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きまぐれな日々

防衛疑獄をめぐって、小沢一郎・民主党代表の周辺がキナ臭さを増してきた。

トラックバックいただいた 「大津留公彦のブログ2」 のエントリ 「平成のロッキード事件」 に、「週刊現代」に松田賢弥氏(昨年、安倍晋三を追及する記事を同誌に連載したフリージャーナリスト)の記事 " 野中広務と「小沢一郎と消えた湾岸戦費1兆円」 " が紹介されているが、野中広務は 「サンデー毎日」 の11月25日号でも小沢一郎批判を展開している。

野中は、小沢一郎の側近だった中西啓介元防衛庁長官(故人)と田村秀昭元参院議員の2人をめぐる「防衛利権」の疑惑に言及している。

野中の著書 『私は闘う』 から 「サンデー毎日」 が引用している部分を以下に孫引きする。

細川政権時代に小沢さんの側近の中西啓介防衛庁長官(故人)は訪米した際、米国の防衛産業関係のロビイストと接触している。ダグラス・グラマン事件にも関与したジョン・カーボという男である。当時は防衛庁が次期多用途支援機(UX)の選定に入っている時期だった。それを考えると、防衛庁長官の行動はさまざまな疑惑を呼ぶ非常識な行動だ。

(「サンデー毎日」 2007年11月25日号に掲載された野中広務 『私は闘う』 からの引用)

野中によると、中西防衛庁長官(当時)は、1993年12月1日に、「半世紀前に作った憲法にしがみついているようなあり方はどう考えてもまずい」と改憲発言を行い、この責任を問われて翌日防衛庁長官を辞任したが、野中による中西への「防衛利権」の追及から逃れるためではなかったかと推測している。野中はこの件を12月8日の衆院予算委員会で取り上げたが、その時には中西は防衛庁長官の座を去っていた。そして、野中が中西の訪米時の日程について防衛庁幹部に問い合わせたのは12月1日で、その日の夜のパーティーで中西が「改憲発言」をしたのだという。

野中は、「小沢氏自身の防衛利権の話は知らない」としながらも、田村秀昭元参院議員が新進党が分裂しても小沢についていったことに注目しているという。「サンデー毎日」が以前に報じていたところによると、もと「山田洋行」専務の宮崎元伸容疑者は、1989年に田村元議員が初当選した際、2億円くらい山田洋行が選挙資金を田村氏のために用立てたそうだ。但し、11月1日の当ブログ記事にも書いたように、田村元議員は一昨年に民主党の安全保障政策に不満を持って国民新党に参加し、民主党を除籍処分になっている(当時の民主党代表は岡田克也氏)。中西氏や田村氏と防衛業界の関係について「サンデー毎日」の問い合わせを受けた小沢事務所は「全く存じ上げない」と無関係を強調しているそうだが、灰色との印象は拭えない。

しかしながら、小沢一郎を「悪魔」と呼んで敵視する野中広務にしても、率直に言って「決め手不足」の感は否めない。このくだりを読んで、小沢支持の方はやや胸をなで下ろされたかもしれないが、野中は、小沢の「過去」について、既に 『政界裏面史』 に書きためており、それは野中の死後に公表されるようにしてあるのだそうだ。外部の人間としては、生きているうちに公表してほしいものだと思うのだが、これも野中が自らの身の安全を確保するためかもしれないと思うと、無理なお願いはできないような気もする。当ブログ管理人がブログを始めて間がない昨年5月20日に公開した記事 「キーマンが「自殺」した大事件」 にも書いたように、政界がらみの大事件に変死者(多くは「自殺」とされる)はつきものだからだ。昨年のライブドア事件に絡んで、前首相・安倍晋三の非公式後援会 「安晋会」 の理事だった野口英昭・エイチエス証券元副社長が沖縄で変死を遂げた件は、記憶に新しいところだろう。

さて、本エントリでは野中広務が小沢一郎周辺の「防衛利権」疑惑を指摘したことをもっぱら紹介してきたが、野中が小沢一郎以上に敵意を燃やす政治家は、いうまでもなくコイズミである。守屋武昌にしても、もともとは旧竹下派とつながっていたが、コイズミ政権下では一転して、それまで旧竹下派が持っていた防衛利権を竹下派からシャットアウトして、森派(現町村派)に移し変える役割を担っていたとされる。つまり、何度も書くが、防衛疑獄を追及していった時、最後の最後に登場するラスボスはコイズミなのである。

追及がそこまでいくとはとても思えないが、そうでもならない限り日本の政治が良くなることはないと思う今日この頃である。


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ご紹介ありがとうございました。
小沢ネタが当分切れそうもありません。

2007.11.17 22:10 URL | 大津留公彦 #- [ 編集 ]













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2007.11.18 13:17 | ジョディーは友達