかがわしさぶりをそれなりに批判しています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080205/lcl0802052314008-n1.htm


2008.02.12 19:51 URL | 焚火派GALゲー戦線 #tmqJlh8o [ 編集 ]

日本の地方政治は、大都市圏の都道府県議会から地方の市町村議会に至るまで「共産党以外すべて与党」というのが実態ですよね。たまに共産党員の首長が誕生しても議会の協力が得られずに短命政権となる例が殆どです。結局のところ誰が首長になっても同じということならば「おもろい方がええやろ」というのが大阪人の感覚だったのでしょうかね。
民主党左派と社民党が合流し、共産党もそれに協力するという位の画期的な「大同団結」が実施され、自公と対立するようにならない限り、地方自治に期待するのは難しいと思います。また、地方で自公と癒着している民主党・社民党がいくら国政で独自性を主張しても説得力がありませんしね。

2008.02.13 13:33 URL | #mQop/nM. [ 編集 ]

しかし、この記事はいただけません。
http://www.mainichi.jp/select/biz/archive/news/2008/02/13/20080213ddm010020016000c.html
道路族に援護射撃はいらない。
署名記事の多い中匿名なのは姑息でしょう。

地方紙は全国ニュース絡みの社説はまだバランス感覚がとれています。

2008.02.14 20:00 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]













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