きまぐれな日々

福田康夫首相と民主党の小沢一郎代表との党首会談で何が話し合われたかが話題になっている。

新聞報道などでは、新テロ特措法について話し合われたことになっているが、多くの方同様、私もそれを疑っている。既にアメリカの要人が、日本の海上自衛隊の給油活動を止めても大した影響はないようなことを発言しているし、福田首相は新テロ特措法の成立などとっくにあきらめているだろう。一方、小沢代表が自衛隊のISAF参加論を唱えたのも、おそらくはインド洋での海自の給油が対米隷従に過ぎないことを国民に印象づけるねらいがあって、実際には民主党は非軍事分野でのISAF参加に主張をとどめる意向のようだ。

それなら、党首会談で何が話し合われたかだが、一部で推測されているように、自民党と民主党の大連立や解散・総選挙について話し合われたのだろうと思う。

この大連立は、中曽根康弘元首相や読売新聞の渡邉恒雄会長(ナベツネ)がご執心の構想だ。ナベツネらは、安倍晋三政権の末期には、自民党の政治家らと「安倍外し」の密談をしていたと報じられたこともあるから、おそらく、コイズミ・安倍らを排除した上での自民党と民主党の大連立をもくろんでいるのだろう。

今、保守勢力の経済政策は、コイズミ・安倍・竹中らのラジカルな新自由主義路線、福田・谷垣らの消費税増税・財政再建路線、国民新党などの公共事業による景気浮揚路線、それに小沢一郎らが舵を切ろうとしている社民主義寄りの路線などに分かれると思う。前二者は「小さな政府」志向の新自由主義型、後二者は「大きな政府」志向の開発または福祉国家型ということになろうか。

ナベツネは、「市場原理主義」が大嫌いらしいが、それはコイズミ・竹中の極端な新自由主義を嫌っているだけの話で、自らは読売巨人軍のオーナーとしてプロ野球に新自由主義的なやり方を持ち込んで、プロ野球をめちゃくちゃにしたことがある。つまり、根っから新自由主義に敵対的であるわけではなく、福田や谷垣の財務省寄り財政再建路線には融和的なのだろう。そして、「反コイズミ・竹中」を共通項にして、福田自民党と小沢民主党をくっつけようとしているのではないだろうか。おそらくまたナベツネがフィクサー気取りでいるのだと思う。

かつてナベツネは、自自公連立の工作に関与したとされる。この時、自由党の小沢一郎は、連立与党に加わったが、わずか2年後に小沢は連立を離脱、自由党は分裂した。このいきさつもあるから、小沢が現時点での大連立に乗るとは思えない。大連立になんか乗ってしまったら、次の選挙で民主党は有権者の怒りを買って大敗し、小沢の思うような政治は全然できず、結局自民党の政治家がイニシアチブを握り続けるであろうことは火を見るより明らかだからだ。小沢にとってメリットは何もない。

となると、今すでに手詰まりになっている福田政権は、早期に解散・総選挙への道を探るしかない。福田首相と小沢代表の会談では、その解散・総選挙についても話し合われたのではないか。小沢が大連立に乗れないのは、そんなものに乗ったら選挙に負けるからだが、選挙のあとでなお民主党が多数をとれない状態だったら、政界再編成が行われた上での連立は、大いにありうる話だ。民主党が多数になれば民主党を中心にした政権になるが、自民党が分裂して一部が民主党と連立与党になる可能性もある。いずれにしても、福田康夫としても座して死を待つよりまだ活路が残っている今のうちに解散したい、どの道安倍晋三内閣の崩壊に伴って発足した選挙管理内閣的色合いの濃い政権なのだから、と考えても不思議はない。

そんなわけで、いつ解散・総選挙があってもおかしくない緊張感が漂い始めた。

山田洋行絡みの防衛利権の件は、「サンデー毎日」11月11日号に山田洋行元専務・宮崎元伸氏のインタビューが掲載された。宮崎氏は、東京地検特捜部の捜査を受けている模様で、特捜部の本命は宮崎氏や守屋武昌・元防衛事務次官などではなく、もっと大きなことを狙っているのではないかと宮崎氏は語っている。

