27日、安倍改造内閣が発足した。
多くの方々同様、一番代わらなければならない人間が留任することが前提となっている内閣改造なんてどうでも良い、と思っているので、この件でエントリを起こすこと自体いまいましいほどだが、顔ぶれを見たら、突っ込んでくれ、といわんばかりの改造になっているので、ちょっとだけ触れてみたい。
誰が見ても内閣総辞職が相当、という状況で、民意を無視して退陣を拒否した安倍晋三首相だが、どのような方針に基づく内閣改造になるかについて、あらかじめ下記の4通りを想定していた。
これらのうち、私がもっとも警戒していたのは3. の挙党体制的内閣だったが、そうはならず、安倍カラーにこだわるでもコイズミの「カイカク」路線を強調するでもない、4. の無定見な内閣改造になるのではないかと楽観的な予想をしていたところ、実際にそうなった。
仮に、福田康夫や谷垣禎一が入閣したり、石破茂が防衛大臣に就任したりするようなことがあったら、「安倍改造内閣侮れず」との印象を与え得たと思うが、そうはならなかった。「産経新聞」は、自民党9派閥のうち町村、高村、伊吹、麻生、二階の派閥の会長5氏が閣僚や党役員に就任または留任したことから「重厚な布陣」などと評価しているが、現在の派閥の領袖はかつてと比べてずいぶん小粒になったな、というのが私の偽らざる感想だ。たとえば、「森派」はもうだいぶ前に「町村派」に衣替えしたにもかかわらず、未だに「森派」と呼ばれることが多い。
いくら派閥の領袖が加わったといっても、昨年の総裁選で安倍と争った福田康夫や谷垣禎一が外れていては、「挙党内閣」からはほど遠いと思う。
次に政策面だが、防衛大臣の高村正彦の率いる派閥は三木派・河本派の後身である。硬骨漢だった三木や河本とは異なり、高村は統一協会との関係も指摘され、政策的にも「タカ派」的とされているが、それでも筋金入りの極右である安倍晋三の思想信条とはかなり開きがあるのではないか。ここは、手強い石破茂あたりを持ってこられなくて助かったという印象だ。
あと、目を引くのが財務相に額賀福志郎をもってきたことだ。昨年7月13日のエントリでも書いたように、1998年に防衛庁長官、2001年にはKSD事件に絡んで経済財政担当大臣をそれぞれ更迭された男だ。昨年には「敵基地攻撃論」を唱えて批判された。額賀は津島派に属しており、自民党の政策としてスケジュールに上がっている消費税引き上げで、泥をかぶってもらうためにわざわざ対立派閥から攻撃にさらされやすい議員を選んだのではないかと思えるほど、摩訶不思議な人事だ。ただ、額賀氏の起用によって、安倍が「コイズミカイカク」路線の強調には消極的であることだけはわかる。
あと、伊吹文明、冬柴鉄三ら5人が留任しているのが、新味がないとの印象を強めている。評判の悪かった首相補佐官は5人から2人に減らし、コイズミ直系といわれる小池百合子は防衛大臣留任どころか結局首相補佐官からも外れて無役になったが、拉致問題担当の中山恭子と教育再生担当の山谷えり子を留任させたあたりに、安倍のこだわりが伺われる。「テレビ三面記事・ウイークエンダー」のレポーターを務めていた「元テレビキャスター」の山谷は、教育再生会議を迷走させた元凶とされており、これまでの10か月でさんざん無能さを露呈してきて、今回の内閣改造では誰もが山谷の更迭を予想していた。安倍は、他の誰を切っても山谷だけは守りたかったのではないかと思われる(笑)。
安倍がなんとか面目を保ったのは、年金問題で舵取りの難しい厚生労働大臣に、参院選前後に厳しく安倍を批判していた舛添要一を起用したことくらいだろうか。これは、今回の改造で唯一のマシな人事だったと思うが、内閣改造全体としては、非常識といえる「続投」に見せた安倍の人並み外れた権力への固執とは裏腹に、信念も執念も何も感じられない内閣改造だというほかないだろう。
いずれにしても、「空気が読めない」、「機能が弱い」、「解散控えてヨタヨタ」の安倍「KY」改造内閣になった。突っ込みどころ満載のこの内閣を、今後も批判していきたい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

多くの方々同様、一番代わらなければならない人間が留任することが前提となっている内閣改造なんてどうでも良い、と思っているので、この件でエントリを起こすこと自体いまいましいほどだが、顔ぶれを見たら、突っ込んでくれ、といわんばかりの改造になっているので、ちょっとだけ触れてみたい。
誰が見ても内閣総辞職が相当、という状況で、民意を無視して退陣を拒否した安倍晋三首相だが、どのような方針に基づく内閣改造になるかについて、あらかじめ下記の4通りを想定していた。
1. 引き続き「安倍カラー」にこだわる、政治右派色の強い内閣改造
2. コイズミ流の「構造改革」に力点をおいた、経済右派色の強い内閣改造
