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きまぐれな日々

きょう9月25日、安倍晋三内閣が総辞職する。夜には福田康夫新内閣が発足する見込みだ。

例によって、福田内閣については特にコメントはしない。最低最悪だった安倍晋三から首相が変わるとはいえ、ネオリベ・ネオコンを基調とする自民党内閣であることに変わりはないからだ。

何も期待できない福田内閣のことはとりあえずほうっておいて、本エントリでは、「安倍を『the End!』させよう!」を合言葉に安倍晋三の打倒を目指したブログとして、安倍内閣及び安倍晋三についての総括を行いたいと思う。

初の戦後生まれの総理大臣だった安倍晋三だが、異例のスピード出世は、決して政治家として有能だったからではない。「三角大福中」がしのぎを削った時代があったとは信じられないほど、自民党は世襲議員が跋扈する政党になってしまっていて、特に小泉純一郎は周囲に世襲議員を集めるのを好んだ。安倍晋三のほか、麻生太郎、石破茂、石原信晃らが起用され、「またコイズミは二世議員を起用するのかよ」と当時よく思ったものだ。その中でも、コイズミは安倍を特に重用した。その理由はよくわからないが、一番自分の思いのままに操縦しやすいのが安倍だと思ったからではないだろうか。

安倍は、北朝鮮による拉致問題における強硬姿勢で人気を博したのだが、政界で頭角を現し始めていた頃の安倍は、「核武装合憲論」をぶち、「北朝鮮なんて、ペンペン草一本生えないようにしてやるぜえ」と口癖のように言っていた男だった。だが、上杉隆によると、安倍は2002年に北朝鮮を訪問したあとは、「ペンペン草」発言を口にしなくなったという。「弱い犬ほどよく吼える」というが、安倍は、どうやら恐れを抱いている相手に対してことさらに強がってみせる性格のようだ。北朝鮮を訪問して実態を見て、恐るるに足らないことを知ったのだろう。それでも、安倍は国民の歓心を買うために、しばしば北朝鮮に対する国民の悪いイメージを利用しようとした。しかし、それは政権の軽薄なイメージを増すだけだった。

安倍が「私の内閣」と言うのを好んだり、「権力の頂点にいる」と言ったりしたのも、内心の不安の裏返しではなかったかと思う。安倍は肉体面でも精神面でも、そして知力からも総理大臣の器ではなかった。安倍がそれを自覚していたかどうかはわからない。自覚していたら、総理大臣になどなろうと思わなかっただろうから、おそらく自覚していなかったのだろう。

特に、安倍に決定的に欠けていたのは哲学だった。安倍の政策は、政治思想的には国家主義的な新保守主義(ネオコン)に立ち、経済思想的には小泉純一郎内閣の新自由主義(ネオリベ)政策を引き継ぐものだったが、安倍には両者がコンフリクトするとは思いもよらなかったのではないか。現実には、安倍が特に力を入れようと思っていた「教育改革」で、ネオコンの教育再生会議とネオリベの規制改革会議が衝突し、教育カイカクは迷走した。これは安倍には予想外だっただろう。

おそらく、安倍は周囲の言うことを真面目に吸収しようとした結果、ネオリベ的政策とネオコン的政策が同居することになり、それが自己矛盾を起こしたのだと思う。安倍に十分な知力があれば、その矛盾を解決して安倍流の政治哲学を形成することもできたのだろうが、安倍の能力ではそれは無理だった。

当ブログは、安倍を厳しく批判し続けてきたが、安倍が根っからの「悪人」であるとは考えていない。安倍は、周囲の人間にはよく気を配る人間だと評されている。実際その通りなのだろう。しかし、安倍の政策は国民を苦しめるだけのものだった。安倍には周囲は見えても、国民は見えなかった。

いや、周囲だってどの程度見えていたのか。安倍が松岡利勝をかばい続けたのは、真の優しさとはいえないだろう。松岡が辞任に追い込まれると、内閣の存続が危うくなるから松岡をかばい、その結果松岡を自殺に追いやったとしかいいようがない。現職閣僚の自殺は、戦後初めてだった。統治能力の欠如が明らかになったこの時点で、当ブログは安倍内閣は総辞職すべきだと主張した(5月28日付エントリ「血塗られた「美しい国」」参照)。しかし、この時点では自民党内に「安倍下ろし」の動きは全く起きなかった。

安倍が統治能力を持っていないことは、自民党議員はみな感じていただろう。それでも「安倍下ろし」が起きなかったのは、安倍が事実上コイズミが指名した後継者だったからだ。現在、自民党ではコイズミがアンタッチャブルになっていて、誰もコイズミに逆らうことはできない。だから、今回の総裁選でも、福田康夫も麻生太郎も「修正構造カイカク」の立場に立たざるを得なかったのだ。

安倍に政権を一年もの長きにわたって委ねてしまったのは、わが国にとって痛恨事だった。国政は混乱し、国益は大いに損なわれた。

昨日(24日)、安倍はやっと国民に謝罪したが、遅きに失した。言葉をしぼり出すのがやっとの安倍の姿は、この男が「総理の器」ではないことを示すものでしかなかった。安倍は、引き続き国会議員の職にとどまるつもりだと述べたが、安倍政権一年の不首尾は、十分議員辞職に相当するものだと私は考える。この男を、次回の総選挙で落選させることができなければ、山口県の有権者の良識が疑われることになるだろう。

今日発足する福田新内閣も、自民党内閣である以上、コイズミの新自由主義政策を否定することはできず、国民を苦しめる政治が続いていく。今求められるのは早期の解散総選挙である。安倍は、一度も衆議院選挙の洗礼を得ることなく、コイズミが獲得した多数の議席の力でやりたい放題をやったが、その結果参議院選挙で国民から退場を促された。福田も、国民の信任を得た総理大臣とはいえないのだから、安倍によってもたらされた国政の混乱が一段落したところで、衆議院を解散して国民に信を問うべきだと考える。


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ついに安倍氏が「首相」でなくなる日が来ましたね。

 あっけない終わり方でしたけど・・・。
たいした敵ではなかったかな?(苦笑)
でも「教基法」&関連法を改正されたのは許せないです!

 私も安倍晋三TBに参加させて頂いていましたが・・・
 この1年、本当にお疲れ様でした。m(__)m

 そして、次は政権交代を目指してGO!ですね。(~~)
 自民党TBにも参加させて頂きますので、よろしくお願いいたします。m(__)m


2007.09.25 11:57 URL | mew #mQop/nM. [ 編集 ]

 素直に喜んでいない、天邪鬼の私です。
 安倍は確かに、危険な人物で、負債を多く残しました。しかし、基本的に能力も何も無い暗愚な人物で、そんな奴しか首相に担げない自民党と、日本と言う国に、絶望しかけたこともあります。
 しかし暗愚な安倍はその狂信的情念のままに突っ走り、それが常識から乖離していることに自ら気づかぬままに、神経と体調に異常を来たし、政権を放り出しました。
 安倍の言い分は、全く民意に添っていないということと、安倍が狂人であるということが証明された1年間でした。
 でも、狂人に振り回された日本を正常に戻すためには、自民党を倒さねばなりません。
 と言うことで、安倍に対する危険感から始まった私のブログも、今後も続けて行きたいと思います。

2007.09.25 16:50 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]













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2007.09.25 14:13 | ジョディーは友達