「サンデー毎日」の記事は、田村秀昭元参院議員の名前を挙げている。防衛大一期生で航空自衛隊OBの田村氏は、小沢一郎の元側近として知られており、小沢とともに自民党?新生党?新進党?自由党?民主党と渡り歩いたが、一昨年8月、民主党の安全保障政策を不満として国民新党に参加、民主党から除籍処分を受けた議員だ。

宮崎元専務は、小沢一郎への献金は宮崎氏自身が始めたと「サンデー毎日」に明かし、「福田康夫首相ともホームパーティーで会ったりした」と述べている。この件では、福田首相も小沢代表も叩けば埃が出る可能性があることになる。

ただ、宮崎元専務が山田洋行の「永田町担当」だったという通説に対し、宮崎氏は「政治家とは深い付き合いをしていない」と述べ、防衛族議員を束ねている存在として、「安全保障議員協議会」の秋山直紀氏という人物の名を挙げた。

秋山氏については、当ブログは全く不案内なのだが、山岡俊介氏の 「ストレイ・ドッグ」 の9月25日付記事によると、「週刊金曜日」 9月21日号の記事に報じられているようだ。いい加減で申し訳ないが、現時点ではその記事を確認できていない。秋山氏につながる議員として、額賀福志郎、久間章生の歴代防衛庁長官に加えて、民主党の前原誠司前代表の名前があがっている。

詳しく触れる時間がなくなってきたが、「サンデー毎日」も今回の防衛利権問題の本丸は沖縄米軍基地の普天間飛行場移設問題をめぐる利権だと指摘している。ここには、年平均200億円の利権構造があり、雑誌記事には掲載されていないが、ラスボスの政治家として、元首相・小泉純一郎の名前も取りざたされている。もしコイズミ逮捕となると、かつての田中角栄逮捕に匹敵する大ニュースとなるが、そこまで行き着く可能性が高いとはとても思えない今日この頃である。

[追記] (2007.11.4)
当初、秋山直紀氏についての記事を掲載した雑誌を「FACTA」としていましたが、「週刊金曜日」の誤りでした。訂正します。


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最近の経済指標を見ると、コイズミカイカクによる国民生活の破綻が顕著になっており、耐震偽装などの結果、住宅着工も-44%と激減しています。中国特需に依存してきた日本経済が近いうちに大失速する可能性が高いのではないでしょうか。多くの国民の懐を暖めない政策では、結果的に国も、企業も繁栄できるわけがありません。将来の経済恐慌の危機感を抱いた福田首相と小沢代表による密談で、経済政策のコイズミカイカクからの完全離脱、大転換の協力を依頼してのものではないのかと、好き勝手な希望的観測をしました。

2007.11.01 09:34 URL | scotti #- [ 編集 ]

清和会・自滅党の延命をすることは民主党にとっても小沢にとっても何よりも国民にとって一利もないですから。
壊し屋小沢は清和会政権自民党を破壊して政権を奪取するのみですね。

嫌らしい読売や森・武部の連立論や共闘説なんぞ聞くも汚らわしいです。

2007.11.01 14:02 URL | 黒尼 #rHVwIo2A [ 編集 ]

今晩は、kojitakenさん。
さきほど、某筋から聞いたんやんけど、
北側幹事長が、自民と民主のあいダデ、汗かくのもいいこと、とか何とかTVで言ってたそうで・・。
当然、大作大先生の了解の下での、ご発言でしょうから、
明日の総理・代表会談の②は、いよいよ、政界あさいへンに向けたもの、との観測が一層高まるでしょうね。

PS
な~んだ。昨夜の発言だったんだ↓。
http://www.komei.or.jp/news/2007/1101/9982.html

2007.11.01 17:58 URL | 三介 #CRE.7pXc [ 編集 ]













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