3. 「反安倍」の人たちを取り込んだ、挙党体制的な内閣改造
4. 上記のどれにも当てはまらない、無定見な内閣改造
これらのうち、私がもっとも警戒していたのは3. の挙党体制的内閣だったが、そうはならず、安倍カラーにこだわるでもコイズミの「カイカク」路線を強調するでもない、4. の無定見な内閣改造になるのではないかと楽観的な予想をしていたところ、実際にそうなった。
仮に、福田康夫や谷垣禎一が入閣したり、石破茂が防衛大臣に就任したりするようなことがあったら、「安倍改造内閣侮れず」との印象を与え得たと思うが、そうはならなかった。「産経新聞」は、自民党9派閥のうち町村、高村、伊吹、麻生、二階の派閥の会長5氏が閣僚や党役員に就任または留任したことから「重厚な布陣」などと評価しているが、現在の派閥の領袖はかつてと比べてずいぶん小粒になったな、というのが私の偽らざる感想だ。たとえば、「森派」はもうだいぶ前に「町村派」に衣替えしたにもかかわらず、未だに「森派」と呼ばれることが多い。
いくら派閥の領袖が加わったといっても、昨年の総裁選で安倍と争った福田康夫や谷垣禎一が外れていては、「挙党内閣」からはほど遠いと思う。
次に政策面だが、防衛大臣の高村正彦の率いる派閥は三木派・河本派の後身である。硬骨漢だった三木や河本とは異なり、高村は統一協会との関係も指摘され、政策的にも「タカ派」的とされているが、それでも筋金入りの極右である安倍晋三の思想信条とはかなり開きがあるのではないか。ここは、手強い石破茂あたりを持ってこられなくて助かったという印象だ。
あと、目を引くのが財務相に額賀福志郎をもってきたことだ。昨年7月13日のエントリでも書いたように、1998年に防衛庁長官、2001年にはKSD事件に絡んで経済財政担当大臣をそれぞれ更迭された男だ。昨年には「敵基地攻撃論」を唱えて批判された。額賀は津島派に属しており、自民党の政策としてスケジュールに上がっている消費税引き上げで、泥をかぶってもらうためにわざわざ対立派閥から攻撃にさらされやすい議員を選んだのではないかと思えるほど、摩訶不思議な人事だ。ただ、額賀氏の起用によって、安倍が「コイズミカイカク」路線の強調には消極的であることだけはわかる。
あと、伊吹文明、冬柴鉄三ら5人が留任しているのが、新味がないとの印象を強めている。評判の悪かった首相補佐官は5人から2人に減らし、コイズミ直系といわれる小池百合子は防衛大臣留任どころか結局首相補佐官からも外れて無役になったが、拉致問題担当の中山恭子と教育再生担当の山谷えり子を留任させたあたりに、安倍のこだわりが伺われる。「テレビ三面記事・ウイークエンダー」のレポーターを務めていた「元テレビキャスター」の山谷は、教育再生会議を迷走させた元凶とされており、これまでの10か月でさんざん無能さを露呈してきて、今回の内閣改造では誰もが山谷の更迭を予想していた。安倍は、他の誰を切っても山谷だけは守りたかったのではないかと思われる(笑)。
安倍がなんとか面目を保ったのは、年金問題で舵取りの難しい厚生労働大臣に、参院選前後に厳しく安倍を批判していた舛添要一を起用したことくらいだろうか。これは、今回の改造で唯一のマシな人事だったと思うが、内閣改造全体としては、非常識といえる「続投」に見せた安倍の人並み外れた権力への固執とは裏腹に、信念も執念も何も感じられない内閣改造だというほかないだろう。
いずれにしても、「空気が読めない」、「機能が弱い」、「解散控えてヨタヨタ」の安倍「KY」改造内閣になった。突っ込みどころ満載のこの内閣を、今後も批判していきたい。
↓ランキング参戦中です。クリックお願いします。

- 関連記事
-
- 「安倍内閣支持率上昇」はマスコミの自作自演だ (2007/08/29)
- 安倍「KY」改造内閣が発足 (2007/08/28)
- GoogleおよびYahoo!検索経由アクセスの話など (2007/08/25)
スポンサーサイト
性格悪すぎ、安倍。
わざわざ岩手県知事持ってくる。
鳩山弟に至っては、マスコミさえもそのえげつなさに声もださず静観。
このところの社会現象として、波風たてる対立を煽るような風潮が。。。給食費を払う人と払わない人。「年金未納者にも民主の年金改革では支給してあげるのか」と党首討論で反応した安倍最高権力者。そういう発想が反射的に出る。
おぞましすぎる、これがこの国の総理か。
2007.08.28 15:43 URL | 安倍湖 #- [ 編集 ]
トラックバックURL↓
http://caprice.blog63.fc2.com/tb.php/432-fb3ec083
人心一新 びっくり箱
ご本人の総理大臣辞任の発表サプライズがあると 期待していましたが・・。NO!と
2007.08.28 13:11 | じじへそ・ナンセンス絵ブログ