新聞報道によると、参院財政金融委員会は27日夜、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者との宴席同席問題をめぐって額賀福志郎財務相と守屋武昌前防衛事務次官の証人喚問を12月3日に行う日程を野党単独で議決した。証人喚問は全会一致で議決されるのが慣例で、与党が反対する中での議決は極めて異例、また衆院議員が衆院での喚問を受けないまま参院で喚問されるのは1955年の国会法改正以来初めてとのことで、与党側は峰崎直樹委員長(民主党)に抗議し、議決に加わらなかったとのことである。
しかし、同じ今朝の新聞は、東京地検特捜部が、山田洋行事件に絡んで、証人喚問が決定した守屋前次官をきょう収賄容疑で逮捕する方針を固めたと報じている。これによって、守屋氏の証人喚問は不可能になる。守屋氏の逮捕はかなり前から週刊誌などで予測されていた通りであり、与野党とも守屋氏を実際に喚問するのは不可能と知りつつ、泥仕合を演じていると考えてよいだろう。
泥仕合というのは額賀財務相が宴席に同席したか否かをめぐる自民党と民主党の激突のことだ。民主党は証言をもとに額賀財務相を詰問し、額賀氏は言葉を詰まらせていたが、昨日(27日)、自民党は額賀氏が該当日(昨年12月4日)には都内の勉強会に出席しており、その時の写真や録音テープが残っていて、宴席出席はあり得ないと主張、昨年の「偽メール事件」も出して民主党を皮肉った。一方民主党は証言者が守屋前次官であることを明かし、自民党の物証に対して守屋氏の証言で「全面対決」する構えだそうだが、守屋氏の逮捕で問題がウヤムヤ、というシナリオが今から見えている。
そもそも宴席に同席したか否かなど、誤解を恐れずに言えば些細な問題であり、本丸はあくまで巨大な防衛利権、中でも沖縄利権である。そして何度も書くようにラスボスは小泉純一郎(コイズミ)であって、民主党の小沢一郎や前原誠司、長島昭久らにも疑惑がささやかれている。もちろん自民党旧竹下派の面々は、彼らに行き着く前段階の疑惑の人物たちだ。
これまでほとんど手のつけられてこなかった防衛利権の闇を暴き、この分野における国の無駄遣いをただすことなくして、消費税増税などの国民負担増は許されない。これが当ブログの基本的なスタンスであって、額賀をめぐるドンパチについては勝手にやってくれ、どうせスネに傷を持つ同士の自民党と民主党のなれ合いではないかとさめた目で見ている次第だ。
森永卓郎氏は、日経BPのサイトの 「構造改革をどう生きるか」 の最新コラム 「飄々と始まった増税論議」 で、福田政権の増税路線を批判しているが、最後にこんなことを書いている。
森永氏一流の皮肉たっぷりな文章だが、福田康夫と小沢一郎なら本当にこんなことをやりかねないと思えてしまう。思えば、かつて細川内閣は消費税7%という国民福祉税構想を唱えたが、即日白紙撤回させられた。当時3%だった消費税率を7%に引き上げようとした張本人が新生党の小沢一郎だった。そのことを知っている人間が、「小沢代表の力で消費税10%が7%になった!」という森永氏の文章を読むと、思わず吹き出してしまうのである。
だが、笑っている場合ではない。自民党と民主党が、額賀財務相をめぐって派手なドンパチをやったあと問題をうやむやにして、防衛疑獄が宮崎元伸と守屋武昌の2人で幕引きされてしまうなら、これは国民をバカにした茶番である。そんなことをさせないように監視の目を光らせ、適宜声をあげていかなければならないと考えている。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

しかし、同じ今朝の新聞は、東京地検特捜部が、山田洋行事件に絡んで、証人喚問が決定した守屋前次官をきょう収賄容疑で逮捕する方針を固めたと報じている。これによって、守屋氏の証人喚問は不可能になる。守屋氏の逮捕はかなり前から週刊誌などで予測されていた通りであり、与野党とも守屋氏を実際に喚問するのは不可能と知りつつ、泥仕合を演じていると考えてよいだろう。
泥仕合というのは額賀財務相が宴席に同席したか否かをめぐる自民党と民主党の激突のことだ。民主党は証言をもとに額賀財務相を詰問し、額賀氏は言葉を詰まらせていたが、昨日(27日)、自民党は額賀氏が該当日(昨年12月4日)には都内の勉強会に出席しており、その時の写真や録音テープが残っていて、宴席出席はあり得ないと主張、昨年の「偽メール事件」も出して民主党を皮肉った。一方民主党は証言者が守屋前次官であることを明かし、自民党の物証に対して守屋氏の証言で「全面対決」する構えだそうだが、守屋氏の逮捕で問題がウヤムヤ、というシナリオが今から見えている。
