きまぐれな日々

あのどうしようもない安倍内閣が先月末に内閣改造を行った時、内閣の支持率が10%ほど上がった。その2週間後に崩壊した内閣の支持率が、である。

だから、福田内閣の支持率は50%くらいはいくだろうと思っていた。しかし、現実に読売新聞で57.5%、共同通信で57.8%、朝日新聞で53%という数字を見せつけられると、気が滅入るものがある。

昔から、どんな内閣であっても、発足当初は支持率が高めに出るものではある。だが、小泉純一郎内閣以来、その傾向が異常になってしまっている。国民の批判能力が落ちている、というより国民の知性が劣化していると思う。誤解を恐れずにいえば、「B層」が国民全体に占める割合が、異様に増大しているのだ。そして、内閣発足当初の支持率が、昔ではあり得なかったようなはね上がり方を示すようになった。

私は、コアな自民党支持者に対しては、そんなに非難するつもりはない。十人十色という言葉があるように、人の意見は皆違っていて当たり前だ。

しかし、自分の考えがなく簡単に流されてしまう人たちに対しては、知的訓練が欠けていると非難したい。参院選前の安倍内閣末期の支持率は20%台、安倍改造内閣の支持率は30%台、福田内閣発足直後の支持率は50%台だが、最悪は安倍内閣改造で内閣不支持から支持に戻った10%であって、これが「ヘビーなB層」、福田内閣発足で内閣支持に戻った20%は「ライトなB層」に相当するだろう。

こういう「B層」の話を持ち出すと、愚民思想だといって非難する向きがあるが、実際にファシズムを生み出すのはこうした「B層」であり、私はこれに対する批判が現状では弱すぎると思う。

政治家は民度を映す鏡だとはよく言われることだが、安倍晋三などという、冷静に考えればどう考えても無能であり、その器でない人間が総理大臣になるのを許したということは、日本人の知性の劣化は深刻だと考えざるを得ない。

自民党には、かつて「三角大福中」がしのぎを削った時代があった。この5人に、世襲政治家は一人もいない。これに対し、昨年、ポストコイズミ争いをすると報じられた「麻垣康三」は全員が世襲議員である。

企業は、経営を二代目、三代目に任せるようになると、没落していくことが多い。自民党も同様だと思うのだが、救いがないと思うのは、そんな自民党政権を国民が支持することだ。

私は、ここまで国民の知性が劣化したのは、国民が「考える訓練」を十分にしなくなったからではないかと思う。日本の学校教育は、70年代がもっとも内容が難解だったそうだ。70年代というのは、自民党の支持率が極小値をとった時代である。当時のカリキュラムは「詰め込み教育」だとして批判されたが、私は人間が「考える力」を身につけるためには、子供時代にはある程度知識を詰め込むことも必要だと思う。たとえば、政治問題や経済問題については、いろいろな立場での考え方があることを知った上で、どういう解が最適かという自分の意見にたどり着くのではないだろうか。

三浦朱門という作家がいて、こいつは、被支配層にはほどほどの教育を施しておけばよい、その上で、優秀な支配層が被支配層を導いていけばよいという思想を持っている。「私の妻(曽野綾子)は二次方程式が解けなくとも、日常生活に不便はなかった」、「これからはかけ算の九九を言えなくて中学を卒業する子も出るだろう。すべての生徒がある程度のレベルをマスターできると思うのは錯覚だし、マスターさせようとするのも愚かしい」などというのが三浦の発言である。

70年代、国民の政府批判に業を煮やした文部省は、「ゆとり教育」への転換を行ったのだが、その背景には三浦のような思想があったと考えるべきではないだろうか。つまり、国民を支配しやすくするために、国民の教育水準を下げようという考え方である。そして、少数の者には、被支配者を支配する術を叩き込もうというのだ。

痛恨事だったと思うのは、「ゆとり教育」というのが、一見日教組やリベラルの人たちに受け入れられやすい政策であったために、抵抗なく広がっていったことだ。その結果、日本はいまや先進国の中でもっとも子供たちが勉強をしない国になってしまった。これではダメだ。十分な知識という土台があって初めて「考える力」が身につくのではなかろうか。

よく「グローバル・スタンダード」がどうのというのだが、この言葉に内在する欺瞞性はとりあえず措くとして、支配者が国民を支配しやすくするためだけなら、愚民化政策も(支配者にとっては)有効なのだろうが、それでは国際的な競争力を失ってしまう。安倍前政権の「教育カイカク」のごときは、国家主義の強制であって論外だが、「ゆとり教育」は改めなければならないと思う。すべての国民が、一定以上の教育水準に達している必要があると私は考えるのだ。

