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きまぐれな日々

テレビ朝日の「サンデープロジェクト」で、先週に引き続き「限界集落」の特集が放送された。
これに関しては、先週TBをいただいた 「大津留公彦のブログ2」 から、今回もTBをいただいており、その記事がとてもよくまとまっているので、是非皆さまにも下記URLをクリックしてご参照いただきたい。
http://ootsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/2_3122.html

今回は、都市部でも「限界集落化」が見られる例として、東京の多摩ニュータウンが取り上げられ、大阪の千里ニュータウンも引き合いに出されていた。
そこでネットで調べてみたら、「多摩ニュータウンタイムズ」 の2001年11月1日付の記事で、多摩ニュータウンの衰退が次のように指摘されていた。
http://www.tamatimes.co.jp/article/date/2001/11

三十周年を迎えた多摩、稲城両市

 多摩市も稲城市も今日市政三十周年を迎えた。
 両市の三十年間は多摩ニュータウンの開発に明け暮れしてきたが、これから安定期を迎えようとしている。
 ところが高度成長期をすぎて景気の低迷するなかで税収の落ち込みも激しく、やがて二、三年後には赤字財政になることは火を見るより明らかな状況にある。にもかかわらずその対応に着手した様子は見られない。このままでは市民の負担増は避けられない。そうなれば住民は物言わず他市に出ていってしまうだろう。住民が居なくなる街に将来の希望はない。生活援助を受ける人や老人は残るが税収をもたらす稼ぎ人の若者は出て行き街は衰退していくだろう。
 多摩ニュータウンがいま衰退に向かっていることは住民のだれしもが感じているところである。
 多摩ニュータウンを東西に走る京王相模原線は昨年特急電車を廃止し、もう一つはこの街からデパートが撤退したことである。
 多摩ニュータウンから特急電車が消えたのは、この街が衰退していることを物語っている。百貨店の撤退もただ単に商業施設が無くなったという事だ けの問題ではない。百貨店を取り巻く様々な市民文化が消えてしまったことになる。
 その外にも多くの撤退局面も見受けられる。行政も厳しい社会情勢を住民に知らせ住民を甘えさせてはならない。地域のことや隣近所のことは住民同士お互い助け合って解決し行政ばかりに頼るな。行政も住民への負担を軽減するために最大の力を注ぐべきである。そのために議会は税金の使い道を徹底してチェックし、少しの無駄使いでも見逃してはならない。
 同時に地域の活性化を図る上で現在東京都や都市基盤整備公団の抱えている未利用地活用の如何によってはニュータウン再生の原動力ともなる。関係各市はこの未利用地を施行者が撤退の置き土産として自治体に権限を委譲させるべきである。永い間にわたり維持してきた旧地主から法律によって強制的に買い上げたもので、その目的を達する事の出来なかった用地は地元住民に還元すべきが筋であろう。この事を三十年の節目に当たって要望する。

(「多摩ニュータウンタイムズ」 2001年11月1日付記事)


2001年の時点で京王線の特急が停まらなくなり、デパートが撤退したのだそうだが、この記事が書かれてから6年、ニュータウンの衰退はさらに進んでいるはずだ。「ニュータウン 衰退」を検索語にしてネット検索をかけると、確かに多摩と千里のニュータウンについて書かれたものばかりが引っかかる。商店街にはシャッターが下りた店が多く閑散としている。90年に大店法の運用の規制が緩和されて以来、地方都市でよく見られるようになった光景が、多摩ニュータウンでも見られる。

番組では、「平成の大合併」によって独自の町作りをやめてしまって町が衰退した例なども取り上げられていた。

また、「限界自治体」とされて先週の番組でも取り上げられていた高知県大豊町で、路線バスの廃止に伴ってお年寄りが町の中心に行くのにタクシーを使わざるを得なくなり、このままでは受給されている年金では生活が苦しいと訴えていたのが印象に残った。しかし、路線バスなど公共交通機関の縮小は、何も限界自治体に限った話ではなく、地方都市では普通に見られる現象である。私はかつて関西や関東の大都市圏に長く住んでいたことがあるが、これは都市の住民にはあまり知られていない問題だろう。地方都市においては、「車なしでは生活できない」と言われるのが普通だ。いきおい、高齢者が運転を続けることになり、これによる交通事故も多発している。日本の地方部では、年々お年寄りが生活しにくくなってきているのである。

