きまぐれな日々

昨日(10月6日)トラックバックいただいた「あんち・アンチエイジング・メロディ」の記事「食を守ることはバラマキではない」にも書かれているが、参院選で安倍晋三率いる自民党が惨敗し、さらに9月25日をもって安倍内閣が総辞職したことによって、リベラル系ブロガーの間にも安堵感が広がり、更新間隔が開いてきたブログも多いようだ。とはいえ、メロディさんも書かれるように、「改憲、しかも実に品のない新憲法草案を掲げる自民党が政権を握っている間は油断はならないので、『自エンド』を目指して厳しくチェックしなければならない」と私も思う。

このところの数か月、講談社の「現代」ともども私が購入している月刊誌が朝日新聞社の「論座」である。先月号(10月号)には、「安倍首相との "共生"」という特集が掲載されていたが、幸いにも突然の安倍の辞任によって、安倍と「共生」する必要はなくなった。今月号(11月号)には、「安倍政権自壊、福田政権誕生 崖っぷちの自民党」という特集が掲載されている。佐々木毅、山口二郎、塩川正十郎、今井舞、吉崎達彦、岡留安則、佐野眞一という、保守派からリベラルまでを含む7氏が寄稿している。急進的な左右両翼の論者を選んでいないあたりに現在の朝日新聞社のスタンスを見ることができるだろう。但し、「サンデープロジェクト」によく出てくる吉崎達彦氏(今日も出ていた)は、相当に度の強い「ネオコン・ネオリベ」の人である。

山口二郎氏は、安倍自民党が陥った2つの矛盾を指摘している。第一の矛盾は、安倍が「価値観外交」(自由と民主主義を共有するパートナーとして、アメリカやインドなどとの関係を重視する外交)を唱えていながら、同時に「粗野なナショナリズムを前面に打ち出し」(カギカッコ内は山口氏の記事からの引用=以下同様)、従軍慰安婦に狭義の強制はなかったなどと発言して国際的な非難を浴びたことで、第二の矛盾は、コイズミ政権から引き継いだ「構造改革」という名の新自由主義政策によって格差が拡大し、自民党を支持してきた人たちが自民党の政策を疑うようになったことである。このあたりは、ごく当たり前の指摘であり、山口氏の言うように、「安倍という、選んではならない人物を総裁・総理に選んだ自民党は、党全体として統治能力を失っている」と私も思う。山口氏は、「せっかく参議院選挙で、「安倍の進める新自由主義」対「小沢の掲げる社会民主主義」という対立を明確にできたのに、福田はクリンチばかりするボクサーのようなものである」としながらも、「自民党に正気が残っていれば、政策転換をするのが当然」、「二大政党の競争も、単なるスローガンの対比ではなく、より具体的な政策の競争に進化しなければならない」と指摘している。氏は、「イギリスでも、保守党はサッチャー主義を捨て去り、医療や教育の充実という同じような政策をめぐって労働党を対決している」との例を挙げているが、現在しばしば新自由主義者が口にする「カイカクを後戻りさせるな」というスローガンがいかに噴飯ものであるかがわかるだろう。既に、イギリスでもサッチャーが進めた新自由主義カイカクへの修正が行われているのである。

さて、今回そのタイトルが気に入ったのが、ノンフィクション作家・佐野眞一氏の "「厄災の宰相」を記憶せよ" という記事である。記事は、安倍と同じ山口県出身の民俗学者・宮本常一(1907-1981)を引き合いに出し、宮本の「読む力」を称賛しながら、対照的に若者にまで "KY" (空気が読めない)と馬鹿にされた安倍を批判するものだが、佐野氏の記事の末尾の部分を以下に引用する。

(前略)この雑誌が出る頃には、自民党の次期総裁が決まっている。だが重要なのは、誰が新総裁になったかではなく、総裁選に際し勝馬に乗れ式の無定見なふるまいを見せつけられ、新たな政治不信にかられてしまったことである。お祭り騒ぎの総裁選に目を眩(くら)まされ、安倍辞任の衝撃を忘れてはならない。宰相不適格としか思えない人物を総裁にしたのは、ほかならぬ自民党なのである。

 歴代総理中、安倍晋三の名は厄災(やくさい)の宰相として長く記憶にとどまるだろうし、またとどめなければならない。安倍総理が突然辞任を発表した2007年9月12日は、わが国の政治史に容易には消せない汚点と禍根を残すことになった。

(「論座」 2007年11月号掲載 佐野眞一 "「厄災の宰相」を記憶せよ" より)


佐野氏の意見に、私も全面的に賛成である。

さて、「論座」の記事の紹介が長くなってしまった。明日こそは、当ブログとして安倍晋三内閣を総括する記事を書きたいと思う。


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 「厄災の宰相」。全面的に賛同します。
 ただ、その負の遺産を解消しなくては、厄災が残ってしまいます。

2007.10.07 13:32 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

アベの総括は、まったく終わっていないですね。マスコミがさぼっています。
総裁の顔が変わっても 自民党の本質は、何も変わっていません。
それを変わったみたいに報道するマスコミもね、今でも権力があるほうをよいしょしていますね。

2007.10.07 14:29 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]

9.12ではなくて、9.11だったら、もっとすごいことになったと思うけど…。またその後の茶番劇について、後世の歴史家は、どうやって書くんだろうね。

そういえば、安倍前首相も言ってたよね。「大東亜戦争」の評価は、「後世の史家に任せる」ってね。思い出したよ。「日本の恥サラシ宰相」って言われるよね。きっと。どっかの「親方」と同じように「永久追放」だよ。自覚しろ!

2007.10.07 19:40 URL | コミュニスト #- [ 編集 ]













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「自End」は現代ネット版のええじゃないかだ。いろいろの「いいニャ~自End」があったってええじゃないか。(笑)
 TBPの話題設定について統一しろとかなんとか寝ぼけたことを言っている人がいるが

2007.10.07 13:47 | 雑談日記(徒然なるままに、。)

『9条世界会議』にご賛同ください!
来年五月五日に幕張メッセに7千人を集めた国際会議をやろうという運動があります。私も賛同しました

2007.10.08 21:48 | 大津留公彦のブログ2

ニュースペーパーの映像ありました
ニュースペーパーの映像をyoutubeで探しましたらありました。日本テレビのすっきりという番組に出たときのものです。

2007.10.11 00:27 | 大津留公彦のブログ2

きらりと光るダイヤのような日
10月11日(木)21:00 3年B組金八先生スタートスペシャルを見ました。印象に残った金八先生の言葉は

2007.10.12 00:08 | 大津留公彦のブログ2

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今日の金八先生で最も印象的だったには次の言葉人生は自分が出した答えだけが答え

2007.10.19 00:12 | 大津留公彦のブログ2

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8・21山里会でのナベツネ講演
「年金問題や税制、そして憲法や安全保障など多くの懸案事項を一挙に解決するために、大連立が必要なのである」?

2007.11.10 00:36 | 大津留公彦のブログ2

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今日の金八先生で自殺抑制ロールプレイングゲームと言うものをやっていた。 学校でこれをやらざるを得ない状況が悲しい。

2007.11.15 23:24 | 大津留公彦のブログ2

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11・24付け週刊現代に「平成のロッキード事件」と小沢騒動の真相という特集記事の二回目です。

2007.11.18 00:54 | 大津留公彦のブログ2

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11・24付け週刊現代の記事の続きです。

2007.11.21 00:16 | 大津留公彦のブログ2

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駿の女形が美しかった。 なんだかすごみがあった。 この配役は最初からこの踊りを前提にしていたのだろう。

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