話を戻すが、先週と今週は三連休が連続したが、17日と24日の月曜日に、普段は見ない朝のワイドショーをちょっとだけ見ていたら、自民党総裁選や福田新総裁の話題を延々と垂れ流していた。いまや、政治は娯楽化している。おそらく、コイズミの「劇場型政治」が国民をひきつけて以来の現象なのだろうと思う。昨年の安倍内閣発足の前後には、実は私は日本にいなかったので、ワイドショーはおろかニュース番組も見なかったのだが、さぞかしひどい安倍の宣伝番組が垂れ流されていたことだろう。当時、安倍内閣の支持率は60%を超えており、読売新聞の調査では、実に70%をたたき出していた。

ところで、よく「政治ブログ」が敷居が高いとかいう人がいるが、そんなことはあるまい。たとえば当ブログなどは、高校の政治・経済の教科書レベルの知識をもとに、書籍や新聞・雑誌の記事などを参考にしながら書いているものだ。この程度で「敷居が高い」などと言われたのではたまったものではない。

さて、安倍政権時代には、安倍があまりにも復古主義的な極右イデオロギーをむき出しにしていた男だったし、どういうわけか脇が甘くて、スキャンダルに絡んでしょっちゅう安倍の名前が出てきた。だから、とにかく安倍の人気を失墜させることを第一にブログを運営してきた。ある程度のセンセーショナリズムも厭わなかった。最後はそれがマスコミでも主流になり、徹底した「安倍叩き」が行われたが、それには正直言って居心地の悪さがあった。多数派として皆と同じような意見を表明するのは、実は私はあまり好まないのである。

地味な実務家タイプの福田康夫が総理大臣になった現在は、いやでも方向を転換させなければならない(別にいやではないのだが)。実務家といっても、福田康夫の能力は、父の福田赳夫と比較するとはるかに劣るし、おいおい論じていきたいが、自民党の政策自体が行き詰まっていると考えているので、政策論を中心に福田政権を批判していくのもそんなに難しいことではないし、そもそも安倍改造内閣の閣僚を9割も引きついだ福田政権(首相補佐官の山谷えり子なる安倍晋三の子分まで再任したのには驚いた)の支持率が高止まりするはずもない。そういえば、福田赳夫内閣は「三木下ろし」で成立した内閣だったから、発足当時から支持率は低かったが、実務能力は高かった。今度の福田康夫内閣は、支持率は安倍内閣のように日を追って急落することはないかもしれないが(比較的ゆっくり、しかし確実に落ちていくと思う)、実務能力の低い内閣であろう。この内閣を、自民党最後の内閣にしたいものである。


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知性が劣化というより、マスコミの捏造が酷くなったということだと思います。
二階堂さんのところで書かれている例や、http://www.nikaidou.com/2007/09/post_547.html
ネットで世論調査した結果(これもデータをいじろうと思えばいじれるが)との乖離を見るとよく分かります。
もうちょっとB層を信頼しましょう。(^_^)

2007.09.27 11:09 URL | The Ginyu Force #- [ 編集 ]

 コメントどうもありがとうございました。
 教育論はさておき、福田内閣の支持率の高さには驚きました。
 しかし、安倍内閣の発足時よりは大分低い。そして今後上昇する要素は無いことを考えれば、ご祝儀相場と思っておけば良いでしょう。
 ある意味、安倍の危険性に嫌気が差していた国民が、福田に安心感を持ったという現象かも知れず、福田が実はそうでは無いとわかるにつれ支持率は下がるでしょう。
 でも、確かにB層とマスコミの偏向は問題ですが、打つ手がありません。民主党が、何らかの手を打って、マスコミに偏向報道をやめさせることが出来るかどうかでしょう。
 ではでは。

2007.09.27 11:24 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]

「B層をどうにかするべき」という議論はどうも不毛な気がしてならない。そんなことしても「B層」はどうせ見向きもしないのだから、、、それよりも「B層」の人間を振り回せる(振り向かせる?)だけの力量・根性を持った「A層」の人間の多様性がいかにも少なくなりすぎた、と思っているのは私だけだろうか?