さて、同じテレビ朝日系で午後2時からは「ザ・スクープ・スペシャル」が放送された。今回は、消えた年金問題と、「きっこの日記」の読者にはおなじみの高知県白バイ隊員事故死事件の「冤罪裁判」が取り上げられた。後者は、当ブログ管理人の地元放送局・瀬戸内海放送(岡山・香川エリアのテレビ朝日系放送局)が精力的に報道していながら、ブログ管理人は「きっこの日記」によってこの件を知ったという体たらくだった。その後、瀬戸内海放送のウェブサイトや同局の夕方のニュースを見るようになったので内容は承知していたが、全国的にはさほど知られていないかもしれないこの件が、全国放送で紹介された意義は大きい。事件や裁判の詳細については、下記リンク先をご参照いただきたい。

「きっこの日記」より

  「またまた警察のデッチアゲ!」 (10月22日)

  「続・またまた警察のデッチアゲ!」 (10月27日)

  「続々・またまた警察のデッチアゲ!」 (10月29日)

  「高知の冤罪事件」 (10月31日)

テレビ朝日ウェブサイトより

  「ザ・スクープ・スペシャル」

番組キャスターの鳥越俊太郎さんは、刑事裁判には「疑わしきは罰せず」という原則があり、バスが停止していたことを指し示す多くの証言などがある以上、被告を有罪にしてはいけないはずだと指摘していたが、その通りだと思う。上記テレビ朝日のサイトに、明日(12月10日)には動画が配信されるとのことだから、番組を見逃した方は、是非テレビ朝日のサイトにアクセスしてご覧いただきたいと思う。


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私も白バイとバスの衝突を巡る不当な裁判についての番組途中からですが見ましたが、余りに片手落ちの裁判に驚きました。
警察の捏造を如何して裁判所が此処まで応援するのかと呆れるばかりでした。
罪を認めない人を、反省が無いと言って、実刑にしたと言う話を聴いて、裁判官は冤罪を受けたものは、何と答えるべきと思っているのかと訊ねたくなりました。

2007.12.10 11:24 URL | わこ #dN1wHbUA [ 編集 ]

「ザ・スクープスペシャル」、年金横領は他メディアが「自治体叩き」する中、
あくまで社保庁の責任を問う姿勢は評価できます。
昨日は『報道特集』も秀逸でした。
「米の偽装表示」は、卸会社のそれを告発した米店店主が潰されるのは、
食肉偽装を告発して叩かれた「西宮冷蔵」社長と重なって見えました。

2007.12.10 19:03 URL | 観潮楼 #- [ 編集 ]

弊ブログの記事の紹介ありがとうございました。
私は富山市の事しか書かなかったですが、都市部の「限界集落化」や大豊町のバス廃止の影響について紹介いただいたのでこれで全面的名記事になったと思います。
今後もブロガーとしての連携を図って行きましょう。

2007.12.10 22:20 URL | 大津留公彦 #ZMUMkWGc [ 編集 ]

こん晩は、Kojitakenさん。
こないだ、東京の十条町っていう駅あるんですかね? あちらはさっぱり地名がわからないんですけど、そこの再開発のことをあるブログで読んだので、財団法人「地域活性センター」というのを調べていましたら、何か凄く財界クサ~い団体でした。ま、それはさておき、此処に委託された委員会の「商店街シャッター通り」調査は凄く詳しいアンケートとかとってましたよ。
「中心市街地活性化への取組み ~外部機関との連携による商店街活性化~ 調査研究報告書 平成18年2月 財団法人 地域活性化センター」
http://www.chiiki-dukuri-hyakka.or.jp/7_consult/kenkyu/docu/tyousaH17_tyuusinnsigaiti.pdf
アンケートの集計結果が、P20- 円グラフや棒グラフで出ていて、色んな現状や思いが、でてますね。で、「開発」「投資コンサルタント」の斡旋をしているって感じですね。

ある意味、清水建設が鉄筋不足で叩かれた市川駅前ビルも、首都圏直下ゆえ、この種の高層土地利用(地上げ?ぽい面あり)が進んでいます。そのコインの裏面として、地方はスカスカに、干(悲)上がっていく・・。
でも、いずれ首都圏も、高齢化するそうですけど・・。今のうちにあらゆる手を使って、人口拡散政策をしないと、ほんとにパンクしちゃうと思うんですけどね。

白バイ冤罪事件の件、halさん
http://c3plamo.slyip.com/blog/
も、いろんな手法で、詳しい検証をされてますよ。

2007.12.10 23:41 URL | 三介 #CRE.7pXc [ 編集 ]

