きまぐれな日々

参院選が終わって負けた安倍晋三は、醜く権力の座にしがみつき、インドなどを訪問している。今回は大量の財界人がついていっており、「KY」とは安倍のみならずこうした恥知らずの財界人にも当てはまるのではないだろうか。

当ブログの更新間隔は、このところ1日おきくらいになってしまっているが、これは参院選前からの予定の行動であり、自民党が参院選で大敗した今、あんな安倍ごときの悪口を書くのなど2日に1度で十分、それよりもっとやりたいことに時間を割きたいと思っているからだ。

その一つが読書であり、買い込んでいながら読めていない本がたくさんあることでもあり、これからじっくり読んでいきたいと思っている。

一昨日のエントリ「言論が一方向に振れる時 ? 山口県光市母子殺人事件をめぐって」も、かつて読んで印象に残った本があればこそ書けた記事だった。

その本とは、魚住昭著「特捜検察の闇」(文藝春秋、2001年)だった。

この本で著者の魚住は、田中森一、安田好弘という「悪徳」弁護士として知られる、ともに逮捕された二人の弁護士を題材にして、特捜検察の「国策捜査」を描いた。そして、安田好弘こそは「山口県光市母子殺害事件」の弁護団の中心人物なのである。この本を読んでいたからこそ、私は「安田=悪徳弁護士」という図式を、はなから全く信用せずに斥けることができた。「特捜検察の闇」によると、安田弁護士は、中坊公平率いる住宅金融債権管理機構(住管)が「国策」の名のもとに行っていた捜査や債権回収の実態と対峙していた。しかし、裁判官、弁護士、検事の法曹三者が一体となった「国策捜査」が行われ、安田は、債権回収を妨害するために不動産会社に「資産隠し」をしていたとして警視庁に逮捕されたのだった。

「国策捜査」については、佐藤優の「国家の罠」(新潮社、2005年)が名高いし、優れた本だ。佐藤優の逮捕も鈴木宗男の逮捕も国策だったし、鈴木宗男を追い落とすのに利用された辻元清美は、その役割を終えると自らも「国策捜査」の罠にはまって逮捕された。佐藤は、旧来自民党のケインズ型経済政策からコイズミ・竹中らのハイエク型経済政策に転換する「時代のけじめ」として、前者を代表する政治家である鈴木宗男が逮捕されたのだろうと考えている。

その鈴木宗男と佐藤優の対談本である「反省」(アスコム、2007年)がよく売れているようだ。私も読み、面白いとは思ったが、「必読の書」とまではいえないと思う。佐藤の対談本なら、これよりは以前にもご紹介した魚住昭との対談本「ナショナリズムという迷宮」(朝日新聞社、2006年)の方がずっと面白い。

私が今読んでみたいと思っている本の一つが、魚住が「特捜検察の闇」で扱っているもう一人の「悪徳弁護士」である田中森一が書いた「反転?闇社会の守護神と呼ばれて」(幻冬舎、2007年)である。410ページもあるハードカバー本で、読みでがありそうだ。

あと、最近読んで面白かったのが岩波文庫の「石橋湛山評論集」(1984年)である。

私が石橋湛山に興味を持ったのは昨年夏のことだ。「きっこの日記」の昨年8月6日付「原爆の日」は、非常に印象的な一編だが、日記の末尾に、「戦争を語り継ぐ60年目の証言」というサイトにリンクが張られている。そして、その中に「石橋湛山(第55代内閣総理大臣)の反戦論」というページがあるのだ。これは、半藤一利著『戦う石橋湛山』(東洋経済新報社、2001年)を紹介したものだ。その後、高橋哲哉「靖国問題」(ちくま新書、2005年)で湛山が敗戦直後に靖国神社廃止論を唱えていたことを知り、ますます興味は高まった。

岩波文庫の「石橋湛山評論集」には、その靖国廃止論は収録されていないが、100年近く前の二十代にして、早くも日本人に哲学が欠如していることを嘆き、1920年代に朝鮮・台湾・樺太・満州などの放棄や軍備不要論を説き、税源の地方移譲を主張した。湛山は個人主義と社会主義を融合させた「新自由主義」を唱えたというが、これはいうまでもなく「市場原理主義」の蔑称である現在の「新自由主義」とはベクトルが180度異なるものだ。

この石橋湛山が首相就任2か月で病気のために退陣し、代わって岸信介が首相になったのは、日本にとって痛恨事だった。

「石橋湛山評論集」は、昔の人が書いた本とは思えないくらい読みやすく、その内容は現在でも全く色あせていない。イッキ読みできるし、是非オススメの一冊だ。

最後に、政治関係から離れて読んでみたいと思っている本として、亀山郁夫氏によるドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の新訳(光文社古典新訳文庫、2006-07年、全5巻)をあげておく。私は新潮文庫の原卓也訳(1978年)で18年前に読んだが、読みやすいとの評判の高い亀山の新訳は、買い込んではあるものの未読である。参院選も終わったことだし、ここらでじっくり読んでみたいと思っている。


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石橋湛山が昭和20年10月27日号東洋経済新報に社論として掲載した「靖国神社廃止の議」はネット上の各所で掲載されています。

阿修羅板:
http://www.asyura2.com/0505/asia1/msg/293.html

情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊) 靖国神社廃止の議~自民党総裁石橋湛山
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/7c4cf33d6454e09ab7b2729a9e0dc980

>岩波文庫の「石橋湛山評論集」には、その靖国廃止論は収録されていないが、
没後10年に松尾尊兌さんが編集したが未掲載。社論は戦後のものだが、戦前の反戦活動がテーマであっても『戦う石橋湛山』という書名だから取り上げてもよさそうだと思うが、半藤一利さんは触れていない。何故だろうか?結構根深い問題が潜んでいるのではないだろうか?

2007.08.25 19:33 URL | ゴンベイ #eBcs6aYE [ 編集 ]













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