きまぐれな日々

金を払ってまで産経新聞を読んだことはないが、外食する時、店においてある産経新聞を読むことはある。御用新聞だけのことはあって、体制内の情報は結構詳しい。

昨日(29日)もたまたま産経を読んでいたら、アレっと思う記事があった。
「【内閣改造 土俵際の再出発】(下)本気だった『倒閣』」と題されたその記事は、1面に出ていたが、記事がスペースに収まりきれず、はみ出した続きが4面に掲載されていた(大阪本社版)。

この産経の記事については、明月さんのブログ 「反戦な家づくり」 が取り上げているが、元ナベツネ・ウォッチャーの私には、絶対に見過ごせない記事だ。何しろ、ナベツネ(渡邉恒雄・読売新聞会長・主筆)が山崎拓、加藤紘一、古賀誠、津島雄二の4人と密会し、安倍内閣打倒の策を練っていたというのだ。以下産経の記事を抜粋、紹介する。


 2日後の7月31日。東京・汐留の高層ビルの一室で、参院選で瀕死(ひんし)の痛手を受けた安倍政権を揺るがす密談が繰り広げられていた。

 「メディア界のドン」といわれる人物が主催する秘密会合に顔をそろえたのは派閥領袖級の4人。元副総裁の山崎拓、元幹事長の加藤紘一、元幹事長の古賀誠の「新YKK」、そして元厚相、津島雄二だった。

 誰とはなく「安倍はもうダメだ。世論が分かっていない。一気に福田擁立でまとめよう」と声を上げると、新YKKとは一線を画していた津島も「あの人(安倍)には人の暖かみを分かる心がない。『正しいことさえ言っていれば人は分かってくれる』と思いこんでいる」と応じた。

 くしくも同じ夜、森は別の会合で「次の内閣改造のキーワードは『安心』と『安全』だ。失敗すると安倍は厳しい」と語り、福田、谷垣の入閣が政局のカギを握るとの見通しを示し、こう言った。

 「どんなに追い込まれても、安倍に解散はさせない」

 森のこの言葉は一気に広まった。加藤らは「福田擁立で各派がまとまれば森は乗ってくる」と手応えを感じた。この後新YKKが不気味なほどに沈黙したのは、それだけ「倒閣」が本気だったことを示していた。

 汐留での会合で慎重姿勢を崩さなかった古賀も3日朝、都内のホテルで開かれた財界とのセミナーでは多弁だった。

 「参院選は歴史的な大敗だが、首相の続投も歴史的な決断だ。内閣改造の結果をみて私たちもどう行動するか考えなければならない」。古賀は最後にこう結んだ。

 「衆院解散はびっくりするほど早くなる」

(Sankei Web 2007年8月29日より)


この記事に書かれた「メディア界のドン」がナベツネを指すことは疑う余地がない。このフィクサー気取りの巨大マスメディア独裁者を扱った魚住昭氏の名著 『渡邉恒雄 メディアと権力』 (講談社、2000年)については、当ブログでも何度か紹介したことがあるが、ナベツネは「国家と一体化する新聞」を目指すとうそぶき、かつても自自公連立の際にも、自民・自由・公明の3党首脳と密会しては写真週刊誌に報じられていたものだ。

[当ブログの関連記事]
 「ナベツネと靖国と安倍晋三と(その1)」 (2006年7月12日)
 「ナベツネと靖国と安倍晋三と(その2)」 (2006年7月19日)
 「ナベツネと靖国と安倍晋三と(その5)」 (2006年7月27日)

そのナベツネが反安倍の4氏と密会したというのだが、明月さんも指摘しているように、読売新聞は安倍内閣の支持率調査で、マスコミ各社の中でも断トツの「44%」という数字を出している。

これを明月さんはナベツネと自民党政治家の間で、「なんでも良いから、形だけ挙党一致体制を作って、その上で麻生に禅譲せよ」ということで話がついたのではないか、と推測している。

あるいはそうかもしれないが、腑に落ちないところもある。

というのは、ナベツネと密会した反安倍の4氏と麻生太郎では距離が大きすぎるからだ。同じ吉田茂の系列でも、麻生と加藤・谷垣の距離はとてつもなく大きいと私は考えているし、伝え聞くところでは、仮に政権の座を追われたとしても次は麻生、と考えている安倍に対し、森喜朗は安倍の次は福田と考えており、安倍と森の対立は激しさを増しているという。そして、安倍と麻生の背後には小泉純一郎がいることは間違いなく、コイズミの新自由主義にはナベツネは真っ向から反対しており、コイズミ政権末期には読売新聞は政権とずいぶん距離を置いていた。例の読売が朝日などと組んで仕掛けた「反靖国キャンペーン」もその一環であり、私は昨年7月26日のエントリ 「メディア横断キャンペーンの仕掛け人は、やはりあの人?」 にも書いたように、日経新聞の「富田メモ」スクープもナベツネの仕掛けだと推測している。ナベツネは、必ずしも「反安倍」ではないが、「反コイズミ」であるのは間違いないだろう。

そのナベツネが、コイズミ系列につながる麻生太郎への禅譲路線をあっさり受け入れるだろうか、というのが私の疑問である。

以前、森田実氏が、安倍晋三の後ろ盾になっている、岸信介を崇拝する秘密結社のような組織が、
マスコミはほぼ完全に握った。大マスコミの実力スタッフをメンバーにしているようだ。「某マスコミ機関の実力者が反政府的言動を強めているが、そのマスコミを自由に動かすことができないのは、その報道機関のなかに親衛隊が存在しているからだ」。
と指摘したことがあった(「森田実の時代を斬る」 2006年1月27日)。

岸信介がCIAから金をもらってアメリカの意のままに動くロボットであったことは、次々と公開されている資料から明らかになりつつある歴史的事実だと思うが、森田さんのいう「日本の情報をコントロールし、日本の政治を動かす政治権力の一種の親衛隊」もまた、アメリカの意を受けて動いていることは想像に難くない。

ナベツネはむしろそれとは対峙するスタンスにありながら、読売新聞社内では「親衛隊」の勢力がかなり強まっており、ナベツネはもはや読売新聞の全権を掌握しているとはいえない状況なのではないか。そう私は推測するのである。


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なるほど です。しばらく、情報に注意したいと思います。

2007.08.30 09:13 URL | 明月 #- [ 編集 ]

そろそろオールドメディア工作活動
再開のようです。
0\ガソリンスタンド法延長をめぐって
先手を打ちに来たようですね。

2007.08.30 12:25 URL | lark #jL.13uzg [ 編集 ]













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