はじめまして。
「多摩ニュータウン 衰退」のgoogle検索からやってきました。
古いエントリーへのコメント失礼します。

冤罪裁判について、タイトルにまで触れてながら、冤罪を作り出してしまった人たちと同じ罪を犯しているエントリーですね。

冤罪を生み出すきっかけてって、たぶん、初めから悪意があったりすることは少なく、ちょっとした見落としや思い込みによって、結論を決めつけてしまうことによって、それ以外のことが目に入らなくなってしまうのだと思います。
ただ、人から見落としや思い込みを指摘されたときに、自分の間違いを認めることができず、また自己保身にはしって、真偽の検証をやめてしまうこと、それが悪意なんだと思います。

古寺多見さんは、「多摩ニュータウンは衰退している」という思い込みの中で、検索して、それに合致する記事しか目に入らなくなってしまっただと思いますが。


「多摩ニュータウンタイムズ」 の2001年11月1日付の記事でによれば、たしかに多摩センター地区は衰退していた時期でしょう。でも、これを書かれた時期は、ITバブルがはじけ日本全体が底の見えない不況に向かって落ち込んでいった時期です。

実際、「多摩ニュータウンタイムズ」 の2001年11月15日付の記事[厳しい財政事情での 行政市民委員会]の書き出しでは、
「来年の日本経済の見通しはゼロ成長だという。本年を含め連続マイナス成長となれば、住民の生活はさらに悪化するだろう。行政の唯一の財源である税収の落ち込みも必死である。」と書かれています。

あとから振り返ってみると、結局、翌年2002年の2月が景気の底だったとされ、そこから日本は景気回復が始まりました。(実態無き経済成長とも言われてますが・・・)

「この記事が書かれてから6年、ニュータウンの衰退はさらに進んでいるはずだ。」
という推論は、思い込みにより、最初の結論を否定するような検索結果には、あえて目を瞑って憶測だけで結ぼうとしてうるように感じ取れます。

ところが、「多摩ニュータウン 衰退」で検索してみると

多摩ニュータウン現場見学会
http://www.civil.cst.nihon-u.ac.jp/~kishii/news/report/2006-01.htm
多摩センター地区
「多摩そごうの閉店により、地区の衰退も心配されましたが新たに三越が開店し、フットサル場、映画館なども設置されると共に、さらに付加価値を高めるよう託児所が設けられていました。」

(ブログのエントリーよりも数ヶ月あとにアップされたものですが)
郊外は衰退するか ――イメージとして語られる衰退を読み解く――
http://www.waseda.jp/sem-muranolt01/SR/S2007/SR2007-takano.pdf
『5 本章のまとめと巻頭言から探る認識の差
「ニュータウンがオールドタウンになった」。こうした「郊外の衰退」を語る報道の真偽
を確かめるために、今回、多摩ニュータウンの現状とその将来について触れたわけだが、
以上の点から、決してマスコミが「オールドタウン」と揶揄するような凋落ぶりは見せて
いないことがわかるだろう。』

というような、出展をきちんと示し数字を出して検証している卒業論文も見つかりました。この卒論は、マスコミがなぜ揶揄するかということにも触れられてます。

或いは、wikipediaの「永山 (多摩市)」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E5%B1%B1_%28%E5%A4%9A%E6%91%A9%E5%B8%82%29
「諏訪(第5住区)とともに多摩ニュータウンの最初(1971年)の入居地域であることから、高齢化が深刻化しているというイメージで見られがちであるが、実際には永山全体の高齢化率は17.4%であり、全国(20.3%)、東京都(18.7%)のそれと比較して決して高齢化が進んだ地域と言えない。」

「永山名店街は、一時は空き店舗が目立っていたことからシャッター通りと揶揄される時期もあったが、住都公団(現UR都市機構)が1999年頃に空き店舗対策を行った結果、店舗の入れ替わりなどもあり、24時間営業のグルメシティーを中心に、生活支援系、介護系、リフォーム系などの商店が軒を連ねる。」

などなど「多摩ニュータウンは衰退している」という結論を疑わせる記事がけっこう見つかります。これらについて、検証しなおして真偽を確かめないまま、このエントリーを放置しておくのは、古寺多見さんも冤罪をつくりだした人たちと同類になってしまいませんか?

2009.10.04 18:44 URL | 冤罪は嫌ですね! #x3JWyLsc [ 編集 ]













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