そもそも宴席に同席したか否かなど、誤解を恐れずに言えば些細な問題であり、本丸はあくまで巨大な防衛利権、中でも沖縄利権である。そして何度も書くようにラスボスは小泉純一郎(コイズミ)であって、民主党の小沢一郎や前原誠司、長島昭久らにも疑惑がささやかれている。もちろん自民党旧竹下派の面々は、彼らに行き着く前段階の疑惑の人物たちだ。
これまでほとんど手のつけられてこなかった防衛利権の闇を暴き、この分野における国の無駄遣いをただすことなくして、消費税増税などの国民負担増は許されない。これが当ブログの基本的なスタンスであって、額賀をめぐるドンパチについては勝手にやってくれ、どうせスネに傷を持つ同士の自民党と民主党のなれ合いではないかとさめた目で見ている次第だ。
森永卓郎氏は、日経BPのサイトの 「構造改革をどう生きるか」 の最新コラム 「飄々と始まった増税論議」 で、福田政権の増税路線を批判しているが、最後にこんなことを書いている。
では、今後どのような展開が待ち受けているのか。ちょっと想像してみよう。
おそらく(消費税)17%はブラフであり、そのまま通るとは誰も思っていないだろう。そこで、総選挙が終わったところで、自民党は10%という法案を出してくるのではないか。ところが参議院は与野党逆転しているために、そんな法案は通るわけがない。そもそも、総選挙の結果がどうなるか分からないが、それはここではおいておくとしよう。
そこで福田総理はどう出るか。ここからはわたしの勝手な予想である。民主党が反対したところで、小沢代表にまた党首会談を持ちかけるのではないか。そこで、前回の党首会談に怒っている小沢代表に花を持たせて、ちょっと数字を下げる。「小沢代表の力で消費税10%が7%になった!」。
7%というところが落としどころと見ているのではないか。だからなのか、どこからも7%という数字が出てこないのが不思議なのである。
前回の党首会談に懲りずに、こんなふうにして、もう一度小沢代表を利用するシナリオを考えているのではないかという気がしてならないのだ。
(森永卓郎 「構造改革をどう生きるか」 第109回 「飄々と始まった増税論議」より)
森永氏一流の皮肉たっぷりな文章だが、福田康夫と小沢一郎なら本当にこんなことをやりかねないと思えてしまう。思えば、かつて細川内閣は消費税7%という国民福祉税構想を唱えたが、即日白紙撤回させられた。当時3%だった消費税率を7%に引き上げようとした張本人が新生党の小沢一郎だった。そのことを知っている人間が、「小沢代表の力で消費税10%が7%になった!」という森永氏の文章を読むと、思わず吹き出してしまうのである。
だが、笑っている場合ではない。自民党と民主党が、額賀財務相をめぐって派手なドンパチをやったあと問題をうやむやにして、防衛疑獄が宮崎元伸と守屋武昌の2人で幕引きされてしまうなら、これは国民をバカにした茶番である。そんなことをさせないように監視の目を光らせ、適宜声をあげていかなければならないと考えている。
#この記事は、「トラックバックピープル・自民党」 にトラックバックしています。ここにTBされている他の自民党関係の記事も、どうかご覧下さい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

- 関連記事
-
- 限界集落についての補遺 & 防衛疑獄捜査の今後 (2007/12/04)
- 額賀・守屋両氏の喚問が決定されるも、守屋氏きょう逮捕へ (2007/11/28)
- 野中広務が指摘する小沢一郎周辺の 「防衛利権」 疑惑 (2007/11/17)
スポンサーサイト
Kojitakenさん、
おはようございます。守屋氏が証人喚問前に逮捕されたのは、きっと自民党がなんとしても額賀と守屋氏の喚問を阻止するために検察側に手を回したのかもしれませんね。
あきれて何も言えません。
2007.11.28 07:47 URL | 美爾依 #HfMzn2gY [ 編集 ]
初めまして。
そういえばこの日は中国の軍艦が東京湾に入港した日ですが、平和団体の方々は行かなかったようですね(棒読み)。
2007.12.05 22:27 URL | KY #- [ 編集 ]
トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/512-a6e07c7b
低投票率でも共産党が勝利!負けても負けてもあきらめず、共産党へ地道に投票する有権者たちのおかげ!
自治体首長選挙を全国的に見ると、たいていは 日本共産党推薦(支持)候補 vs
2007.11.29 01:27 | 嶋ともうみ☆たしかな野党を応援し続ける勇気を!