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きまぐれな日々

共謀罪の危険性をときに鋭く指摘する毎日新聞が、村上世彰の追及はなぜか手ぬるい。

村上世彰を、「“プロ”を狂わせた市場原理主義」(6月6日付社説)と厳しく断罪する読売新聞は、「共謀罪」を早く成立させろとけしかける(6月4日付社説)。

ついでに朝日新聞は、すっかり腰が抜けてしまって、どちらについても曖昧なことしか書かなくなった(笑)。

どうも日本では、政治的に左派的な主張をするメディアは、経済面では新自由主義に甘く、新自由主義に厳しいメディアは政治的には右派的な主張をする傾向にあるように思う。産経新聞のように、政権のやることなら何でも支持してしまうメディアは、政治的に右派的であるばかりか、新自由主義にも甘くて最低である。

私など、右翼的な国防・外交政策と、新自由主義的経済政策の両方に反対してこその「ネオコン」(新保守)打倒だと思うのだが、そのような立場は、ブログには見られるけれど、マスメディアからは見いだすことができない。
いや、ブログでも、村上逮捕なんかにかまけて共謀罪反対の声を上げないのかとか、逆に共謀罪にさえ反対なら新自由主義者でも許してやるのか、などの意見の応酬が見られ、「反小泉」の歩調がなかなか揃わない。

私の立場は、共謀罪反対も村上ファンド批判も両方大事だ、というものだ。

村上世彰には、改革者というイメージが強かったせいか、反小泉の論者や、ふだん政権に批判的なメディアからも村上に甘い意見が目立つ。

たとえば筑紫哲也は、村上は潔く罪を認めた、それに比べて社保庁はどうだ、などと言っていたし、みのもんたに至っては、村上叩きは成功者に対する妬みだ、とまで言い放った。

年中態度を豹変させるみのなんかは最初から信用していないが、筑紫氏のコメントには失望した。ある悪について論じる時、別の悪を持ち出してもとの悪のイメージを軽減させようというのは、悪を擁護するための典型的なデマゴギーであり、多くの場合政権を擁護する側が持ち出す論理だ。これを聞いた時、筑紫氏には悪いが、「筑紫哲也老いたり」と思った。

私は、村上こそ新自由主義の象徴、小泉・竹中改革の象徴だと思う。

一見フェアな競争を勝ち抜いた成功者に見せかけて、その実、裏で犯罪行為を繰り返していた。そうとしか思えない村上ファンドの異様な膨張ぶりだったし、そういうインチキな過程で得られた「格差」を固定化し、金儲けのかたわら、野獣的な欲望を満たす享楽の時間をむさぼろうというのが彼の生き方であり、新自由主義の本質であるようにしか私には思えない。そこには、何の哲学も感じられないのだ。

小泉的なるもの、竹中的なるもの、安倍晋三的なるもの、そして村上世彰的なものを否定し、それにとって代わって、哲学のある生き方が重視される社会、それを構築するための足がかりの一つでも提供すべく、今後も駄文を綴っていきたいと思う。
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「ある悪について論じる時、別の悪を持ち出してもとの悪のイメージを軽減させよう」とする詐術はつくる会の教科書が欧米の帝国主義を非難するふりをしながら日本の帝国主義や植民地支配をちゃっかり擁護してしまうところにも見られますよね。個人主義と国家主義は決して対立概念ではなくむしろ非常に新和性があるのは、例えば個人主義者イチロウ選手の国粋主義的発言にも端的にあらわれているのではないでしょうか。

2006.06.11 08:02 URL | 下等遊民 #Roy543ko [ 編集 ]

下等遊民さん
コメントありがとうございます。
日本の現政権およびそれにつながる人たちは、個人主義と国家主義を結びつけようとしているように見えますね。政権の都合によって、ある時は「自己責任」だと言われて「痛み」を強いられ、ある時は「お国のために従え」と言われるのでは、たまったものではありません。安倍晋三なんか、自由競争の場に放り込んだら、社会のはき溜めに転落すること請け合いだと思うんですけどね(笑)。
蛇足ですが、私はイチローより野茂が好きで、このほどの3A球団解雇にショックを受けています。しばらく野球の話なんか持ち出す気にならないほど(笑)。

2006.06.11 22:48 URL | kojitaken #- [ 編集 ]

こんにちは。この芸能人の記事集めてみました。

2006.06.14 08:13 URL | ノウハウ実践レビュア【ミスター #- [ 編集 ]













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