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きまぐれな日々

最初に、もと「AbEnd」仲間だったブログ間で持ち上がっているトラブルの件だが、当ブログ管理人の名前も出ているのでちょっとだけ書いておくと、片側の当事者の書いている、「事情を知っていて、間に入った」人間というのは、当ブログ管理人のことである。当時は調停をしようとしながら、今回は一方的な立場をとったのは、昨年のことを思い出していやな気持ちになったからだ。1年近くも前のトラブルが今になって表面化してしまったのは、当ブログの不用意な表現が導火線になったせいだが、個人的な希望からいうと、昨年のトラブルを思い出させるようなTBPのテーマは立ち上がってほしくなかった。もちろんこれは個人的な思いに過ぎず、誰にも強制できるものではない。テーマを絞って論議が深まるようなひと工夫があればよかったと思うのだが、現状を支持する意見が多数であれば、もちろんそれはそれでかまわない。ただ、自民党なり自公政権を相手にするには、対「安倍晋三」と同じやり方は通用しない。相手は狡猾であり、スローガンを連呼しているだけではダメで、知恵を絞らなければ勝てないと思う。

さて、本題に移る。まずはみのもんたの話から入る。

みのもんたというと、安倍晋三や石原慎太郎をひたすら持ち上げたことで有名な電波芸者、いやテレビ司会者で、リベラルや左派系ブロガーの標的だった。当ブログでも、「くたばれ! みのもんた!!」 という記事を公開し、公開当時はかなりのアクセスを集めた記事だった。

そのみのが、最近、沖縄戦教科書記述問題で、沖縄県民の心情に理解を示し、検定を批判してネットウヨの標的になっているという。「Munchener Brucke」がこの件をとりあげている。

「みのもんたがネットウヨの攻撃に晒されている」
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20071014

安倍晋三に心酔しているみのもんたが、一方で毎年8月15日を沖縄で過ごし、沖縄戦の集団自決に軍の関与はなかったとする「つくる会」の歴史修正主義に激怒するのは、確かに奇異な感じがするが、私も、みのがそのような主張をするのを見たことがある。この件だけ切り取ってみると、みのの主張は妥当だと思うが、これは、さんざんみのが持ち上げていた安倍晋三やその取り巻きの主張とは相容れないはずだ。

私は、安倍政権から福田政権に変わって、同時に世論の風向きも変わったので、風見鶏のみのがまた転向したのだろう、くらいに考えているが、保守が煽情的なものの言い方をするようになったという「Munchener Brucke」の指摘は当たっていると思う。

以前、当ブログは "反ポピュリズム宣言" (1月29日)という記事で、「小泉内閣の登場によって、従来はどちらかというと反政権側の属性であった「ポピュリズム」は、権力者が大衆の懐柔に用いる手段となった」と指摘した。自民党政権が顕著に大衆に迎合するようになったのは、コイズミ政権の時からだろう。

コイズミ政権のごく初期に、ハンセン病の国家賠償請求訴訟で国が敗訴した時、控訴を断念したことがあった。この時から私はコイズミの本質がポピュリストであると考えていたから、「コイズミならきっと控訴を断念する」と予想していたら、その通りになった。

この判断自体は妥当であり、批判されるべきものではないが、これは、いかにもコイズミが「国民の側に立つ政治家」であるかのような錯覚を与えるのに非常に効果的だった。そんなコイズミが実際に行ったのは、弱肉強食の冷酷な新自由主義経済政策だった。「痛みに耐えて」土俵に上がって優勝し、コイズミに「感動」してもらった代償に、貴乃花が土俵生命を失っても、コイズミ政権が何の補償もしないのは当然のことだ。国民が痛みに耐えた結果、でき上がったのはとんでもない「格差社会」だった。コイズミは、一つの善行と引きかえに、際限のないほど多くの悪行を行ったのだ。

おっと、また話がそれそうになった。今日のテーマは「新自由主義批判」ではなく「ポピュリズム批判」だ。自民党の政治家たちがポピュリズムに走るようになってから、彼らの言動がずいぶん下品になった。その最たるものが、「郵政選挙」における「刺客作戦」であり、あれは大衆の劣情を刺激するもの以外のなにものでもなかったと思う。

最近、テレビの政治番組で自民党の中谷元・元防衛庁長官が「給油に反対するのはテロリストくらいのもの」と発言したが、これは「郵政民営化法案に反対する者は抵抗勢力」というのと同じ、決めつけの論法だ。前首相・安倍晋三は、週刊誌に「媚朝外交」を批判されると、「くれぐれも 北の走狗などと揶揄されぬように」などと反論した(2006年11月7日付エントリ "安倍晋三が講談社に「取材拒否」")。塩崎前内閣官房長官は、参院選の選挙戦終盤に、「自民党が敗北すると改革が止まり、それで一番喜ぶのは民主党、二番目は北朝鮮だ」と発言した。

すべてがこの調子である。国民を馬鹿にし切っている。彼らの論法の特徴は、下記の三つだ。

まず、ありもしない幻想を振りまく。「郵政民営化さえ実現すれば、カイカクがどんどん進んで、いい世の中になる」といわんばかりのコイズミのスローガン「カイカクを止めるな」がその例だ。

次に、仮想敵を作る。それは、北朝鮮だったり朝日新聞だったり民主党・社民党だったり「抵抗勢力」だったりする。そして、被害者を装う。安倍晋三は、NHKや朝日新聞の捏造報道の被害者であるかのように訴えたが、実際には安倍の方が嘘をついていたことを魚住昭さんが示した(昨年11月12日付エントリ "安倍晋三は「平気で嘘をつくウルウルタイプ" 参照)。

最後にやるのが反対勢力に対する「排除の論理」だ。ただ、これはコイズミが「抵抗勢力」を攻撃した頃には効果があったが、民主党を北朝鮮やテロリストの味方呼ばわりしても、自民党の下品さだけがクローズアップされて逆効果なのではないかと思う。国民はそこまで馬鹿ではないはずだ。

ただ、給油継続の問題については、右派メディアを味方につけての自民党の世論操作が功を奏したかに見え、いまや世論も給油賛成派の方が反対派を上回っている。

こういう時こそ、自民党のよこしまな意図や、その論理のイカサマ性を突くブログの主張が求められるのだ。この状況にあって、どうして、「小沢主義」支持をかつて明言したブログが、スローガンの連呼や過去のブログ間トラブルを今ごろ公表する記事ばかりを書いていられるのだろうか。「広島瀬戸内新聞ニュース」などには、ともに憲法違反の疑いがあるとして一緒くたにされがちな、自民党の主張する「給油継続」と小沢一郎の主張する「自衛隊のISAF参加」の質的な違いを指摘した当ブログの記事を何度も紹介していただいているが、残念ながらブログ界においてはそれは少数派だ。なぜ小沢の意見に必ずしも賛成でない当ブログが小沢の立場を説明しなければならないのかと思ってしまう。

実は、よく見られる教条的な左翼の言論とは違って、日本共産党はもっと現実的な戦略を持っているように思われるのだが、それについては明日か明後日以降の記事で述べたいと思う。現時点では、まだ当ブログは準備不足である。


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