「政治とカネ」の問題が、どういうわけか農水相というポストに集中して次々と起きた形だ。今回の遠藤大臣の行為は、過去の事務所費問題より悪質だとの指摘はもっともだし、厳しく追及すべきことには違いあるまいが、正直言って「またか」とうんざりする。
それに対抗してであろうか、野党・民主党にもスキャンダル報道が相次いでいるが、中でも「虎退治」をやってのけた姫井由美子議員のスキャンダル報道など、私にはどこが問題なのかさっぱりわからない。最近は、「安倍晋三TBP」にもネット右翼からのTBも多く、ヒステリックに姫井議員を批判する記事が見られるが、噴飯ものである。確かに旧来の道徳観には反しているかもしれないが、姫井議員が違法行為を犯したわけでも何でもない。こんなバカバカしいスキャンダルではなく、政策をこそ競いたいものだ。
政策といえば、農政に関しては、それこそ「戦後レジーム」を形作った肝心かなめの政策の一つである農地政策が、今自民党政権によって大きく転換されようとしている。
子供の頃に敗戦を受けての民主化政策の一つである「農地解放」(農地改革)の意義について勉強したものだが、今、それが「時代に合わなくなった」として、「グローバリズム」に合うよう「カイカク」されようとしているのだ。
ちょっと前の毎日新聞に、農水相が戦後の農地制度の基本理念だった「自作農主義」を放棄し、「農地の『所有』よりも賃貸借などによる『利用』を重視した法体系に転換することで、大規模農家や法人に農地が集まりやすいようにする」と報じた記事が出ていた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070824k0000m010156000c.html
(リンクが切れている場合はこちら)
これはトンでもない政策転換だと私は思う。「小作農」という言葉を廃して「利用農」などと言い換えようとしているあたりが「差別用語狩り」みたいでいかにも胡散臭いが、要は農水省のやろうとしていることは、典型的な新自由主義政策で、グローバリズムに合わせて農業を大規模化し、「小作農」を復活させようとしていることにほかならない。私はこの政策を「逆農地改革」と名づけたい。
今回の参院選で、「地方の反乱」が起きて、これまで自民党を支持していた地方の農民が民主党支持に寝返ったというが、政府がこんな「農政カイカク」をしようとしていることを、地方を回った小沢一郎代表などに聞かされたら、そりゃ誰だって寝返るに決まっている。
この件に関してネット検索をしていたら、「日暮れて途遠し」というブログを見つけた。このブログの「新自由主義批判」のカテゴリには、政府の農政転換の問題点や、農政についての民主党と自民党の政策の違いなどが詳しく論じられていて、たいへん勉強になったので、ここに紹介しておく。不勉強な私にはこれをまとめる力などないので、是非リンク先をご参照いただきたいと思う。このブログで知ったのだが、農政に関して、朝日新聞の辻陽明記者が鋭く問題点を指摘する記事を書く一方、同じ朝日新聞の社説では、政府の主張に沿って「カイカク」の推進を促しているなど、大新聞でも論調の混乱が見られるようだ。こと経済政策に関しては、朝日や毎日の社説が、竹中平蔵が大臣をやっていた頃とさほど変わらず、新自由主義カイカク推進の立場に立っているらしいことには失望させられる。
ひとつだけ言っておきたいのは、新自由主義(というより、コイズミ)の走狗である田原総一朗らが、参院選における民主党の農業政策についての公約を「ばらまき」だと批判しているが、市場経済によって生じる格差を政府が再分配するのは当然の政策であって、これに「ばらまき」とか「大きな政府」などというレッテルを貼るのは、新自由主義者のプロパガンダにほかならない、ということだ。
よく、政治思想的左派が、防衛政策をとらえて「民主党も自民党も同じ」だと主張するが、こと経済政策に関しては、民主党内には自民党以上に過激な新自由主義者をかなり抱えてはいるものの、自民党と民主党の政策の違いはかなりはっきりしてきたと私は感じている。今後の政界再編は、政治思想面だけではなく経済思想面の対立軸を明確にするような方向でなされてほしいと思うものだ。
さて、政策というと、今朝の新聞に鳩山邦夫法相の見過ごせない発言が出ていた。「共謀罪」の成立を急ぐ、というものである。以下、「四国新聞」の記事から、共謀罪と死刑制度に関する法相の発言を引用、紹介する。
− 継続審議になっている共謀罪についてどう対応するか。
「組織犯罪をどうやって未然に防止するかは世界的に大きな課題だ。国際組織犯罪防止条約に入れないのは国際的に批判を受けかねず、来年の通常国会前半までに(関連法を)成立させたい」
− 死刑制度をどう考えるか。
「刑罰には犯罪の未然防止や抑止効果が期待されている。法治国家なので死刑は適宜執行されるべきだと思う。執行された人の実名公表については検討してみる」