2007.09.27 12:38 URL | #- [ 編集 ]

おなじ感想を持つものですが、マスコミのニュースにたいする取り扱い方には公正感・倫理性などこれっぽっちもみられない報道がおおくなりましたね。垂れ流し・権力迎合・芸能番組的な取り扱い方ですね。

視聴者もそういう番組に対して、見ないといく姿勢を持つべきだとおもいますが、結果
をみると、感化される国民もおおいんですね。

安倍が入院会見したときも「かわいそう」という意見をのべた人もいるんですから。まるで「がけっぷち犬」をみているような感覚ですかね。

2007.09.27 14:13 URL | chatarou #- [ 編集 ]

ストレスをちゃんと発散させることもするならば子供のころにある程度の詰め込み教育はあっていいと思います。

福田内閣の支持率はただのねつ造だと思うのですが・・・・B層は知性否定主義な部分があると思う。自分の洗練されてない感覚を信用しすぎというか。知識は世界を変える。

2007.09.27 19:27 URL | vv #- [ 編集 ]

小泉中期以来20%は下駄です。それ以下には
絶対に下がりません。
問題は本当に下駄まで信じて行動する人がどれだけいるかどうかだろうと思います。

2007.09.27 21:25 URL | L #1OwgYvk2 [ 編集 ]

私も国民の知性の劣化、と感じます。
どう思おうがどう感じようがそれはその人間の自由だけど、とにかく自分で考え探求する力がどんどんなくなってきているように思う。
ちなみに私は70年代に小学生でした。
それにしてもこの数字、本当のものなのか疑問。
粉飾されてることもありうるかな、と。
そうでなかったらこの国がホが多いのねと思っていたのでこちらのブログ記事見て安心しました。

2007.09.28 07:04 URL | はりちゃん #- [ 編集 ]

はじめまして。わたしは、日本人の知性の劣化と言う風に見ているわけではありませんが,読んで、うなづけるものがあります。
マスコミの権力化も無視できないものがあります。相互に関連しているのですが。最近実習に来る(当方、障害者作業所)学生を観ても、政治的社会的関心、知識の希薄さに唖然とします。教育も大きいですね。
全体としての社会的な雰囲気・・・。
私も、50%の不思議について書いてみました。理論的ではありませんが、日常用語的に。
よろしかったら、覗いて見て、ご意見ください。
それに、「B層」、あちこちでつかわれている用語のようですが・・・?
お邪魔しました。マタ時々読ませていただきます。

2007.09.28 13:40 URL | 友さん #- [ 編集 ]

ここブログの本文やコメント欄の文字が大きくなりましたね。読みやすくなりました。

B層には、打つ手がなし、ですね。
大新聞やNHKは見るけれど、その情報を全部信じてしまう層も、問題です。

いまや、新聞もテレビの信用なりません。
とにかく、政府もマスコミも、そろって愚民化を狙っているとしかいえない状態です。

読み書きそろばんは、詰め込んでもいいと思います。
どんな本でも自力で読めるくらいの国語力は必要です。
総合学習もゆとりの教育も、教師にゆとりと実力と、自由に使える予算があって初めて効果があるものでしょう。何をやっていいかわからなかったというのが大部分の先生たちの本音ではありませんか。
これに、小学校で専門家ではない教師に、英語を教えさせるという英語教育が必修になったら、またまた国民が劣化します。
日本語も読めないような人が、どうやって
世界の事を語るのでしょう。
ブッシュや白人を中東の人より上だなんて思う人が、国際的ではないでしょう。

という事で、上のkojitakenさんのおっしゃる事に同感します。

2007.09.30 14:24 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]













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反戦老年委員会解散宣言
 やや過激なタイトルですが、本月末をもって「反戦老年委員会」のエントリーをやめ、

2007.09.27 11:10 | 反戦塾

日本のマスゴミはミャンマーの軍事独裁政権を認めているんだね。だから「殺された」でなく「死亡」と言う言い方をするのだろう。
 「死亡」とだけ報道する日本のマスゴミ。日本のマスゴミはミャンマーの軍事独裁政権

2007.09.28 13:09 | 雑談日記(徒然なるままに、。)

安倍内閣の後継の福田内閣も『毎日がスキャンダル』『敬賄政治』をしっかり引き継いでいるようです(皮肉)
 「政治とカネ」 疑惑の閣僚こんなに(2007年9月29日「しんぶん赤旗」3面)

2007.09.30 22:21 | 嶋ともうみ☆たしかな野党を応援し続ける勇気を!