(四国新聞 2007年9月4日付紙面 「閣僚に聞く」より)
死刑制度に関しては、民主党の一部議員や社民党、それに国民新党の亀井静香氏らが反対していて、これも今後の政策論争の対立軸の一つになるだろう。
それにしても、権力はまたぞろ「共謀罪」成立をもくろみ始めたようだ。こんなふざけた自民党政権は一刻も早く打倒しなければならない。
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私は、自民党案とは違いますが、農地の集約化に賛成です。新自由主義に基づくものではなく、社民主義に基づく、農地の公共・有効利用の考えです。
戦後の乱暴な農地解放で、1小作農が営農地を所有して自作農化しましたが、世代が移り、相続のため、農地の分割が進み、営農困難な小規模農地が発生しているのは事実です。その対策を、新自由主義に任せるのではなく、社民主義的に土地の公有に準ずる形で大規模化するのは良いと思います。一方で古い概念を復活させますが、営農者には、民法の永小作権を現代版にした、営農権を認めてはどうかと考えています。
まぁ、政策論の話ですので、今すぐ動向と言うわけでは無いですが、問題が今あるのは事実ですので、それをどう解決するかでしょう。
2007.09.04 16:28 URL | 眠り猫 #2eH89A.o [ 編集 ]
ただ、いずれにせよ「集約化」が進めば「自分の農地のお守りをしなければならない」からといって地方に残っている零細自作農家は単なる賃借料受給者になって地方を去り、過疎化が今までと比較にならない規模で進むでしょう。
「逆農地改革」とは、そのとおりで比較的少数の小作人(実態は戦前の小作人より、プランテーション労働者に近くなるのではないか?)が農作業のため残ったとしても、少々集約したところでアメリカなどには勝てはしません。 法人の経営が破綻したら、その農地は本当に荒地になるしかなくなるでしょうね。
2007.09.04 19:48 URL | 焚火派GALゲー戦線 #tmqJlh8o [ 編集 ]
幣グログのご紹介ありがとうございます。
TBができませんでしたので、関係記事のURLをコピーさすぇていただきます。
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/edcfaae024d0cc25a6ef6da72b937508
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/ebf01abef433173de8f5b9a54c72977c
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/9b2c90523fd29e5d649f86303355dc6c
2007.09.04 21:15 URL | 日暮れて途遠し #- [ 編集 ]
私は、ばらまきと称して税金が国民へ再分配されるほうが、改革(カイカク)と称して税金が米国へ垂れ流しされるより、よほど健全で有効な政策だと思っています。
2007.09.04 22:41 URL | scotti #- [ 編集 ]
アメリカやEUは生産コストの半分程度を輸出補助金で補助してるのに、
日本の国内農家に対して自助努力だけでやれというのは無茶です。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/6172e3f1e515a989e538779176cdf5c2
2007.09.05 05:58 URL | のと #- [ 編集 ]
トラックバックさせていただきました。
経済的左派で、立憲主義を守り、専守防衛+PKO(国連で認められた)くらいなら、まずよしとして結集すべきだと思いますね。
社民大連合政権を考えています。
2007.09.05 12:55 URL | さとうしゅういち #- [ 編集 ]
>市場経済によって生じる格差を政府が再分配するのは当然の政策
と、私も思います。
また企業も儲けを、従業員や下請けなどに回すべきですし。
軌道修正しないと、自民党は、今まで以上に、国民からそっぽを向けられますね。
それが困るから、共謀罪で、反対意見や反対運動をつぶそうとしているのだと思います。
それと、改憲が困難になりそうなので、それを打破するために、共謀罪で国民が声を上げられないようにしているのだとも思います。
いずれにしても、邪悪は政権です。
つぶすべし。
2007.09.06 21:50 URL | 非戦 #tRWV4pAU [ 編集 ]
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2007.09.09 14:22 | 散策











